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在る処に優しい狼とか弱い子羊が居ました
狼は子羊に好意を抱いていました
「嫌われたくない」と思った狼
だから狼はその牙を子羊が恐れれば牙を抜き
その爪で子羊の柔肌を傷つけたりしないようにと爪を剥ぎ
その姿をみすぼらしいと仲間の狼に笑われても構わないと思っていました
・・・狼は忘れていました
その牙や爪は愛する者を傷つけてしまうだけのものではないことを
ある日
子羊と安らぎの時間を過ごしていると子羊を狙った野犬の群れが襲ってきました
狼は牙も爪もなく争うための武器はもう何もありません
狼は必死で子羊を抱きしめ庇いました
たった一つ・・・子羊への愛を武器にして
野犬たちは散々狼を甚振るとそのうち諦め去って行きました
ボロボロの狼の腕の中で怯えた子羊は瞑っていた目をゆっくりと開けました
そこには優しく微笑を浮かべる狼の顔がありました
余りに優しい微笑に子羊はまた目を閉じ狼に身を寄せました
子羊は気付いていました
狼の息遣いが途中で絶えていたことを
それでも子羊を不安にさせないように命尽きても笑顔を浮かべていた狼
優しいその愛を噛み締めて子羊は狼に永久にその身を任せたのです
それがか弱い子羊の愛の証でした
狼の腕の中で安らかな微笑を浮かべて子羊は永遠の眠りにつきました
それは名も無い狼と子羊の優しく哀しい愛のお話
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