洋楽な日々〜その6:BEATLES『2』
今回は、アルバム「HEAVY GUAGE」に見えるビートルズの曲を紹介します。
このアルバムが、ビートルズの影響が濃いことは、最後にある「SavileRow〜サヴィルロウ3番地」 というタイトルで、ビートルズマニアには、一目瞭然です。以前BBSにもカキコしましたが、私の頭はすっかりそのことを抜かしていました。言い訳のようですが、ロンドン旅行をしたときは完全に頭の中は、シャーロックホームズとターナーに置き換わっていたのです。(だって、私がビートルズを集中的に聴いていたのは四半世紀も前ですぜ。)
それで、もう一度説明すると、「サヴィルロウ」、この『背広』の語源にもなった通りは、バッキンガム宮殿の北側、ピカデリーサーカスの西側にあり、文字通り紳士服を作る店が軒を連ねていたところです。その通りの3番地に、ビートルズのレコードレーベルである「アップル」が入っていたビルがあるのです。ここのスタジオで、メイキング映画「LET IT BE」が製作され、なかでも、屋上でDon’t Let Me Down、GET BACKを演奏するシーンは有名です。ずっと活動休止状態であったビートルズが、突然ビルの上でライブを始めたのですから、人は続々と集まり屋上を見上げ、警察も出動されました。
元にもどって、サヴィルロウに使われているのが、IN MY LIFE〔*1〕です。間奏のチェンバロ(あるいはハープシコード)のような音が、この曲に使われているのです。
それから、WILL BE KING。この曲は、始めマイナー調なのですが、途中でメジャー調に変わりますよね。このメジャーになったときの出だしにアコースティックギターを刻んでいますが、これはビートルズが解散後に、ポール・マッカートニーがつくったBAND ON THE RUN〔*2〕という曲の手法をまねています。
しかし、この2曲よりすごいことをやっているのが、SUMMER FM〜LEVEL DEVILですね。SUMMER〜は、HERE, COMES THE SUN〔*3〕のギターフレーズを随所に使っています。このフレーズを特定するにあたって、IF I NEEDED SOMEONE〔*1〕とどっちのフレーズだろうと迷いました。両方ともとても似ているのです。どうしてかというと、両方ともリードギターのジョージ・ハリスンの作曲だからです。ホントにこの2曲を混ぜたようなフレーズにTAKUROさんはしているのです。(私だって学生の頃、国産ハミングバードで、練習したことがあります。かなり無謀な試みでしたが、ジョージのギターフレーズは、どれもとても素敵なのです。)しかし、夏ってことで、HERE〜の方に軍配をあげました。
そして、順を追って説明していくと、SUMMER〜の途中で、昔懐かしい感じの、サーカスなどのBGMに使われそうな演奏が挟まっていますよね。これもビートルズBeing For The Benefit Of Mr.Kite(アルバム「Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band」に収録)に使われている間奏をまねているのです。
そして、最後にラジオから流れるような感じでピアノ演奏がされていますが、これはクラプトンのレイラではなく、Revolution 9を取り入れているのです。この曲は曲ではなく、ビートルズの偉大な実験なのです。ガラクタ、あるいはノイズともいえる様々な音源を8分以上にもわたって、つないであるのです。その一つにラジオから流れるピアノの音があるというわけです。サイケデリックムーブメントの中で、初めて音楽レコードでこのようなことが許されたわけですね。
Revolution 9の収まる通称「WHITE ALBUM」の三つ前の「REVOLVER」のころからビートルズは、ライブ活動を休止し、様々な活動にのめりこんでいくのですが、その一つに「インド宗教」というのがあります。先のジョージがインド音楽に強く影響を受け、そこからメンバー全員を巻き込んでしまうのですが、ジョージは、ポールやジョンの陰になっていた才能を開花させていきます。そこで作った、Love You Toにはインド音楽がふんだんに使われ、ジョージはシタールという民族楽器を自ら弾いています。そう、LEVEL DEVILの出だしのところですよね。インド音楽が使われているのは。ほとんどの人が、ここで頭の中に「???」が浮かんだことでしょう。私はというと、GLAYもとうとうここまで行き着いてしまったのか(笑)、という感想でした。それから、前回にも書いたようにGLAYのアルバムは、絶対、randomモードで聴いてはいけませんよ。
REVOLVERから様々な音楽的実験を繰り返し、その集大成〔*4〕とでもいえるアルバムが、先のWHITE ALBUM(本当にタイトルも何もなく真っ白なのです。ビートルズの名前だけがエンボス加工されています)ですが、このアルバムは2枚組みです。GLAYの実験的アルバムともいえるHEAVY GUAGE(これも白が基調になっていますね)と実験的活動NEVER MIND。この両者で、WHITE ALBUMに匹敵するのではないでしょうか。
* 1...アルバム「RUBBER SOUL」に収録されています
* 2...Paul McCartney&Wingsの「Band On The Run」に収録されています。
* 3...アルバム「ABBY ROAD」に収録されています。
* 4...REVOLVER→MagicalMysteryTour→Sgt.Pepper’s〜→WHITE ALBUMの順
で製作されました。
(2001年4月30日記す)