
- music freak magazine ¨The musician To The musician¨ ( APRIL 2000 VOL.065より抜粋 )
日本の音楽シ−ンを、そして女性ア−ティストとしてトップを走り続けているZARD。特に昨年1999年に
リリ−スされた楽曲は、アルバム3枚、シングル4枚という、今まで以上にアクティブな数字になった。
しかも、これ以外にも初ライブを決行したり、ずっとフェイバリットだったという「CAN'T TAKE MY
EYES OFF OF YOU」をフレンチ・テイストにアレンジしたカバ−作品を創ったりと、チャレンジ精神が
旺盛な部分も見せてくれた。
今回はそんなZARDの坂井泉水さんに、音楽ル−ツや好きなア−ティスト、現在お気に入りの作品につ
いて話を聞いてみました。
「“音楽”として初めて意識した作品は、ベートーベンの「エリ−ゼのために」です。小学校の時、6年間
ピアノを習っていたのですが、発表会の時に年上の女性がラストに「エリ−ゼのために」を弾いたんです
ね。 ちなみに私はブルグミュ−ラ−の中の曲を弾いたのですが。 それまで練習嫌いだったので、よく
先生に怒られたんですけど、この発表会を機に自分から進んで練習するようになったんです。“私もいつ
か、あのお姉さんのように上手に「エリ−ゼのために」を弾きたい!”という一心で。子供心に“音楽って素
晴らしい”と衝撃を、感銘を受けましたね。」
小学校の時に、音楽のすばらしさを既に強く感じていた坂井さん。彼女の根源にクラシックがある事は、
ZARDの楽曲のメロディの美しさや、ストリングが導入されているナンバ−が多い事でも、分かる気がす
る。彼女自身が作品創りでこだわっている部分に聞いてみると、
「ストリングスの音色とドラムの音色とグル−ブが、どうしても気になります。」
とのコメントが返ってきた。
そして、坂井泉水といえば、歌詞の存在が非常に大きい。最近、詞集が発売されたので、改めてその魅
力を実感した読者も多いだろう。デビュ−作品からずっと作詞を手掛けている彼女が、作詞をする上で
影響を受けているア−ティストは誰なのだろうか?
「石川啄木、F・サガン、岩館真理子(漫画家)、スタンリ−・キューブリック作品などなど・・・・・・・・・。これ
らの人は、影響というよりは好きな人ですね」
一見しただけでも、それぞれ時代や作風、ア−ティストのパ−ソナリティもまったくバラバラ。その雑多で
個性的な物の中から受けた色んな刺激が、これまでリリ−スされてきたZARDの作品に、変化を持たせ
てきているのかもしれない。そんな彼女が琴線を刺激される作品やア−ティストは、自分で分析するとど
ういう傾向が多いと思っているのか。
「例えば、激しい人生を生きたア−ティスト、いくら考えても未知な世界、想像を掻き立てられる人や物に
惹かれます」
CD作品に関しては、どういった傾向が多いのだろうか? 例えば好きなア−ティストの男女の比率などは?
「う〜ん? 男性の方が大半かな!? あまり性別は意識したことがないんですが、元来、女性の作る歌
は日々の生活の中から出てくるものが多くて、男性の歌は好きな女性のために、口説くために作っている
ような気がするんですよね。(笑)あくまで私の考えですが、女性の方が寸分の差でリアリストで、男性の方
がロマンチストで、そんな部分に理屈じゃなく、生理的に惹かれるのかもしれません」
ちなみに、いい作品に出会った場合、そのア−ティストを遡って聴くタイプの人が多いが、凝り性の坂井
さんもそのタイプに思われる。
「好きになったらやっぱり揃えたくなっちゃいますね。でも・・・・・、そのア−ティストの人柄や背景を知りた
いけど、勝手に想像していたい気持ちもありますし・・・・・(笑)」
この考えは、少しミステリアスな部分があるZARDのファンの心理にも通じているようにも感じてしまった。
CDを買うときによく行われている“ジャケ買い”、いわゆるジャケットのデザインに惹かれて作品を買う事
だが、彼女はどうなのだろうか。
「ジャケット買いはあまりしないんですが、昔、ユ−ミンさんのアラバムのジャケットがオシャレですごく好き
でした。最近では、ロ−リン・ヒルの『THE MISEDUCATION』かな。エジプトの壁画のようで、旦那さま
のお父様、偉大なボブ・マ−リ−!のジャケットにも少し似てますね。」
やっぱりここにも、想い出の品はあった。この記事を読んでいる人達の中でも、ついジャケットが良くって
ZARDの作品買ってしまった・・・・・という人がいるのでは?!
ところで、このコ−ナ−ではア−ティストの方に、だいたい5枚ぐらいの作品を挙げて頂くのだが、今回の
坂井さんのお薦めは2枚だけ! 今まで登場されたみなさんもそうだったが、何枚かをセレクトするのは
やっぱり難しいよう。彼女が選んだ2枚という徹底した数字からも、この2作品が厳選され、どれだけ気
に入っているのか感じて貰えるだろう。
■DONALD FAGEN 『THE NIGHTFLY』
「昔、知人からスティ−リ−・ダンを薦められて、それから聴くようになったのですが、アルバムが全部好き
だったので、その流れで買いました。ジャケットがジャズの名盤のようでインテリアになりそうですよね。
もう20年以上も前のアルバムですが、これはスティ−リ−・ダンからソロになった第1弾なんです。何故
か、今またすごく聴きたくて、毎日聴いているんです。もう、一枚のアルバムがまるで1つの映画のようで
す。私が言うまでもなく誰もが認める名盤で、ニュ−ヨ−クの香りがするそのセンスと、サウンド・マジックと
も言うべきヒ−リング効果。なんだか胸がザワザワして泣きたくなる感じです。聴いていると、素直な自分に
なれます。中でも、1曲目がとにかく最高なんです! 4曲目も好きですけど。夜、寝る2時間前ぐらいに
聴くのがオススメです!」
■NATALIE IMBRUGLIA 『LIFE OF THE MIDOL』
「これは、レ−コド店を、プラプラしながらお店の“お薦め”になっていたので、とりあえず買ってみたもの
なんです。想像以上に良くて、“あ−買って良かったなぁ”と得をした気分になりました(笑)。1曲1曲がま
るでシングルのように完成度が高く、それでいてアルバム全体を通してメッシ−ジを持っているという、私
の目指しているアルバムですね。ブォ−カルの表現力も素晴らしい! 各アレンジ、サウンドを含め、と
にかく今、ZARDでこんなアルバムが作れたらいいなと思う作品です。
作品中では4曲目が一番好きですね。イントロの古き良き日本を思い出させるような、それでいて今にも
スパイが出てきそうなシンセ・・・・・生のオルガンかな?、の音が怪しい、妖しい妄想を掻き立てるようでゾ
クゾクします。ドライブにも“これ1枚”を持って行けば、1〜2時間は退屈せず楽しめますヨ!」
音楽は聴くだけでなく、それを再現するステ−ジを観る楽しみもある。ZARDとしても昨年初ライブが行わ
れていたが、彼女が今まで観た中で印象に残っているコンサ−トは誰なのだろうか。そして、これから行
ってみたいと思っているア−ティストはいるのだろうか。
「印象的だったのは、やっぱり未だに一番最初に観たシャ−デ−のコンサ−トですね。あれは忘れられま
せん。今、行きたいなと思っているのは、ハリ−・コニックJr.のコンサ−トです。大きなホ−ルより小さなラ
イブ・ハウスでア−ティストを観たいナと思ってます」
ZARDとしては、新曲「窓の外はモノクロ−ム」(作詞:坂井泉水/作曲:岩井勇一郎)がTVでオンエアさ
れていたのだが、残念ながら終了してしまった。現在は、もう1つの新曲「promised you」(作詞:坂井泉
水/作曲:栗林誠一郎)が、テレビ(テレビ朝日系“土曜ワイド劇場”エンディング・テ−マ)で、オンエア
中。2曲とも今の所、リリ−スは未定。ファンの人達にとっては待ち遠しい限りだと思うが、この曲に関し
て簡単なコメントをお願いした。
「窓の外はモノクロ−ム」・・・・・「もう少し発酵させたいなと思ってます」
「promised you」・・・・・「ずっと前からある曲で、時期を待っていた良質の曲です」
2曲のコメントから、もうそろそろ何らかの形になるのでは・・・・・?などと考えてしまうのだが、その辺
は慌てずに発表を楽しみに待ちたいと思う。
最後に2000年の目標について聞いてみた。
「今までと変わらず、良い楽曲を作り続けていきたいですね。あとは、内に闘志を秘めつつ、ナイショ!
(笑)」
う〜ん、この言葉から2000年もまた色んな話題を振りまいてくれそうな予感がする!! 内に秘めた
闘志を具現化して、更にパワ−アップしたZARDの姿を早く見せて欲しいと思う。