ラストツアー
&
モンスターズ・オブ・ロック





6月から再びヨーロッパツアーへと戻ったレインボーですが、
この時期、大きな問題が発生していました。

レインボーの看板ドラマー、
コージー・パウエルが脱退の意思を
明確にし始めたからです。

アルバム製作当初から、
コージーとリッチーは口論が絶えなかったといいます。
原因は、コージーはよりへヴィーな
サウンドを求めたのに対し、
リッチーはアメリカでも通用するようなポップな
サウンドを求め始めたからです。

た、プロデューサー兼べーシスト、
ロジャー・グローヴァーの
コージーへの圧力もあったといわれています。

ひとまず、この問題はツアー開始頃には
収まったようですが、
今度はリッチーが、グラハム・ボネットのヴォーカルに
不満を持つようになりました。
グラハムは、本気になると凄い実力を出すのですが、
ツアー途中になるとおちゃらけが入ったり、また酒に酔って
リッチーに対し悪態をついたりしたそうで、
2人の関係は徐々に悪化していきました。

グラハムは、イアン・ギラン的な問題があったと
ある本で指摘されていましたねえ。

ツアー終盤に差し掛かると、
グラハムのやる気のないヴォーカルに
怒ったリッチーが、客に背を向けてギターを
弾き始めた事もあったそうであります。
それを見たコージーは、自分のほうに向かって
演奏するリッチーに向かって、
「俺のほうを向いて演奏するんだったら、俺はやめるぜ」
と言ったそうな。

そして、ついに2回目のヨーロッパツアーの途中、
コージーはマネージャー達に
「ツアーが終わったら辞めるから、代わりを探しておけ!」と
脱退宣言とも取れる発言をしたそうです。

この事がバンド内に知り渡り、
リッチーは去り行くコージーの為に、
セットリストに急遽コージーのいちばんのお気に入りナンバー
”Stargazer”を組み込んだのです。
7月中旬くらいの事と聞いています。


この時期のセットリストは、
日本ツアーとほとんど変わりないものの、
コージーの脱退表明に伴い
”Stargazer”が新たに組まれています。


Eyes Of The World
Love’s No Friend
Since You Been Gone
Stargazer
Man On The Silver Mountain
Catch The Rainbow
Lost In Hollywood
All Night Long
Long Live Rock’n’Roll
Kill The King



では、この時期のブートを紹介していきましょう。



ANOTHER ON LINE (2CD)


まずは、8月8日のデンマーク公演を収めた
「ANOTHER ON LINE」から。
この「ON LINE」シリーズは、タイトルとは裏腹に
思いっきりオーディエンス物です(笑)

まあ、オーディエンス物ながら、
音は聴き易いほうではないでしょうか。
ちょっと客の声がうるさいですけどね。
また、演奏面でも安定していて、おちゃらけグラハムではなく、
ちゃんとした(笑)グラハムの姿がそこにはあります。

結構お勧めのブートです。



続いて、翌9日スウェーデン公演を収めたのが下記のブートです。



ON LINE (1CD)


やはり、オーディエンスもので、
音質は上のものより少し劣ります。
また、若干の揺れやこもる個所もありますが、
総合的には悪くない部類でしょう。

この日は、前日で集中力を全て使い切ってしまったのか(笑)、
グラハムのヴォーカルは暴走してしまっています。
音程はハズシまくり、途中で歌うのをやめたり、
ヤケクソ気味ですね。

1CDですので、当然すべて収録は不可能です。
”Lost In Hollywood”のあとのドン・エイリーの
ソロで終わってしまいます。
まあ、演奏内容がよくないので、あまりお勧めできませんが、
グラハムのおちゃらけ時の歌い方を知る上では有効(笑)



次も、やはり「ON LINE」シリーズ。



PERFECT ON LINE (2CD)


やっぱり、オーディエンス。
業者さん、たのんますよー。
こちらは、10日のスウェーデン2日目を完全収録。
音質は、9日とあまり大差なし。
というか、若干ながら劣る気もしますね。

グラハムは、・・・まあ、相変わらず(笑)ということで。
上と内容的に大差なしです。
万人向けではない一品。



さあ、そしていよいよ、
ファイナルコンサートであります!!
まさか、ラストステージがモンスターズ・オブ・ロックのトリだとは、
なんという劇的な展開なのでありましょうか!!

8月16日ドニントン・パークにて開催された、
へヴィロックの祭典、第1回”MONSTERS OF ROCK”。

このビッグイベントのトップビルにレインボーは選ばれました。

他にも、ジューダス・プリーストやスコーピオンズ、
ライオットやサクソンなどが出演しました。

本当は、ブラック・サバスも出演予定だったのですが、
当時サバスに在籍していた元レインボーの
ロニー・ジェイムズ・ディオが
「サバスのほうがレインボーなどより格が上だ!」と
お怒りになって、おじゃんになったそうであります。
そうとう、首切られたことを根に持っているようで、
最近のインタビューでも
リッチーの悪口を言っておりました。
まあ、気持ちはわからんでもないが。

この模様を収録したオフィシャルLPが出ています。
未CD化なのですが、レインボーだけ聴きたければ、
ブートなどによく収められています。

LPには、”Stargazer”と”All Night Long”の
2曲が収録されていますが、
”All Night Long”は客との駆け引きの部分が
思いっきりカットされています。

また、ブートビデオも存在します。
ただし、ブツ切リの計20分程度で
、あまりよろしくありません。
この模様は、テレビなどで収録されているはずなのですが、
なぜ完全版が存在しないのかが不思議です。

あと、オフィシャルラストアルバム”Finyl Vinyl”に、
この日の演奏が1曲だけ収録されています。





MONSTER CASTLE (1CD)


演奏前のリハーサルを収録した一枚。
隠し録りで、音悪し。
皆さん、のびのびリラックスしておられます。
なんてことのない、つまらない1枚です。





ROCKIN’ THE CASTLE DONNINGTON 
”END OF A RAINBOW” (2LP)


これは日本製の2LPブートですね。
オーディエンス録音で、音質はそれなりですが、
客の声が耳障りですね。
一部カットはあるものの、基本的には全曲収録です。
聴いていると、
途中で上空からジェット機らしき音が聞こえて来ます。
もしかすると、
これが原因でオフィシャル化されないのかもしれませんねえ。
それくらい、うるさい上に何度も聞こえてくるのです。

このLPには、2NDプレスがあり、
なぜか3LPになっているものの、
その分一部カットも解消されています。
1STに比べて10分程長く収録されていますので、
より完全な形を求めるのであれば、こちらでしょう。





MONSTERS OF ROCK LIVE (3LP)


これは、上のLPの2NDプレス盤(3LP)を
コピーしたと思われるブートです。
やはり関西の業者によるプレスもので、内容は上と一緒。
レア度は高いですよ。





LIVE AT DONNINGTON PARK 1980 (1LP)


これは、手を出さないほうが賢明かと思われる極悪ブートです。
真っ白いジャケに紙切れが一枚貼ってあるだけの、
昔よくあったアナログブートのパターンで、
個人的には作りは好きですが、
音はというと、前述のビデオと同じ内容で、
ぶつ切りの計20分、
それもラインで録音したのではなく、
スピーカーから流れる音を
直接ラジカセかなにかで録ったと思われる、
ひでー代物です。



他に、97年頃に発売された2CDブート
”END OF A RAINBOW”も
ありますが、既発ブートLPと、
ラインものをくっつけただけのもののようです。
よく知らないので、持ってる方おられたら教えてください。



いかがだったでしょうか。
このステージのドラムソロの後の、「コージー!!!」という
グラハムの叫びは、
その後の展開を思うと感極まってきますね。

このステージを最後に、
グラハムとコージーはレインボーを去ります。
コージーはゲイリー・ムーアと組もうとするも、
所属会社の問題で実現せず、MSGに、
グラハムは、再びソロ活動に身を転じ、
その後MSGへと加入します。

グラハムにとっては、シンガーとしてピークの時期
だったのかもしれませんね。