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「空と翼」



”304号室”

重い扉

窓の鉄格子

真っ白に塗られた壁

その部屋の住人は

拘束着の美少年

彼は今日も鉄格子沿いの

小さな空を眺めていた

「気分はどうかしら?」

「とても良いんだ。よく晴れているからね。」

「そう、よかったわ」

「ねぇ、先生」

「なぁに?」

「そろそろ僕は飛ぼうと思うんだ」

その翌日

彼は部屋を抜け出して

屋上から身を投げた

最期 私に振り返り微笑んだ

まるで天使のようで

一瞬 真っ白い羽根が見えた気がした

「最近、先生、空ばっかり見てますね。」

「そうかしら?」

・・・私には見えていた

空を飛び回る自由になった彼

時々手を差し出すけど・・・私には無理よ

羽根が無いから

天使にはなれないから

どんなに望んでも

ここから飛び出すことはできないのだから


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