黒い髪。

こぼれそうなぐらい、大きな目。

必要以上に整った容姿と、それに見合った性格。

コトバを大切に、仕事を大切に、1日1日を大切に。



あたしの彼氏、岡田准一はそんなひとなのです。





?砂糖どこにあるん?」

「右の戸棚の奥から2番目」



「あ、あった」


准くんとつきあい始めて、もうすぐ1年。

つきあい始めて3ヶ月で、今みたいな半同棲状態になった。

自分の部屋よりずっと狭いこの部屋で、准くんは週の半分以上を過ごす。

仕事が忙しくても、帰ってくるのはたいていココ。

もうすぐ、向こうの部屋を引き払う話が出てきそう。


「はい、カフェオレやろ?」

「あ、うん。ありがとv」


ちょっとゆっくりできるときは、准くんがコーヒーを淹れてくれる。

あたしはコーヒー苦手だから、ミルクと砂糖がいっぱい入ったカフェオレだけど。

あたし好みの味なのに、あたしにはこのカフェオレは絶対に作れないんだ。


何回挑戦しても、苦すぎたり甘すぎたり。

准くんだけが作れる、魔法の味。

あたし専用の、甘いカフェオレ。


「ねぇ、かまってよぉ」


准くんがコーヒーを飲みながら本を読み始めたら、あたしはそっちのけ。

3時間はヒマになっちゃうから、先手必勝。

フッ、って一瞬で優しい表情になって、あたしをゆっくり抱きしめる。


だいすきなラッコ抱っこ。

「何したい?DVDでも見る?」

「いい映画あるの?」

「んー・・・あんまない。一緒に借りに行く?」

「・・・週刊誌に顔が載るのいやだからいいや」

くるんって体の向きを変えて、准くんの胸に顔を埋める。

准くんのニオイ。

甘すぎず、さっぱりしすぎない、ちょっとえっちぃ感じのニオイ。

きっと、准くんと同じ香水をつけても、他のひとじゃこのニオイにはならない。

あたしだけの、准くんのニオイ。

以外の前でこの香水つけへんことにしてるん」って、ちょっと照れくさそうに言ってくれた、
だいすきな彼氏のニオイ。



「そんなん気にせんでえーやろぉ?」

「・・・ねぇ、准くん?」

「ん?」






「・・・あたしと仕事、どっちが大事?」








今まで、絶対にしなかった質問。

あたしの中で、1番しちゃいけなかった質問。

でも、あたしは返ってくる答えがわかってる。



「・・・もし、な?

オレが、『のほうが大事』って言うとするやん?
はそれでええの?

オレが、仕事せん男でええの?」



ほら。


あたしの予想通りの答え。




「・・・そう答えてくれる准くんがすき」



准くんの背中に回した腕を、准くんの服の中に滑り込ませる。


「キレーな背中」



「どうしたん、シたくなった?」



「・・・・・・・うん」



「よし、決まりな。

実は、オレちょっと前から我慢しとってんで?」



准くんにお姫様抱っこでベッドに運んでもらう。


静かにおろされた後、准くんがあたしに体重をかけて。

目の前にはだいすきな准くんの顔。

体の下には、准くんのニオイが染みついた、あたしのフカフカベッド。

胸には覚えのある、心地のいい重み。



今、あたしは宇宙一の幸せ者だ。
断言できる。


世間でいう、どんな『幸せなひと』より。



准くんは、軽く魔法使いだと思う。

准くんの魔法にかかっちゃったら絶対に抜け出せない自信がある。

抜け出すことを望まない自信も充分ある。










「准くん、あたしビョーキかも」

あたしの胸に顔を埋めてた准くんが、ふと顔をあげる。


「オレの方がたぶん重傷やで。
・・・中毒」




「・・・・岡田准一中毒の方が重いに決まってるじゃんっっ!!」



あたしが、ちょっと長めの准くんの髪をくしゃくしゃするのは、行為がちょっと深くなる合図。



この甘い幸福は、あなたが其処にいるが為に存在するのです。



*反省**
恭子が准くんネタといえば、
あの発言と決まっているのです。
あれは剛くんじゃ書けないでしょ。
一人称を「あたし」にして、ちょっと背伸びしてみました。