「・・・寒っ・・・」

4月になって桜も散ったっていうのに、何この寒さ。

このままだと、マジで地球ヤバいんじゃないの?
異常気象だよ。

・・・ていうか、連絡もナシに彼氏の家の前で
薄着でしゃがんでるあたしが悪いのか、これは?


今日の数学の時間はいつもの数倍退屈で。

公式なんか全然頭に入らなくなって、
健くんのことばかり頭に浮かんできて。


もうさ、逢わなきゃ授業にも集中できないし。

逢わずに無駄な時間すごすより、
逢ってステキな時間を過ごして、また授業に集中するほうがいい。
そうに決まってる。


そう思ったら、もう学校を飛び出してた。

しょうがないんだ、最近のあたし。

健くんのことになると、頭より先に体が動いちゃう。

数学より健くん。

そう思ったら、早退して健くんに逢いに行っちゃう。





  ******


「やっぱ甘かったかぁ・・・・・。ってか、バチあたった?
数学サボりすぎ?」

吐く息が白い。

健くんの家に来る途中に買ってきたドーナツも食べちゃった。

自販機でココアでも買ってこようかな。
手、冷たいし。

そう思って、立ち上がろうとした、ときだった。


「あれ、・・・?
何やってんの!?」


「あっ、健くんおかえりv今からココア買いに行くけど行く?」

「え、あ、うん・・・・行く」



どうも納得のいかない顔をしながらも、「ココア」っていうコトバについてくる健くん。

やっぱり、すきだなぁ・・・・。


「なぁ、どうしたの?もしかして今日約束してた?」


「全然。なんかね、逢いたくなったから来ちゃった」


そういうと、健くんが手を繋いでくれた。

左手にココア、右手は健くんの手。

最高に温かい。


「・・・・冷たい、手。

何時間あぁしてたの?」

何時間?

とりあえず、数学は4時間目だったから・・・・


「・・・軽く6時間・・・?」


自分でもびっくりする。

なんかストーカーみたいじゃん。


「マジかよ?え、ていうか学校は?」


「・・・創立記念日なんだな」

の学校、何回創立記念日あるわけ?」


そういって苦笑いしながらも、健くんは怒らない。
すっごい健くんに逢いたかったっていうのキモチ、
ちゃんとわかってくれてる。

「はい、あがって」

「おじゃましまーすv」


ココアの缶をちゃかちゃか振って、フタを空けると、
チョコレートの甘い匂いが温かくしみる。


「なぁ、顔赤くね?」

「え、あたし?」

「うん」


そうかな?

「暖かいとこ入ったから火照ったんじゃないの?」

「んー・・・・・。ちょっとおデコだしてみ?」


「ん」


前髪をあげて、言われたとおり、おデコを差し出す。

そこに健くんは軽く自分のおデコをひっつけた。

「・・・絶対熱いよ、コレ?」

「え、マジで?」


「マジで。ちょっと待ってて?林檎とか冷えピタみたいのとか買ってくる」


「え、傍にいてくれないの?」

・・・何言ってんの、あたし?

健くんはあたしのために買いに行ってくれようとしてるんじゃん。


「・・・しょうがないなー、もう。傍にいてやるよ。
ちょっと待ってて、たぶんアクエリアスか何かあると思うからとってくる。
ベッドで寝てて」

制服のスカートが皺にならないように気をつけながら
ベッドに入る。

・・・健くんの匂いだ。

あったかくて、落ち着く匂い。


あたしの1番だいすきな匂い。

「はい、口開けて」

言われるままに口を開けると、健くんが自分でアクエリアスを飲み出した。

「え、飲ませてくれるんじゃなっ・・・」

コトバの続きは、健くんの唇と、そこから流れ込んできた甘い液体にかき消された。

「・・・普通に飲ませてくれればいいのに」

「6時間も待っててくれたんだから、これくらいのサービスしてもバチあたらないでしょ?」

口移しなんてしたら、風邪うつるじゃん。

そしたら、またあたしにうつしかえす?

「明日さ、オフなんだ。
看病してあげるからね、風邪引きちゃんv」

「・・・コスミックレスキューのひとってさ、バカなのに風邪ひくっていう
珍しいひとまでレスキューしなきゃいけないんだね」

「まぁ、それが仕事だからね。

・・・・オレがレスキューすんのは、だけだけど」


・・・・何言っちゃってんの?
嬉しすぎるじゃん。
そんなこと言われたら、あたし単純だから、また風邪引くよ?
わざとでも。

そんなあたしでも、責任とって面倒見てくれるんでしょ?

あたしだけを助けてくれる、レスキュー王子様v




*反省**
ナツの企画、お手伝いさせて頂きましたv
なんだこれー、健ちゃじゃないー(><)