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「夜の太陽」



ハイ?・・・あっ、あなたっ
やっと来てくれたのね 嬉しいわ
さぁ 上がって
美味しい紅茶があるの
・・・え?話があるの?
立ったままもなんだから取りあえずそこに座ってよ
今 お茶を出すから
ホラこれ 一緒に飲みましょう
・・・いいの?・・・分かったわ 座るわ
話って あの人のことでしょう?
いいのよ もう過ぎたことは 気にしてないわ
魔が差したのよね?
違う?・・・違うって何が?
愛してる?・・・あの人を?
・・・嘘ばっかり・・・またそんな冗談で私を脅かそうとして
・・・嘘よ!・・・嘘だわ!!
だってあんなに愛し合ってたじゃない
「僕には君しかいない」って
分かったわ・・・あの女ね
あの女に騙されているのね
あの女は何を言ったの?何をされたの??
大丈夫 貴方は私が守ってあげるから
貴方の為ならなんだって出来るわ
・・・あの人を消すことだって
ホラ・・・こんなこともあるかと思ってナイフを買ったの
だから心配しないで 私が貴方を救ってあげるから
・・・止めろ?・・・何故??
いっ・・・痛いわ!
何故ナイフを奪うの?!・・・さぁ、ナイフを返して!
・・・そう・・・私にナイフを向けるの
私を刺すの?・・・そう
貴方はもう戻っては来ないのね
・・・いいわ 貴方を失うんだったら死んでしまったほうがいい
貴方の刃で殺されるなら 本望
・・・ええ 怖くはないわ
だって 貴方はきっと私を忘れられなくなる
貴方の目は私の血の色を焼き付けて
貴方の手は私の肉の感触を記憶して
胸を貫く音や血の匂い・・・
貴方は貴方の全てで私の最期を忘れない
なんて素敵なのかしら・・・
狂ってる?・・・そうね狂ってるわ
今日は ホラ 満月
満月は人を狂わす
どうしたの?手が震えているわ
そんなんじゃ私を消せないわ
ホラ 心臓は此処
・・・力を込めて
貴方が私を殺さなければ
私があの人を殺してしまうわよ
・・・さぁ


貴方のナイフで胸を衝かれ私は貴方を抱きしめた
貴方の振るえる息遣いを聞きながら
空に浮かぶ蒼い太陽を見た
・・・キレイ
涙で歪んだそれはとても美しく冷ややかに
私たちを照らした



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