乱反射する美しい海を
鱗をきらめかせて泳いでいたはずだった
ふと気がつくと、
海が淀んでいた
どんどんどんどん淀んでいった
綺麗に着飾った魚のままでいられるわけがない
鱗がはがれて刺がはえてゆく
いつの間にか両方が尖った針を身体に千本突き立てていた
何かに当たる度じくじくと痛むものだから
何もない海へ逃げ込んだ
温かい海だった
そのうち刺は抜けていって
ぷっくりと膨らんだ腹に
不安や悲しみをいっぱい抱えたふぐになった
ため込んでため込んでため込んで
膨れてゆく腹は
ついには弾けて裂けてしまった
瀕死になって
途切れ途切れの息をひそやかに繰り返す
体内に自分自身の毒を孕んで
濁った眼で見る世界はひどくくすんでいた
このどす黒いぬめった水は
何に汚されたのだろうか?
息苦しくまとわりつく
ああ、あの輝いた海は何処に行ったのだろう?
絶え絶えになった息の根をとめるのは
一体誰の何か?
私はきっと 干からびる