■ ROCK OF AGES 1999 しみ込むコトバ…。■


 1999年9月15日(水・祝) in 日比谷野外音楽堂

参加アーティスト: 大槻ケンヂwith野球
  SION(piano佐山雅弘、guitar松田文)
  山根麻衣 with New Archaic Smile
  After Me, In The Soup, YASS  他

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

この日は、台風16号が来ていました。時折小雨が降り、
会場前で待ち合わせをしていた人達は不安げな目で空を見上げていました。
重そうな雲が広がっていました。
危険防止の為 会場内での傘の使用は禁止されています。
私はレインコートを持っていましたが、そうとは知らない人達は
路上販売のレインコートを買い求めていました。

三時が過ぎて、オープニングアクトの人達の演奏が始まりました。
私は、コートを羽織って会場に入りました。
席を見つけ座ったとたん本格的に雨が降り出 してきて、
「ずっとこんなだったらどうしよう・・・。」と、ちょっぴり不安になりました。

オープニングアクト一組目は男の子二人のグループで今年中にデビューが決まっていると
言ってました。(グループ名忘れました。ごめんなさい〜。)
アコースティクギター二本で歌う彼らの歌は、かわいい感じがして好感がもてました。

降っていた雨は小降りになってきたので、被っていたコートのフードを外しました。
次のオープニングアクトは、ギターの音が鳴った瞬間分かりました!
「黄金井 治」さんです。私この人の演奏見るのは2回目ですが、好きなんですよ〜。
思っても見なかった御出演に、私は嬉しくてニコニコしながら聞いてしまいました。
途中で爪が一本取れて しまうアクシデントがありましたが、 相変わらず情熱的な
(フラメンコっぽい)ギターを聞かせてもらいました♪
黄金井さんの演奏が終わる頃には雨も止んで、コートは脱いでしまいました。
このまま、降らないで・・・。ともう一度空を見ると雲は凄いスピードで流れていました。


そして、今日の正式ゲスト一組目、YASSさんです。
会場入り口でもらったチラシを見て知ったのですが、90年にLORANというバンドで
ファンハウスからデビューしていたとか。95年に活動停止後ソロ活動なさっていた
様 ですが、路上ライブで赤坂ブリッツのチケット付きCDシングルを発売して、
1000枚売 切ってライブも盛り上がったと言っていました。
この事は、大槻さんも「のほほん学校」の時「すごいよねー。」って言っていた気がします。
あったかい感じの元気が出る様な歌を歌っていました。
コーラスの女の子がキュートで、私はついそちらばかり注目しちゃってましたが・・・。

そして、二組目のゲストはAfter me です。この時、2つ隣の席の背広姿のおじさまが、
立ち上がって柵にもたれて彼らの歌を聞いていました。関係者の方かな?って一瞬思ったけど
どうもそうでは無い様な・・・。なんだか不思議な感じ。
私もそのうちそんな風に見られる様になるのかなぁ・・・。
でも、いつまでもライブには行きたいですよ。(笑)
この時、After me のボーカルの人はちょっと顔色が悪く、どうしたのかな?って思ったら
昨日熱を出してしまっていたそうでした。でも、歌う毎に表情が生き生きしてきて
汗を かきつつさわやかな声で歌ってくれてました。
以前私が彼らをON AIR WEST で見た時も、ボーカルの人は風邪ひいて大変そうだったの
ですが、体弱いのかなぁ?と、いらん事心配しつつ見てしまいました。σ(^◇^;)

三組目は 山根麻衣 with New Archaic Smile のみなさんです。
ステージにはDJブースの様な機械を乗せたテーブルがセットされて、
民族楽器の様なモノを持った人達が登場してきました。
不思議な取り合わせです。デジタルとアナログの融合をはかっている様です。
かわいい女の子の詩の朗読からこの人達のステージがはじまりました。
環境音楽のような、とても心地よい音が会場を包みこんで、メインボーカルの山根さんの
柔らかく落ち着きのある声が浸透していきます。
みんな引き込まれる様に耳を傾けていました。
会場の雰囲気がとても良い感じでまとまっていったので、山根さんもとても嬉しそうに
微笑みながら歌っていました。「私は今、サイコーに気分が良いよ。」と言った時の
彼女の顔はとても幸せそうだったなぁ。

四組目は SION(piano佐山雅弘、guitar松田文)さんです。
ピアノをステージ中央に持って来る時からすでにファンからのシオンコールが あがっていました。
熱狂的な支持層がある様で、彼らの声は熱を帯びていて心底待ちこがれていたのが
伝わってきました。
SIONさんが登場すると押さえきれずに前に押し寄せるファンが何人もいました。
ちょっとしゃがれたブルージィーな彼の歌声が響くと、それに合わせてみんな歌っていました。
「シオーン!飲んでるかーーっ!」って叫ぶ男の人。女の人。
お酒好きな人なんですね。私は初めてご本人を見ました。
とても雰囲気のある人だなぁって思いました。歌もなんだかジーンと来るものがあったし。
前に押し寄せてきた人達の中のカップルで来た女の子が感激して涙を流しながら聞いているのが
見えました。
彼氏がそんな彼女の肩をがっちり抱いて、崩れてしまわぬ様に支えて見ていたのが
とても印象的でした。 良いステージでした。

あぁ、この後大槻さんが出る?!やりずらくないか?!大丈夫なの????と、心配している中、
着々とステージの上では楽器入れ替えが進んでいます。
聞き慣れたギターの音。あれ、ベラさんのギターの音だな・・・。とか思いつつ、
セッティングしている人の着ているシャツを見たら「猫対犬」のTシャツだし。(笑)
バンド形式の生演奏で大槻さんが歌うってホント久しぶり。
ずっと座って見てたけど、立ち上がって私も柵に掴まって見る事に。
SEはなんだか落ち着いたちょっと妖しげな雰囲気のある曲で、いつもと違います。
オーケンファンの女の子が何人か前に来てオーケンコールをしていました。
「まさか、今回のステージお笑いでお茶を濁すのでは?」と一瞬そんな考えが
頭をよぎりましたが、すぐに袖から今日のメンバーが・・・。
今日の演奏陣は、(G)石塚"BERA"伯広さん(B)佐藤研二さん・(D)小畑ポンプさんと、
大槻さんのソロツアーでもお馴染みの人達です。
サトケンさんは、頭にアライグマの帽子を被って出てきてとってもかわいかったです。(^_^)
ステージ上には多めにスモークが立ちこめ、暗めのライティングの中、
背の高いシルエットが・・・。ファンのボルテージも上がります。
が、しかし、シルエットがいつもと違うのです。髪の毛が長い・・・。
そして、姿がはっきりして来るにしたがって、会場からは、驚きの声なのかオーケンの登場を
喜んでいる声のか訳分からない「キャーキャー」と言う叫びが響きまくってました。
ま、まさかこんな飛び道具みたいな事してくるとは・・・。
口をあんぐり開けて一瞬言葉を無くしましたが、気を取り直して隣りにいた知り合いに
「エリザベス会館?!」と、分かる人にしか分からない単語を発してしまいました。σ(^◇^;)

大槻さんが出てきた瞬間に、あまりの衝撃でそれ以前の事すべてがふっ飛んでしまいました。
なんと、大槻さん女装して出てきたんです。しかも、赤いバラを一本持って・・・。
ロングストレートのカツラをかぶり、柔らかい素材の黒い長袖の上着と黒のストンとした
ロングのスカート。両手に付け爪をしていて(赤く塗られています)首からは大小さまざまな
十字架のネックレスがかけられていました。
昔、大槻さんが牧師みたいな格好をしていた頃をちょっと思い出してしまいました。
メイクは濃くてアイラインが上下に引かれています。
黒ずくめの妖しい感じの女性の姿です・・・。
でも、靴はなんだか凄くイカツイ感じでした。ツルツル光る感じの素材で出来た先の尖っ
た靴でした。私には魔女っぽく見えました。でも、その靴(ブーツみたいな形だと思うの
ですが、)ちらっとスカートの隙間からのぞけたくるぶしから 上のあたりの側面に
蛇皮みたいのが張ってあって、びっくり。
そんなとこまで覗いてる私も私だけど・・・。σ(^◇^;)
(注)後日その靴は、大槻さんのスニーカーにつるつるの黒いガムテープを貼って
即席で作ったのだとう事が分かり更にびっくり。(笑)

なんだか私はすごく面白くなってしまって、笑いながら心の中で「やられた〜。」って
気持ちが広がっていましたよ。
大槻さんが片手に持っていたバラをぽとりと落とし歌い出した曲は、
「夢は夜ひらく」でした。その切りそろえられた(カツラの)前髪が、藤圭子を 彷彿とさせ、
会場からはどよめきと納得と笑いと歓声が微妙なバランスで入り交じり、
不思議な空気が流れます。
赤く長い爪が気になるのか、マイクを持つ指を何度もパラパラと動かす大槻さん。
握り込めずにとまどっていたのでしょうか?それとも、付け爪を強調したかったのでしょうか?
そして、いつのまにか小指を高々と立てて歌っています。(笑)

ざわめくお客にはかまわずに歌い続けていました。アイラインバッチリの目からは、
いつもより強烈な視線がビームを照射するがごとく会場に向けられ、その妖しげな雰囲気に
いつしかみんな飲まれていった気がします。
MCは無く、曲は進みます。
演奏した曲は(順番たぶん間違ってる&抜けあるかもですが)
<夢は夜ひらく・人間のバラード・十三階の女・ 死体の木漏れ日・
ヘイユーブルース・機関車>だったと思います。
「人間のバラード」と「ヘイユーブルース」以外は、「のほほん学校」の
「放送不適切曲特集」の時に歌ったものです。
でも、アレンジがロックバージョンというか、さらにドロッとしていて良かったです。
大槻さんの今日のスタイルと、とても合っていました。

「人間のバラード」って、こういう場で生で聞くとなんだかいいなぁ〜って思いました。
「十三階の女」も、キツイ内容だけど、女装の大槻さんが歌うと良い感じでキツさが
中和されて聞こえてきた気がします。
立ち姿も次第に女性らしくなってきて、上体を後ろに少し反らしたポーズは
なんだか艶めかしくてクラクラきてしまいました。
いいんだろうか、これで???! ! ! いや、いいかもしんないっっっ! と、次第に私の中で
楽しくてゾワゾワした感触がわき上がってきました。
歌う大槻さんの顔半分に赤いライトが当たり、妖しさ大爆発です。
この空間は現実離れした異質な空間です。野外なのに、大槻さんの回りには
しっかりとした独自の空間が出来上がっていました。
面白い・・・! MCなんて無くても、いや、この場合無いからこそ崩れないこの空間。
変に歪んだこの雰囲気の中、ただ歌い続ける大槻さんがえらくカッコ良かったですよ。
たまらなかったです。ホント。(笑)
「ついて来られる奴らだけついて来い」的なそのステージは、格好は女性でも
やけに男らしかった気がするのは私だけ?
会場からは、ちゃんと男性の声でアニキコールも来ていたし。
でも、中には「モヨコ〜!」と言ってる女性もいたなぁ。(笑)
確かにあの異常な感じは、モヨコと呼ばれていた頃の大槻さんの雰囲気も
なんとなく感じられました。

真面目に突き進むかと思いきや「ヘイユーブルース」を歌った時、
セリフの所を言い終わるあたりで和田アキコの真似まで飛び出して笑ってしまったけど。
会場のみんなも笑っていました。(^_^;)

バンドメンバーを紹介する時、ちゃんと女言葉になっていたのがまた何とも
言えませんでしたよ。こんな感じに。
「バンドメンバーを紹介するわ。佐藤研二こと“田園都市線”。」
な、何だ?その路線に例えてるのは意味あるの???私は疑問で一杯でした。
「小畑ポンプこと“常磐線”」
全員電車の路線に例えるつもりなのね・・・。(^_^;)
「石塚"BERA"伯広こと・・・(ちょっと声をひそめて)速いよ・・・“埼京線”。」
となりに居た知り合いが、すかさず「ベラさんマッハだ!」と、分かる人にしか分からない
コトバを私にささやきました。(^〜^)うぷぷ。そして、本人の紹介は続きます。
「そしてボーカルは大槻ケンヂこと“深夜特急”。今日から 『大槻ケンヂwith 野球』
改め『大槻ケンヂwith 電車』となりました。みなさんよろしくね。」

んがーーーっ!カッコいいぞー。(笑) 会場からも歓声がわきました。
しかし、『大槻ケンヂwith 電車』とは・・・。ますます訳分かんないです。(笑)
今回、大槻さんが曲中のセリフ以外でしゃべったのは、これくらいだったのでは
ないでしょうか。

すべての曲が歌い終わった後も、ただ静かに去って行っただけだったので、驚きましたよ。
「大槻ケンヂwith電車」(^_^;)が去った後、にわかに雨が強くなって来たので、
私は残りあと1バンドあったのですが、見ずに帰ってしまいました。
最後にセッションとかあったのでしょうか?その辺気になっているのですが・・・。
どうなんでしょうか?最後まで居た人からの情報を求む!(笑)

なんだか、えらいモン見たなぁーって感じが残る面白いライブでした。
「この形態でのライブはあまり頻繁にはやらない・・・。」みたいな事を
以前「のほほん学校」で大槻さんはおっしゃってましたが、いつかこのユニットで
ライブをする時は是非また行きたいです。(^^)

<1999年09月17日・とーやま>