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「私、貴方のベースを弾く指、好きよ」
「弦を滑るようにしなやかに動く指を見ているだけでドキドキするわ」
「ねぇ、もっと・・・もっとよく見せて」
彼女の言葉と違わず
ベースを弾く俺の指に魅入る彼女は恍惚な眼をしていて
見られてる俺が恥ずかしくなるくらいだった
「本当に美しいわ」
ベッドの中でも指しか見ない彼女
俺は少し面白くなかった
「そんなにこの指が欲しいのならあげてもいいよ。
君のその手を引き換えにね。」
もちろん冗談のつもりだった
・・・ほんのツマラナイ
「ぎゃーーーーーーーーっっ!!!!」
まどろみの中
静寂を切るような悲鳴
俺は驚き飛び起きた
隣りで寝ていたはずの彼女がいない
明かりがついているバスルーム
俺は恐る恐るバスルームに近づいた
・・・ガラス戸が赤く染まっている
意を決してガラス戸に手をかけゆっくりと開けた
「貴方・・・」
そこには白いネグリジェを真っ赤に染めた彼女が座り込んでいた
その右手には血まみれの包丁
そして左手は半分ほど切断され血が噴き出していた
「ごめんなさい・・・汚しちゃって。もうすぐだから・・・。」
「・・・ナニ・・・してるんだ」
「私の手を貴方にあげるのよ。・・・その指、くれるのよね?・・・ねぇ。」
「冗談・・・だろ?」
俺は恐怖で足が竦み腰が抜けた
立とうとしても血で足が滑ってうまく立てない
俺は体が強張って動けなかった
彼女はそんな俺の足元からズズズと這い上がってくると
俺の左手を掴み言った
「ちょうだい。・・・この指」
彼女は俺の手を力強く握り締めると口元へ引き寄せキスした
「あのベース、すげぇな」
「ああ、なんかぞっとする程 魅力があるな」
「・・・なんだ?あの左手の痣。なんか人の手の形してるような・・・」
「ちょっと不気味だよな」
・・・俺の左手は彼女に捧げられた
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