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ママが僕の手を引いて
「お散歩に行こう」
と微笑んだ
久しぶりに見たママの笑みが嬉しくて
「うん」と元気に頷いて
ママの手をしっかり握った
「何処へ行くの?」
ママには聞こえてないみたい
ただ黙って黙々歩いてる
黙々 黙々
「何処へ行くの?」
黙々 黙々
「ねえ・・・。ねえ、ママ?」
ふと見るとママの顔はいつもの顔に戻ってた
虚ろな辛そうな顔
僕の嫌いなママの顔・・・
怖くなって手を放そうとするけど
ママが力一杯握っているから放れられない
「ママ?・・・ママァ」
ママはふっと立ち止まり僕を見て口を開いた
「ママと一緒に逝ってくれる?」
・・・ズルイよ ママ
僕はママが居なければ生きていけない
そんな風に聞かれたら頷くしかないよ
「ありがとね・・・ごめんね・・・」
ママは泣きながら僕を抱き締めた
ママの軟らかい いい香り
いいや ママが一緒だから
寂しくないや・・・ 哀しくないや・・・
ママの細い指
蒼く澄み切った空
風とママの匂い
僕の記憶
僕の最期の想い出
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