98年日米野球 大阪ドーム 11月12日(木)

 日米野球観戦の思い出はいくつかある。
 若き日の今中がホームランを連発され、メジャーのパワーを思い知った90年。 フィルダー凱旋の92年は、オジー・スミス、ケン・グリフィー・Jrのファインプレーに興奮。 外野手が足りなくてレフトにまわっていたビジオがサヨナラの走者を刺したシーンもよく 覚えている。96年は野茂の晴れ姿。
 どの年も甲子園での観戦だったが、今回はドームシリーズ。舞台は大阪ドームだ。

 チケットは外野自由席。外野の二階席だ。スコアボードもフェンス際も見えない 外野一階で席を指定されるのなんてごめんだ。
 望んでいた1列目はすでに埋まっていたが、左中間の2列目に座ることができた。 メジャーは3塁側やし、ここならショートの動きがよく見える。それに、全日本の応援団が もしマナー悪くてもこれだけ離れてたら影響少ないだろうと。
 ちょうどメジャーのバッティング練習が始まるところだった。外野へ向かってくるソーサに 声援が集中。気さくに手を振ったりしてくれる。外野にいる選手たちのところにボールが行く と、スタンドへ投げ入れてくれる。ライトにいるソーサがボールを捕ったときには、試合で ホームランでも飛び出したような騒ぎだ。う〜、ライトスタンドうらやましいぞ。
 5時をまわったあたりでソーサのバッティング練習開始!すごい当たりがどんどん スタンドに突き刺さる。ソーサのバットから弾き出される打球を見ているうちに、今まで ずっとTVで見ていた、ソーサがホームランを打った瞬間のアメリカのスタジアムに自分が 座っているような感覚に襲われ、背筋がぞくぞくした。
 打撃練習が終わった。今のうちに腹ごしらえだ。今日はやっぱり、ポップコーンと ホットドッグでいきたい。しかし、いつものメニューしか置いてなかった。残念。もう今日は 何も食べずにいよう。
 スタンドが埋まってくる。巨人とのオープン戦以上に客が入っている大阪ドームを 初めて見た。きっと阪神の公式戦以来の満員なのだろう。がんばれ、近鉄。
 フィリーズのマスコット、フィリー・ザ・ファナティックが登場。近鉄のマスコット、バフィ たち(いつもはおじいさんまでいる大家族だが、今日はバフィと女の子の2人)と競演。 水鉄砲使ったりして楽しませてくれる。
 続いてはスピードガンコンテスト。一般参加10人の後、イチロー・松井稼・高橋が 登場。球場が沸く。投げるときには客席からすごいフラッシュだ。結果は、高橋143キロ、 松井稼150キロ、イチロー147キロ。3人とも高校時代、投手の経験があるのだ。それに しても150キロはすごい。ファナティックはこの間も盛りあげてくれた。
 アメリカ・カナダ・日本と国歌が流れる。以前日韓野球で、韓国国歌の最中なのに あるチームの応援団が馬鹿騒ぎしていて、呆れ果てたことがあった。が、今日はいい雰囲気 である。途中、ONをはさんでイチローと松井秀喜が並んでいるのが映し出され、感慨 深いものがあった。
 もうひとつセレモニー。今日はソーサの30回目の誕生日!花束が贈られ、球場 全体で祝福した。大阪ドームでの2試合のうち僕が今日を選んだのはこのため。それに、 今日はメジャーが先攻。試合展開に関わらず9回攻撃が見られるのだ。ソーサに打順が 多くまわるかもしれない。

MLB全日本
1番センタージョーンズ(ブレーブス)  1番ショート松井(ライオンズ)
2番ショートガルシアパーラ(レッドソックス)  2番セカンド今岡(タイガース)
3番DHラミレス(インディアンス)  3番ライトイチロー(ブルーウェーヴ)
4番ライトソーサ(カブス)  4番センター松井(ジャイアンツ)
5番レフトボーン(パドレス)  5番DH清原(ジャイアンツ)
6番サードカスティーヤ(ロッキーズ)  6番ファースト江藤(カープ)
7番キャッチャーロペス(ブレーブス)  7番サード中村(バファローズ)
8番ファーストジアンビー(アスレチックス)  8番キャッチャー野口(ファイターズ)
9番セカンドイーズリー(タイガース)  9番レフト大村(バファローズ)
ピッチャーモイヤー(マリナーズ) ピッチャー野口(ドラゴンズ)

 これだけ楽しませてもらって、まだこれから試合が見られるなんて幸せや。最大の 注目はやはり両4番。ソーサとゴジラ松井のホームランだ。
 ロペス捕手がスタメンでうれしい。このシリーズ走られてはいるが、スローイングが パワフルなのだ。バッティングもすごい。
 全日本・大村にも目を向けたい。甲子園で優勝した育英の3番センター。あの頃 からいい選手だったが、よくぞここまで、の感がある。

 いよいよプレイボール。初回は両チーム三者凡退。イチローも内角高めを見送り 三振だ。

 2回表。ソーサの登場。大歓声に迎えられ、センター前へクリーンヒット!よっしゃ!
 1死1塁からカスティーヤが四球で歩くと、スタンドから野口にブーイング。僕も もちろんカスティーヤの打撃は楽しみだったので、残念だ。続くは捕手ながら34ホーマー、 期待のロペス。が、サードゴロダブルプレー。

 2回裏。ゴジラ松井の三遊間への痛烈な当たりはサードゴロに。メジャーも松井シフト 気味なのか。
 清原が歩いたが、走られへんもんなあ。

 3回表。左打者ジオンビーがレフト線へ技ありのツーベース。ジョーンズの犠牲フライ で、メジャーが1点先制。ガルシアパーラ、ラミレスも連打して、2死1・2塁でソーサという 場面に。右への当たりに歓声があがるが、ライトフライ。

 3回裏。野口がチーム初ヒットを放つが、後続がない。それにしても、ショートを守る ガルシアパーラが素晴らしい!ものすごいスローイング。肘から下が豪快にしなる感じ。 打球を取って、右足が地面に着いた瞬間もう投げている。どんな体勢からでも。見事な プレーを連発。バッティングでも鋭いライナーを放ち、2安打。走塁の姿勢もよく、いっぺん にファンになりました。

 4回表。カスティーヤがまた四球。打撃が見たいぞ。ロペスは今回もサードゴロ。 ゲッツーに。

 4回裏。イチローが四球。バッティング見たかったなあ、と思ったが、スタンドからは 拍手。そうか、イチローが出たんや。盗塁が見られるかも。
 モイヤー投手は牽制が上手いらしい。が、数がすごかった。ホームに投げるより 1塁投げる方が多いねんもんなあ。客席からさすがにブーイング。イチローはその中でも 走ったが、刺されてしまった。
 松井の打球がライトへ上がる。「行けえーっ!」思わず叫んだけど、これは上がり すぎやった。

 5回表。無死1・2塁からジョーンズが痛烈なサードゴロ!中村紀洋がベースを踏む。 トリプルプレーや!ついに見ることができたか?しかし、1塁はセーフ。惜しかったなあ。 1度は見てみたいものだ。

 5回が終わるとファナティック・ショー!3回終了後のダンスタイムでもチアガールの 中に乱入し、盛りあげてくれたファナティック君の出番だ。緑の毛におおわれたふかふかの 体、メガホンのように突き出た口。お腹とお尻が大きいのが何ともユーモラスなのだ。
 ファーストベースコーチのクッキー・ローハスさんのそばに寄って行く。流れるロック のリズムにノッて踊る。そして、ローハス・コーチにも振りを教え、いっしょに踊るよう促す。 しかし真面目そうなこのコーチは、むっすりして動こうともしない。何度ファナティック君が 誘っても応じない。ついにファナティック君はグラウンドにへたり込んでしまう。何とか起き 上がって、また腰をまわすダンスをしてみせる。と、クッキー・コーチが腰をまわしはじめた! 音楽にノッて、終いには両腕を上げ指突き出して回転までしてみせた。もう大爆笑。やるで、 このじいさん!ぎーりぎりまで待たしといて。めっちゃ笑った。楽しかったで。

 6回。ソーサ、センターフライ。イチローは三振。1−0の投手戦が続く。このあたり から禁止されているはずのトランペットが鳴り始める。今日は応援も大リーグ風でよかった のになあ。ときおり流れるオルガンに合わせて手拍子したりとか。

 7回表。先頭のカスティーヤがついにセンター前ヒット。ところがロペスはショートゴロで、 何と3打席連続の併殺打。当たりはいいのだが。
 2死からジオンビーがまたレフトへ二塁打。これで3本目のヒットだ。
 ここで権藤コーチ、続いて長嶋監督もベンチを出て、ピッチャー交代。西武の石井 貴だ。ベンチへ下がる野口にスタンドから拍手。
 石井はイーズリーから三振を奪い、見事にピンチを脱した。

 「セブン イニング ストレッチを」のアナウンスが入る。そして、「野球場へ連れてって」 の合唱だ。ファナティック君、3塁ベンチの上にのぼって指揮をとってくれる。スコアボードに 歌詞が出ていたのが、なぜか途中で長嶋監督紹介の画面になって途切れるというハプ ニングはあったが、楽しかった。 その後ファナティック君は終盤、1塁側スタンドに出現して踊り、大人気。みんなが寄って きたところで、ピンクのニョロニョロしたのが出る器械を使って大騒ぎ。大活躍でした。

 7回裏。ゴジラ松井、今度はレフトへ上げるも、スタンドへは届かず。
 この回終了後のインターバルでは、バックスクリーンの画面を使って「サブウェイ  レース」。ヤンキー・スタジアムで行われているものらしい。NYに通じる3つの地下鉄が 競争するアニメだ。客はそれぞれ入場時にもらったカードと同じ色の地下鉄を応援。 レースに勝って、番号も当たれば賞品がもらえる。
 見事、僕のカードと同じ緑色の地下鉄が勝った。歓声。けっこううれしいもんだ。 しかし残念ながら番号の方が合わず、何も当たらなかった。

 8回表。1死からガルシアパーラがヒット。ラミレスの痛烈なライナーがライト線へ。 これをイチローが好捕、1塁へ矢のような送球。ダブルプレーの完成だ。メジャーチーム この試合5個目に。

 8回裏。6回からプリサック(ブルージェイズ)、ジャクソン(インディアンス)と1イニング ずつの継投を見せるメジャーチーム。この回はゴードン(レッドソックス)だ。
 全日本は先頭の中村に代えて代打・石井琢郎だ。大歓声。サード前へセーフティ バントを落とすが、間一髪アウト。
 次の野口に代打はない。ここまで2安打。ここで打てばMVPのチャンスもある。 しかし、変化球に三振。
 2死となったが、大村がセンター前ヒット。さあ、足を見せてくれ。ところが、牽制で アウトに。そりゃないで。

 9回表。全日本3番手は小林幹英。ソーサがライトへものすごい当たり!イチローが ジャンプして捕った!かに思えたが、フェンスにぶつかってボールがこぼれた。ツーベース。 ホームランはなかったが、充分ソーサのすごさはわかりました。
 ここでサイン違いらしい暴投。これが残念やったなあ。1死からカスティーヤがレフト へ犠牲フライ。2−0に。

 9回裏。ついにパドレスの守護神、剛速球のホフマンが登板。終盤になって、レフト はボーンからアンダーソン(エンゼルス)に代えられていたし、万全の構えだ。 期待の松井稼も三振を奪われる。
 2番今岡のところで代打。今日ずっと大きな拍手で迎えられていた今岡だけに、 スタンドから文句が出るかと心配した。が、鈴木尚典のコールに大拍手。すっかり認められ た証拠やね。鈴木は叩きつけてセカンド内野安打。やった!松井までまわる!球場全体 が活気づいてくる。
 ここでイチローがセンター前ヒット!さすがである。
 1死1・2塁で松井。ホームランが出たら逆転サヨナラだ!スタンドは最高潮。 今日1番の盛りあがり。キャッチャーのロペスがマウンドへ行く。「ストレートは危険だ」とでも 言っているのか。それとも、直球勝負なのか。
 ワンボールから変化球を空振り。ドームがどよめく。
 次も低めの緩い球。松井のバットが捕らえた。ライナーだ。しかし、セカンド正面。 セカンドランナーが飛び出していて、ダブルプレー。一瞬にして、試合終了。ああ、今年は ついに1本も松井のホームランを生で見られへんかったか・・・。

 しかし、いい試合やった。堪能したなあ。ほんとに楽しかった。球場に来たファンを よろこばせるのがうまい。そういえば、イニングの合間に、ボーンはファールボール処理係 のボールボーイとキャッチボールしていた。いい思い出になるやろなあ。

MLB001000001 2
全日本000000000 0
勝 モイヤー 敗 野口 S ホフマン
公式MVP モイヤー(マリナーズ) 殊勲賞 野口(F)

MVP ガルシアパーラ(レッドソックス)
優秀選手 イチロー(BW) ソーサ(カブス) ジアンビー(アスレチックス)  石井貴(L)
ファインプレー ガルシアパーラ(レッドソックス) イチロー(BW)


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