特集:1999年の清志郎を振り返る 今月の特集は、昨年の清志郎の一年を簡単にではありますが振り返りたいと思います。
*主演・音楽担当映画のとん挫 Mignight(以下M):これはびっくりしましたね。理由は明らかになりませんでした が、くだらない理由だったということだけははっきりしてるみたいですね。レコー ディングまで進んでいたんですから、痛かったでしょうね。 Pie(以下P):これが今年の清志郎を狂わせた原因かもしれませんね。 Naughty(以下N):個人的には、清志郎の映画出演やドラマ出演等の 音楽以外の活動には、あまり興味なかったので、さして気には なりませんでした。まあ、しいて言えば、これで、音楽活動に戻ってくれると思った くらいですね。 P:俳優としては興味ないですが、清志郎の曲を竹中直人氏がどう使うかは興味あり ました。「119」は結構はまった場面もありましたし。 清志郎自身も映画音楽って面ではやる気あったと思うんですけどね。 M:この映画は本来はくたびれた中年がバンドを組むって話でしたよね。私としては 「ブルースブラザーズ」っぽくなるのかなと思っていたので、映画音楽も、役柄とし てのバンド演奏もとても楽しみでしたから、残念でしたねえ。 P:役柄ってバンドマンでしたっけ?それなら、下手な演技も取り消せるくらいの魅 力ある映画になってたかもしれませんね。 M:ええ。奥田英二と竹中直人と清志郎とかがバンドを組むって話だったはずです。 で、売れないバンドなんで遊園地とかでテクノを歌わなくてはならなくて、というシ チュエーションのもとにつくったのが「テクノクイーン」だったはずですよ。ブルー スブラザーズでしかたなくカントリー歌うシーンとかありますよね。だから、地味な 日本版ブルースブラザーズかと勝手にイメージしてましたが。 *ラフィータフィー(アルバム) M:このアルバムは先の映画音楽を放り投げるのはもったいないということで、曲を 足してフルアルバムにしたんですよね。私はこのアルバムは好きでしたよ。 P:これは、RC以降ではかなり好きな部類に入るアルバムですね。 バラエティに飛びすぎる感はありましたけど。なんといっても音がよかった。 N:そうですね。最初は、地味な印象のアルバムでしたけど、 聞いていく内に、どんどん良くなっていきましたね。 Pieが言っているように、音とミックスがすごく良かった。 清志郎関連のアルバムで、唯一と言っていい位ミックスが良かったですね。 M:そうそう、聴いていてもあきがこないというか、かみしめがいのある(笑)アル バムと思います。 P:なぜ今までできなかったのか不思議ですよねぇ。 TSURU-TSURU(以下T):このアルバムは長く聴けそうですね。 飛びぬけて好きというわけでは、ないですが、僕も好きな方です。 また、このアルバムがあったおかげで、イベント等にソロで 参加しても持ち歌が出来たって意味もありますね。 N:まあ、それに関しては、プロモーションも兼ねていたので、 出てなければないで、別の曲歌っていたとは、思うんですが。 ただ、残念なことに、この後にLSRのアルバムが出て、ツアーも やっちゃったので、すっかり過去の物になっちゃってますね。 P:もうちょっとこのアルバムで遊んでほしかったですね。 M:そういえば、そうですね。ちょっとTVにでたくらいで 終わっちゃいましたものね。 *ぴんく M:これもいい企画だったと思ったんですが、クレームがついてしまいましたね。ど うも地元福岡ではそのクレームはすごいものがあったみたいですね。クレームがなけ れば「鉄腕ダッシュ」でも企画続行してたでしょうに、とん挫してしまいましたね。 T:あらら、そんなにクレームがすごかったんですか。今年の清志郎はほんと世間を騒 がせてますね。 P:これもありましたねぇ。なんかうまく行きそうなときに、うまく行かなかっ たのが今年の特徴ですね。それも清志郎の責任でないことから発生した問題で。 N:確かに、これで盛り上がっていたら、今年の活動は、また違った物になっていた かもしれませんね。 *ラフィータフィー(ライブ) M:このユニットのデビューはアコースティックレボリューションだったかと思いま すが、清志郎が好きにやっているって感じでしたね。これも含めて、今年はずいぶん ギター弾きましたよね。 N:いや、デビューは、フジロックですよ。 アコースティックレボリューションは、ベースがいませんでした。 で、ラフィータフィーの良い所なんですが、シンプルな構成で良かったですね。 M:そうですね。シンプルでしたよね。 N:清志郎もギタリストとヴォーカリストの二役をこなさなくては ならなかったので、すごく演奏に集中していましたものね。 あと、すべて新曲のみのライブで、過去のRCとかの曲を演奏しなかったのは(ミクニ ではやったみたいですが)、かなり冒険的で、このユニットだからというのもありま したが、良かったと思います。 M:清志郎のギターは巧いというより味がありましたよね。なんか以前より下手に なったような気がするのは私だけでしょうか・・・ N:まあ、今年はジミヘンにはまっていたみたいなので、 わざと滅茶苦茶に弾いているところとかもありましたけどね。 何にせよ、ツアーもやって欲しかったですね。 *君が代問題と冬の十字架 M:これについては既に発行した特集でも述べていますが。結局のところ、かえって 宣伝になってしまったって感じですかね。 T:いつものアルバムより売れたみたいですけど、いまいちピンと来ないのが正直な所 です。初回プレスで何枚でしたっけ?二次出荷で売り切れ店て出たのでしょうか? マスコミが騒いだほど売れてないような気もしますが、それはインディーズだからか な。MP3で週間ランキング一位取っていましたけど、1000枚(枚とは言わないか)で 一位なんですよね。 M:売れたといってもこれまでのと比べて売れたということで、世間的チャートとは 無縁なのではないかと思います。これに限ったことじゃないですが。もっとも、私は 清志郎に売れて欲しいとはあんまり思わないんですが。 P:清志郎本人はCDで売れたいみたいな感じはありますよね。 T:僕は曲の出来が良ければ、もうちょっと売れてほしいなと思ってます。大ヒット とまではいかなくとも。売れたから何かが悪くなるって事よりも、環境的に良くなる ことの方が多くないですか。 M:売れるほどの出来とは思いません。もし、曲の出来次第というなら、私はラ フィータフィーの方がよかったので、そっちの方が売れるように思うんですよね。 T:そうなんですよね。「カバーズ」の時もそうなんですが、曲の出来よりも話題に なるかならないかなんですよね。清志郎の場合。 (ちなみに上の発言の出来っていうのは「冬の十字架」に対してではないですよ) P:ただ、これは、もう語りたくありませんね。ただ、勘違いしていけないのは、 君が代が発禁にも問題にもならなくて、あのアルバムを出したときに よく聞かれた「さすが清志郎」の声が聞こえたかと言うことですね。 発禁になったからかっこいいのでは、本末転倒だと今でも思います。 N:そうですね。あれがなかったら、評価が違っていたかもしれませんね。 個人的には、後のツアーの話にも繋がっちゃうんですけど、もうちょっと 演奏が固まってから、レコーディングしてもらいたかったですね。 T:「君が代」入れたから急いだんじゃないですか。 N:それもあったでしょうね。 あと、秋からのLSRのツアーに間に合わせるという 事情もあったみたいですけど。 まあ、何にせよ、「冬の十字架」の楽曲は ツアーが進むに連れて、演奏が馴れてきて、 どんどん良くなっていったので、 もう少しレコーディングでも、その辺まで煮詰めた 演奏をパッケージしてもらいたかった。 アルバム聞いた時、弱いと感じた曲も、ライブが進んで 演奏が良くなるにつれて、良くなっていったので 本当に残念ですね。 M:ええ。確かに、CDではあまりいまいちだった曲(後半の2曲なんてそう)で も、ツアーではカッコよかったですからね。 P:これは、勝手な予想で申し訳ないですが、映画とかぴんくとかで うまく行かないこと続いたんで、レコードを作るということに本気でやる気は無かっ たのかも知れませんね。 N:先程も言いましたけど、本人もLSRのツアーに向けての やっつけ仕事みたいなものだったとインタビューで 言ってましたからね。 *LSR M:前半、GO!GO!ROCKのあたりは、そんなに良さを感じませんでしたが、ツアーは良 かったと思います。 N:まあ、イベントだと、どうしても時間も短く、演奏する曲も 限られちゃいますからね。前年のツアーに比べて、テンポが 遅めになった曲もあったりして、調子悪いのかなという印象を受けた ライブもありましたが、私は、悪印象は受けませんでした。 発禁騒動以降のイベントでの、"QTU"とかに強引に"君が代"のフレーズを入れて、曲 の良さを壊したアレンジはイマイチでしたけど。 そして、ツアーですけど、最初はこの発禁以降のイベントの延長に なるんじゃないかと思って、イマイチ期待してなかったんですけど、 良い意味で裏切られましたね。本当に回を重ねる毎に良くなっていったし。 P:前号ではMIDNIGHTともNAUGHTYともけっこう誉めてましたが、そんなによかったで すか?例えば演奏がよくなっていったのは、お金貰ってやってんだから 最初からうまくて当たり前でしょ?練習不足なだけではないですか? うまく聞こえたのは、普段の演奏が悪すぎってことはないですか? N:ちょっとニュアンスが違うんですが、曲が進化していくのが 分かるライブだったんですよ。先程のところでも言いましたが、 「冬の十字架」が、ほとんどリハなしで録音されたアルバムだったんで、 ある意味、ギコチなかったりして、出来も良くないと思っていたんですが、 ツアーで、「冬の十字架」の曲を演奏していくうちに、ある意味 余裕も出てきて、いろいろなところに細かいアレンジの修正や 遊びが加わっていって、本当にライブに行く度に曲というか、演奏が 良くなっていったのが分かったんですよ。確かにツアー初日とかは ギコちなかったりしてましたが、それはRCでもそうでしたよね? で、RCと決定的に違ったのは、RCの場合、ツアーが始まると、 曲のサイズやアドリブを含めた演奏とかが、ほとんど変わらない ある意味、プロフェッショナルに徹したステージでしたよね。 LSRも去年のツアーまでは、曲順とかはいじってましたけど、 そういった感じだったんですが、今回は、曲はどんどん長くなっていくし アレンジも些細なところですが、どんどん変えていったりして、 本当に見ている方も、常に刺激的だったんですよ。 P:ああ、なるほどですね。 演奏の上手下手の話だけではなかったわけですね。 RCの場合はどこのライブ聞いてもほとんどわかんないですものね。 LSRのその面は清志郎自身も楽しめるところであるかもしれませんね。 N:そうなんですよ。はっきり言って、今回のLSRのツアー中、 会場によっては、清志郎の喉の調子が悪くて、声があまり出てない ライブもあったり、日によって演奏がいまいちの曲もあったりしたのですが、 本人達が楽しんでライブをやっているのが、見ていて分かるのも、 楽しめた要因かもしれません。 T:やっばり出てきた「カバーズ」の曲とは思いましたが、こうでもなければ普段やら ない曲が聴けたんで素直にうれしかったです。 N:そうですね。"ラジオ・プロデューサー"なんかは、正にですね。 M:でも、「裏切り者のテーマ」はやらなかったというのが、単なる責任転嫁の追求 にならなかった理由と思います。 時節柄、そういう歌ばかりかもとちょっと嫌だったんですが、全体的には君が代問題 をちょっと客観的において、楽しい部分もいれたツアーだったように思います。 N:まあ、「裏切り者のテーマ」は、前回の特集でも言いましたが、 正反対の「人間のクズ」をセットリストに加えていたからでしょう。 T:ツアー自体は満足なんですがポリドールが後援しているんですよね。 「赤字覚悟」ってのはどうなってたんでしょうか。清志郎とポリドールの 今現在の関係、そして今後どうなっていくのか気になりますが・・・。 N:「赤字覚悟」というのは、当初はポリドールの後援が 期待できなかったからでは、ないでしょうか? 今後は、カバーズの時と同じで、ポリドールにずっといると思うのですが。 M:清志郎とポリドールの関係は変わらないでしょう。ポリドールの「何をいわれて もあなたを応援しています」みたいなメッセージもあったことですし。そんなに引っ 張らないと思いますよ。 T:えっ、もう終わった事なんですか。「カバーズ」の後何事もなかったように「コ ブラの悩み」が東芝から出たようにしないって雑誌で言ってましたよ。ポリドールの コメントでポリドール側の姿勢はわかるけど。 N:そうは言っても、どこのレコード会社でも同じと言うことを 認識はしてると思うのと、早くも過去の話題になってしまっているので とりあえず一連のゴタゴタは、終息してると思いますよ。 T:まぁ、ゴタゴタが続くよりはいいけど、どうもハッキリしないままな 気がします。あれだけ怒っていたのに。 M:えっ、あれだけ本人「怒ってません」って言っていたじゃないですか(笑) T:でもその前はあれだけ「ふざけんな、ポリドール」を連呼していたんだよ。 実際その時は、清志郎の「ふざけるな」発言で煽られた一部のファンや、 マスコミの報道等による一連の騒動に興味を持った人達も多かったわけだし、 こういった人達の多くは、反体制や発禁が、ロックの要素でもあったと 感じていて、ポリドールの対応に対して不満を言っていたわけでしょ。。 ところが急に「怒ってません」の一言でしぼんでしまって、どう思ったでしょうね。 N:先程も言いましたが、既に過去の事になっちゃってるんですよ・・・。 ファンは、ツアーに視点が移って、しかもそのツアー自体、怒りを前面に 出したものではなかったので、過去の事に。 興味本位だったファンでなかった人達は、騒ぎが静まっちゃったので、 過去の事になってしまったんでしょうね。 T:「ふざけるな」の発言は発禁に対してでしょ。「怒ってません」の 発言の裏はハッキリしないんで諦めみたいなものしか感じませんが・・・。 N:というか、カバ−ズの時と同じ様な騒動にはしたくなかったのでは ないでしょうか? ですから、レコード会社に対する怒り方も変えて、ちょっとギャグっぽく したような気もしますけど。 M:「ふざけるな」を連呼していたのは横浜アリーナくらいじゃないですか? で、「ふざけるな」は、話題づくりのために、わざとそういう 演出っぽく言っていたはずです。 初めて、発禁に触れたタワレコのインストアライブでも そう言っていましたから。 N:そうですね。私もそうだったと思います。 M:他では「大人だから怒ってませんよ」 「怒っていなかったって伝えてください」と言ってたでしょ? N:まあ、これが先程言ったようにギャグっぽい、怒りの伝え方だったとは 思うのですが・・・。 M:さっきの話ですが、反体制や発禁がロックの要素って、意味わからないです。 もしくは、間違っていると思います。 T:でも実際、その煽られた人たちって「反体制や発禁がロックの要素の一つ」 でもあると思っているわけですよ。正しい間違っているは別として、 「ふざけるな」で共感しちゃった人達がいたことも事実です。 N:確かに、私達のHPにもそういった方々からもご意見頂きましたからね。 まあ、その考えを否定はしませんけど、その側面だけで全てを語られるのも 何か違うと個人的には思います。 M:こう書くと、ロックンロールの清志郎にとって発禁はロックらしい、 って肯定的にうけとめられます。 「発禁だなんてロックがわからない」って清志郎は言ってましたよね。 T:これポリドールの上の人たちに向けての言葉ですよね。 ここら辺が意味不明なんですよ。 「ロックがわからない会社」に清志郎は居つづけるのはなぜ? 「ハッキリさせたい」とインタビューで答えていたのに、 どうハッキリしたのかが・・・ N:これは、何処に所属していても同じだからということでしょう。 前回のカバーズの経験もあって、今回は外資系の会社から出そうとしたんですが、 結果は同じだったと。だったら、現場のスタッフに関しては信頼しているんだから ポリドールに残っていても不思議はないと思うのですが。 「ハッキリさせたい」に関しては、その後の雑誌や新聞のインタビューで 上層部の理解のなさや対応の悪さを言っていたので、それが 「ハッキリさせたい」という事だったのではないかなと思います。 T:この場合の「ハッキリさせたい」というインタビューは、 「ハッキリ言いたい」って意味なんですか? ゴタゴタをすべて「ハッキリさせたい」と言う意味ではなく。 身近なスタッフを信頼しているという部分はわかるんですけどね。 プロモビデオも以前より手が込んでるし、「ラフィータフィー」の 初回分も凝ってましたよね。 でもそういった信頼関係があると言うことをある程度ファンじゃないとわからない じゃないですか。今回の騒動ってニュースや週刊誌でも大きく取り上げられたわけだ し、それらに目を通しただけじゃわからないことが多過ぎるんですよ。 そこらへんも含めてハッキリするのかなと思っていたんで・・・。 というかやっぱこのままじゃ騒ぎを大きくしたわりにはスッキリしないというのが 正直なところです(笑)僕としては。 N:いやいや、世間的にも十分分かるようになってますよ。 ポリドール上層部との発売中止に関するやり取りなんかも 朝日新聞等で取り上げられて、結構大きめな記事になっていたので、 その記事を読めば、どこが悪かったか、どうして騒動になったかという 責任関係等は、世間的にも「ハッキリ」させたはずです。 T:あ、そうでしたか。すみません、勉強不足でした。 でも怒ってないなら、これだけ騒ぎを大きくする必要もないと思うのですが。 N:まあ、以前の特集でも言いましたが、世間の目をLSRに向けさせるのには 良かったのでは、ないでしょうか? T:まぁ、前も書きましたがゴタゴタが続くよりは全然良いのですが、 どうもハッキリしないまま終わるんですよね。 N:これは、世間の騒ぎ方とその騒ぎの終わり方が 大きく関係しているような気がします。 T:これはどういう意味ですか?もうちょっと説明を。 N:ですから、これは、先程から言ってますように 前回のカバーズの時程の問題にもならなかったし、 (ファンも含めて)世間の感心もあっという間に薄れてしまった というより、終わってしまったものになっているので、 明確な結果等を出さずに過去のものとなってしまったという事です。
以上簡単に振り返ってみましたが、望む望まないは別にしてトラブルが多かった一年でした。 今年30周年の記念の年でもありますから、なによりもスムーズな活動を希望したいです。 15号表紙に戻る