| VOL.39 FEBRUARY 2001 | ![]() |
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10年間続いたブランキー・ジェット・シティを解散したばかりのベンジーと、これまで生まれて一度もバンドを組んだことのUA。それに、RIZEというバンドを組んでいるTOKIEに、ロンドンに在住していた椎野恭一。もしも仮にバンドというものが、友達ノリ発展していった家族的な運命共同体だとするならば、メンバー各自のバックボーンがこれだけバラバラなAJICOは、まだまだバンドと呼べないものなのかもしれません。しかしながら、ファーストシングルとしてリリースされた“波動”を聴くと、AJICOこそ今どき珍しい、正統派な成り立ちから結成された。バンドと言えるのかもしれない、と思わされます。 インタビューでベンジーは、一番最初に、お互いのこともほとんど知らないまま、自分の曲をギターで弾いて、歌も詞もないままUAが歌ったときの音楽は、特別なものだったと語ってます。そのときに、この組み合わせはすごいものになると確信した、とも。つまりAJICOは、メンバーが決まるまえから既に、音楽的に目指すべき世界が見えていたバンドなのです。 「僕には見える 美しいことが」。1月にリリースされるセカンド・シングルで、ベンジーはそう歌ってます。おそらく最初にUAとデモ・テープを吹き込んだときに、その「美しいこと」が見えたのでしょう。そしてそれは、2月にリリースされるデビューアルバムにおいてまで、AJICOの音楽性として一貫しているものです。美しくて、切ない。ベンジーとUAという二大スターを擁することから、よくAJICOはスーパーバンドと称されます。しかしAJICOは、純粋に音楽から始まり、その音楽イメージをなんとか形にすることを目指しているという意味においてこと、スーパーバンドと呼べるのではないかと思えてならないのです。 ―――UAにとってはAJICOが初めてのバンドだと聞いているんですけど。本当にこれまで一回も組んだことなかったんですか。 UA「うん。写真まで撮ったっていうとこまではあんねんけど(笑)。クラスのみんなでスペシャルズになろうとか言って。みんなでこう、ダーッて背の順に横向いて、写真だけ撮ってんけど(笑) ―――(笑) それはバンドじゃない。 UA「ははは」 ―――これまではバンドなんか合わないなあ、ヤだなあっていうのがあったんですか。 UA「っていうかねえ、クラブ世代やんか、すっごく。で、バンド・ブームみたいなもんあったのはなんか知ってたけど、ナゴムレコードとかああいうのとかって普通に聴いとったけど、歌が好きやっただけっていうか。別に環境的にそいうことをやりたいなと思う人が、普通なら軽音楽部とかそういう人から『ボーカルやってくれ』って、たとえばカラオケとか行って歌うやん、そういうのを聴いて、やったら言われてんけど、普通にレベッカとかそんなんやからイヤやわって感じで(笑)。あとなんかね、そう、忙しかっってん。なんかやりたいことがいっぱいあり過ぎて。バンドやってる人ってもうバンド!って感じやんか? そういうふうには多分なられへんかって。でもそういうふうになれたら楽しかったかもしらんけど、やっぱり片手間的になる感覚やったから、遊びっていうか。で、話場〜っかりいっつもしてやってなかったりとか、あとはそのクラブに行ってたからね」 ―――なるほど。あんまりその、サークル活動的な、常に一緒につるむみたいな、そういうのに馴染めなかったんだ。 UA「ああ〜、でも・・・・・・自分で音楽作れへんしねえ。そのく仕切りたがり屋だしな(笑)。わかったぞぉ。もし曲を書いたりしとったら組んだかもね」 ―――自分の楽曲とか書いてればねえ、「ここはこうやってよ」とか「ああやってよ」とか仕切れるけど。 UA「うんうん」 浅井「UAが仕切ると、ほんとマジだから、真剣にやるんだね。だからね、ひとつの小さいことでいつまでも何時間も話して全然前に進んでかないの(笑)」 UA「そうかなあ?でもそれに対してだ〜れも意見をくれへんの。1個訊いても『もうUAが決めろ』とかなって『え?まじで?』って。すごいさあ、だって4人やのに、あたしがわらかへんから訊いてんのになんかこう、くれへんからもうすっごい落ちるっていうか」 ―――UAとしては何かみんなの意見が欲しいんだ。 UA「もちろん。『こうがいいと思うんだけどどうかなあ?』だってあたしが一番わからへんねん、多分音楽が(笑) ―――まあ、こうやってできあがってきたのを聴けば素晴らしい楽曲だし、ここnUAの声が乗っかったらいいだろうなあっていうイメージがベンジーの中にあったというのはわかるんですけども、こういうふうにバンド組んだことない人と組むっていうのはいろいろ面倒クサいかなあとか、そういう気持ちはなかったんですか。 浅井「(笑)」 UA「(笑)全国放送で言われたからな」 浅井「なかったよ、全然。何かあると思ったんだ、俺。初め自分のギター持ってさ、で、MTRって、VS880っていうデジタル・レコーダー持ってって、UAにマイク渡してさ。で、そんときまあ詞も何もできてない状態で、一応メロディはもうテープで渡してあるから俺がギター弾いてキー回して、で、UAがテープで歌ってんだけど、そんときにすごい、なんか天使のような気がしたんだよね、UAの声が。で、俺それ録音してまだあるんだけど、なんかそれすごい大好きでさ。この俺とUAの組み合わせはすごい、すごいなあとか自分でわかって。で、始まってさ、レコーディングが始まって、なんか初めのうちはすごいぎこちなかったけど、ぎこちないうちにレコーディングした曲もすごい気に入ってるし。で、他のメンバーともみんな溶け合ってきて、河口湖でアルバムレコーディングしたんだけどすごいいいアルバムできたと思っている。すごいいいアルバムだと思う。けど、一番初めに俺がUAの部屋に行って、お互いのこともほとんど何も知らずに、詞もまだ何もなくて、で、UAがそんときの気持ちでフェイクで♪らら〜、とか♪あ〜、とかいう声で歌ったあのギターとUAの声だけのあの世界は、あれは特別ものだったなあとかって思って。本当にUA詞を作ることですごく考えるし、ひょっとして、もちろんいろんな日本語に、詞に置き換えることなんかいろんな作業があって、いろんなメンバー等探して見つけて、で、今回のアルバム作って。それはすごいいいけど、ひょっとしたらもっとそれよりも上のところになんか本来の姿があるかもしれないなっていう気持ちはちょびっとある」 ―――じゃあそもそも最初に自分が持っていった楽曲を彼女が歌ったときに「あっ、これは!」っていうような、なんかこの音楽がどんどん、まだまだいけるところがあるかもしれないっていうような。 浅井「それは長い間俺音楽やってきたけど、なんか歌詞だとか何もなくても、その音UAの声とメロディとさ、その音だけで本当に心がすごい解き放つっていうか、なんかもう本当に気持ちよくなるっていうかさ、そういう状況があるんだなあっていうのが、そういうのが見えたっていう。だからそれはそれでそいうアルバムをいつか作っていいなあとは思ってるし。だからそれは、不思議なもんだよね。クラシックのああいう音楽、ベートーベンとかチャイコフスキーとかさ、ああいうのってもう言葉はなくてもメロディだとかそういうものだけで表現するじゃん、人の心打つじゃん。だからそれと似たようなことが、本当は一番強い自分の形なのかもしれないなっていうのはちょっと思ってる。でも俺たちの今の社会の人ってのはそんなクラシックとか全盛じゃないし。で、もちろんみんなすごい頑張って、歌詞の意味とメロディがちょうどこうきたときに一番歌詞もこうきてっていうように、すごいいろんなところからいろいろ作ったりすのも、それは全然いいんだけど。で、それはそれで今回のアルバムすごいいいと思う。すごいいい偶然がいっぱい生まれてるから、今回のアルバム」 ―――たとえばベンジーはいろいろバンドを経験してますけど、シャーベッツとかブランキーとか、あるいはAJICOとかって、それぞれのバンドによってその”場”は違うものなんですか。 浅井「うん、全然違う」 ―――AJICOの場合だと、楽曲に関してはAJICO用に今書いたりしてるの、それとももともとあった曲を使ったりしてるの? 浅井「AJICOはだからそのときに、自分のあった、もう1年以上前にあった11曲を、それを録音してUAに渡して、それが今やっている曲なんだけど。シャーベッツは今年の初めぐらいからできてた曲を録音して今度『今度オーロラってアルバム出るでしょ?その違いがある』 ―――AJICOのほうに出してる曲ってのはいうのはやっぱりこれUAが歌ったらいいなっていう、もちろんそれだよ。歌ってほしいなあっていう」 ―――出された楽曲に関してはどれもこれも歌ってて気持ちがいいですか? UA「うん」 ―――たとえばソロだったらこういうの選ばなかったけどみたいなものはあるんですか? UA「ああ〜・・・・・・う〜ん」 浅井「それは興味深い質問ですね」 UA「考え方がねえ、最初っから何つうの、トータル的にも見てるしさ、その11曲をなんかこう。で、全部の意味がわかるしさ・・・・・・う〜ん、何せほら、同じ人で全部アルバムやったことないから、ちょっと比べられへんけど。 ―――プロデュースはバンドみんなでていう感じなんですか、AJICOのアルバムは。 UA「うん」 浅井「そうだねえ。でも最終決断はUAが決めとったけどな」 UA「(笑)」 ―――ベンジーが歌う楽曲もあればUAが歌う楽曲もあるわけですが、AJICOとしての方向性をとかバランスとか考えたりするもんなんですか? UA「あたしなんか多分ほら、ベンジーが歌うのとあたしが歌うのってやっぱり違うから、合ったあれがあって、あたしがベンジーの歌を自分が歌いやすいように直すときにまたちょっとこう、素敵なサムシングが(笑)起きて。なんか新しくなっているような気がするけどなあ。ちょっとだから土臭くなるでしょ?あたしが、あたしのボイスが入るとっていうか(笑)。多分、もっと切ないと思うよ、ベンジーが歌うと。何つうんだろう、切ないじゃないな、もうちょうクールっていうか、なんか上手く言われへんけど。」 ―――ベンジーのほうはどうなんですか?この楽曲の並びみたいなものは。やっぱり自分の持ってるものとUAが歌っているのと、ちょっと世界が広がって変わってって感じなんですか。 浅井「もちろん」 ―――彼女が歌詞を乗っけたりしてるのも多いけども、そうするときまたやっぱりベンジーが歌ってるものと彼女が歌ってるものとでは、全然生まれ変わった感じはあるんですか、自分の曲が。 浅井「そうだねえ。全然生まれ変わってるよね」 ―――それはUAの言葉で言うと、ベンジーにとっても素敵なサムシングって感じなの?(笑) 浅井「うん、もちろん。もちろん******」 UAサムスィングだよ、サムスィング」 ―――(笑)ごめん。 浅井「邪魔するなよおまえ、人がギャグ言ってるところを(笑)。きみぃ」 UA「(笑)今ひと〜りで考えてしまった、それ『素敵なサムシング』って書かれたら、普通に恥ずかしくなってるんちゃうかなあっていう気がして(笑)」 浅井「きみきみぃ、俺がせっかく初のギャグを言おうとしたところを(笑)」 UA「(笑)ああ、じゃあもういっかいもっかい、はい。質問から言ってください(笑)」 浅井「もう遅いよ、きみぃ」 UA「聞き逃してしまった(笑)」 ―――(笑)質問忘れちゃったよ。えーっと、またその曲事態が新しい感じにはなってることは確かなんだ。 浅井「うん。当たり前田のクラッカー(笑)」 UA「何やそれか(笑)多分それ聞こえとったけど、いっつものことやから聞こえへんかったんかも。耳にもう引っ掛かってないんかもしれへんわ。 浅井「俺今無理して言ったんだから、言っとくけど(笑)」 UA「でもウケてるからよかった」 浅井「しょーもねえとか言っとったぞ、今(笑)」 ―――(笑)とほほほほ。 UA「あ、とほほだ」 ―――・・・・・・えー、とりあえず今現在、AJICOはアルバムまで作って、単独ライヴ直前という状態まできてるんですが、どうですか、もうバンドとして固まってる感じはありますか。 浅井「バンドやねえ。本当練習すればするほど鋭くなってるからなんか嬉しいな、自分としては。明日、あと10回ぐらい練習したなあ、10回ぐらい通ししたいなあ。UAはもう完璧だから大丈夫だけど、バンド・サウンドのほうね。それは自分だね(笑)、自分がちゃんとやらないとね」 UA「今頃やり過ぎてる感じ」 浅井「今週はもうAJICOモードです。AJICOモードっていうかAJICOだな。昨日の最後は通しよかったなあ。この間喉がぶっ壊れて喉がおかしいなあ、それが気掛かりだあ」 ―――どうなの?UAのほうはこういうバンドで何度も何度もリハやって、あるいはツアーみたいな、これはこれでソロとはまた違うと思うんですけれども、楽しい? UA「うん」 ―――こっから離れるのはちょっとさびしい。 UA「・・・・・・う〜ん(笑)」 ―――AJICOが我が家みたいな感じ?えられへんからなあ、逆に。甘えてもいいんやったら甘えたいかもしらへんけど、あたしすぐそんなやから、それをだからせんようにしてる。詞も次のこととかもあたし考えるようにしてるし、うん」 ―――ここがホームタウンとかにならんように。 UA「だからたま〜に、いやたま〜にじゃない(笑)、ずうっとポツッポツッていって続いたらいいなあって感じがするけど 浅井「ああ〜、な〜るへそ」 UA「椎野さんとかが先に死んじゃったら悲しいやろなあ。」 浅井「なんちゅうこと言うんだ、きみは(笑)」 UA「だってあたし一番年下やん(笑)。上から、80、90ぐらいになってさあ、『ああ〜、他のドラマーは考えられないわあ』とか言って、へへへへ」 ―――じゃあポツンポツンと、ずっと継続的にやるわけじゃないけども、長いタームで・・・・・・。 浅井「モーテルみたいな、モーテル・ワンとか ―――モーテル・ワン? 浅井「モーテルって、ポツンポツンとあるでしょ?見たことない?サンフランシスコだったかなあ」 ―――(笑)じゃあ、ベンジーのほうもできるだけ長いこと、このバンドが続けばいいなあっていう感じはあるんですか。 浅井「AJICO?・・・・・・もちろんアイロンメロン夕張メロンです(笑)って書いといてね」 |
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