街に雨が降っている
この頃街を歩けないのは
私を取り囲む「世界」が怖くなったから
他人の中に「私」がどう在るのか恐ろしくなって
私が一番大切なものは
家族や友人でも「あの人」でもなかった
今は「あなた」がそこに在るらしい
あなたさえ在れば
私には怖いものなど一つもなくて
世界中のすべてを手に入れられる
私が一番切望するものはあなたで
あなた以外の中から私を消してしまってもいいと思った
あなたはそばにいないのに
あなたに手は届かないのに
あなた以外の他人を疎ましいとさえ思った
あなたのみを望んだ
そのあなたの中に私がいないのなら
私は他の何処にもいなくなるだろう
寂しい 哀しい
あなたが私の世界の中心
私の世界のすべて
あなたが降らせた雨は
私を凍えさせる一月の雨か
それとも果てなく冷えきった身体を包み込む
ほんの少しの慈しみの雨か
街に雨が降っている