Dark Horse/Warnar Bros. WPCP-4383 【9th album】
Somewhere In England
1981
Blood From A Clone
Unconsciousness Rules
Life Itself
All Those Years Ago
Baltimore Oriole
Teardrops
That Which I Have Lost
Writing On The Wall
Hong kong Blues
Save The World

<解説>
 このアルバムは、射殺されたジョン・レノンを偲んで作られた大ヒット曲"All Those Years Ago"がその全てなのかもしれない。とにかくジョージは自らの音楽性と商業的音楽性の合間にあって、完全に自分を見失っているように見える。
 もともとはこのアルバムはこういう構成ではなく、
Side-A
1.Hong Kong Blues
2.Writing On The Wall
3.Flying Hour
4.Lay His Head
5.Unconscious Rules
  Side-B
1.Sat Singing
2.Life Itself
3.Tears Of The World
4.Baltimore Oriole
5.Save The World
という曲目の、前作"George Harrison"の続編的な趣を持ったアルバムが予定されていた。("イギリスのどこか"というタイトルのアルバムが、当時イギリス統治下にあった香港から始まるのも面白い)
 しかし発売元のワーナーがこれに難色を示し、プロモーション用のLPまで配布していながら急遽差し替えを要求、最終的に現在の形となっている。本当に直前で決まったらしく、発売予定日より少し前に出たジョン・レノンの"Double Fantasy"の帯には、差し替え前の"Somewhere In England"のジャケットデザインで紹介されてしまっている。

 結果的にはジョン・レノンの死と、それの追悼歌"All Those Years Ago"の大ヒットを受けてアルバムも成功を収めたわけだが、アルバム全体の出来と商業的成功のギャップにジョージの苦悩も相当増したに違いない。
 さらにアルバム発売前に"My Sweet Lord"盗作問題についに判決が下り、ジョージはニューヨーク地裁から58万7千ドルの支払いを命じられている。これはアラン・クラインが訴えを起こすために"He's So Fine"の版権を購入した時の値段と同じだったということも付け加えておきたい。



Dark Horse/東芝EMI TOCP-67337 【9th album (remastered)】
Somewhere In England
2004
Blood From A Clone
Unconsciousness Rules
Life Itself
All Those Years Ago
Baltimore Oriole
Teardrops
That Which I Have Lost
Writing On The Wall
Hong kong Blues
Save The World
Save The World(demo version)*

*bonus tracks

<解説>
 リマスター盤最大の話題の一つがこの"Somewhere In England"のジャケットで、上のリマスター前のアルバムの解説でも触れた"オリジナル"のジャケットに戻された形となった。といっても中身は元のまま。中途半端さがよけい引き立つ結果になっているのは否めない。
 このジャケットは、ぱっと見派手な髪形をしたジョージのようにも見えるが、裏面の写真を見てジョージの横顔とイギリスの衛星写真を合成した写真だとわかる仕組みだ。考えた写真だが確かに地味で渋さがあるわけでもなく、ワーナーが差し替えを要求したのもわからないでもない。
 リマスター自体は前2作よりもやや顕著な感じで(微妙な差だが)、左右の分離が心なしよくなり、パーカッション類がクリアになったのに加えて、多く使用されているシンセサイザーなどのキーボード類の音がきらびやかになっている感じだ。
 ボーナストラックはボーカルにエコーがよくかかったデモバージョン。横で誰か(オリビア?)がミキサーやリズムボックスを操作しているのか、ボリュームやエコーの強さが上下し、時折、コーラスのような声が聞こえる。



◆コード譜◆

All Thoes Years Ago