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新宿の新名所“ルミネtheよしもと”に行った。2001年の4月に
オープンしたこの劇場はルミネ新宿2の7階にあり、客席数は458。
TVで活躍中の芸人が多数出演する“7じ9じ”は、前半が漫才や
コントなどのネタで、後半が新喜劇の2部構成。また“5じ6じ”
では“7じ9じ”を目指す若手芸人が多数登場する。
スカパーの“ヨシモトファンダンゴTV”で放送されている舞台を
よく見ていたが、東京に住むようになったので1度は行きたかった。
観に行く日は、ホームページで出演スケジュールが発表されるので、
休日でおもしろい芸人が出る日を狙う。
するとなんと、3月17日(日)に、知る人ぞ知るカルト芸人・テント
が出るではないか。これを見逃しては後悔するに違いないと思い、
早速前売りチケットを買いに行った。
ここで、知らない人も多いと思うので、テントの紹介をしておこう。
大阪府八尾市出身、昭和26年5月16日生まれ。上岡龍太郎の弟子で、
芸歴は30年近くになるが、華やかな表舞台に現れることはなかった。
おそらく、これから先もないだろう。
しかし、一部マニアの間では、絶大な人気を誇る人物でもある。
芸人の間でも“伝説の芸人”と呼ばれる彼は、レアでディープで、
そしてトロピカルで。いつまでも変わらない話芸は、お笑いマニア
の私にとっては偉大な人物なのである。
私が初めてテントを見たのは、読売テレビの“お笑いネットワーク”
という、夕方に放送されていた寄席番組だった。
貧相な身体にメガネという容姿からかもし出される、異様な雰囲気。
客を無視して勝手に進めるマイペースぶり。ネタとネタのつなぎに
「ウェッウェッウェッ!」と、肩を上下させながら発するいう奇声。
ウケなくてもしつこく続ける「人間パチンコ」。
そして、根負けして笑い出してしまう客の反応。
その奇抜なネタと、やりたい放題の無法地帯ぶりが新鮮で、
名も知らぬこの一人の漫談家に釘付けとなった。
「こんなすごいのがおったんや!」
大金持ちのおぼっちゃま、横山たかし・ひろしの漫才を見たときも
衝撃を受けたが、それを上回るものだった。
自らを“芸能界のツチノコ”“お笑い界のウォーリーを探せ”
“漫談界のカリスマ”などと呼び、テレビはおろか、
舞台にも滅多に登場しないという伝説の芸人・テント。吉本内でも、
連絡先を知るのは、たった一人の古株社員のみというウワサもある。
その昔「ざっと31」「大空テント・幸つくる」など、漫才コンビを
組んでいたが、どれも長続きすることなく解散。
漫談に転向してからは、大空テントから“テント”に改名。
明石家さんまが全国ネットの番組で何度かマネをしているが、
みんななんのこっちゃかわからんと見てるんやろなぁ。
しかし、そんな超レア芸人・テントがついに、
全国ネットでゴールデンタイムの人気番組に出演することになった。
めちゃイケの1年に1度のコーナー「笑わず嫌い王」だ。
テントは、久本雅美の大好きな芸人で登場。昔話、人間パチンコ、
蜘蛛の戦いなどを披露した。その後、私は見ていないが、
“ここがヘンだよ日本人”の特番にも出演したらしい。
私はテントの素晴らしさを広めようと、彼女に“7じ9じ”出演時
のビデオを見せることにした。しかし、そんなことをしなくても、
彼女はテントのことを知っていたのだ。これには正直、驚かされた。
しかも、めちゃイケの前から知っていたというのだ。なんやったら、
関西人はみんな知っていると思っていたらしい。そんなことはない。
関西人でも知名度はたぶん10〜20%ぐらいだろう。
今度は確実にテントを知らない人に見せようと思い、彼女の友達に
ビデオを貸した。そしていただいた感想はこれ。
「こわ〜い!けど2回も見ちゃった( ̄∀ ̄*)エヘッ(照)」
なかなかの好感触だ。ルミネにテントを見に行こうと誘うと、
OKが出たので、私と彼女とその友達の3人で行くことにした。
ちなみに、彼女の友達は千原Jrのファンだったので、
もし千原Jrが出てなかったら、ついてこなかっただろう。
1番手は品川庄司。東京NSC1期生で、テレビにもよく出ている。
テレビに出てから人気が出たというより、人気が出たのでテレビに
出だした最近では珍しいパターンの芸人という印象を持っている。
ミーハーファンがついていて、登場するなり黄色い声が飛び交い、
あまり好きなタイプではないが、テクニックは認めるところがある。
庄司は何をやってもカッコイイと言って、品川がしつこく大げさに
マネするというネタで、かなり引っ張っていた。
2番手はハローバイバイ。東京NSC2期生で、1年ぐらい前まで
東野幸治司会の“イカリングの面積”(テレビ東京)という番組で、
「日本のどこまで歩けば厚底サンダルの厚底がなくなるか!?」や、
「どこまで転がせばボウリングの球がビリヤードの球になるか!?」
というアホな実験をやらされていた。コントのイメージが強いが、
この日は漫才で、金成の身に起こる未来の予言書を、関が読むネタ。
3番手は線香花火。スカパーで漫才を見るまでは、知らなかった。
ボケ担当が又吉で、ツッコミ担当が原。2人とも1980年生まれで、
大阪の寝屋川市出身だが、東京NSC5期生。登場してきた瞬間、
会場全体がクスクス笑いで包まれた。まるでMr.オクレのように、
精気を吸い取られてしまったかのような又吉の姿が笑いを誘った。
そして4番手として、いよいよテントが登場した。
テント目当てで来たという人は、おそらく私たちだけだろう。
テントを生で見るのは、実は初めてではない。
数年前“上岡龍太郎独演会”で、暗転中に登場したのを見ている。
しかし、ネタを生で見るのは初めてだ。胸が高鳴る。
「タンタンタンタンー♪ テント!テテテテテテテント!」
“テントのハウス”という出囃子とともに、テントが登場してきた。
一部で悲鳴が聞こえる。私はすでに大爆笑していた。
しかし、ネタが始まると、会場内は失笑の嵐。
あちらこちらで「怖〜い!」「つまらねぇ〜」と声がしている。
緊張していたのか、ネタを忘れたり、テレ笑いを何度もしていた。
最後は“人間パチンコ”で締めると思っていたが、
歌を歌ってサッサと帰ってしまった。どうしたんだ、伝説の芸人!
いや、これぞ伝説と呼ばれる所以でもある。
5番手はルート33。NHKの“爆笑オンエアバトル”で、2年連続
グランドチャンピオンに輝いた実力派。大阪NSC11期生の堂土と、
13期生の増田が1995年にコンビ結成。2001年の秋から、活動の場を
東京に移した。ものすごい人気で、登場するなり大盛り上がり。
ドッカンドッカン笑いを取り、テントが作った変な空気を一蹴した。
前半のトリは、はりけ〜んず。表舞台にはなかなか出てこないが、
芸歴は長い。ボケの前田がものすごいダミ声で毒を吐きまくると、
ツッコミの新井が時には激しく、時にはすかしたツッコミを入れる。
それがバンバンハマり、爆笑を取っていた。これほどまでに面白い
漫才ができるとは思っていなかったので、この日で最も驚かされた。
「継続は力なり」というが、まさにこのことだと思った。
後半はいよいよ新喜劇。木村祐一座長のこの日の出演は、
木村祐一、千原兄弟、大山英雄、島田珠代、リットン調査団、
宮川大輔、山下しげのり、たむらけんじ、森三中。
大山が入院する病室に、ある日ヤクザの親分扮する木村が入院し、
抗争に巻き込まれるという話。木村と千原Jrの長いカラミが見もの。
千原、山下、たむらといった、ワチャチャ時代の2丁目メンバーが
揃って出てきたのが嬉しかった。
テントは一度見たらお腹いっぱいになったので、次は村上ショージ、
間寛平、FUJIWARA、バッファロー吾郎、ケンドーコバヤシ
らが出ている日に行きたいものだ。
ここで一句。
どんなんや
こんなんですよ ウェッウェッウェッ!
(わからん人、ほっときますよ。いちいち説明しませんよ。義務教育やないねんからね)