「音源で振り返るKING OF LIVE」第1回は1980年のライブです。
ご存じの通り、この年はライブハウスからホールに進出していく時期です。
この年はライブアルバム「ラプソディー」が出た年でもあります。
では、早速振り返ってみましょう。
*** 渋谷屋根裏 (80/1/22)
よォーこそ/ロックン・ロール・ショウ/たとえばこんなラヴ・ソング /Miss.K/窓の外は雪
恐るべきジェネレーションの違い(Oh!Ya) /Soul X'mas/Sweet Soul Music/君が僕を知ってる
ブン・ブン・ブン/ステップ!/スローバラード/雨あがりの夜空に
(アンコール) いい事ばかりはありゃしない/キモちE
当時の風潮かもしれませんが、200人の超満員の客が入っているわりには、客席は静かです。 曲が終わっても拍手がパチパチって感じで、翌年以降の大熱狂で演奏を本当に聞いているのか分からない客は皆無です。演奏ですが、リンコ氏が、まだ試行錯誤中(?)なのか分かりませんが、ベースラインが曲中でバンドのグルーブを止めてしまっている箇所がかなりあります。 曲に関しては、"ロックン・ロール・ショウ"はアルバム「BLUE」で聞かれるフロア・タム中心のリズムではなく、まだ普通の8ビートです。 |
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*** 久保講堂 (80/4/5)
よォーこそ/ロックン・ロール・ショウ/エネルギーOhエネルギー/ラプソディー/ボスしけてるぜ
Mari's Jam/たとえばこんなラヴ・ソング/いい事ばかりはありゃしない/Sweet Soul Music
-The Dock Of The Bay/エンジェル/お墓/ブン・ブン・ブン/ステップ!/スローバラード
雨あがりの夜空に
(アンコール) 上を向いて歩こう/キモちE/指輪をはめたい
アルバム「ラプソディー」の元になった公演です。
マニアの間では、未編集のライン録音テープ(お墓、指輪をはめたいが未収録)と上記未収録曲も
収録した良好な客席録音テープが出回っているようです。
演奏内容自体はアルバムになるだけあって、充実しています。ほとんど、楽器隊は差し替えがない
ようですが、清志郎のヴォーカルは、歌詞が出てこなかったりする箇所があったりするので、
アルバムでは、かなりオーバーダビングされていると思われます。
少し上げてみると、"よォーこそ"では銀次の部分の歌詞が一部抜けています。
"ブン・ブン・ブン"でも歌詞忘れがあったりします。あと"キモちE"では歌い出しを間違っています。
曲については、"Mari's Jam"は、ほとんど即興の歌詞でBLUESフォームに載せて清志郎と金子マリ
がトーキングブルースっぽく歌っています。内容は今夜の競演の事がメインですが、金子マリが
エンジェルの歌詞をもじっていたりして歌っていて、なかなか聞き応えがあります。
"お墓"はイントロがMY GIRLを彷彿させるベースのフレーズから始まりますがなんとなくダラっと
終わってしまいます。"指輪をはめたい"は後年アルバム「KING OF LIVE」で聞かれるアレンジに
近いんですが、後半のオーティスのモンタレーでの"Try A Little Tenderness"のライブのもろパクり
アレンジは、まだです。
*** 大阪ゴーストタウン (80/5/24)
よォーこそ/エネルギーOhエネルギー/たとえばこんなラヴ・ソング/
ラプソディー/君が僕を知ってる/Sweet Soul Music/ボスしけてるぜ
いい事ばかりはありゃしない/けむり/ステップ!/スローバラード
雨あがりの夜空に
(アンコール) 上を向いて歩こう/キモちE
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が、G2は、よォーこその紹介では相変わらず一旦曲が 終わってからの紹介となっています。演奏は、銀次パー トが無くなったくらいで久保講堂とほとんど変わってい ないのですが、"ラプソディー"には変化があります。 イントロが何とサビの「バーンドマーン」のアカペラで 始まっています。 これは、個人的にはとても好きなアレンジだったりしま す。あと"けむり"もアカペラで始まり、CHABOの滅茶 苦茶なギター弾きまくりが間に入って再びアカペラで 終わるというアレンジになっています。 |
White Christmas(inst)〜よォーこそ/Sweet Soul Music-The Dock Of The
Bay
いそがC/たとえばこんなラヴ・ソング/ダーリン・ミシン/スローバラード
僕はタオル〜けむり〜交響曲第9(inst)/モーニング・コールをよろしく
いい事ばかりはありゃしない/ヒッピーに捧ぐ/Blues Session
あきれて物も言えない/トランジスタ・ラジオ/ブン・ブン・ブン/上を向いてこう
指輪をはめたい (音源はここまでなので、以下不明ですが、
おそらく"雨あがりの夜空に"や"キモちE""ボスしけてるぜ"が演奏されたと思われます)
Please Play It Loudとのサブタイトルが付いた80年東京最終公演です。
(この後、関西では数公演行われています。)
このライブは今後続くクリスマス公演の第一回目で(次の年から武道館)、かなり気合を入れており、
ライブ前に清志郎は「会場の時間が許せば全レパートリーを演りたい」とまで語っています。
人気も上昇してきた時期のライブですので、観客の歓声もすごい物があります。
さて、ライブですが、オープニングでは、チャボのMC「今日のコンサートを偉大なロックン・ローラー
ジョンレノンに捧げます。」の後に、クリスマスのライブらしく"White Christmas"のインストで始まりま
す。その後、清志郎のカウントで"よォーこそ"を演奏。 この曲は通常リンコ氏のベースから始まるの
ですが、このカウントから一斉に始まるアレンジは なかなか新鮮です。続いては、"Sweet Soul Music"
ですが、曲の後半で、この後の定番となる "The Dock Of The Bay"をアドリブで挟み込むというのを
始めましたが、まだ試行錯誤中のようで、バックのリズムとうまく合っていません。
その後の"僕はタオル"からのメドレーで"けむり"にいくのですが、これは歌のバックでリズム隊が
フリージャズっぽくやるアレンジみたいなのですが、新井田氏のドラムはリズムにとらわれすぎて
いるようで、全然崩してないのでかえってアンバランスな出来になってしまっているようです。
ヒッピーはおそらく久しぶりの演奏なんですが、私の推測では、MCでも触れたりしていますので、
おそらくこの月に亡くなったJ.Lennonの事が念頭にあったのでは、と思われます。
"Blues Session"は4月の久保講堂と比べると1フレーズを延々繰り返して ホテルのシングルルーム
に関する事を歌うのですが、全然おもしろくないです。
最後に、バンド自体は、ホーンセクションも入り、かなりブ厚い音を出すようになっています。
コンビネーションもこなれてきたようで、遂にKING OF LIVEの片鱗が出てきたように感じます。
以上、今回は1980年のライブを振り返りました。この年は小川銀次の脱退という誤算もありましたが、
遂にメンバーも固定されて、清志郎の理想のサウンドに近い物が出来つつあり、なおかつライブ
ハウスからホールへと拠点が移りつつあるためのステージングの変化等のバンドの成長過程が
良くわかる貴重な時期でした。