
<黒世>
白い病棟・・・。
何もない・・・。
有るのはベッドとベッドからぶら下がっているベルトだけ・・・。
窓もなくて・・・、ただ鏡があるだけ・・・。
時にはその鏡が怖ろしかった。
今のお前はまるで獣の様だぞと鏡に言われてる気がするぐらいに、
僕がよく映っていて・・・。
怖ろしくて・・・、腹が立って・・・、抑えられない感情がもっと悪くなるそんなイライラさせる鏡・・・。
そんな鏡は透視鏡で、あちら側では藪医者がどんな面を下げて僕を見ているのか・・・。
実験動物にでもなったそんな気がする・・・。
僕はよく記憶が飛ぶ・・・。
理由は僕自身には解らない。
ただ一つ記憶が飛ぶ前に怯えてベッドの中で丸まっているというしか覚えがない。
時計を見てもいつも解らない。。。
朝なのか昼なのか、それとも夜なのか・・・。
日付さえ解らない・・・。
いや、日付を見ても時間に左右されない自分が日付なんて気にしても、別に意味がないのだ。
もし日付や時間を知り左右されていたとしても、記憶が飛び時間や日付も大幅にずれてしまいすぐに理解できなくなる。
ふと気が付けば日付も時間も滅茶苦茶なのだ・・・。
そんな中で生きてきて僕はおかしくなっていた。。。
おかしくなった僕は色んな人を傷つけていたみたいだった。
僕の記憶がない内にみんな僕に傷つけられていって・・・、自ら身体を封じた。
白い部屋へ入る前に見た母の顔は、いつになくスッキリとしていた。
ほんの少しではあるが笑顔まで見られた。
母は僕によっぽど疲れていたんだろう・・・。
僕は白い部屋に入る前安らぎをえた・・・。
「これで母を・・・、父を・・・、家族や大切な人々を壊すことはなくなる・・・。」
「そして僕が壊れるところを母は見なくても良いようになる・・・。」と・・・。
いつの間にかベッドで寝ていた。。。
白い天井を穴が空くほど見つめて、他を見ることはしなかった。
いや、しなかったのではなく頭も固定されてるために出来なかった。
時折目を閉じてじっとしている。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・。
今何時だろう・・・。
今は朝?夜?
・・・・・・。
誰も答えない・・・。
誰も答えてくれない・・・。
まぁ、いい・・・。
どちらにせよ又昼夜が解らなくなる。
又天井を見つめて、眠気に任せ眠りにつく。
・・・・・・・・。
ベルトはいつまで経っても外されることはなかった。
そして宵の残酷へと続いてしまった・・・。
冷たくて温かい、誰かが封を宵の残酷の封を切ってしまった・・・。