残滓3


窓の外の罵声に耳を傾ける
酔っぱらいの戯ごと

今夜はこれで三件目だ
まわらぬろれつで、何をか怒鳴る、頭の悪いおやじ。

そういや、窓の鍵は壊れたままだ。

心臓がどきりとしたのは、
お前の事を考えたからだ。

ベッドに腹ばいになり
上手く泳げぬまま過ぎる夜の中
下らない狂人のうたを読む

そして、泣いたり笑ったり、する


身体の傷の分だけ、
葛藤の分だけ、
醜さの分だけ、

透明な諦念と
熱き血潮もちて
高く昇らねばならぬ

見果てぬ夢かもしれないが
僕は世界に溶け出したい

馬鹿げた夢かもしれないが
人型を脱ぎ捨て
微塵の世界に溶け出したい

意識の向く先は、白く不定形で
進化の過程の見える層
静かで爆発的な熱量を持つ

a

a

俗界では、
花が笑い出し、喰うてもよいと告げる

a

a

a

美しきかな、世界

愛しきもの
愛しきもの

a

a

a

違う形のお前に、いつかきっと辿り着く


赤いネオンの暗い飲み屋で、
知らない男と話をする

濡れた路面の交差点で、
連れの女の髪を撫でる

下らない事で大笑い

かけらだって残りゃしない
言葉をばんばん投げ捨てて

憶えてたって意味のない
ゴミ箱行きの会話を繋ぐ

赤い眼で騒ぎながら 騒ぎながら

a

じっと待つ
じっと待つ
じっと待つのは

未消化の夜明け

a

a

僕は金づち忍ばせて
殴打の機会をうかがうが

a

仮定された朝日の前に
実は既に惨敗で、

這い出して来る真っ当に
ひれ伏すラプチュア

たわいもない

a

a

吐瀉物よける足元に毒づき
空腹に幸せ感じながら

僕は僕にかえる

慣れ親しんだ感触の

僕は僕にかえる

さようなら、また今度。



異国情緒なはなが咲いた。

a

ソル.イ.ソンブラ

a

aと影の育てた花
記憶の中にあった花

a

a

それが、咲いた。

a

a

黒い向日葵。

a

a

季節は夏に向う。
いいタイミングだ。

a


輝けよ、太陽。

a

いくつもの瞳を並列に並べて、その風景を僕は見る。

a

a

いくつもの事象を並列に並べて、映画のように僕は見る

a

a





我に力を

我に力を

この白いカンバスを
征服する力を下さい

あああ

理想を捨て
今を生きる力を下さい

愛するものを下さい
より強靱に成る為に

ああ、空洞の深淵が見つめるのじゃ。

船はいつでもあるのだと

空洞の深淵、知の池が誘うのじや。

ああ

地上で死ぬるもの
地下で死ぬるもの
水底で死ぬるもの


間違い続けた僕は

a


こんなふうにしか息ができず

a

間違い続けてもなお

a


こんなふうに進んでゆくから

a

きっとずっと

a


君が眩しいままなんだろ

a

a

a

しっかりと根を張り僕と同化した肉食の樹

a

爪の先からか細く放たれる糸

a

自身をぐるぐる巻きにして

a

瞳だけが空に焦がれる。

a

柔らかさにはほど遠い、

a

ざらついた鱗と。

この瞳の慟哭が、

a

高まり

a

高まり

a

伝って落ちる

a

a

言の葉



青くて碧くて透明な

水面裂いて 僕らは行く

微笑み交わし

茫洋たる海中世界に

想い寄せながら

a

このまま消えてしまえばいいのにね

a

a

朝は素敵

痩せた猫なでて、

魚料理を

a

a

日中は木陰に隠れていよう

ひんやりとした土の上で、石を繋ぐ

君のネックレスだよ。

a

a

宵闇迫れば

音楽が聴こえて来る

残照に映ゆる雲

a

a

お酒を飲んでもいい?



今までのあたくし、これだけの言葉を使ってやったのだ。

恥を忍んで、人前で。

非難浴びつつ、頑に。

私がそこまでしてるのだ。

なぜ、我が前に現れぬか。

私という人間の心、踏みにじった自覚はあるだろう。

おまえがどう出るか見ていたが。

諭すのか、哀れむのか、和解を望むのか、謝罪するのか、敵対するのか。

、、、、

何の動きもありゃしない。

何を考えておるのだ。

この痴れ者。

なぜ、我が意志の前に現れぬか。

この偽善者。

潮時だ。

もう決着を着けねば。

我、彼、汝、その他の人の為。

お前には武器をやろう。

私は要らぬよ。

なぜならはじめから、決着はついているのだからね。

私には研ぎすまされた牙があれば充分。

さあ、躍り出ろ我が前に!!

このあたしを宥めてみせよ!

お前が正しいというのなら!!

今日、明日、明後日でも、

いつでも相対してやろう。

さあ、さあ、さあ!!!

誰が何と言おうと、

君に罵倒されようと、

避けては通れぬ、みち。

あたしに、血をみせて。



君の血の気が引くおとが聴こえるよ

君の血の気が上るおとが聴こえるよ

a

a

悲しい事だ

悲しい事だ

辛い事だ

辛い事だ

a

a

愛するものを戸惑わせ

愛するものを疲れさせ

a

a

もう憎まれたとて仕方あるまい

放られたとて仕方あるまい

a

悲しい事だなあ

巡り合わせの因果因縁

ああ

疾く去ねや我

疾く去ねや我

昇華できぬ罪業にまみれ

どこへでも行くがいい

独り立つ修羅の庭で

思う存分泣くがいい

思う存分怒るがいい

暴れて喚いて、金色となるまで

魂を引き離し、天上に至るまで


風が暖かい

雨が暖かい

a

a

うけけけけ

a

a

飛ばせよ意識

飛ばせよ身体

a

a

熱帯の風

熱帯の雨a

a

闇の中 原色を視よa

a

風の中 輪廻を視よ



言葉は渇いて、涙をもとめる。
嬉しいにしろ、悲しいにしろ。

a

雑草のように散乱したコスモスを羨み溜め息。

a

a

あたしは、人間だから、
日々を過去に送り、笑って生きんと欲ス。

a

あたしは、人間でしかないが、
日々の奔流から逃れんと欲ス。

a

ああ、このこころから腐臭を抜き、
きれいに花を見つめんと欲ス。

a

けれど、あたしは、人間であるがゆえ、
日々間違いを犯し己の首を絞める。

a

a

こころ、げしゃげしゃにして馬鹿になれと願い、
出来ぬと分り反転、まずこの肉から壊そうと思った。

a

a

、、、、、、、、、。

a

a

私は私など嫌いだが、我が身傷つける私を心配する目があった。
ひとつ、ふたつ、みっつ、、、。

a

我を壊す行為に、人が傷付いていたの。

、、、、知っていたけど、あたしにとってそれは障害だったの。

悲しみ、苦しみ、愛情、憐憫、自己批判、
二転、三転、辿り着いた心情は、もはや止まらぬ業火で、
突き進む以外なかったのよ。

a

それでしか息ができなかった。

a

a

あたしは土に首まで埋まり、目を閉じる。
解き放つのだ、業を。

a

a

あたしはここを去り、何処かへ向かう。
駈けてゆくのだ、異郷へと。

幾編かのうたとともに

a

a

手を振るよ、君に。

a

a

バイバイバイバイ。




静穏なトルソーの中a


眼を開けてみる

a

白い部屋は白く

a


誰の影も無く。

a

あなたへの思慕を断ち切って、隠棲。

a

五穀断ちて入定せんと欲ス。

a

あいしていたわ、あなた。

a

私に手足は無くて、あらぬ方向を見つめ、

a


私に色は無くて、ただ石膏の青白い肌。

a

はなを飾ってね。

a

うたうのは決まって真夜中。

a


ちいさくちいさく、
かすかにかすかに、

a

つぶやくように、でもろうろうと。

あいしていたわ、あなた

a

私はもうこんなだけどね

a

ただあなたの愛を全身で感じる、

a


でもあたしの愛は歪み届かないのよ。

a

わたしは何を成す?

色に情をのせ、
線に自我をのせ

描き続けるのよ、わたし
目的を生むまで

失くした手足に代わり


肩甲骨喰い破り、羽根が伸びるまで。

駈けてゆくのよ、わたし


誰でも無い、君でもない 

あの思惟の樹の元。

現世貫き、ひた走れ。

道は幾つでもあるのよ。


私が産まれた日、

猫が死んだ。

死産で母子とも。

aaaaaaaa

「お前は猫を喰らって産まれた」

と聞かされた。

a

、だから、あたしは強いはずだと。

aaaaaaa

私が産まれる前に、母は2人流産した。

どちらも姉で、小さな墓がある。

aa

a

「二人分の命を喰らって産まれた」

のだそうだ。

、だから生命力があるはずだと。

a

a

わたしの誕生と引きかえに幾つかのいのちを喰ったのだから。

a

a

わああたあしいいいぃーと、ひきかああえぇにいい???

aa

a

a

a

墓に続く道はあちこちひび割れ、からころ、下駄では登れない。

転んじゃいけない。

転んだら、その腕、一本置いてゆけ。

そう聞かされた。

a

aa

彼岸の墓場に咲くはなは、摘んではいけない死者のはな。

それは、死者の骨と肉。

鮮やかなる曼珠沙華。

深紅の火花、花火草。

aa

a

打ち捨てられたる卒塔婆、提灯、菊のはな。

aa

a

五輪塔数え、線香振り回して遊ぶ。

a

a