ピロウズについて


the pillows


 「自分は人とは違うんじゃないか」「どうもまわりの意見とうまくかみ合わない」「みんなの会話についていけず、合わせるのに相当のパワーを費やす」「僕が変わっているのか?世間が変なのか?」

ぼくが日頃考えていること。人間誰しも少しは感じている気持ちなのかもしれない。しかし、ぼくはそんな感情を人より強く持っていると思う。

「人とは違う方向に行こうとする」「あまのじゃく」「頑固」「表舞台には立ちたくないけど、目立ちたい」

ぼくがその気持ちを解消するためにとってきた行動。いずれもネガティブ、かつ後ろ向きで逃げの姿勢。でもそれでもいいと思ってた。けれど心の奥底では不安だった。

「このままでは取り残されるのではないか?」

そんな不安を抱えていたとき、ぼくはピロウズに出会った。

「誰の記憶にも残らないほど鮮やかに消えてしまうのも悪くない 孤独を理解し始めてる僕らにふさわしい道を選びたい」(「Swanky street」)
「いつの日にかきっと全ての人とわかり合える そんな夢を見ていた少年 あれは僕じゃないのか?」(「Black sheep」)
「観覧車に一人で暮らしてる 大嫌いな世界を見下ろして」(「カーニバル」)

「なんて悲しい詩を書く人なんだろう」
ぼくがピロウズのフロントマンである山中さわおに感じた印象はこれにつきた。
色鮮やかなメロディーで展開される極彩色のポップソングには不釣合いな悲壮感溢れるフレーズ。
こんなに孤独をあからさまに歌い放つミュージシャンがかつていただろうか?

「どこでだって誰の前でだって ただ自分でいたい」(「LAST DINOSAUR」)
「辿り着いた誰かが残していった旗に群がるなんて下品なしきたりさ 来るべき時が来たらキミの立つ足元も頂上なんだ 〜 歩み寄るべきだなんて思わないだろ?」(「TRIP DANCER」)

「無理に合わせなくてもいいんだよ。キミはキミのままでいい。」
周囲に混じれない自分を解放する力強い決意。
この頃、山中自身が感じていた思いを、ストレートに詩に乗せて歌っているこの思いを、僕は必要としていた。

「汚れた僕の鏡でうつせるたった一つの偽物じゃない光 キミは僕の光」(「ONE LIFE」)
「僕だけの窓を開いて待ってたんだ 〜 たった一人キミは僕の味方」(「カーニバル」)

そして彼の詩の中で繰り返し歌われる「たった一人のキミ」への思い。
孤独だからこそ強い、愛する人を思う心。
人を愛することとは、異質な世界の中でたったひとつ信じられる灯火を命がけで守ること。

「君といるのが好きで あとはほとんど嫌いで 〜 優しい歌を歌いたい 拍手は一人分でいいのさ それは君のことだよ」(「ストレンジカメレオン」)

人は誰しも孤独だ。だからこそ誰かを強く愛するのだと、気づいた。

「何かをなくしてもキミを離さない 〜 誰もが忘れても僕は忘れたりしないぜ 世界が笑っても自分を疑わない 〜 全てが変わっても 僕は変わらない」(「Fool on the planet」〜2001/2/7発売のベストアルバムより



そして山中さわおの最新の思い。

「この世の果てまで」

聞こえてくるのはキミの声 それ以外はいらなくなってた
あふれる涙はそのままでいいんだ もしも笑われても

行こう 昨日までのキミを苦しめたものすべて
この世の果てまで 投げ捨てに行こう

街のルールに汚されない 今日もやつらロボットみたいだ
無駄な日なんてありえない そうだろ?はしゃいで息が切れても

行こう 今そばで高くこの声は突き抜けて
会えない夜もキミに歌うよ

行こう 昨日までの二人を苦しめたものすべて
この世の果てまで投げ捨てに行こう

聞こえてくるのはキミの声 それ以外はいらなくなってた




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