大阪近鉄VS北海道日本ハム
2004年6月1日(火) 大阪ドーム

 鈴木貴久二軍打撃コーチの追悼試合。
 入場すると、「鈴木貴久を偲んで 夢と勇気をありがとう」という言葉が掲げられ た、追悼コーナーがあった。
 写真パネルが10枚。あの10・19で決勝のホームインを果たし、中西太コーチ と抱き合って喜んでいるところ。西武球場で、ファースト清原の前で手を挙げている 場面。1000本安打達成時。ホームランを打った後のハイタッチ。バンザイ。 コーチ姿。
 鈴木さんゆかりの品々も展示されている。ユニフォームが背番号44時代のもの を含めて新旧二つ。外野手らしい大きなグローブが二つ。バットも二本。オールスター 戦仕様のスパイク二足。月間MVPの盾。100号ホームランのメダル。1000試合 出場、1500試合出場、1000本安打、それぞれのメダルと盾。ベストファーム コーチ賞というのもあった。コーチとしての評価もやはり高かったのだ。
 主な記録や生涯成績を記したパネルもある。大阪ドーム第1号ホームランの記念 プレートも。この追悼コーナーに集まった人たちは、涙を浮かべながら、 鈴木さんの思い出を語ったり、数々の名場面や道具などを写真に収めたりしている。
 僕がいちばんぐっときたのは、懐かしい品々ではなく、まだ新しい背番号72の コーチ用ユニフォームやった。ほんまについこの前やん。 やっぱりどう考えても早すぎるよ。

Bu
(右)坪井   1(中)益田  
(中)SHINJO   2(二)水口
(三)小笠原   3バーンズ
(一)セギノール   4(三)中村
エチェバリア   5(右)礒部
(二)木元   6(左)鷹野
(捕)高橋信   7(一)北川
(左)石本   8(遊)阿部真
(遊)金子   9(捕)的山
(投)押本   (投)バーン

 明日で終わってしまう「川尻ほろ酔いセット」を買う。川尻の直筆サインが当たる というクジを引かせてくれたが、はずれやった。
 席に座り、芋焼酎をちびりちびりと呑みながら、ファイターズの練習を眺める。 でも今日は、この前のようなのんびりとしたしあわせ感がない。鈴木さんのことが心に あるからね。

 投手の金村がショートの位置につき、打撃練習で飛んでくる打球を捌いている。 上手い。捕ってすぐ1塁へ送球の構えもとる。投手守備も上手いもんなあ。さすがや。
 打つ方では、小谷野と稀哲が数多くスタンドへ放り込んでいた。

 バファローズのノック前。3塁ファールグラウンドで、ノリが捕手を座らせて 投球練習をしている。渋谷高校時代はピッチャーもやってたもんな。
 ノリとミラバルが言葉を交わす。ノリと坪井と星野も。阿部真宏は木元と。 こういう様子を見て、「この選手とこの選手は先輩後輩やっけ?」とか思いを巡らす のも、試合前のちょっとした楽しみ。
 ファイターズのノック前。稀哲や上田など、外野陣がジャンケンをしている。 守る順番を決めているのか?その後新庄が走って出て来る。
 エンジェルはノックを受けず、グラウンドで素振りをしている。今日はDHや。
 ノックの後にセギノールがレフトでダッシュ。外国人選手は試合前にこれをやる 人が多い。

 国歌吹奏が終わる。選手・監督・コーチや観客たちが立っているこの時に、 そのまま鈴木貴久さんのための黙祷へと移る。
 黙祷が終わると、横に長いドームビジョン全てを使って、鈴木貴久さんの在りし日 の映像が流される。
 二軍打撃コーチとして、若い選手にトスを上げ、指導している姿から始まった。 10・19でのヒット、あの歓喜のホームイン。100号ホームラン。1000本安打。 様々な表情や姿勢を見せる写真もはさみつつ、映像は続く。大阪ドーム1号ホームラン。 4年前の引退試合での胴上げ。
 やがて画面は真っ白になり、鈴木さんのご冥福をお祈りする言葉だけが残った。
 客席から拍手が起こる。胸に迫る、いい映像やった。

 これは後から気がついてんけど、この鈴木さんの映像を、ライトスタンドの バファローズ応援団は見ることができなかったのではないだろうか。外野席下段の ほとんどの客席からは、ドームビジョン(スコアボード)が見えないのだ。 何らかの処置で見ることができたのならいいねんけど。このドームの欠陥がつくづく うらめしい。めちゃめちゃ見たい人たちがライトスタンドに来てくれているというのに。


 2回裏 2四球と阿部のヒットで1死満塁。的山先制センター犠牲フライ。 Bu1−0F。

 3回裏 四球とバーンズのヒットなどから2死3塁。押本のワイルド ピッチで1点。Bu2−0F。
 礒部ソロホームラン。Bu3−0F。

 4回裏 的山のヒットから2死2塁。バーンズセンター前タイムリー。 Bu4−0F。

   0    0    0    0
Bu   0    1    0    4

 バファローズが鈴木さんの追悼試合を勝利で飾った。
 8回2死、阿部の打席では鈴木さんの応援歌が奏でられた。
 鈴木さんから背番号2を受け継いだ的山がスタメンで先制打、好スライディング でのホームイン、復帰登板のバーンら3投手をリードして完封。
 新庄が例のものすごい強肩でバックホーム!ストライクの好返球!しかし、的山 がまわり込んでホームイン!このプレーが今日のハイライト。興奮したあ。
 ファイターズは8安打を放ちながら無得点。1〜3番で小笠原の1安打だけ、 新庄・小笠原がともに3三振と、上位が出塁できなかったのが響いた。木元の3安打や 両外国人選手の出塁もあっただけに惜しい。

勝 バーン(4勝1敗) 敗 押本(3勝4敗)
礒部10号(押本)
勝利打点 的山

 SHINJO(F)
 2回裏1死満塁、的山がセンターフライ。バックホームを期待して、思わず 「新庄ーっ!」と叫んでしまった。が、ホームで刺すのは無理と見て3塁へ返球。2走 をセカンド釘付け。
 4回裏2死2塁、バーンズがゴロでセンター前へ抜けるヒット。またもや 「新庄ーっ!」と叫ぶ。今度は期待通りバックホーム。しかも、ものすごい強肩で キャッチャーへダイレクト、しかもストライク返球!客席沸いた、沸いた。セーフには なったものの、この日いちばんのプレー。これぞプロ、これが野球や!というものを 見せてくれた。もうこれで今季の生観戦ゴールデングラブは決定や。
 ふわっと少し浮いてフライを捕る技も健在。
 8回裏の守備が始まる前。3塁側内野指定席で新庄に向かってグローブを振る 少年がいた。新庄はライトとキャッチボールしていた球を、センターからその子の ところまで遠投してプレゼント。いいシーンやったな。

 小笠原 道大(F)
 第3打席、高めボールの145キロ直球を叩いて、一二塁間を破るヒット。
 しかし、それ以外の打席は全て三振。今年はまだ生観戦8打数2安打。また 本来のヒット・ホームラン大量産を目撃したい。

 フェルナンド・セギノール(F)
 ファースト守備で好プレー。ワンバウンド送球を逆シングルですくい上げた。 絶対打つとは思っていたが、守備もよくなっていたとは。一昨年サーパス神戸で 平凡なファーストフライを落としてた時とは気持ちが違うみたい。いずれにせよ、活躍 がめっちゃうれしい。

 高橋 信二(F)
 5回表無死1・2塁、反撃のチャンス。持ち前のフルスイングも、ファール。 信二の打撃なら、会心の当たりがサード正面へ飛んでトリプルプレーもあるぞと、想像 しながら見る。しかしシュートにバットを振り切れず、ハーフスイングの三振に終わる。
 7回のセカンドゴロは、いい当たりではあった。が、9回には代打を送られて しまう。

 石本 努(F)
 ゴロのヒットに対する出足が良い。足の後ろでボールを捕る感じ。
 3回先頭打者で、二遊間を破るヒット。ところが、痛恨の牽制アウト。

 田中 賢介(F)
 代打で登場。フルカウントから何球もファールで粘ったが、セカンドゴロに 倒れる。
 金子の代打だったため、そのままショートに入る。1度の守備機会を無難に こなす。

 島田 一輝(F)
 9回2死1塁、代打でレフト前ヒット。土壇場とかサヨナラのチャンスなんかに 抜群に強いイメージがある。その通りの仕事。

 押本 健彦(F) 新人
 昨秋この大阪ドームでの社会人野球日本 選手権で見て以来。
 セットポジション。グラブを上げてから、かかとだけを浮かし、それから足を 上げる。走者を置くと、グラブを顔の高さにセットする。
 最速142キロ。シュート。スライダー。スローカーブ。フォーク。 シュート気味に落ちる球も。
 昨秋見た試合ではチェンジアップを捉えられていたが、プロ入りしてからは投げ てないのだろうか。
 左打者の内角低めへの直球などいい球も投げていたが、今日はフォークを見極め られてカウントを悪くし、苦しんだ。
 3回無死1・2塁のピンチ。中村をシュートでセカンドゴロ併殺に仕留め、ピンチ を脱したかと思えた。2死3塁でバッターは、2回に内角低め139キロで見逃し三振 を奪っている礒部。ここが踏ん張りどころ。この打席でも内角低めいいところに直球を 決める。ところが、スローカーブがワンバウンドしてワイルドピッチ、失点。 バファローズ応援団からはいつもの「環状線で早よ帰れ」の声が飛ぶ。動揺したのか、 次の球を弾丸ライナーで右中間スタンドへ運ばれる。若さが出たのかな。
 ここでKO。それでも、まだまだ新人王の有力候補。がんばってほしい。

 立石 尚行(F)
 最速145キロ。三振はシンカーで奪ったもの。カーブ。シュート。スライダー。
 サイドからのシュートが速かった。
 5回、北川の打席。モーションを起こしているところへタイムがかかり、大外へ ゴロを投げる珍プレー。もちろんこれはノーカウント。

 清水 章夫(F)
 試合前、レフトファールエリアで投げていて、速いなあと思った投手。 最速141キロ。
 セットポジション。ためのあるフォーム。グラブを下ろす動作が速く、その時 左手が後ろへ行く。

 建山 義紀(F)
 昨年の守護神が復活登板。1回を三者凡退。
 ノーワインドアップ。最速143キロの直球は制球よし。スライダー。

 水口 栄二(Bu)
 いつも注目しているベテラン。守備は上手いし、打撃は粘れて土壇場に強い。
 5回表無死1塁、木元のバットが折れ、ゴロが投手の右を抜ける。バットも 飛んでくるなか水口は追いつき、前傾姿勢から踏ん張って1塁送球。惜しくもぎりぎり セーフにはなったが、いいプレーやった。
 初回に通算250犠打へあと2と迫るバントを決める。

 中村 紀洋(Bu)
 7回の最終打席、ツーツーから浮いたフォークをファールにしてしまい、 悔しがっていた。鈴木さんの追悼試合で通算300号、打ちたかったろうなあ。
 日本一のサード守備に今日もうなる。2回無死1塁、エチェバリアの三遊間の ゴロを捌いて併殺完成。
 6回はポジショニングに注目してみた。セギノールの左打席では、やはり定位置 より右の深い位置に守る。続くエチェバリアの時は、深さはそのままで少し左に戻る。 そして、はかったように正面へのゴロが来た。

 礒部 公一(Bu)
 第1打席、内角139キロ直球を見逃し三振。
 その悔しさを晴らすか注目の第2打席。ワイルドピッチで気落ちした押本の外角 高めを打つ。打球は弾丸ライナーのまま右中間フェンスを越えた。これで生観戦3試合 連続4ホーマー。今年の生観戦ホームラン王は礒部になるかもしれない。

 的山 哲也(Bu)
 2回1死満塁、真ん中のシュートをセンターへ犠牲フライ。これが先制点にして 決勝点となった。
 4回にはスライダーをレフト前ヒット。送りバントで2塁へ進み、2死後バーンズ のセンター前ヒットでホームを突く。新庄からダイレクトのストライク返球が来たが、 まわり込んでホームイン!鈴木さんの10・19ホームインが頭にあったから、 いっそう感動的やった。
 マスクをかぶっても完封。今日は大活躍。
 バーンとともに上がったお立ち台。鈴木さんから受け継いだ「2番としての 意地」という言葉にじーんと来た。

 ケビン・バーン(Bu)
 復帰登板で7回無失点、勝ち投手に。
 ノーワインドアップ。最速150キロ。チェンジアップ。カーブ。カットボール。 シュート。
 回の初めはマウンド後ろで前屈をする。
 ヒーローインタビューで「ありがっとう」と日本語も。的山の肩を抱いて喜ぶ。

 吉田 豊彦(Bu)
 セットポジション。ためのあるフォーム。
 最速141キロ。カーブ。シンカー。スライダー。
 8回に登板。カーブで坪井のタイミングを外し、ライト前のフライ。新庄は低め シンカーで空振り三振。小笠原はフルカウントから真ん中低め138キロで見逃し三振。

 福盛 和男(Bu)
 セットポジション。カーブ。フォーク。シュート。
 走者を2人出したものの、無失点で締めくくる。完全にバファローズのストッパー。 トレード成功やったな。


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