|
FAR BEYOND THE WORLD |
| TEN | |
| 1.Scarlet And The Grey 2.Strange Land 3.What About Me? 4.Glimmer Of Evil 5.Last Of The LOvers 6.Heart Of A Lion 7.Black Shadows 8.High Tide 9.Far Beyond The World 10.Who Do You Want Love? 11.Outlawed And Notorious 12.The Soldier (12.BonusTrack) VICP−61653 / 2001年 11月 |
|
| 天衣無縫の美旋律・・・ 欧州叙情派ハード・ロックの最高峰、TEN。スピード・チューンからバラードまで、緩急自在の ソングライティングが冴え渡る起死回生の6thアルバム。 |
|
|
この作品を聴く前に、Vinny Burns(G)の脱退ニュースを聞いた。最近ではMR.BIGのときもそうだったが、ニューアルバムが発表されてすぐや発表前にこんな報せを耳にしてしまうと、アルバム自体のイメージが褪せてしまいそうで嫌になる。ましてや、それがバンドの顔であったりする人物なら、なおさらである。TENはGary Hughesの作曲センスとVinnyのギターワークが売りのバンドだから、これからこのバンドはどうなってしまうのだろうか? いやはやのっけから、寒い話題を取り上げて申し訳ない。しかし、これは本作の内容について述べる前にどうしても言っておかなければいけないと思った事件だからなのだ。といのも、ここ最近の作品で、彼らは1st〜2nd時の評価がなんだったのかと疑問が浮かぶほど賛否の分かれ、しかも、否定派がやや多く占めるだろう声が挙がる事態に陥っていた。その中には借りモノフレーズが多すぎて白けるだの、過剰な装飾がかえって曲自体の弱さを露見しているだの.etc。僕自身はそんなことよりもむしろ2nd『NAME OF THE ROSE』以降のアルバムで、1個々々の曲がメロディや構成において後退していたこと、下降線をたどっていた作曲能力根本の方を心配したりしていた。なにしろ1st『TEN』、2nd『NAME OF THE ROSE』は楽曲のひとつひとつが際立って光を放っていた、それもアルバム中でというより、メロディアスHR史上でも燦然と強烈な輝きを煌かせる曲がいくつも無数にあった・・。それにくらべキツイ言い方をするが3rd以降の彼らは、その才能を磨り減らしてきたかのごとく精彩が失われつつあったように思うのは僕だけであろうか。そんなTENががけっぷちからの復活を期し、その渾身の力をこめて作ったのが本作であったはずだ、はずなのに・・・今度の脱退劇だから期待を込めて待っていたファンにはたまらない。ましてや内容的にも見るべき点の多い佳作を作ったなーと思っただけにその気持ちはひとしおである。 TENの特徴は、Garyの創るブリティッシュ・フレーバー顕著な哀メロで飾られたメロディアスROCKに、ときに激しく掻き鳴らし、ときにエモーショナルに咽ぶVinnyのギターとの融合と、厚いコーラスワークだといえる。もちろんミドル〜ローレンジが魅力的な、Garyのヴォーカルも魅力のひとつだ。本作ではオープニングの"Scarlet And The Grey"から本編最後の"Outlawed And Notorious"まで徹底して厚く重ねられたヴォーカル・ハーモニーが聴ける。爽快で幾重にも彩られた声のカーテンは、装飾のひとつではあっても決して押し売り的なクドイ印象を受けない一歩手前で巧妙にバランスがとられている。この辺りのGaryの音に対する感覚はいつもながらにさすがといえなくもない。@Aといつもよりややハードになった感のある音にのせて、決して大仰すぎない過不足なく纏められたメロディアス・チューンが聴けて少しほっとする。近年のアレンジ過剰気味の作曲志向には少々辟易していたので、安心した。Bは相変わらずの大人の落ち着きをもった甘美なバラードなのだが、僕にはこの曲はTENのバラードというよりもGaryのソロで聴けるそれに近いバイブがあるように感じられた。Dはこのアルバムのなかではやや毛色が異なる曲のひとつ。メロディに変化はないが、Vinnyのギターがそれまでの曲にはあまり出していないグルーヴ感あるうねりを随所に発揮していて、アルバムが似たような曲で占められる危険性を回避しているし、前後半折り返しの基点として次にくる絶品バラードと共に収まるべきところに収まった曲というべきか。Fからはまた前半と同じくアップテンポなキャッチーなのに湿っぽくこれぞGary節なメロディアスROCKチューンが続き、その後に一息入れるための十八番のバラードが来る。今作はほんとによくTENのTENたる所以であるハーモニーが要所々々で、上手く取り入れられすごく耳に心地よく響く。IはDと同様アルバム中異色の色彩を放つ曲で、それまでにないような楽観的ともとれる彼らにしては弾けた感じのファンタジックなPOPSONG。これがなかなか面白い出来で、アルバムが持っていたウェットで哀愁一辺倒だった感触が緩和され全体の印象までも変えてしまう。こんな曲も僕はアリだと思うが・・・。本編最後は安易にバラードに走らず、アップでドライブ感に溢れたTENのROCKバンドたる側面をきっちりと押し出してきていて好印象が持てた。いつもながらVinnyは巧いなぁ、彼の場合ただテクニック的に上手いというのみに留まらず、曲ごとにサウンド、テクを使い分けハードにもテクニカルにもエモーショナルにも弾き分けられている。情緒感を重視したときの彼の咽び泣くギターはほんと名人芸の一言に尽きる。 ここに来て少しは危機感を持ったのだろう、基本に立ち返って自分たちの得意とするところを改めて自分に問い返してみて、その上で曲作りに苦心した様が窺える。次回作があるのか、というよりバンドがVinnyという大きく開いた穴を埋めえてシーンに戻って来ることができるのか、意欲作を発表したあとだが、期待を込めて待つことにしたい。 【T2−2001年11月;86pt】 |
|
|
THE GREAT RADIO CONTROVERSY |
| TESLA | |
| 1.Hang Tough 2.Lady Luck 3.Heaven's Trail(No Way Out) 4.Be A Man 5.Lazy Days,Crazy Nights 6.Did It For The Money 7.Yesterdaze Gone 8.Makin'Magic 9.The Way It Is 10.Flight To Nowhere 11.Love Song 12.Paradise 13.Party's Over 25P2−2490 / 1989年 |
|
| 北米大陸2周半のロードから生まれた、グレイト・ソングス | |
| 良質なバンドの解散ほど悲しいものはない。長く音楽を聴いていれば、幾度となくそういう瞬間に立ち会うことになるわけだが、よい曲を書き、演奏も素晴らしく、ライブもうまいバンドならなおさらである。 このTESLAもまさにそういうバンドの一つである。装飾だらけのバンドが多数存在する中で、ストレートなかっこのいいハードロックを高レベルで繰りなすあたりはさすがとしかいいようがない。彼らは当時ミュージシャンの中にもファンが多いことで知られており、それは確かな演奏技術による完璧なライブパフォーマンスに依るところが大きいのだろう。この2ndアルバムを出した後、来日も果たしており、私は見逃したのだが、長兄が五本の指に入るライブと言い続けているのを聞く度に残念な気持ちになる。 とにかく何度も言うが曲が良い。特に1st、2ndは素晴らしく、その後アコースティックライブを出したのがまた良かった。 @Aに始まるかっこよさを聞いただけでゾクゾクするし、キース(Vo)の泥臭い歌い方がぴったりのB、明るいノリのCH、まさに王道DEGL、小気味いいスピードナンバーF、ドラマティックなIKなど、棄て曲は一切存在しない。そしてバラードJはもはや文句のつけようがない。 このバンドの特徴は、アメリカの土の臭いがする雰囲気にジェフ・キースのヴォーカルがマッチした部分で、トミー・スコーチ、フランク・ハノンのギターが泣きを効かし、そしてブライアン・ホイートとトロイ・ルケッタの完璧なリズム陣が支える。こう書くと日本人になじみにくい泥臭い渋いイメージを抱くかもしれないが、全くそんなことはなく、むしろ聞きやすく覚えやすいメロディーラインと正統派のサウンドが前編にわたって繰り広げられている。Kなんてハードロックの素晴らしさを凝縮した一曲である。特に最後のギターは鬼気迫るものがあり、心が大きく揺さぶられる感覚に襲われる。また、飾り気のないストレートな楽曲は、常にライブを意識したであろう作りになっており、聞いているうちにライブ会場の中にいるかの如き錯覚に陥るのも事実である。 これを聞く度、「こんな素晴らしいバンドがなくなるなんて・・・」と嘆かずにはいられない。そして忘れてはならないバンドである。 名作中の名作! 【末弟−2001年12月1日;95pt】 |
|
|
SECRETS ON PARADE |
| TIM CRISTENSEN | |
| 1.Secrets On Parade 2.Get The Fuck Out Of My Mind 3.Time Is The Space Between Us 4.Love Is A Matter Of... 5.Watery Eyes 6.Falling To Pieces 7.Let's Face It 8.Prime Time 9.Stranger 10.21st Century High 11.Catepillar 12.Kings Garden 13.Misty Mono (13.BonusTrack) TOCP−65680/2001年 3月 |
|
| DIZZY MIZZ LIZZYの未来がこのアルバムにあった― 汚れなきティム・クリステンセンの魂は健在である。メロディの申し子。傷ついた青年は 成長し、進化し、そして、さらに大きなスケールのミュージシャンとなってシーンに還ってきた。 |
|
|
快作である。98’年に突然解散したDizzy Mizz LizzyのVo.&Gであった Tim Christensenの初のソロアルバムは、僕にとって生涯にわたる名盤のひとつとなってしまった。全編を通じて共鳴してくるのは不思議な浮遊感につつまれながら、そこに内包する緩やかな感情の揺蕩い。それが歌詞であり、メロディでもあって曲が進むにつれその度合いを増して聴く者に迫ってくる。 実を言えば本作完成までの期間にTimはバンドを、そして恋人を失うという苦い経験をしているのだ。そのためかアルバム全編にわたって歌詞に反映されているのは一人の傷ついた男、その心の深淵が描かれているのである。それはアルバムタイトルにもなった@の冒頭部分にある"この感情は抑えられなかったんだ"、"僕の心はいろんなことでグチャグチャだ、ちゃんと整理をつけなくては"なる個所などからも、この作品を作る事でTimが求めたテーマ〜僕が推測するに、自己の内面の開放(もしくはより単純に心の癒し)?〜 が垣間見えてきはしないだろうか? 人によってはこれは パーソナル過ぎていてどうも・・・ と感じるかもしれない。しかし、それがなんだというのだろう。歌詞の中に入っていけなくてもいい、それなら Timが構築した音・メロディの美しき調べだけでも十二分に堪能してほしい。これだけ儚く、透明感溢れ洗練された素晴らしい音楽を聴けるのは希でしかない気がする・・・。 @〜Dの流れなんてヨーロッパ辺りの悲恋もの映画のサントラで使ったら最高だろう。言い換えれば、音楽に合わせて映像が浮かぶほどあらゆる感情が細密で圧縮されている作品が本作なのだ。細かな曲紹介なんて不要、希代の天才メロディーメイカーがその才に任せて生み出した名曲CDでも聴いてひたすら愁いの世界に浸るべき。 【T2−2001年6月;90pt】 |
|
|
AVANTASIA −THE METAL OPERA− |
| TOBIAS SAMMET | |
| 1.Prelude 2.Reach Out For The Light 3.Serpents In Paradise 4.Malleus Maleficarum 5.Breaking Away 6.Farewell 7.The Glory Of Rome 8.In Nomine Patris 9.Avantasia 10.A New Dimension 11.Inside 12.Sign Of The Cross 13.The Tower 14.Avantasia[editversion] 15.The Final Sacrifice (14&15 BonusTrack) VICP−61260/2001年 1月 |
|
| メロディック・ヘヴィ・メタル・シーンの若きヒーロー、EDGUYのトビアス・サメットが、 錚々たる大物アーティストたちとともに作り上げた、コンセプトアルバム! |
|
| オペラと表題されてはいるが、少し後に出たロックオペラ作品Nikolo Kotzev's NOSTRADAMUSなどと比較するとややオペラというには湧き上がってくるイメージが薄い。むしろTobias Sammetが考えた物語を基にコンセプトアルバムを作ったといったほうがしっくりくる。Tobias自身解説でも述べているように、メタル・オペラ"AVANTASIA"は速いメロディックなメタルと言う枠に収まっており、典型的ジャーマン・メタルのドラマティックなアルバムという感じ。
と、少々否定的な捕らえ方のようにみれるが実はこのアルバム、ものすごく気に入っている。タイトルチューンは最近のこの系統の音楽では出色の出来で一聴してKOされた。全体を通してみてもよくできており他の同系からは頭ひとつ抜けているだろう。物語自体は本作にて完結をみておらず、以後続編が発表されるらしい。なおこのアルバムに参加しているゲスト陣はKai Hansen,Michael Kiske,Sharon Den Adel,Andre Matos,Rob Rock他のなかなか豪華なメンバー。注目すべきはKiskeが久々に本格的なメタルソングでヴォーカルをとっているのだ。そんなに出番は多くないが、やはりすごい実力をもっている人だけに今回をきっかけにメタル界に本格復帰してほしい。 【T2−2001年8月31日;86pt】 |
|
| ★ ON THE TOP ★ ON THE TOP ★ ON THE TOP ★ |