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「嘆きの人形遣い(Puppet Showman)」
私の名前は「レイコ」
大きな洋館でご主人様と二人暮し
「レイコ」という名前はご主人様が付けてくれたの
ご主人様はとても優しい人
動くことが出来ない私の為に何でもしてくれるの
髪を梳かしてくれたり
着替えをさせてくれたり
お話を聞かせてくれたり
ダンスを教えてくれたり
・・・キスしてくれたり
私をとても愛してくれる
私もとても愛しているけど
私はご主人様に何もしてあげられない
言葉さえ持っていない私は愛を語ることも出来ない
・・・ただ見つめることしか出来ないの
だからかしら
ご主人様は時々とても寂しそう
たまに「私は独り」と嘆いている
私が傍にいるのに
或る日 ご主人様がとても嬉しそうに帰ってくると
私を抱えて物置に入れた
・・・お客様ね
少しだけ開いたドアの隙間から美しい女性が見えた
どこかで見たことがある気がした
あぁ・・・なんとなく私に似ているんだわ
その時 ご主人様が彼女の名前を呼んだ
「麗子さん」
・・・・・・
「麗子」「レイコ」
・・・そうか・・・ご主人様は彼女を愛しているのね
きっと私と出会うずっと前から
だってあんなに嬉しそうなご主人様見たこと無いもの
彼女はとても優しそう
痘痕だらけのご主人様の顔を優しく見つめている
白くしなやかな指がその顔をそっと包む
ご主人様は顔を赤らめながらも嬉しそうに笑った
とても幸せそうな光景
・・・そう
「独り」なのは私のほうだった
・・・でもいいの
彼女はとても優しそうで
ご主人様はあんなに幸せそう
よかったですね ご主人様
私の役目はもう無い
私はもうご主人様を見つめることも無い
ゆっくり目を閉じる・・・
永遠に開くことが無いように
ゆっくりと・・・
さようなら・・・
さようなら 愛しのご主人様
”I'm so lonley”
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