Pie(以下、p):.なんかいまいち好きになれません。
TSURU-TSURU(以下T):僕もLSRの中では一番好きです。(3枚しか出してないけど)
清志郎らしさの出ている写真だと思いました。
naughty(以下n):悪くはないんだけど、清志郎しか写ってないので、バンドのジャケットとは思えない
ですね。2-3'sの頃は、バンドの一員として見られたいと思っていたようですが、考え方が変わった
のかな?
m:LSRのジャケットでメンバー全員が写っているのってないですよね。グルーヴィンタイムのは
ジャケとはいえませんし。前回のrainbow cafe も清志郎しか写ってませんよね。やっぱりLSRじゃ
なくて、清志郎とLSRなんでしょう。
T:中を開くとちゃんとメンバーとの写真もあるんですよね。それを表紙でも良いんじゃないかとも
思います。
n:清志郎の顔が情けない様な気もしますが(笑)。
全体を通して
m:ラブソングのないアルバムですね。こういう清志郎の内面的な暗い詞、自虐的な詞はもう書かない
のかと思っていました。明るいラブソングが主になっていくのかと思っていました。でも、清志郎の
中には脈々とそういう想いはながれていたんですね。こういう清志郎の世界も、私は好きなのです。
全体的にいうと、重い詞を明るめの曲調が救ってるって曲が多いですね。あと、直接的な詞が多い
ですよね。でも、内容は深いなと思いました。
p:私は全く逆です。内容は深いように見せて浅いと思いました。簡潔だから深いとみせてますが、
見た目通りの浅さかなと思います。タイトル思いついて、コード進行考えてタイトルにあわせた
歌詞つけて終わりって感じです。実際はもちろんどうなのかは知りませんが。
n:確かにpieの言うとおり、コード進行考えてタイトルにあわせた歌詞つけて終わりって感じの曲が
多いと思いました。アルバムのトーンが暗めなのは、「RUFFY TUFFY」に曲が(おそらく)流用された
からとか、「RUFFY TUFFY」と色を変えるため、はたまた、君が代問題がおきると想定して、
暗く重いアルバムにしようという計算があったかもしれません。
T:内容は置いておいて、話題になったアルバム、しかもミニアルバムということでこの値段を考えると
店で見つけて買いやすいですよね。
m:せっかく話題になったのに、台湾地震のためにセカンドプレスがおくれてしまったりして、つくづく
ついてないアルバムだとおもっちゃいました。
T:欲しい人に行き渡って欲しいですよね。でも品薄ってけっこう煽れますよ。宣伝さえうまくやれば。
収録曲
1.俺がロックンロール
p:ドカドカの焼き直しでしょうが、あれほど笑えないです。
m:私はこの曲好きです。そういえば、GROOVIN’TIMEでもこういう感じの曲(ガラクタ)を持ってきて
いましたね。よく「俺がロックンロール」と言っていますが、それをそのものずばりと言ってますよね。
最後のシャウトも、「君が代」に続くにはいいのではないでしょうか。
T:「ロックンロール」や「スター」って言葉自体を今のミュージシャンはあまり使いませんよね。
「ロックやるぜ」「スターになりたい」とかは、今の若い人たちにはダサイ響きのある言葉に思えます。
清志郎らしいとは言えるけど、それは清志郎を聴いているからで、はじめて清志郎に触れた人が
この言葉は本気なの?ギャグなの?と思うんじゃないか心配です。
p:曲は特に思うとこありませんが、詞が(私にとっては)駄目さが目立ちます。
n:詩に関しては、分かり易い一種のパロディだと思いますよ。曲ですけど、いかにもライブの
オープニング用に作った曲ですね。絵が浮かびます。最初清志郎以外のメンバーがステージに
立ってイントロを初めて、長めに引っ張ってる途中に清志郎が跳ねて登場!と。ちゃんと客に
歌わせる部分もあったりしますしね。リフはエディコクランのSomething Elseの変型パターンですね。
タイトル通りのロックンロールだからでしょう。おそらく、そろそろドカドカとかに代わるLSR流の
ロックンロール曲を作りたかったのだと思います。
2.君が代
T:パンクアレンジにしようと考えたことがすごいなと。迫力あってカッコイイと思いましたよ。
p:パンクでやれっていえば、誰でもやりそうな、ひねりのないアレンジがどうも好きになれませんが、
それがいいという人もいるのもわからないでもないです。
T:その意見多いですね。けっこうそのまんまだったからガッカリしちゃったんでしょうか。
n:私はこれ好きですよ。ライブよりも演奏も良いし。この手の曲はひねらないストレートなアレンジで
良いかなと思います。曲の位置に関しては、流れ的にはこれで良いと思います。ただ、ポリドール
から出たとしてこの曲が収録されなくてこの位置に「こころのボーナス」が入っても曲調的には問題
ないと思います。
m:これをやった是非は別として、そんなにいいとは思いませんでした。ただ、この曲をアルバムに
いれたかったのは判る気がします。まず、1曲減るのはボリューム的に辛いですね。あと、1曲目で
「俺がロックン・ロールなんだ」といってシャウトしたあとで、この曲をやって、次の曲が来たれ21世紀
というのは、繋がりとしてはあると思いました。
T:ボリュームは元々ミニアルバムだから関係ないと思いますが。
p:帯に「君が代収録」ってあったのには、やはり売りたいんですね、と思いました。
n:そうですね。発売も当初よりも早く、話題がさめないうちだったし。まあ、売る側として、話題に
なっていることを帯に書くのは仕方ないですね。清志郎のみならず、プロミュージシャンだったら、
周りのスタッフとかの生活もあるので、売れるようにしなくてはならないでしょうから。
T:普通の場合、帯も清志郎が考えるんですか?今回はインディーズなんで清志郎が結構関わって
いそうですけど。
n:普通の場合、チェック位はすると思いますが、深くは関わっていないでしょう。
ただ、今回はインディーズだったので、関わっていると思いますよ。
T:そうですか。ところで話はそれますが、帯には東芝、ポリドールでのLSRのアルバムが載ってます
よね。これって広告費みたいなものは取っているんですか?
n:多分、取ってないでしょう。
T:もちろんこれらのアルバムが売れれば清志郎にも印税が入りますが。
n:前号の特集でも触れましたが、やはり清志郎自身は、LSRを売りたい、あと、出来の良かった前作
「ラフィータフィー」も売りたい、ということで、あのオビになったと思うんですね。
ですから、それ以前のものは載せてませんよね。
3.来たれ21世紀
p:これって、盗作にならないんでしょうか?365歩そのままじゃあまりに芸もないので無理して詞を
つけたような気がしてなりません。
m:ま、365歩のマーチ(パンク)が本歌ですものね。でも、歌詞はかなり変わりましたよ。
「俺は自由」といいながら「逃げろ」といっているところ、なんか深いなと思いました。
p:あれっ、そうですか?自由だから労働から逃げるのはそのままではないですか?
n:歌詞は無理にくっつけた印象が否めませんね。メロディーも微妙に変えたりして、ラジオCMとかで
たまに聞く有名な曲に限りなく似ていて、微妙にメロディーラインを変えてる曲を想像してしまって、
なんかな〜と思いました。素直に365歩のマーチで出した方が君が代と対になるし、話題にもなると
思うんですが・・・。
m:そうですね。365歩のマーチのあの歌詞もついてたら、もっと話題になったかもしれませんしね(笑)。
n:その方が、宣伝もしやすいと思いますね。君が代だけが浮いたりもしなかっただろうし。
あと、ライブでも365歩の方がノリやすいでしょうね。
m:365歩の方がなじみがあるだけに、ライブで聞いてると違和感あるかもしれません。
n:これ、もしライブでやっても、言葉詰め込みすぎているので、ライブで清志郎の歌がついていけるん
でしょうか?自分としては、"上を向いて〜"の方法論の進化型として365歩は好きだったんですが、
今回のこのやり方はがっかりしました。
4.人間のくず
p:音は好きです。ラフィーに近い感じがしますね。ただ、詞はレコード云々のあたりがとってつけた
ようでなんとなく嫌いです。
m:ここまでの詞をかくというか、さらけだすってのはどうしたのでしょうか。「裏切り者のテーマ」の
逆じゃないですか、これ。曲調で助かってますが、ちょっと寒気がするくらい重い詞ですよね。
T:ほんと曲調で助かってますね。これで曲まで重ければとても聴けないです。「テレビカメラの前で
作り笑いをした」ってそうなんですかね。けっこう喜んで出るように感じてましたが・・・。
n:というか、歌詞に書いてある事が常に真実であるかというと、それは違うでしょう。この歌詞の様な
批判がある事を逆手に取って書いたのかもしれないし。何てったって、ファーストアルバムで
「この世は金さ」の後に「金もうけのために生まれたんじゃないぜ」を収録してる人ですからね。
ちなみに、私はこの曲好きです。歌詞のレコード云々の辺りも、自虐的で好きです。子供の
コーラスは何だかな〜と思いますけど。ライブでは、子供達をステージに上げて歌わせるなんて
事がないことを願います。
T:子供のコーラスって清志郎のアルバムにはよく入ってますけど、どういった基準でやらしているん
でしょうね。この曲には必要ないと思いますが・・・。
n:多分、サビが歌いやすいとか、その程度の事だと思いますよ。
t:清志郎って売れなくても、売れてもそんな関係なく、ずっと好きな音楽を続けていくようなタフな
一面と今回のような弱い一面が混ざっていますよね。先ほど「俺がロック」だってのはタザイ響きとも
書きましたが、ファンが考えると、そう言いきってしまうしまう清志郎が心強いですよ。清志郎が
ロックだと思うから、僕たちも頑張ってほしいって思うわけで。でもここでは「人間のクズ」と言って
「レコードが売れなくて」ですから。この強気と弱気な所が同じアルバムに入っている所が
面白いと感じました。
5.こころのボーナス
p:吉田たくろうのテイクよりは断然良いと思います。たくろうを聞いた限りでは、全然良くない曲と
思ってましたが、やはり本人が歌ったほうがしっくりきませんか?
m:私もそう思います。いいですよね。やっぱり清志郎の歌は清志郎がうたった方がいいんですね。
”SWEET LOVIN"”もそうですが。この曲でアルバムにちょっと明るさが入るって感じします。
n:私も好きです。特にイントロのギターのリフが好きです。ただ、これもアルバムの体裁を整える
ために、引っぱり出してきたような気がします。でなければ、去年のアルバムに入れていたでしょう
から
6.明日また話そう
p:曲調はブギって言うんですか?ナイナイとかと同じですよね。ライブで昔やってた「バックしよう」と
全く一緒ですね。
n:まさにブギですね。
p:詞はこれも無理に作りましたって感じ。
m:思っていることをそのまま詞にした感じですね。でも、なにか深さがあるような・・・
p:こんなのアドリブじゃないんですか?
n:私もそう思います。ちゃんと曲にのっていれば良いだけのような。リフの部分でドラムの叩いてる
リズムがイマイチに思います。まあ、カモナ・ベイビーに代わるブギの曲ですね。個人的には、
過去の曲パターンをLSR風に代えていくというのは(楽曲が良ければの話ですが)良いと思います。
m:なんか聞いたことありそうとおもってたら、そうですね。カモナ・ベイビーですね。
T:詩に関しては、たしかにそのまんまかもしれませんが、勤め経験のない清志郎にとっては変な
言葉ですが、新鮮だったんじゃないでしょうか。レコーディングや仕事の事で上の人が都合が悪く
なると「明日また話そう 良く解ったから チョット考えよう悪い様にしないから」と、こういうセリフが
出てないがしろにされる。怒った気持ちもあるけど、実は新鮮だったから詞にしたんじゃないかと
個人的解釈です(笑)。世の中にはこういうこともあるよ、面白いだろ、という皮肉交じりのメッセージ
だったのですが、僕たちはそういうことは当たり前に経験しているのでそのまんまな詞に感じてしまう
のでは?世間一般とのズレだと思います。
n:なるほど、私は"風"や"イロイロ"みたいな、アルバム中の捨て曲かと思いました。
p:Tの意見はおもしろいですけど、深読みしすぎじゃないですか?私も捨て曲だと思いますよ。
まぁ、君が代以外は全部捨て曲って言っても良いと思ったりもしてますが。
7.おもしれー
p:単純ですね。タイトルのみって感じですね。聞いてるこっちは別におもしろくないですが。
最後のは内田祐也なんですよね?タイマーズのライブで物真似やってたの思い出しましたが。
m:おもしろくなさそうに、おもしれーといっているところがミソなんでしょうね。
n:これは全編LED ZEPPELINのパロディですね。はじめて聞いた時、あまりにまんまだったので、
笑ってしまいました。本当、おもしれーです(笑)。
T:あっ、そうなりますか(笑)
p:そうですか。それならおもしろく感じないこちらの勉強不足ですね。この辺は素直に反省しますね。
n:歌詞は後からくっつけた印象が強いです。最後が内田祐也かどうかは分かりませんが、曲の
最後がセリフで終わるのは、前作の心の解放区でもそうでしたが、清志郎の中でブームなんで
しょうか?
最後に
p:全体的に思えるのは、詞のレベルが低すぎるってことです。むりにアルバム作るために5曲分の
詞作った感じに聞こえました。どっか、心に来る言葉とかありました?
T:ないです。でも無理に作ったという感じはそれほどしませんでした。自分が感じたこと、これは
いいぞと思ったことが、ちょっとズレてしまっただけだと思います。「俺がロックンロールだ」も
「ドカドカ」を越せないだけで単体としてはいいアイディアだし、ライブでこのオープニングだったら
実際は良いかもしれませんよ。
n:私もそう思います。RCからの方法論やアイデアをLSR流に発展させたととるか、過去の焼き直しと
とるかでも印象は違ってくるでしょうけど。
p:プラスアルファが感じられませんでしたので、私は焼き直しとしか思えなかったのでしょうね。
T:「君が代」も自分にあいさえすれば良い曲に感じます。「明日また話そう」も清志郎自身では
面白いと思ったんではないかと。
m:細な表現とかはないアルバムですね。でも直球すぎて、心にぐっとくる部分があります。
そして、あまりに直球すぎて、もっと深みのあるものなのかと考えさせられる、そんな詞に感じました。
p:ラフィータフィーの他人用の詞の方がかえって良かったような気がしてきます。
n:自分が思うに、アルバムのサントラが急遽「RUFFY TUFFY」になってしまったので、LSR用だった
曲が、そっちに流用されてしまったのではないかと思います。ですので、もし映画がそのまま
うまくいってサントラが出たとしたら「RUFFY TUFFY」の曲もこっちに入って、もうちょっと違った形に
なっていたのかもしれませんね。
T:そうだとしたらいままでのソロと比べると「RUFFY TUFFY」の意味って少なくありませんか?
LSRでも出来るなら半端な時期にサントラ分が余ったからと言って、出す必要もなかったと思うの
ですが・・・。
m:私もnの意見に同じです。ラフィータフィーは急きょ決まったアルバムでしたからね。
t:いやだから急遽出す必要がなかったんじゃないかと。映画も没ったんだから。
n:多分映画用のセッションで上原ゆかり氏のドラムが結構うまくいったので、せっかくだから
フルアルバムにしようかという発想のような気がします。ただ、急ごしらえだった分、変に頭でっかち
になることもなくシンプルな作りになったのが、逆に良かったと思いますよ。
p: 演奏はいつものLSRよりは聞き易かった気がしました。ドラムの処理の違いでしょうか?
n:確かにLSRの前2枚に比べるとシンバル系がういてないので聞き易いですね。ただ、音質的には
やや中音域重視なのがまだイマイチです。「RUFFY TUFFY」は本当に良いミックスだったので、
あの感じで出してほしかったと思います。今回のアルバムは中身はどうあれ、ライブ向きの曲が
多いので、楽しみではありますね。
m:ただ、横浜アリーナやニュースステーションのときのように、他の曲に君が代をいれて演奏する
のは絶対やめてほしいですね。
T:あれは発売中止に対する意思表示として「君が代」を散りばめたんだと思います。
発売され一段落したんで、入れないと思いますよ。たぶんですけど(笑)
n:そう願いたいですね。ギャグでやりそうな気もしますが・・・(笑)。
以上でしたが、読んでいただいて分かりますように、君が代問題はさておき、以前のLSRの
アルバムと比べて、過去のアイデアに似通った曲があったり、意味深な歌詞があったりと、
曲数の割には、考えさせられるアルバムではあります。いよいよ秋にはツアーが始まりますが、
このアルバムの曲達がどのように変化していくか楽しみだと思います。