絶望の底に落ちて抜け出せない僕・・・。
彼女は天へと行ってしまったらしい。
冷たくなって動かない彼女。
僕は屍となった愛おしい人見つめてこう囁いた・・・。
何故彼女の命でなければならなかったのかと・・・。
僕が罪を犯し、僕が受けなければならなかった罰を彼女が背負わなければいけないのか。
ゆっくり流れる僕の血液・・・。
ざっくりと切った手首からゆっくりと流れる。
妙に落ち着いて彼女を見ていた・・・。
悲しくて苦しくてどうしようもないはずなのに、
泣くことも何もしないでただただ擬死しているだけ・・・。
彼女は屍ではなく少しずつ人形に見えてきた・・・。
死んだのではなくて本来あるべき姿に戻っただけだったとそう感じる・・・。
彼女の体温はとても冷たくて気持ち良い・・・。
僕は狂ってきてるのか・・・?
冷たくなって動かない彼女をただの人形としてしか見られないようになり、
僕の腕の中に抱いている・・・。
悲しみに暮れるわけでもない。。。
寂しさに押し潰されるわけでもない。。。
何かを感じるために・・・、
そして何かを感じたから抱いているのだろうか・・・。
冷静に考えれば感じるなんて事有るはず無い。。。
絶望と悲しみと寂しさと悔しい気持ち意外に感じることなど・・・。
でもそれ以外に感じている物がある。
それが一体何なのかは僕自身でも理解できない。
やはり狂っているとしか思えない。
まだ綺麗な人形の内に水葬で流してあげるよ。
彼女は木材で作られた台の上に寝かせ、炎を灯した。
大きな木材の台は炎の手助けをしてその台の下の土が命を還す為に力を貸す。
ほんの少しだけの白い骨の粉は僕の糧になり、
あとの骨は水に包まれて又新しい命へと還す。
此で本当に彼女は安らかに眠れるんだね。
僕もようやく仕事を終えたんだ。。。
やっと罰を受け入れられるようになった僕・・・。
顔は熱さに負けただれてきて人相も変わってしまった・・・。
昔と変わらないのは僕の性格とあだ名だけ・・・。
夜に眠れば毎日やってくる金縛り・・・。
ふと目をやれば昔のままの君が泣きながら僕のただれた頬に唇を重ねてる・・・。
どうしてそんなに泣いているの?
僕の変わりに死んでしまったことが嫌だったのだろうか。。。
それなら僕も道連れにしてしまえばいい。
君の好きなようにして良いんだよ。
本当の僕なら君が死んだ日に一緒に死んでしまったのだから。。。
彼女は首を横に振って今度は僕の唇に重ねてくると消えていった。
僕に何を言いたかったのだろう。。。
彼女の涙だけが虚しく僕の心に刺さったままになってしまった。
時は大きく過ぎ、
私は
大樹の一部になってしまった・・・。
大きすぎた罪の意識から彼は自分自身に罰を与えてこうなってしまった。
私があの日ああやって枕元に立たなければこうなっていなかっただろう。
大変な誤算が生じてしまった。
そんな疎ましい彼と私が入れ替わったとき、
罪を本当の罪を私が償うこととなった。
こんな筈じゃなかった・・・。
こんな筈ではなかった・・・。
あぁ、うらめしい・・・。
いくら私が彼を殺めてたとしても次に身体を得る者、
すなわち私は彼を許さない。
絶対に許すことなどできぬ。
うらめしい・・・、やつのことが・・・うらめしい・・・・。