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とある土曜日の夜中。いつものようにテレホーダイを存分に活用し、
夜更かししてインターネットを楽しんでいた。
翌日、友人と会うため11時30分に起きる予定だったので、
逆算して4時に寝ることにした。
人間は90分周期でレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すため、
90分の倍数の睡眠時間をとると目覚めが良くなるという。
私はいつもそうするように心がけている。この日は7時間30分。
しかし、眠りに就いてまもなく、久しぶりに金縛りに遭った。
金縛りは、体は眠っているが、脳は活動している時に起こる現象だ。
そのため、意識はあるが体がまったく動かなくなってしまう。
このアンバランスで不思議な状態から、一種の心霊現象だと言う人
もいるが、決してそうではない。
金縛りが起こった瞬間、状況は把握できた。寒くなってきたので、
掛け布団を厚いものに替えたとこだったため、重さを感じていた。
その重さで圧迫され、疲れた体がさらに苦しく感じたためだろう。
普段なら、これで終わる。しかし、この日だけは恐怖を感じた。
ゴソゴソと物音がした。「カバンが倒れたのか?」と思った瞬間、
次は玄関のドアが開いて、誰かが入ってくる気配がした。
「おかしいなあ、鍵はちゃんと閉めたはずやのに…。」
そして、人影がこちらに向かって歩いてくる。
「誰や!強盗? ヤバイ!殺される? まあええか…」
うっすらと見えた影、それはなんと、次の日に会う約束をしていた
友人であった。
「なんで? 俺ん家、知らんはずやのに…。何の目的?」
その友人は、私が寝ている布団を通り越し、枕元へ向かおうとした。
枕元には1万円札が2枚、そのまま置いてある。
「もしかして、それが目的? それならヤバイ、俺の生活費が!」
私は、なんとかして2万円取られることを阻止しようかと思ったが、
犯人は友人とわかっている。それに、もし2万円が無くなってたら
明日問い詰めればいいし、殺されたら殺されたで仕方がないと思い、
目をつぶって眠ることにした。幻覚だという希望的観測もあった。
翌朝、枕元に2万円あった。良かった…。
金縛りに遭った人はよく、死んだおばあちゃんに乗っかられたなど、
心霊現象を体験したかのように語るが、私も生まれて初めてそれに
近いものを体験してしまった。
ここで一句。
落ち着けば 恐れることない 金縛り
(心霊現象とちゃうって…)