■大槻ケンヂ■ のほほん学校6時間目

1999年1月28日 新宿ロフトプラスワン
★それ行け放送不適切曲集 パート2
ゲスト・PANTA・T.P.M.





今回の「のほほん学校」は、整理番号入りの前売りチケットが出ました。
当日入場の順番待ちをする事がなくなったのでファン仲間でオフ会をする事に。
十人くらいでワイワイ自己紹介したりして、ぎりぎりまで時間を
有意義に使う事が出来ました。
OPEN予定時間の15分前に会場に向かうと、張り紙が・・・。
いつも整列させられている公園で待つ様にと書いてあり、
みんなでぞろぞろ移動しました。
この日は冷たい北風もそんなに吹いてなかったので、前回よりも待つことが
苦ではありませんでした。
予定時間よりそんなに遅れる事なく会場への誘導が始まります。
わーい、今回は開場待ちがちょっと楽ぅ〜。

今日はPANTAさんがゲストです。いったいどんな方なんだろう・・・?
いろんな期待をぐるぐるさせつつお店の入り口を通り、
受付でフライヤー(チラシ)をもらい自分の席を確保します。
確保した席は真ん中よりも後ろですが、左右からはほぼ中心の席に
座る事が出来ました。
列が真ん中よりも後ろ、といってももともと狭い会場ですから良く見えます。
ステージにかけられたスクリーンにはなんだかよく分からない影像が流れています。
これはいったい何の影像なんだろう・・・?
昔のCMに続いて何かライブの映像が写ったり(しかも痙攣したような姿で
歌っていたりしている男の人等)、室内で録画したバンドの演奏風景だったり
何だかよく分かりません。
まわりの人達と「何だろー?」と言いながら訳も分からず見ていると、
突然天井から降って来るようなスピーカーの声が・・・。
「みなさぁ〜ん。聞こえますかぁ〜?」みんな一瞬キョロキョロ。
大槻さんの声です ! 気付いてザワザワとしだす会場。
そのざわめきで、会場に聞こえている事を確認した大槻さんは
「今、画面に流れているローファイ(がさつっぽい音?!)なあぶらだこみたいのが
UGS期待の一押しバンド<おろち>です。」
そういわれた「おろち」は実は後で知ることになるのですがレーベル名で、
画面に映っていたのはそこの一押しバンドの「レモンフーリガン」
というバンドでした。
大槻さんがかつて内田さん他、友達と組んでいた「ドテチンズ」(通称ドンズ)に
荒削り(笑)なところが良く似ていました。
ドラムの人はなぜか紙の手提げ袋を頭にかぶり、目の部分にアナをあけています。
怪しい・・・。おもいっきり怪しいです。
大槻さんは、「みなさんはどう思うかわかりませんが、私は大好きです。」
とコメントなさっていました。
それから暫くその「おろちレーベル」が岐阜方面でやっているという
ケーブルテレビの番組「ロック大学」のビデオを見て
・・・というか、見させられてから(笑)授業開始でした。

会場内にカンフー映画の音楽のような曲がかかり、大槻さんの登場です。
(たぶんブルースリーの映画音楽のカバーCDに大槻さんが参加したやつだと思います)
「おろち、いいでしょぉお〜?」とみんなに問いかける大槻さん。
含み笑いで答える私達、私の表情は笑いながらも複雑だったと思います。
結構ツボな部分はあったんですけどね(笑) 。
そして、スクリーンに映し出されている人達がどういう人達なのか
説明してくれる大槻さん。
その説明によるとさっき流れていた画像で、野外ステージの上で痙攣していた人が
町田康さん。
中学生みたいな子がゴミ箱とか叩いて「負けないぞーっ!」って言ってたのが
中学生時代の大槻さんご自身で、端の方でネルシャツみたいのを着て
銀縁メガネをかけていたのが、内田さんだったとか。
うーーん、昔の映像が良く残っていたものです。
まさかホンモノのドテチンズの映像が見れると思っていなかったので、
ドテチンズのカバーをやっている人たちかと思って
(そんなマニアックな人がいるのか?!)私はいい加減な気持ちで見ていましたよ。
もっと凝視してればよかったわぁ。

今日は、放送不適切曲特集の第2弾。
「前回暗いと不評だったので、今回は必ずしも放送禁止ではなく、
明るい曲でも歌詞にちょっと問題があったりして、大手企業のタイアップが
とてもとれそうもない様な曲をやります。」と、説明がありました。
「今だったら藤圭子の娘の宇多田ヒカルさんの歌を聴いている様な人には
受け付けない様な曲をどんどん歌っていこうと思います。」
そう言ってから大槻さんは「宇多田ヒカルはホント歌うまいよねー。」と、
誉めてました。大槻さんったら今時君だー。(笑)

今日の大槻さんのつかみトークは映画の話。特に「アルマゲドン」に関しては
内容を解説しつつ何が衝撃的だったか話す大槻さん。
「宇宙に行って穴を掘る映画」と一言でまとめる大槻さん。
会場も結構笑ってました。会場の雰囲気をトークでなごますのはホント見事です。
そして、今日のスペシャルゲスト「不適切ソングのパイオニア・・・と、
言ったら失礼でしょうか。すばらしいゲストの方が来てくださいました。
PANTAさんです!」と、大槻さんから紹介がありパンタさんの登場です。
今日のPANTAさんのいでたちは、茶系の色の付いた大きいレンズのはまった
サングラスに黒のニット帽をかぶりトレーナー・ジーンズ・コート・
首に巻いたスカーフ・すべて黒で統一。
開口一番、「いいもの見せていただいて。(笑)後で内田をからかうネタが出来たよ。」
と先ほどのドテチンズのビデオの事についてコメントなさっていました。
内田さんは PANTAさんのパソコンの師匠という事になっているらしいし、
たしかサバイバルゲーム仲間でもあったはず。
音楽の世界では大先輩のPANTAさんと内田さんは良い友達の様です。
ちなみに、この頃(中学生の頃)の内田さんのあだなはおばけのQ太郎に出てくる
ラーメン食べてるキャラクターの「小池さん」だったそうですよ。(大槻さん談)

まずは「頭脳警察」のファーストアルバムについて発売禁止になった
エピソード等を聞きました。
政治・sex・ドラッグ・・・等、放送不適切な要素がいっぱい有った為
発売をレコード会社の自主規制により発売中止になったんだそうです。
伝説と化したこのエピソードに関して当の本人は
「初めて出すアルバムが発売禁止になったらショックだよぉ〜。」
とおっしゃってました。
しかし、語り口のなんとソフトな方なのでしょうか。
「頭脳警察」は過激なバンドという話をどこかで聞いていたので、
目の前にいる穏やかで暖かい響きのある声でお話になっている方が
PANTAさんだと言うことがなんだか意外に思えていました。

頭脳警察のデビューした頃はまだCDの時代ではなくレコードの時代でした。
しかし、90年代に入ってからファーストアルバム以外はCDとして
ほとんど復刻したそうです。
しかし再発されても危ない歌詞は危ない。という訳でその辺どうなっているのか、
一例として「まるでランボー」という曲を流しました。
なんとその曲の危ない歌詞の部分に、拳銃の音がかぶせて録音されていました。
PANTAさん曰く「コレねー、普通のピーって音で消すのがシャクで
拳銃の音いれたんだけど、車でこれ聞いてると自分でびっくりしちゃうんだ。」
と言って口で拳銃の発射音を真似てびっくりしてよける振りをするPANTAさん。(笑)
そんな説明を聞いた後、「実際にその曲を修正なしで聞いてみましょう。」
という事でPANTAさんミニライブへ突入。

「そこで、もう一人のギタリスト、三宅さんでーーす。」大槻さんの声で
TPMでお馴染みの三宅さん登場。
おっ、三宅さん髪型がいつもと違います。短くなってなんだかかわいくなってました♪
大槻さんには、「(その髪型)ちょっとブルースリー入ってる。」なんて言われてましたが。
うーん、髪型的には似てなくもないか・・・。
で、三宅さんの登場と同時にステージの脇に降りて観客席からステージを見守る大槻さん。
その表情はなんだかPANTAさんの一ファンといったところでしょうか?
とても素直な表情をしていた気がします。
この時、ステージ脇の席で見ていた方は大槻さんの側で見れてラッキーでしたね♪

そして、ステージにはPANTAさんと三宅さんのみ。
PANTAさんの男っぽく且つ優しい響きのある声が一瞬にして
会場をPANTAさんのライブの雰囲気に。すごい・・・さすがです。
その存在感の大きさと内側からにじみ出てくる様な深さ。
サングラスの奥の穏やかな眼差しのそのまた奥にはいろんなモノがあるんだろうなぁ。

PANTAさんは最近この「まるでランボー」という曲を歌うとき、
「ジュテーム」(正式曲名はje taime moi non plus)という
セルジュ・ゲインズブールとジェーン・バーキンが歌った曲を
イントロにもってくるそうです。
この曲は録音スタジオにベットを持ち込んでsexしながら録音した
という逸話があるそうなんですが、PANTAさん曰く
「ジェーン・バーキンがすごくいい声だすんだぁ。みんなも聞いて勉強しなさい。(笑)」
との事。そういわれると聞いてみたくなってしまいます。どっかにないかなぁー。
そんな話でつかみつつ曲へ。

生で聞くPANTAさんの歌声はやはりステキです。
三宅さんのギターも決まってますぅ♪二人ともニコニコとして楽しそう。
最後の方はPANTAさんがフランス語の歌詞で歌ってらしたのはびっくりしました。
歌い終わってから大槻さんがステージへ嬉しそうな表情であがってきます。
今歌った「まるでランボー」の歌詞についてPANTAさんと共に
少し説明を入れてくれました。
もともとこの曲はブリジット・ホォンティーヌというフランスの女優さんであり
シンガーソングライターの作詞作曲したものをPANTAさんが訳詞して
カバーしていたものだった様ですが、歌詞はなかなか辛辣です。
「文学とか絵とか詩を知ってないと分からない歌詞」と大槻さんが言った様に
詩人や音楽家など歴史的な人物を「まるで〜の様だ」とばっさり切る歌。
その中の歌詞で、シェイクスピアが架空・・・というくだりについて大槻さんは
「これは、シェイクスピアは本当にいたのか分からない・・・
ホントはフランシスベーコンっていう人じゃなかったのか?
とか言うわれているんですよね。」と解説。
PANTAさんに「おっ、詳しいねー。」と言われ
「いやー、こういうの好きでして。」と照れ笑いする大槻さん。
その照れ方が私には、あこがれの人に誉められてる〜っ!
って感じの笑顔に見えたのでとてもほほえましく思ってしまいました。

次の曲に入るまでしばし大槻さんとPANTAさんのMCが続きます。
内容は放送不適切な事に関してだったんですが、知らなかった事が
いっぱいありました。
コマーシャルなどで手がアップになる時に指が4本しか見えないと
それはNGだったり。(でも、ミッキーマウスは指4本だなぁ。
これって問題じゃないのかなぁ・・・。世界的に認知されてれば
かまわないんでしょうかねぇ。) 
他にも、歌詞に使われる言葉で「床屋」が差別用語になるとか。
(これは昔、髪を結い上げていた時代にその仕事とセットで風俗のお仕事がされていた
・・・というので床屋という名前になった事から)「理髪店」と言わないと
歌詞として通らなかったそうです。
「そんなの歌になるかよぉー。それで歌作ってみろってんだよ。」とPANTAさん。
ごもっともです。
「非差別三団体の代表をレコ倫(レコード製作基準管理委員会)に連れてこいって。
それでオーケー出してもらえばいいじゃないか!」
企業はイメージが大切だから・・・クレームの電話が怖いだけなんだ。
自分の保身の為に。と、表現者としてそれを規制するものへの怒りをのぞかせていました。

そして話は70年代の学生運動の頃の話に。
【(注)日本の学生運動は、六〇年安保から七〇年安保までの十年ほどが一番盛んで、
原子力潜水艦寄港反対、日韓条約反対、ベトナム戦争反対、それに学園紛争などの
大きな流れが学生を飲み込み、やがて公害防止、福祉充実の動きにもつながって、
革新のうねりにもなったそうです。
学生と警官隊の乱闘時にお亡くなりになった方も出たそうで・・・
私も映像でしか見たことないですが、リアルタイムでその時代を体験した方の
お話を聞きましたが、大学の授業中いきなりガラス窓を割ってヘルメットをかぶった人が
乱入してきたり、各派閥間での抗争などもあり、かなり騒然としたものがあった様です。
「高度経済成長の雰囲気も手伝って、世の中がすごい勢いを持っていた頃。
思想(主義・主張)を持った人達は真剣に、そうでない方はその高揚した雰囲気に触発されて
熱い議論を戦わせていた頃」と、私は勝手に思ってますが・・・】

「その頃、学生運動とかの集会に呼ばれたりしたんですか?」という大槻さんの問いかけに
「もう、しょっちゅう!ヘルメット業界のアイドルでしたからね。(笑)」と答えるPANTAさん。
ヘルメット業界!!!すごい表現です。学生運動をやっていた人達はみなヘルメットをかぶり
タオルで口元をかくしていたのでそう呼ばれていたみたいです。
で、セクト(教派・派閥)ごとにそのヘルメットの色が違っていたそうです。
赤に白のラインが入ったヘルメットをかぶっていたのがML派(通称モヒカン)
といったらしいのですが、最近PANTAさんは京都でそのML 派の最後の一人と
お会いしたそうです。で、その人に「オレ、四万人いたML派の最後の一人なんですよ。」
と言われ、「おお、ラストオブモヒカンだなぁー。」って言ったらえらく受けた。(笑)
なーんて話をしていました。

その頃PANTAさんがかぶっていたヘルメットはもっぱら黒だったそうで、
これは「無所属ですよ」という印だったそうです。
街中で内ゲバとかあったら黒のヘルメットをかぶっていたとか。
内ゲバ・・・ううう、知らない言葉がいっぱい出てきます。
えっと、意味は辞書ひいたら「派閥の暴力を伴う内部対立抗争」と言うことらしいです。
街中でいきなり乱闘が起こったりしてたんですねぇ・・・
「オレの車のトランクにはヘルメットが全色そろっていたけどね。」
「どこ行ってもハマる様にね。」とニコニコして言うPANTAさん。
会場も大槻さんも思わず笑ってしまいます。
主義主張とか関係なくやりたくてしょうがなかったから内ゲバの乱闘に入って
暴れたりもしていたそうで・・・パワフルで荒っぽい世の中を
結構楽しんで過ごしていたのですね。

集会では政治や思想を盛り込んだ歌が歌われ、フォークゲリラというものが存在し、
歌に意味があった時代。
PANTAさんは「自分の言葉で歌うって事は何が一番変わるかっていうと、
歌に意味を求めてくる。歌に意味が出てきちゃう。
・・・英語の曲を英語の歌詞でコピーして歌っている時にはあまり歌詞に
意味を求めないけれど、日本語にして歌うと意味を求めてしまうよね。
そういう時代だったし。」その言葉の意味がその時私には良く分からなかったのですが、
PANTAさんについていろいろ調べていくうちになんとなくこう思いました。
PANTAさん本人が好むと好まざるとにかかわず、その歌が反体制のイメージで、
しかもそのイメージの代表の様に広く世に定着していった事実。
そしてそれにギャップやジレンマを感じていたんじゃないか?
その言葉はそういう事と関係があるのかなぁ・・・って。
過激な歌詞の歌、そしてそれをココロに響かせる様に表現するPANTAさんのは影響力は
きっと大きかった事と思います。いつしか自分の意志を圧迫するほどに・・・。
当時の事を良く知らない私には推測するのみなのですが・・・。
(うーん、見当違いのコメントだったらごめんなさい)

次の曲も過激な歌詞の含まれていた曲です。
ここで、「もう一人のギター。宮崎末飛登君です!」という大槻さんの紹介で
末飛登さん登場。末飛登さんもなんだか髪型が違います。少し短くなってます。
うん、良く似合う!ステージの上は向かって左から三宅さん、PANTAさん、
大槻さん、末飛登さんの順で並んでいます。
末飛登さんはPANTAさんを前にしてメチャメチャ緊張していた様で、
声のトーンが高くなってます。
実は末飛登さん、PANTAさんの大ファンだったのです。
88ロックデーというイベントでパンタ&ハルの「つれなのふりや」を聞き
衝撃を受けたのがPANTAさんの音楽との最初の出会いだったそうです。
あこがれの人と同じステージにいるという事は、きっと体がふるえるほどの緊張感
だったと思います。

演奏した曲は「悪たれ小僧」。ワン・ツー・スリー・ハァッ! というカウントから
カッコ良く入ります♪ PANTAさんは手拍子を入れて私たちをノセていきます。
でもその手には火の付いたタバコを持ったままでした。
手を叩く度に灰がハラハラと散るのですが、そんな事はもう途中から気にせず楽しそう。
全員ニコニコとしています。
私も嬉しくなっちゃって体も自然とリズムを刻みます。
歌の中で元気良く入る大槻さん、末飛登さん、三宅さんの「ヘイッ!」っていうかけ声も
テンション高くて聞いていて気持ちが良いです。
大槻さんも緊張していたのかせっかく前振りまでしていた「オォッ」っていうかけ声を
入れ忘れて、ちょっとやり直す一幕もありましたが、雰囲気はすごくいい感じ。

今回は、PANTAさん交えてのリハーサルは前々日と当日の二日で、
正味2時間ほどだったそうですが、ビシッとしまってて音が固まりで
ワァッと迫ってくる気がしました。ステージ上に気持ちの良い緊張感が走っています。
この後はMCが入ります。
ヤバイ歌詞をどうやってレコ倫に通したか・・・という話をしていました。


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のほほ学校6時間目その2