LOVERS


出ていく2組のカップルを見送って、改めて二人きりになる。
久し振りの二人だけの時間。

「ね、ミコ。俺お腹すいちゃった…」
そんな雰囲気も壊す、ヒロシの第一声がこれ。
「も〜、ヒロシはそればっか…。」
ミコが少し呆れた調子で答えると、ヒロシの最大の武器、キラキラ笑顔を向けられて。
「ね、御飯食べに行こうよ」
ね。なんて語尾にハートマークでも付いてそうな感じに言われては、ミコも頷くしかない。
凶悪なまでに可愛い…。なんて思ってしまう。
「ダメ?」
最後の駄目押し、首をちょこんと傾げて。もう降参、と言う感じで
ミコは側にあったバッグを掴んで立ち上がった。
「いいよ、行こう。ヒロシ何食べたい?」
「う〜ん、やっぱ焼肉かな?…俺奢るからさ!」
「当たり前じゃん!ヒロシに奢ったらあたし破産するよ!」
二人は他愛ない会話を交わしながら店を後にした。

暫く車を走らせ、食通を誇るヒロシ御推薦のタン塩の
旨い焼肉屋に到着した。
「ってゆーかさ!ヒロシの運転荒くない?」
「そっかな〜、俺巧いよぉ!絶対〜」
「男ってみんなそ〜ゆ〜風に言うよね」
「俺はマジだって」
一通り注文を済ませ、また二人は漫才にも似た会話を繰り広げている。
「あ〜やっぱ肉やめた方がよかったかな…。」
「なんで?」
「だって最近あたし太っちゃってさ〜」
「あ、俺も坂本君に大阪で太ったって言われたな…」
『ま、いっか』
同時に零れた言葉が同じで。思わず二人は声をあげて笑った。
かなり大きな声だったが、周りも騒がしく誰も二人を気にする者は居なかった。
「も〜お腹いっぱい!」
座敷きなので足を投げ出したヒロシがお腹を摩りながら言う。
その正面でミコは、メニューをパラパラとめくる。
「でもあたしアイス食べたいかも…」
「あ!俺も!」
「じゃ、はんぶんこしよ、すいませ〜ん」
近くに居た店員を呼び止め、このお店の定番デザートのバニラと抹茶のアイスクリームのセットを注文した。
程なくして、アイスクリームが到着する。
「はい、ヒロシ」
ミコがスプーンでひとくち分掬ってヒロシに食べさせてあげる。
「おいしい?」
「うん!甘くて美味しい!」
「はい、もうひとくち」
ヒロシは、あ〜んと口を開けてそれを受け取った。
「ミコは?食べないの?」
ヒロシに食べさせてばかりで、ミコは食べようとしない。
「あたし?…じゃ、食べるね」
そういってミコは、テーブルの向こうがわのヒロシにくちづけた。
「!」
「あ、ホント美味しい!」
「ミコ…」
ヒロシは少し呆然として、白い頬を赤く染めた。
「ヒロシ、可愛い★」
ミコは勢い良くテーブルを乗り越えてヒロシに抱き着いた。
ミコのスカートがふわりと揺れる。
慌ててヒロシもミコの身体を腕で支え、そのまま後ろの壁に背中を預けた。
抱き着かれる体勢のまま、ヒロシが呟く。
「ミコって、ちょっと変な子だよねぇ…」
「え?ヤダ?こ〜ゆ〜タイプ」
「ん〜?…好き」
「ならいいじゃん」
「そぉ?」
「そうなの」

目の前のアイスクリームが溶けてしまっても、二人は気にもとめずに抱き合って笑っていた。

二人きりの夜は、まだまだ終わらない。



+++++++++++++++++++++++++++++++++++
ミコっちの小説かわいいさ★
ってゆうか二人とも上手い♪うちなんかより全然OK!!
見習いっす(++)

RELAYNOVEL MENU