海神

a

a

フィヨルドが息吐いてがんばっている
猫背の海神さまは轟音で笑う

a
侵蝕の跡は騒々しい


今や僕ら神さまと結託して
がんばるフィヨルドを笑う側

a

a


大きなレンズを磨きに磨き おうとつ

a
また、
小さなレンズを磨きに磨き おうとつ
そが見ゆるものの共通点を探る

a
、というよりは
有るはずであろう共通点を探す

a
そら仮定の積み重ねだぁ

a

a
仮定なき海神さまの轟音
重い氷雪の跡に がわわとやってくるピクニック
その屈託なき負荷

a
僕ら加担

a

a

a


謀反心おこして 太刀打てば 

あんまり明白な流れにぐうの音も出ない

a

a

a


a

冬天行

a

a

a

冬は オリオンくらいしか分らないや
冬の夜空は  空の絵は

a

a

花びらで埋めたよに 鮮やかで不透明な天球

それは体感温度に逆らうよな ぶ厚い絨毯だ

a

a

花びら舞うよな、或いは舞うよな  ぶ厚い絨毯だ

a

a

a

僕、とうめいな冬を見てるはずのになあ?

a

a

a

a

銀狐

a

a

銀狐の尾っぽは まだ固い

a
関東ローム 平地平野を席巻する気流が
そのまだ固い尾っぽを ざああとなぶる

a

a
そこに
誰もいなければそれでもいいし
誰かいるのならそれでもいい

a

a
幾度か見た 水面の底の豊穣を 知っているからな

a

a

a


きりん草はまだ執念くはなを保っている

a


錆色の逢髪を従え 荒れ地に佇むおんなに 気流はそつなく 当然のよに
これからかろく飛散する 銀狐の尾っぽと同なじ 負荷をくれる

a

a

a


ねこに飯をやらねばならん

a

a


a

丸石

a

a

巨石列柱が行進してくる以前に
環状列石が鎮座まします以前に

a

a
ぼこぼこに穿たれた 丸みをおびた 一抱えほどの礫岩があった

a

a
実はそれらは皆 
時間軸や洗練といった過程を無視して、

ある程度並列に出来る相念の具現なんだが、

a


そのぼこぼこに穿たれた丸い礫岩は

偶然か意図的かは知らんけども、

a
愛嬌と力を漲らせて
無駄を気前よく発散していて

a

a


削ぎ落としという前の ずんぐりむっくりした形状に
目的以外のものも内包して どっかりといて

a

a

a


「豊穣」という言葉が浮かんだのです

a

a


a

ソーダ

a

a

足組んで足痺れて
手ぇ組んでべたべた

a
前触れもなく胸に カタマリが発生する
肋骨をてこに喉元へ せり上がるカタマリ
喉にカタマリ膨れて 涙目

a

a

a


ソーダがしゅう ソーダがしゅう

a

a

a


何の前触れもなく胸に そんなカタマリは発生するのだ
喉で膨れて顎のラインを 耳へ鼻へ流れてく
4の奥歯がズクズク疼く 鼻の裏がつんとなる

a

a

a
ソーダがしゅう ソーダがしゅう

aa

a

a


触っちゃいけない場所がある
注連縄はって立ち入り禁止

a
平和にだよ 平和にだよ

a


注連縄落ちて素晴らしく
残酷な気持ち アラミタマ

a
力溢れて

a


横隔膜から喉元 ぶんぶんに膨れたカタマリは かすかな酸味

a

a


ソーダ しゅう  ソーダ しゅう 

a

a

a


ソーダ 溶けるまで
くるり丸まる僕

a

a


a

二時間の仕事

a

a

やんごとなきこととして

a

a

a
長い長い廊下を歩いて 辿り着く長椅子
さて二時間 座り続けるのがあたしの仕事

a

a


立つな
歩くな

a

a
二時間ないしは二時間半 座っていろ

a

a

a


廊下に列された稚拙な絵は 同情と威嚇を放つ

a

a

a


a

憧憬水

a

a

もしも今度があるのなら

a
何かの折りに  
火と水があったなら

a
僕は迷わずみずを選ぶ

(火の側には誰だ?)

a
循環の果て 堆積地に運び
膨大な時間を結晶させてくれる

a

a

a
それを崩すのが誰でも何でも
何かを与える事はできるだろう

a

a

a
アンモナイトの背中を 触ってみて

a

a

a
もしも今度があるのなら
訪なう事があるのなら

a

a

a
僕は迷わず みずを選ぶよ

a

a

a

a

a

善魂宿

a

a

今夜の宿はどこでしょう
今夜の宿はどこでしょう

a

a


きっと廃液の打ち寄せる 港の近く
禍福屋旅館とかそんな名の

a

a
さしたる名物も無い膳 
ぬる燗は醸造酒

a
寒々しい畳の間
東司は妙に遠いの

a

a
眠り歩いて泊まるのは
きっとそんな宿でしょう

a

a
歪んださかなを頂いて 

返礼

a

a


a

蠢動

a

a

打ち寄せる液体の紙吹雪
正直な台の上 座って

a
にへら

a

a
ふいと横向いてる隙に 白い花が 
急に勃発していたよ
沢山だった 沢山付いていた
雪降ったのにね

a

a

a


積まれた梅が枝を拾ったのは 何年も昔のはなし
ゆりの木が伐採されたのは こないだのはなし

a

a

a


極めて冷静な 色分けの画像を
理由とともに 提供されて
安定した化学式を 不安定な有機体に入れる

a

a

a

top