■□■□■□■□■□■□■□■ REVIEW "W" ■□■□■□■□■□■□■□■

winterlong_valley.jpg VALLEY OF THE LOST
WINTERLONG
1.From Heaven To Hell 2.Sky Travellers 3.Winterlong
4.Valley Of The Lost 5.The Water Spirit 6.Nosferatu
7.Mystery Of Life 8.Victory 9.Written In Blood 10.Driven By Insanity
  〔輸入盤〕 2001/10月
北欧の地に芽生えた新たな才能の種子。それは北欧の厳寒を溶かしうるほど熱く激しい才気の迸りを秘め姿を現した。パワー・メタルの新種WINTERLONG、満を持してシーンにデビュー! 〔T2作〕
どうやらまたひとつ、北方の地スウェーデンに新たな超新星が出現したようだ。いやはや全くもってあの国は信じがたいねぇ。どうしてこうも次から次へと素晴らしいアーティストを送り出してこれるのだろう?なぜそれほど人口的にも、シーン規模においてもアメリカみたく巨大市場には到底及ばないような北方の小国に、これほどのまでの才能とエネルギーの結晶体が内包されているのだろう。実に興味の尽きない疑問ではある。
さて、このWINTERLONGはドラマティックな様式に彩られたメロディック・パワー・メタルバンドで、メンバーはいずれも20代と若くToni Erkkila(Dr)、Thorbjorn Englund(Lead G)、Hussni Morsare(Vo&Rhythm G)、Erik Tomberg(B)の4人で編成されている。本アルバムに収録している各曲の内容は、どうやらある種の物語性を帯びた題材を基に書かれているっぽいのだが、僕の寂しくも乏しい言語能力では詳しいところまでは不明で、大変申し訳ない(もしより詳細にその内容を紐解いてみたいという方がいたら、彼らのHPを覗いてみて欲しい)。
流麗でメロディアスなギターで幕が開ける@は掴みとしてはガッチリ嵌まっており、まさにWINTERLONGというバンドを理解するには絶好の曲である。そしてさらに疾走感が高まるファストチューンAで昂揚感が増し、続く自らのバンド名を冠したBは僕の最も好きな曲だ。先ほどまでとは一転して静かでミステリアスなイントロから瞬間、弾けたようにスピードチューンへと移行し、思わず腕を突き上げたくなってしまうサビといい、強烈に耳にのこるギターメロディが互いに相乗の効果をもって強い印象を残す佳曲である。なぜかジャーマン・メタルっぽく聴こえるメロディがややキャッチーなF、神秘的で泣きのギターがすごく涙腺を緩ませるインストGから、アグレッシヴでドラマティックなスピードチューンの良曲Hへは流れ的にも、センスの良さを感じさせる。締めのIは重壮なコーラスをバックに物語の閉幕を告げるが如く、清澄さと重々しい粛然とした趣きとを発散するラストに相応しい劇作風ナンバー。
このWINTERLONGは曲作りのセンスに目を見張るモノがあるし、より注目すべきものとして、アルバム全編に渉り、聴き手に抜群の存在感を示している、才気迸ったThorbjornのギターワークがある。彼は今後の成長次第では、スウェーデンシーンの新たなる牽引者の一人に成り得る才能をもっていると僕は思う。あと、このバンドに少しだけ苦言を呈するとすれば、Hussniのヴォーカルがときおり調子不安定になるので、次作での課題としてヴォーカルのパワーアップは必然であり、Hussniの成長による一層の飛躍を望みたい。
【T2−2001年12月10日;86pt】

★ ON THE TOP ★ ON THE TOP ★ ON THE TOP ★