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まるでシューティング・ゲームのような光景だった
違ったのは痛みを伴うこと
ボクの左腕に打ち込まれた銃弾の傷は麻痺してもう感じなくなったけど
返り血で真っ赤に染まった右手がさっきからズキズキ痛んでいる
「傷・・・痛む?」
ボクの歪んだ顔に気付いたのかキミが聞いた
「いや、・・・たださっきっから右手が」
「痛むんだね。・・・キミはまだ救われるね。」
「え?」
「その痛みはキミの罪の意識だから。
まだ人間らしいっていう証拠なんだ。
アタシなんてこんなに返り血を浴びてももう何の痛みもない。」
「足でまといのボクの分までその手を汚してしまったせいたね。
・・・ごめん。」
「謝る事ないよ。キミのせいじゃない。
アタシはアタシの意思でこの手を汚してきたんだ。
最初は怖くて銃を持つ手も震えた。
けど今は一発で仕留める事が快感になってきたんだ。
例え相手がこの間まで同じクラスにいた同級生でも。
まるでシューティング・ゲームの主人公のように・・・」
そう言ったキミは言葉を詰まらせその目からは涙が流れた
キミは現実を受け入れるため
その痛みにわざと鈍くなり その傷さえ隠していたんだね
弱いボクのせいでキミは強さを強いられたんだ
ボクはキミの涙が痛かった
ボクがその涙を拭こうとするとキミはその手を拒み自分で拭いた
そして強い眼差しで言った
「もう、これ以上キミの傍に居れない」
「・・・うん」
「さようなら。元気で。」
キミはそういうと周りを警戒しながらボクらの場所から駆け出した
・・・その時
大きな爆音が鳴り響いた
ボクは驚きと不安にその音の方向を見た
・・・何もなかった
ただ おびただしい血や肉片が広がっていた
ボクはキミの死を悼んだ
こんな時代にボクは生きていかなくちゃいけない
哀しんでる暇も 苦しんでる暇も無い
強くならなくちゃ
キミのため・・・
ボクのため・・・
生きるため・・・・・・
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