Little Screening Review
”リトル・スクリーニング・レビュウ”
のんびりしたり結論急いだりのエッセイコーナー (by midnight)

第11回 清志郎と夢

 ”何度も夢のなかでくり返すラブソング〜”「何度も夢のなかでくり返すラブソング」とラジオ、
コンビニ、デパートでかかりまくっている。カラオケにも6月中に入ったそうだ。このくらい、清志
郎の新曲もあちこちで耳にできるといいのだが・・・
 さて、この”何度も・・・”といい、「ラフィータフィー」に入っている「夢」といい、最近の曲
には”夢”という言葉がキーワードのごとく入っている。そこで、今月は”夢”でスクリーニングを
してみよう。


 夢といってもいろいろな夢がある。
 眠っていて見る夢。
 清志郎はとてもよく寝る人というイメージがあるのでレム睡眠も多そうで、夢もたくさん見ていそ
うだ(チャボは不眠症なのに(笑))。そういえば、以前、ファンクラブ会報に「清志郎が見た夢の
話」がでていたが、悪いことをして捕まるというような、あまりいい夢ではなかった。
でも、悪夢ばかりではなく、いい夢もみているはずだろう。
 ”あまり甘い声じゃだめさ 夢の続きになるから”「モーニング・コールをよろしく」なんて、彼
女の甘い声が夢に登場してきてしまうということ。これはいい夢。
もっとも次の2曲にでてくる夢はあまりいい夢のようには感じないが。
”夜に腰掛けてた中途半端な夢は 電話のベルで醒まされた”「多摩蘭坂」
”お月さまだけが知ってることさ (中略) 星もない空に見た夢も”「ねむれないTonight」

 「スローバラード」で見た夢(”ぼくら夢をみたのさ”)はどんな夢だったんだろう。”悪い予感
のかけらもない”ときに見た”とってもよく似た夢”。二人の明るい未来についての夢だったのでは
ないだろうか。そして、この夢は、単に眠って居る間に見る夢というだけでなく、二人の将来の夢と
いう意味でも使われていると思う。
 「冬の寒い夜」も、寝て見る夢と、二人が一緒にいることの夢をかけている。
”冬の寒い日は君を抱いて眠るのさ 暖かい夢を二人でみるのさ
 あたたかい夢を抱きしめて ひかり射し込むまで”
 あたたかい夢って、二人のあたたかな将来のことではないだろうか。
 「おやすみもうすぐ逢える」も、二人が夢の中で会う事と、二人が一緒になれる未来を夢みるのと、
両方の意味を兼ね備えていると思う。
”今夜からぼくは窓のカギをかけずに眠る ぼくの夢が窓から抜け出して君に届くように
 いつの夜僕は君の窓に入っていける。あたたかい部屋で二人の夢がひとつになるのさ””夢の人が
ちいさな窓から入ってこれるように”

 「夢を見た」は恋人の夢をみているというのに、悲しんでいる。
”きみのことを夢に見たのさ 目がさめてぼくは悲しい
 夢の中には涙はなかったさ 目がさめてぼくは悲しい
 鏡の前できみを呼んでも  泣きだしそうなぼくがいるだけ
 今日1日は朝から晩まで  なんとなく悲しい”
 この曲ではっきりしているのは、現実には”きみ”が去ってしまっていて”ぼく”ひとりというこ
とだ。ただ、夢の内容となると二通り考えられる。つまり、”きみ”が自分の元を去ったという現実
を夢で再び見てしまったのか、それとも夢の中では”きみ”は”ぼく”の元にいるのか、どちらとも
とれるのだ。前者だと、夢の中では”きみ”が去っていくという現実感が薄いために”夢の中には涙
はなかった”のかもしれない。また後者だと、夢の中では二人は楽しい関係なので、夢から覚めると
”きみ”がいない現実感が襲ってきて”目がさめてぼくは悲しい”のかもしれない。泣くよりも”泣
き出しそうなぼく”や”なんとなく悲しい”というのが、悲しさを助長しているように思える。

 眠ってみる夢とは異なる夢もある。
 それほど重みのない、詩の常套手段として使われる言葉だったりする。たとえば、”いつの日どこ
かに落ち着くことができる そんな夢を見ながら今夜ここで踊るだけでいいのに”「よそ者」
 ”この世界は暗くて悲しい夢があふれる 二人だけは愛し合おう いつまでも”「Good Lonin'」
 ”二人で盛り上がる雲に寝ころんで見る夢 手と手をつないで僕らは高く飛びまわる”「サンシャ
イン・ラブ」
 ”夢見るGROOVIN' TIME 君と二人で・・・夢から覚める・・・君と二人で”「夢みるGROOVIN'
TIME」

 ちょっと現実味と重みのを含む夢もある。
”君の名前を呼んでみたのさ 憂鬱そうな曇った空に悲しそうにワザト
 ああ夢は終わった もう二度と戻れはしない ああ夢は終わった
 ああ夢は終わった もうきれいさっぱりと  ああ君のせいだぜ”「ワザト FEEL SO SAD」
 この夢って、恋ってことだろう、多分。
 そして、次の曲の夢も”君との恋”のことだろう。過ぎ去った夏の恋のことを晩秋に思い起こして
いるのだろう。
 ”あの夢をとりもどしたいんだ””もう一度あの屋根の上に君と帰りたい”
 ”あの夏をやり直したいんだ 君とまた歌いたいんだ”「インディアン・サマー」

 「太陽の当たる場所」の夢も”君”と関係する夢と思える。先月の特集でも話題になったが、これ
は過ぎ去った日のことを歌っているのか、それとも今も夢を追い続けている現在進行形のポジティブ
な歌なのか、どちらだろう?
”はるかな夢を追いかけた 見知らぬ夜をのり越えて
 ああ覚えてるかい?一度だけ君が泣いたこと この胸で
 ああこれは一度だけこの運命に甘いキスを送ろう”「太陽の当たる場所」

 恋に限らず、もっと重い、人生観に通ずる夢もある。「世間知らず」の夢なんてそんな夢のひとつ
だ。
 ”世間知らず何も知らず だけど今も夢を見てる そんなぼくなのさ”
 そして、最新アルバムラフィータフィー収録の「夢」。世間知らずとはまた違って、成熟した大人
の人生観(夢)が歌われている。しかも愛があふれている。いい曲である。それこそ、大人のプロポ
ーズソングともいえよう。
”夢があるのさ ひとつの夢が 遠い遠い道でも大丈夫さ 夢をこの夢をわすれない”
 夢に乗らないか 人は笑うだろう ちっぽけな夢だけど大丈夫さ
 夢をこの夢を 信じられるかい?
 夢はそのままじゃただの夢のまま 誰かがそばにいなけりゃ この愛が可愛そうだよ
 君は笑うかな?おかしな夢さ 力を合わせれば大丈夫さ 夢をこの夢を信じられるかい?
 夢があるのさ ひとつの夢が”

 そろそろ暑さも落ち着いて、寝苦しい夜も少なくなってきた頃。いい夢をみたいものだ。


”夢”でスクリーニングした曲
「何度も夢の中でくり返すラブソング」{シングル(ぴんく)}
「多摩蘭坂」 {BLUE}
「モーニング・コールをよろしく」 {PLEASE}
「ねむれないTonight」  {O.K}
「スローバラード」 {シングルマン}
「冬の寒い夜」 {Baby a Go Go}
「おやすみもうすぐ遭える」 {日本の人}
「夢をみた」 {FEEL SO SAD}
「よそ者」 {BLUE}
「Good Lovin'」 {Good Bye EMI}
「サンシャイン・ラブ」 {rainbow cafe}
「夢見るGROOVIN' TIME」 {GROOVIN' TIME}
「ワザトFEEL SO SAD 」 {レザーシャープ}
「インディアンサマー」{GOGO 2・3'S}
「太陽のあたる場所」 {ラフィータフィー}
「世間知らず」  {メンフィス}
「夢」 {ラフィータフィー}
   (引用順 :{}は主な収録アルバム名

11号表紙へ戻る