第四回:「悲しいlove song」
よくメロディーが切ないと言われるスピッツ。 でも歌詞の方がもっと切ないことだってあるんです。
今日は「旅の途中」(10thアルバム三日月ロックより)をとりあげたいと思います
ご存知のとおり、アコースティックギターが心地よい爽やかな曲です
♪君はやって来た
あの坂道を 駆けのぼってやって来た
どうでもいいはずの
小さい思い出を 拾い集めたりしながら
ゆううつな迷い子をなでるように 風は吹き抜けてく
旅の途中
腕からませた
弱いぬくもりで 冬が終わる気がした
正気な言葉をポケットに入れて たまにはふり返る
旅の途中
君はやって来た
あの坂道を 駆けのぼってやって来た
一見、純情で幸せそうな恋の歌に聞こえますが、よぉーく聞き込んでみると、隠れたオチが見つかります。
赤くなっている文字を見てください。 「冬が終わる」という言葉には、2つの意味があると私は考えました。 1つは文字通り「季節が変わる」 もう1つは「春(=恋愛)が始まる」という比喩です。
ところが下線部。 「冬が終わった」ではなく、「終わる気がした」 つまり、主人公の想像で止まってしまっているのです。 その儚い夢はその後どうなったのでしょうか?
江戸時代の俳人・松尾芭蕉の書いた「奥の細道」はこんな文で始まります
<<月日は百代の過客にして 行き交う年月もまた旅人なり>>
「旅の途中」とは「人生の途中」 恋に破れてしまった主人公は、“正気な言葉”(=ありのままの気持ち??)を“ポケットに入れて”(=隠してはいるが、いつでも取り出せる状態) 今までの恋の歴史を振り返っているのかもしれません。