GB 2001年3月号
★デビューから12年目を迎えたピロウズが今回初のベストアルバム「Fool on planet」をリリースするんですが、まづ、出したいと思ったいきさつが興味深いです。
さわお:一番わかりやすく言うと、ディレクターに「ベスト盤出さない?」って言われて、最初はあまり興味もないなと思ったんだけど、次の日ぐらいに「いいかも」って気が変わって「出します」って。要するにベスト盤ってあんまりミュージシャン主体の出来事ではないけど、本気で取り組むんであれば結構いいなと思った。ちゃんといいの作って、「Fool on planetツアー」をやるということで、一気に楽しみになったというかね。とは言っても新しいアイテムだから自分にも少し新しい愛情が欲しいじゃない?前のビデオクリップ集のときに粘土ののクレーアニメーションを入れたのもそうだけど、やっぱり何か新しいものが欲しいので、表題曲を一番代表にするものを入れたいなと思ったし。
★ベスト盤のタイトルでもある新曲の「Fool on planet」は1曲目に入ってるんですが、ピロウズがバンドとしてずっと持ち続けている気持ちが込められていますよね。
さわお:そうだね。いまのピロウズの意思表示がはっきり出た曲だからね。
★そして、2曲目からはいろんな時期の曲が「Fool on planet」につながっていて、ピロウズが貫いてきた本質の部分は何も変わっていないことを改めて実感しました。
さわお:でもね、やっぱり真っ先に言えることは、すでてにおいて、今が一番いいってことで。今がいいのがほんと素敵だなって。自分の納得いく度合いもそうだし、メンバー間もそうだし。
★過去の楽曲に対してはどういう気持ちで取り組んだ感じですか。
さわお:それに関しては`今のもの`っていう気分で作りたかった。過去のものが主体だけれども、今と思える物をやりたかったというか。だから、歴史を探るっていうよりは、今の気分で、ライブを、ツアーを思い浮かべて選曲していったし。だた収録曲に関してはあまり深い意味はないんだよね。選曲に外れたから思い入れがないとか、入ってるからあるとかでもない。・・簡単に言うとね、例えばこれを出してピロウズが解散するとしますよね?解散するから最後にベスト盤出しましょうって。それだったら選曲は悩みます。非常に悩む。でも、そうじゃないので、もっとサクッとしたものなんだよね。だから、曲順は音楽的なバランス感覚があるので、1曲1曲のエンディングと次の曲のオープニングの響きが美しいと自分で思うものを並べたって感じです。
★山中さんは自身は出来上がったものを聴いて、ピロウズはどんなバンドだと思いました?
さわお:かっこいいことは何も思ってなくて、もっとべたなことで「ピロウズはすごい良い曲を作ってきたなぁ。」って(笑)。・・・うれしかった。自分のことを自分で評価できるって嬉しいじゃないですか。俺、性格的にかなり自分びいきかもしれないけど、そうでない部分ももちろん持ってるつもりで、落ち込んだりするときもあるわけですよ。でもね、このベストに入れる曲で「こっちにしようかな?あっちにしようかな?」って悩んでるときとかもちょっと嬉しかったな。どれ出しても恥ずかしくない気分だったし。だからこそ、選曲はあんまり重要じゃないんだよね。だから、どっちかって言うと、ベスト盤に関しては出来たときではなくて、これが発売になって何か結果が出たときが嬉しいかもね。常々思うんだけど、音楽に関してはすごく真剣に3人でやってきて、忘れたころに評価とかされると、ベタな言い方だけど、ほんと真面目にやってきて良かったなっえいう気になる。例えば「NO SELF CONTROL」っていうシングル曲があるんだけど、セールスはそんなに成功しなかったかもしれないけど、あるとき出会った人に「NO SELF CONTROL」っていう曲でピロウズと出会って好きになったって話を聞くと、それだけで、意味があるじゃない?もちろん毎回毎回できるだけスピードも速く、自分の行きたいところに行ったり、触りたいものに触ったりしたいんだけども、そうじゃないからといって無意味じゃないってことをこの12年間で学んできた。だからベスト盤が発売されてだいぶたったときに 「あのベスト盤からピロウズ好きになったんです」っていう日tがいあたらうれしいだろうな。僕は「No Damage」っていうベスト盤で最初に佐野元春さんと出会って、今でもそれが一番好きだからね。