九月十八日
いろいろあって、電車もなくなって、歩くことになった夜。
深夜の道を歩く。
ただ歩く。
たまに車が途切れる瞬間がある。
その時、音はなくなり、静寂につつまれる。
この時が好きです。
静かで月明かりが道を照らして。
今、この世界には自分しかいないように思えて。
それは刹那のような一瞬にすぎない思いだけど。
でも、たまには味わいたいことの一つです。
結局家に着いたのは三時半。
足は痛かったな。
九月十九日
アフターミーと坂本サトルのライブ。
場所は新宿ロフト。
ここも、好きな場所の一つだ。
地下にあるからかな。
なぜか、ここに来るとわくわくする。
この場所の雰囲気が好きなのかもしれない。
ライブの後は耳が遠くなった。
耳が重いような感じ。
耳鳴りがする。
それは海の音。遠い遠い海の潮騒の音。
九月二十一日
小学生がサッカーをしているところに通りかかった。
試合を見てみた。面白かった。
Jリーグなんかより。
なんでだろう?
きっと、みんなサッカーを好きで、それが見てる僕に素直に伝わってくるからだ。
ひたむきさ。
夢中になるってこと。
いつのまにか忘れていたこと。
九月二十二日
台風の影響か風が強い。
川を見た。
水際にカエルを見た。
カエルはぴくりとも動かず、じっとしていた。
まるで彫像のようだ。
なんか考えてるのだろうか?
どこを見ているのだろうか?
カエルが考える日もあるってことかな。
僕は考えているのかな?
九月二十四日
知らない人が言った。
「財布が見つかったよ。ここにあると思ってたんだ。
あー、よかった。免許証も入ってたから。さっき気づいて慌てて戻ってきたんだ」
その人は笑顔でそういった。
「よかったですね。見つかって」
僕はそう言った。
僕も笑顔になっていた。
九月二十五日
夜空には月があって、今日は満月なのさ。
見上げると、月はキンイロだったよ。
ああ、目にしみるなあ。
優しい光。
そして、暖かい光。
九月二十六日
夢を見た。
夢には昔の知り合いとか友達がたくさん出てきた。
そのうちの一人が夢の中で僕に言った。
「たまにはさ、無茶してみなよ。いっつも、まじめだもんな。君はさ」
そうかもしれないなと思った。
そこで目がさめた。
夢なのに。
なぜか気になった。
九月二十七日
新橋に行った。
新橋はサラリーマンの街だ。
渋谷が若者の街であるように。
新橋のビアホールへ行った。
もちろんビールを飲んだんだけど。
結局、印象に残ったのはタバスコの味だった。
タバスコデー。なんてね。
PS.
この街では、ギターで弾き語りをしている人も、きちんとスーツ姿でした。
でも、それが不思議に似合う街なのです。
九月二十八日
セロファンは僕の手のひらにあって。
僕はそれをポケットにつっこんでみた。
しばらくしてセロファンを取り出して見ると。
くしゃくしゃになっていて、でもそれでよかった。
それだけでよかった。
九月二十九日
今日はもう、なにもかもどうでもよかった。
こういう日はたまにある。
目に写る全てのことが、何の意味もないようで。
何をする気もおきなくて。
どうでもいいや、と全てを投げ出してみる。
からっぽ。
波のように、たまに、こういう気持ちは僕を襲う。
誰からも必要とされていないのだろうか。
誰も僕を必要としないのだろうか。
それはとても怖い。
自分の全てを否定されたら、そのときどうするのだろう。
九月三十日
今日は晴れたね。
思わず布団を干してみた。
昨日はだめだったことが、今日は気持ち良くできた。
それだけでいい。
とりあえず。
夕方から渋谷に行った。
電車は、とても混んでいた。
ほしいものはあったけど、結局何も買わなかった。
そういうこともある。
表の渋谷は人が多すぎるけど、一歩裏通りに入ると、ひっそりとする。
そういう所を歩くのは好きだ。