恋をすることっておじいさんいなっても 一生続けられたらいいと思うんですよね。 西 司

Tsukasa Nishi

告白はいつも自分からしていたような。
1度1人の女性を好きになったら、嫌われるまでずっと想い続けたいですね。


ボーカリスト・西 司。自らの活動と並行して数々のアーティストのコンサートやレコーディングにコーラス参加している
彼の名前は、数々の音楽シーンで目にすることがあるだろう。そして偶然にもデビュー10年目となった今年、
ASKAと共同プロデュースによるアルバム『RE-INTRO』をリリースすることになった。
そのきっかけも西がASKAのコンサートにコーラスとして参加していたことに遡る。
今年の初め頃、彼のアルバムを聴いたASKAが感動して
「インディーズではもったいないよ」と、スーパーバイザーを買って出たのが始まりで、やっていくうちにどんどんのめり込んでいき、
ついには共同プロデュースという形まで発展していったのだ。

「まるでASKAさんが僕の10周年を祝ってくれているかのようでうれしかったですね」というのが彼の素直な心境。
ASKAのソロライヴをサポートしていくうちにボーカリストとしての意識にかなり影響を受けたと話す。
「今まではどっちかっていうと楽器的な歌い方をしたほうがいいという意識が強くて、どうしても音程を外さないようにキッチリ歌おう
とか、そうことばかり考えてしまっていたんですよね。でもASKAさんの歌い方というのは感情の抑揚をすごくつけられる。
少々音程が外れていても気持ちが入っているほうのテイクを選ばれるんです。けれど一緒に作業を続けていくうちに
自分でもそっちのほうが気持ちがいいことに気づき始めたんです」

そういう経験を経て生まれたこのアルバムの中で、ボーカリストとしての彼の力量が、9つのラブソングに彩られて発揮された。
中にはASKA、古川昌義、西司の3人が詞・曲・アレンジを手掛けるスペシャルユニット“WONDER FREE”による曲も収録されている
歌詞は全体的に自分自身の経験と、そこからくるフィクション、そして理想・・・と語る彼は、
いったいいつからラブソングを歌うようになったのか。
「昔は好きな人に歌を聴いてもらいたくて、文化祭に呼んだりしましたからね。今思えばその頃の歌はものすごくストレートやし、
いったい何番までいくや!ってくらいの勢いの歌を作ったりしてましたからね(笑)」
この微笑ましいエピソードが、彼のボーカリストとしての原点といえるかも。自分の歌で気持ちを伝えるって最高のロマンティック。

「そんなに恋愛経験があるわけではないんですが、けっこういつも直接告白してきましたね。結果はどうあれ(笑)、
好きになったら一直線に。それに僕は1度好きになったら長いんですよ。相手が僕のことを嫌いになるまでずっと
想い続けるくらいのめり込みますね。そう考えると、僕の女性の選択が正しかったから長く好きでいられるのかな?って思っちゃいます」

という一途な人。が、その一方で、たま〜に浮気心も芽生えてしまうらしく、そういう時は「好きな人ができちゃったんだ。どうしよう?」
という具合に彼女に正直に話してしまうという。女としては困ったものだけれど、あまりの正直さに愛しさが倍増してしまうのかもしれない。

「恋をすることって一生続けたいと思うんですよね。おじいさんになっても、居酒屋でとなりに座ってる女の子を見て、
かわいいなと思える気持ちは失いたくない。好きになる気持ちがなくなってしまうと、もう人生が終わっちゃうような気がするんですよ」
そんな彼のラブソングに心地よさだけでない真実味を感じてしまうし、間違いなく彼自身の恋愛観を垣間見ることができるのだ。

この記事は1999年12月「anan」に掲載されたものです。