
ロッキンオンジャパン1994:7月号
第1回ひなぎく対談
スピッツ:草野マサムネ。フィッシュマンズ:佐藤伸治。b−flower:八野英史
★佐藤さんにとってスピッツとは。
佐藤:「あのー、僕ら前から何かと比較されてたから、スピッツと」
草野:「えっ!そうなんですか?」
佐藤:「そう、比較されてたわけだよ。何かっていやあさ。で、僕はさ、日本の音楽っていうのは聴かなないようにしてるんだよ。極力。かっこよかったら悔しいじゃない。だって。でもこないだラジオで一緒になってんだよね。
草野:「そうそう、生のやつで」
佐藤:「で、そんときに初めてー聴かないようにしつつも聴いててさ。で、すごい匂いのあるバンドだ思って。基本的に顔が見えないバンドはヤなわけ、俺は。そういった意味では、自分のメロディーを持っているバンドだなあっていうのはすごく思った。あとねえ、底が見えちゃうようなバンドっていうのはつまんないいんだよね。「こういう物とこういう物が好きだから、こういう音になるんだね。」みたいなのはさ。でも、そういう意味でもスピッツって不思議なバンドなんだよね、底が見えなくてさ。」
★で、悔しいなと?
佐藤:「え?うん、まあ。だけど、結構俺疑問だったっていうかさ、スピッツって最近は、すごいポップな音をやってるような感じがしてさ。俺「シングルズ」(スピッツの過去のシングルを集めたプロモーション用ベスト盤)っていうのを買ったのね。で、俺はやっぱり初期のシングルのほうがすごい好きだったんだ、聴いててさ。」
草野:「ああ、あああ。それはーこないだのアルバムは、ちょっと行きすぎたかばって思う部分もあったりするんですけどね。」
佐藤:「ああ、じゃあやっぱりそういう葛藤は多少ー」
草野:「ええ、ええ」
佐藤:「ああ、ああ、それなら・・・」
★何を安心してるんですか。
草野「ははははは」
佐藤:「っていうか・・すごいイヤな言い方だけど、商売を考えたのかなっていう事を、俺はなんとなく思ったんだ。で、現にスピッツはすごい売れたと思うしさ。」
草野:「っていうかねぇ、すごいポップにしたのは要するにアレンジとサビの歌詞とかなんだけど、1枚目から3枚目まで着くlって「何でこんなに売れねえんだろう」っていうふうに思ってたから。だから「聴く人ってアレンジだけでひっかかるのかな」って思って、その実験みたいなもんでもあったけど。でもね、こないだチャートにちょっと出てきたりして思ったのは、一緒に並んでるような人たちって「いいな」って思うのが一人もいないっていうことが分かって。それまでチャートなんて見たことなかったから。それで、また考え方変わっちゃって。」
★こんなやつらと並ぶくらいなら、フィッシュマンズやb−flowerと並ぶほうが嬉しいと?
佐藤:「おいおい、君君」
草野:「でもそうですね、ええ」
★次は逆に草野さんから見たフィッジュマンズだと面白くないんでー。
佐藤:「なんと!」
★草野さんから見たb−flowerをお願いします。
草野:「俺は佐藤くんと逆で「○○っていうバンドがいいみたい」とかきくと、すぐ聴いちゃうんですですよ。最近でも「他の雑誌にはあんま載ってないけど、JAPANにやたらイエローモンキー載ってんじゃん」って聴いてみたりとか。で、b−flowerも、山崎さんがJAPANで結構いち早く取り上げてたから気になってて。したらコマーシャルで流れてて。」
★ああ、月星のね。
八野:「だいぶ前ですけどね。」
草野:「で、ああこういう人達はけっこうボーンと出てくるかもな。」って思ってたんですけど。俺にできないものをすごい持っているっていうか。何て言うんだろうな・・・一種都会的な感じっていうか。うやっぱり、ほら俺は田舎のロック少年上がりだから、根底にはやっぱりジミー・ペイジをコピーした日々とかがあるわけですよ。でも、b−flowerはそういうのがないー「好きなギタリストは?」って聞くとジョニー・マーとかトム・ヴァーラインって言いそうな感じの人っていうのは、一種、ねぇ?何つうか、羨ましくもあるわけですけど。ニューウェイヴ以前だったから、アンダーグラウンドの香りがするんですよね」
★なるほど、では次は、八野さんから見たフィッシュマンズを。(カット)
★では、3人に聞きたいんですが、3人とも非常にたくましさがないんですけど、例えばブランキー・ジェット・シティのような筋骨隆々でたくましい男性に対する羨望はあったりしますか?
八野:「なりたかった事はないけど、劣等感みたいなのはあると思いますね。そういう男らしい人?山崎さんを見ると「怖いなぁ」って思うし」
草野:「今はないけど・・・昔ベン・ハーみたいな映画観ると「これでも同じ人間なんやな、どっちかに生まれるなら、あっちの方がいいな」と思ったりはしましたけど。でも、そういう山崎さんみたいなのっていうのは・・・」
★あのー、いつの間にか対象がブランキーから山崎洋一郎になってるんですけど。
草野:「はははは。でもやっぱ、あのー、弱っちい男を好いてくれる女の子のほうが好きだから」
八野:「でも、じぶんが人間でこういう社会に住んでるからいいけど、もし自分がインパラやったら絶対にライオンに食われるかなlって考えると、そういうのに対する劣等感っていうのはあるかな」
佐藤:「俺全然なになぁ。別に筋肉なんて欲しいと思わないしさ。」
★甘んじて食われようと?
佐藤:「っていうかねぇ、体でかくて筋肉ガンガンの人っていうのはさ、性格が違うじゃん、全然」
★バカな体育教師みたいな?
佐藤:「そうそうそう、大ざっぱでさ。だから、俺は全然憧れない」
★じゃあ、シメに、3バンドともラブソングが結構多いですが、自分によくある恋愛パターンがあれば教えてください。
佐藤:「何い!」
★どうですか?
佐藤:俺は結構好かれるかな。
草野・八野:「ははははは」
佐藤:「どっちかっていうと。告白されるタイプだよね。で、数多い中から一人を選ぶというか」
草野:「すっげー」
佐藤:「え?いやいや、まあ基本ですよ。なんちゃって。で、始まりいいかげんっていいかげんだから、終わりもー」
八野:「いいかげんにですか?」
佐藤:「いやいや、終わりは厳しくっていうか。だから、電話したりして、(終わりだよ)って」
★寄って来られて自分から振るという単なるひどいやつですね。
佐藤:「まあ、そう言われちゃえば」
八野:「僕はよくあったパターンとしては、わりと同じタイプの僕みたいな女の子が多かって。ちょっと精神的にやばそうな人が多くて。」
草野・佐藤:「おおー」
八野:「で、僕が何とかしてあげるみたいになって、一緒に住むパターンがすごく多くて。で、結局ひどい泥沼にはまってもうイヤやこんなんって放り出してしまうパターンが多くてって。」
草野・佐藤:「おおおー」
八野:大抵手に負えなくなるんですよ、だからおんなじような考え方持ってるからおんなじふうに物事考えていけるかなと思ったらどんど悪い方向に考えるようになって。」
佐藤:「ああ、ああ」
八野:「で、手に負えへんようになったら、僕は汚いから逃げ出すんですよ。助けてあげるみたいなことをのたまいながらもも、結果的にはもっとひどいことしてるんですよね。」
草野:「・・・・すごい」
八野:「そういう最悪のパターンが多いですね。絵に描いたような」
草野:「・・・すごいなあ」
★草野さん、関心してないで自分はどうなんですか?
草野:「いやあ、俺八野さんとは全く逆パターン。一緒にいてずっとげらげら
笑っていられるような子となんかくっついて、笑いがなくなったら自然消滅という。」
八野・佐藤:「おおおおー」
★それもすごいわ!
草野:「俺のこと好きになってくれる女の子って結構暗い子が多いんだけど、そういうのはもう始めっから眼中にないから虫ですね。明るい子といるほうが絶対楽しいですから。だから俺も根は結構九州人で駄洒落好きなー普段はバカなことばっかり言っていたいほうだから。で、そういう子と、こっちからも向こうからも寄ってくる感じで。で、無理して笑わないかんくなったところでー」
八野:「終わり?」
草野:「そろそろ潮時かなと」
佐藤:「すごいなあ。でも、発展しなくない?それって。人が変わるだけで、繰り返しで」
草野「いや、違うタイプの笑いってあるから。」
★わかりました。今日はどうもありがとうございました。
佐藤:「そんなことわかってどうする!」