「ヘヴィ・メタルを考える」(8/17)

 管理人は中古CD屋でバイトをはじめてそろそろ三年経つんですが、最近つくづく「ヘヴィ・メタルは変わった音楽だなぁ」と思います。

 ま、厳密にいうと「ヘヴィ・メタルだけが他とは違う」なんてことはないのですが、そう言っちゃうとこの先話が進まないので御容赦を。

 で、ヘヴィ・メタルのどこが変わってるか、ってことですが。

 まず、「知ってる人は知ってるけど、知らない人はまったく知らない」ということ。

 今の御時世、興味のあるなしにかかわらず、ラジオつけときゃだいだいのジャンルの最先端はわかります。
 青春パンクやヒップホップに全く興味のない管理人でも175Rや50セントは知ってます。

 が、ヘヴィ・メタルに興味がない人でアーク・エネミ-やソナタ・アークティカ、イン・フレイムス知ってる人には会ったことがないです。
 ま、そもそも、ラジオでかからないんで当たり前といえば当たり前なんですが。

 FM聴いてて、
 「森山直太郎の次は、ロブ・ハルフォード復帰で注目のジューダス・プリーストでPainkillerです。カモン、チェキラッチョ!」
 なんて流れてきたら、まず耳鼻科に行きますよ、俺。

 メタル系でかかるものといったら、80年代クラシックス、ボン・ジョヴィ、ガンズ、MR.BIG、メタリカくらいだと思います。
 メタリカにしたって、St.AngerやFuel、もしくはブラック・アルバムの曲くらいです。

 「t.A.t.u.に続いては、メタリカでCreeping Death」 とか
 「アヴリル・ラビーンに続きまして、メタリカでWelcome Home」

 なんてラジオは聴いたことがありません。(ある意味聴いてみたいけど)

 そうやってヒットチャートと溝が深まるにつれ、大好きなヘヴィ・メタルへの愛とほんの少しの被害妄想から外見にも異変がでてきます。
 カウンター内でお客さんを見てると、メタルヘッドはすぐにわかります。

 まず、全身にみなぎる緊張感。

 フラっと立ち寄るお客さんのリラックスした雰囲気と違い、メタルヘッドは
 「なんとしてもお目当てのCDを見つけてやるぜ! そこのバカ店員、覚悟しやがれ!」(あくまで管理人の印象)
 とでも言わんばかりのピリピリした雰囲気。
 目が殺気立ってます。それはまさしく戦うものの証。

 ↑の例よりもっとわかりやすいのが、自らメタルヘッドだと主張している人、つまりロックTシャツを着てる人です。
 特にウチの店は専門店でもなんでもなく、オールジャンルこぢんまりとやってるので、ロックTシャツはかなり目立ちます。

 こんがり日焼けしたギャル(古い?)のそばで、CDを吟味するガンマ・レイのTシャツを来たナイスガイ。

 実際目にするとわかりますが、かなりシュールな光景です。
 眉間にシワを寄せメタル・コーナーを睨む姿は、決闘にいどむ武士の如し。
 背中から誇りと一抹の孤独が伝わってきます。

 ロックTシャツですが、特にパワーメタル、メロスピ系のデザインはかなりファンタスティックでドラマティックなことになってるので、生半可な気持ちでは装備できません。
 客観的に見て、

 「なぜ剣をもった戦士がドラゴンと戦っているのだ?」
 「なぜ怪しげな老人が魔法を唱えているのだ?」

 という疑問にぶち当たりますから。
 ある種、その疑問をメタル愛で封じ込めることができるか否かが、ロックTシャツの本質なのかもしれません。

 つまり、度胸だめし。

 管理人はその昔、メタルでもなんでもないライブにメガデスのTシャツ来て参加するという暴挙を犯しましたが、そのときでさえ、会場に入る決心をするのにビール2杯必要でした。
 そんなもやしっ子の(?)管理人からすれば、数々の疑問をメタル愛で封じ込め、誇らしげにラプソディTシャツを着ている人は尊敬に値します。

 次に、ヘヴィ・メタルが変わってるなぁと思うのが、CDの買い方。

 まず、聴いたこともないCDを平気で買う。

 TVやラジオで流れないとはいえ、世の中にはCDガイドなる便利なものがあります。
 また、雑誌で名盤特集をやってることも多いです。
 これにより、聴いたことがないにもかかわらず、どんな内容か想像することができるのです。

 が、想像はあくまで想像。保証なんてありません。
 聴いたことのないCDを買うのは一種の賭けです。

 普通に考えると、そんなことしなくても、服を買ったり美味しいものを食べたりするというお金の使い方もあるのです。

 「そこまでしてCDが欲しいのか?」と思われてもムリはありません。

 が、しかし。

 そこまでして欲しいのです。(断定)

 「他にもっとカッコイイバンドがいるかもしれない」
 この探究心の誘惑に勝てないのです。
 そういうところがメタルヘッドの特徴とも言えるかもしれません。

 なかには人間の三大欲求の一つである食欲を削ってさえCDを買う人もいます、って数年前の俺のことじゃねーか!

 話を戻しまして。

 買ってからも安心はできません。

 たいがい日本盤のCDには解説がついてます。解説を見ると
 「このミュージシャンの○○というアルバムが最高傑作だ」
 「このミュージシャンは××から影響を受けている」
 なんてことが当たり前のように書いてあります。

 せっせとお金を貯めてお目当てのCDを買ったはずが、買ったなりから別のCDが欲しくなるという
 「買えば買うほど欲しいCDが増えていく」現象。
 こんな理不尽なことはありません。

 物事には限度というものがありまして。 ヘンにテンションが上がると、
 「駄作駄作とあまりにも言われると、逆に聴きたくなる」
 「ジャケ買いしてしまう」
 「オビ買いしてしまう」
 「レーベル買いしてしまう」
 といった症状も表れてきます。明らかにテンパってます。

 ご利用は計画的に。

 と、いうワケで。
 ヘヴィ・メタルとは何と不思議な音楽なのでしょう。つきつめて考えていくと謎だらけです。

 もっとつきつめて考えると、
 「そんなこと考えてんじゃねーよ、このヒマ人!」
 ってことになるんですが、そう言われると、このHPの存在意義が危うくなってくるので考えなかったことにしましょう。


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