オレンジ色の出会い 作:沙耶

第3話 PARAISO


今日から夏休み!ということで、デッサンの教室に通うことになりました☆
私、栗原 みう は、再来年の受験のために頑張りまっす!
張り切って駅まで行くと、どこからかすごくキレイな歌声とギターの音が聞こえてきた。
−どこから聞こえるんだろ?
さらに歩いて行くと、駅の噴水のところに男の子が2人。
背の高い方がギターを弾き、背のちっちゃい方が歌ってる。
−ストリートミュージシャン?こんなところにいたんだ〜。
それにしても、すごくキレイな声。それに歌がすごくいい。
全部英語の曲…。キレイな高い声が辺りに響きわたった。

デッサンの授業を受けている時も、あの歌声が忘れられなかった。
いつもあそこで歌ってるのかな?

授業が終わり、私はすぐに駅に向かった。
−まだいるかな?
ヤバイ…すっごいドキドキしてきた!
「いた!!」
私はすごく嬉しくて、しばらく歌を聴いていくことにした。
お客さんは私一人だけ。
ずっとしゃがんで歌を聴いていると、背の高い方が言った。
「なんて名前?」
み「みう。高1だよ。ギターすっごいうまいねーー!!」
や「だろーー?オレ、安田章太。やっさんでいいから(笑)オレらも高1。こいつは…」
亮「リョウ。」
み「リョウくん?いつもここで歌ってるの?声がすごいキレイで聴いてると落ち着く★」
亮「ううん。今日が初めて。ずっとストリートライブやりたくて、夏休みになってやっとできるーー!ゆうて朝からずっと歌っとった。」
み「ね!朝歌ってた曲ってなんて曲?英語の歌――!あれすっごい気に入ったんだけど★」
亮「PARAISO」
み「パライソ?どういう意味なの?」
亮「う〜〜ん。オレもようわからんねん(笑)」
み「はは(笑)そうなんだ。ねぇ、もう1回聴きたいーー!」
亮「あかんっ!!あれは特別な時にだけ歌う曲なんや!」
や「ええやん別に〜〜。」
亮「あかんの!ってゆーかお前関西弁使うなーーー!お前が言うとキショイわ。」
や「亮のがうつった(笑)」
この2人おもしろい(笑)
み「どーーーーしても歌ってくれないの?」
亮「うん。」
み「じゃあ、私毎日来るからーー★絶対歌わせてやる!!」

私は、デッサンがない日も毎日駅へ行った。
けどっ!!亮くんは全然歌ってくれない(泣)
み「もーーーーー!!いいかげんに歌ってよーー!」
亮「あかんゆーーとるやんかーーー!!」
こんな風にいつも喧嘩みたくしゃべってる。
私はそれが楽しくてしょうがなかった。

8月1日。今日は久しぶりに部活があり、その後先輩の沙由ちゃんの家に行くことになった。
私が絵を描いている美術部の隣で吹奏楽部の沙由ちゃんがよく練習していた。
私の絵をうまいって言ってくれて、仲良くなった。
み「おじゃましますーー。」
沙「どーーぞーー♪」
沙由ちゃんの家に入り、私がまず見たものは…?
み「りょ、亮くん!?なんでいるの!?」
亮「そっちこそ!!」
沙「え?2人知り合いだったの?」
コクコク。私は亮くんと2人して首を縦に振った。
み「沙由ちゃんの弟だったの!?え?でもなんで?関西弁じゃん!」
亮「それはな…オレは、もらわれてきた子やから…(泣)」
み「え!?…ゴメン……。」
沙「アホッ!何言ってんの!あのね、みうちゃん。うちら昔大阪から引っ越してきたの。それで亮はずっと関西弁が直ってないだけ(笑)」
み「え!?そうなの?何さーー!全然うそじゃん!もう!」

それにしても、すごいびっくり!沙由ちゃんの弟だったなんて。
亮「あ!そうや!みう、なんで今日来んかったん!?」
み「え?イヤ〜〜。今日は午前中部活で。」
亮「なんやそれ〜〜!今日はせっかくPARAISO歌ったろうかと思ったのに。」
み「え!?うそっ!?」
亮「うそ★」
み「うっ…」
亮くん…ゲラゲラ笑ってる。私、今日2回もハメられてんじゃん!
完璧遊ばれてる…。
み「ねーーー!マジで歌ってよぉ〜〜〜!!」
亮「特別な時にしか歌われへんって言ったやろ!」
み「じゃあ、あの日はなんで歌ってたの?」
亮「ストリートライブ開始記念♪」

沙「なんか2人とも可愛いなぁ〜〜★楽しそうだからお姉さん消えてあげる♪」
亮・み「はい!?」
沙「あ、翔〜?もう仕事終わったの?じゃあ今から行くね〜〜★」
沙由ちゃん…。もう電話してるし…。
み「ってゆーか翔って誰!?」
亮「あ?姉ちゃんの彼氏。」
み「聞いてないよぉ〜〜〜!!」
沙「あれ?言ってなかったっけ?ごめーーん★あ!行かなきゃー♪じゃ、ごゆっくり♪」
沙由ちゃんめ〜〜!私は何しに来たんだよ!!
でも…亮くんに会えて嬉しかったけど♪

亮「(…よしっ!)今から駅行くかぁーーーー!!ライブ♪ライブ♪」
み「うん!今日こそは歌わせたる!!」
あ、関西弁うつってる(笑)

私たちは、何も持たずに駅へ向かった。
夏真っ盛り。私の大好きな夏。
この夏を…ずっと亮くんと過ごせたらいいのにな。
み「ところで、やっさん呼ばなくていいの?」
亮「ええねん。今日はアカペラや。」
み「え?」
いつもの噴水で、亮くんは突然歌いだした。
それは、私が初めて亮くんに出会った時に聴いた曲。PARAISO。
今まで絶対に歌ってくれなかったのに、突然歌いだしたので、私は驚いて止ってしまった。
み「な…なんで?」
亮「今日は特別な日なんやろ?」
み「え?今日って8月1日…?あ!!」
亮「誕生日おめでとーーーー!!」
み「忘れてたぁ〜〜〜!!なんで知ってんのぉーーー!?」
亮「さぁ?なんでやろ?(笑)」
み「え〜〜〜〜〜〜〜〜(泣)」
私は嬉しくて思わず泣いてしまった。
亮「泣くなーーー!でも、泣き顔も好きやな★」
み「え?」

―――――おまけ★
沙「(小声で)亮!今日、みうちゃん誕生日だから♪みうちゃんのこと好きなんでしょ!頑張ってね〜〜♪」
亮「うっそ!?ありがと!」
み「え?何?何―――?」
亮・沙「別にぃ〜〜〜♪」

第3話 終わり

4話目に続く

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