THE BEATLES ALBUM GUIDE

(10)YELLOW SUBMARINE

      
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(1)データ
収録曲
  
1.Yellow Submarine7.Pepperland
2.Only A Northern Song8.Sea Of Time
3.All Together Now9.Sea Of Holes
4.Hey Bulldog10.Sea Of Monsters
5.It's All Too Much11.March Of The Meanies
6.All You Need Is Love12.Pepperland Laid Waste
13.Yellow Submarine In Pepperland
*名義:ザ・ビートルズ(1〜6
    ジョージ・マーティン・オーケストラ(
7〜13

  以下、ジョージ・マーティン・オーケストラの曲と、既発の2曲(1,6)のデータは省略します       

  

 

 

      
発売日1969.1.17.(英)
プロデューサージョージ・マーティン
レコーディング67.2.13.〜2.14.,4.20.(2)
67.5.12.(3)
68.2.11.(4)
67.5.25.〜26,6.2.(5)
手持ちのCDCP32-5331(東芝EMI)*stereo
購入時期1988年6,7月頃


(2)解説
   68年7月に公開された同名アニメ映画サントラで、アルバム発売は69年初頭。しかし、収録曲のレコーディング時期は67年、及び68年初頭なので、私は敢えて順番を変えて、10番目にこのアルバムを持ってきた。 しかし、ビートルズは元々、このアニメ映画に対しては消極的だったため、新曲の提供はせず、既発の1,6に、67,68年のセッションのアウト・テイクなどである2〜5を 提供したのみであった。よって、ここに収められた純粋な新曲は2〜5の4曲だけ。さらに残りはジョージ・マーティン・オーケストラによるインストが収められている。というわけで、ビートルズの全アルバム中、 最も物足りない印象のアルバムとなってしまっている。サウンド的には67年に録られた曲が中心なので、SGT.PEPPERSMAGICAL MYSTERY TOURに通じる、サイケな空気が支配している。

  全英チャートの最高位は4位、全米の最高位は2位。ビートルズの全オリジナル・アルバム中、唯一全英で1位になれなかったアルバムとなってしまった。

(3)☆TAKEの独断と偏見
  このアルバムでしか聴けない曲は4曲しかないし、オーケストラのインストが半分以上だしということもあり、このアルバムを他のアルバムと同じレベルで語ることは出来ない。その新曲も、いわば一度ボツになったような曲ばかりだし・・・。 ということで、中級以上のビートルズ・ファン以外で、このアルバムを持ってる人は少ないんじゃないだろうか。でも、だからかもしれないが、私はこのアルバムを変にひいきしてしまうのである。なぜか悪く言う気がしない、というか・・・。なぜだろう? とても不思議な気分だ。「出来の悪い子ほどかわいい」といった心境かな?(笑)

  新曲4曲のうち、ジョージの作品が2曲。どちらもボツになった曲のようで、この時期のジョージがいかに冷遇されていたかが分かる。67年にジョージが発表した作品はSGT. PEPPERS収録のWithin You Without Youと、MAGICAL MYSTERY TOUR収録のBlue Jay Wayの2曲のみ。だから、当時のジョージが何を考えていたのかとか、 どのような作風だったのかを考える時、このOnly A Northen Song、It's All Too Muchは外すことができない。

   また、新曲4曲中、3曲が67年のレコーディングだが、4:Hey Bulldogのみが68年レコーディング。実は注目はこの曲で、 66,67年と敢えてR&R的なサウンドを避けてきたビートルズが、R&Rに戻っているのだ。ちなみにこの曲は68年3月発売のシングルLady Madonnaセッションで録られているが、このLady Madonnaはポールが4Hey BulldogはジョンがR&Rに還ってきた瞬間を記録した重要な曲だ。 それに、この曲が意外と無視できない佳曲なのである。こんな、熱狂的ファン以外買いそうにないアルバムにこうした曲が入っているのを見ると、本当に「もったいない」という気にさせられる。だからかもしれないが、この曲、中級以上のファンにとても人気がある。 私も好きである。だから、この曲への愛着=このアルバムへの愛着に繋がってるのかもしれない。そう、もしかすると、このアルバムは多くのファンにとって「Hey Bulldogを聴くためのアルバム」なのかもしれない。

  ということで、このアルバムを聴く時は普段、2〜5の4曲しか聴かないのに、気がつくとSGT.PEPPERSあたりよりは聴く機会が多かったりする。そう、私は意外と嫌いじゃないし、「あまり聴かない」という人たちにも、「ちゃんと聴きましょう」と言いたくなるのである。


(4)独断と偏見の全曲紹介
*このコーナーの見方
A.:作者、Lennon-McCartney作品の場合、大文字の方が実際の作者。カバーソングの場合はオリジナル・シンガー
B.:ボーカリスト、カッコ内はコーラス、ハーモニー
C.:イギリスでのシングルヒット記録。シングルB面曲はその旨記載
D担当楽器ーg:エレキ・ギター(赤字がリード・ギター)、ag:アコースティック・ギター、b:ベース、d:ドラム、 p:ピアノ、org:オルガン、har:ハーモニカ
なお、曲名の後の得点は私自身の好感度。(100点満点)

*なお、名前の記述はJ:ジョン、P:ポール、G:ジョージ、R:リンゴ

1.Yellow Submarine
  REVOLVER収録済につき、こちらを参照下さい

2.Only A Northern Song    70
A.Harrison  B.G  C.ー   D.J(p),P(b),G(org),R(d,ティンパニー)・・・(+トランペット)
  ジョージがLennon-McCartney作品の著作権管理を行っていた音楽出版社「ノーザン・ソングス」を強烈に皮肉った曲で、SGT.PEPPERSのアウト・テイク。ジョージは当然、このノーザン・ソングス社からほとんど収入を得ていないわけで、そのことを皮肉って「ノーザン・ソング(ジョンとポールの作品)でどんなプレイしようが全然問題ない」という強烈な皮肉を述べているのが面白い。 サウンドはいかにもSGT.PEPPERSで録られたという感じのもので、テープ・ループの音があちこちで聞こえる。ギターは入っておらず、ジョージの弾くオルガンが中心。また、ポールのベース・ラインが素晴らしく、ジョージの曲になるとなぜかよいベースを聞かせるポールである。なお、トランペットはジョンとポールが吹いているという説もあるが、音を外しているようで、意外と計算された印象を受けるので、 私は疑問を抱いている。

3.All Together Now    80
 A.Lennon-McCARTNEY  B.P/J(J,P,G&R)  C.ー   D.J(ag,har),P(ag,b),G(ホルン、トライアングル),R(d)
  ポールが一応、このアニメ映画を意識して書いた童謡風の作品で、レコーディング時期は67年5月、SGT.PEPPERSセッション終了直後。童謡にありがちな「数え歌」「アルファベットの歌」風な内容で、いかにも「アニメを意識して書きました」といった歌詞。演奏は、フォークというよりスキッフル・バンド風にも聞こえる。アコースティック・ギターはジョンとポールが担当。諸説あるが、私は最初に入ってくる太い音の方がジョン、後から入る繊細なタッチの方のギターが ポールのものであると思う。ボーカルはポールだが、中程のsail the shipなどのパートのみジョンが担当。おそらく、この部分の作詞はジョンだろう。また、ジョンは久々にハーモニカも担当。このハーモニカもフォークやスキッフルを思わせるものである。どうでもよいことだが、私は幼少の頃、「ピンポンパン」でこの曲の替え歌のおばけの歌を聴いたことがある。それは「あ・い・う・え・お、ほら出たぞみんな来い、か・き・く・け・こ、火の玉」 といった秀逸なものであった。「ピンポンパン」といい、「ポンキッキ」といい、フジテレビの子供番組はなかなか侮れない。

4.Hey Bulldog      100
 A.LENNON-McCartney  B.J(P)  C.ー   D.J(p),P(b,g),G(g),R(d)
  ジョンの65年以来、久々のストレートなR&Rナンバーで、レコーディング時期は68年2月のシングルLady Madonnaのセッション。セッション中のわずかな時間を利用してジョンが書きなぐり、その場で4人で構成、アレンジを決め、一気にレコーディングまで終えてしまったという。実際、レコーディング時にポールが勘違いしてmeasured out in newsの”news”を”you”と歌ってしまって以降、歌詞が変更になったとか、本来タイトルはHey Bullfrogだったのに、 誰かがふざけて犬の真似をしたことからHey Bulldogに変更になるなど、「やっつけ仕事」的なエピソードも多い。しかし、曲自体は文句なしの秀作であり、とてもやっつけ仕事とは思えないものがある。ギターは2本。太い音でリフを弾いている方がジョージ、チョーキングを多用した素晴らしいソロはポールが担当。ピアノはポールという説もあるが、この曲はジョンがピアノで作曲したということだから、ジョンの担当だと思う。ジョンとポールの息の合ったハーモニーと、そこから抜け出る、 久々のジョンのR&Rなボーカルもいい。また、エンディング付近で妙な会話や、犬の真似を聞かせるジョンとポールもなかなか微笑ましい。また、Lady Madonnaのビデオ・クリップは実はこの曲のレコーディング風景を収めたもの。マイクの前でふざけ合うジョンとポールの姿が楽しい映像である。なお、アニメではこの曲のシーンは作られたものの、公開時にはカットされている。

5.It's All Too Much      80
 A.Harrison  B.G(J&P)  C.ー   D.J(g,タンバリン),P(b,g?),G(g?,org),R(d)・・・(+トランペット、クラリネット)
  ジョージの作品でレコーディングはSGT.PEPPERSセッション終了直後の67年5月。詞作はジョージがLSDを服用して、そこから得た「悟り」を歌ったものらしい。サウンドは67年頃、ジミ・ヘンドリックスなどが多用して大流行したフィードバック・ギターを全編にフューチャーしたハードなもの。しかし、メロディ自体は異常なほどポップなもので、そのポップな曲調とハードなフィードバックがアンバランスな妙な曲である。このフィードバック・ギターは、当然ジョージだと思われていたが、 99年YELLOW SUBMARINE SONGTRACK発売時にジョージが「ポールだったと思う」と発言している。まあ、67年当時、ジミ・ヘンと交流のあったポールだし、意外と信憑性が高いように思われるが・・・。ジョンもギターを弾いていると思うが、「ベース説」も浮上している。しかし、当時のジョンが、ここまでヘビーなベースを弾けるとは考えられないので、ベースはポールと考えて間違いなさそうだ。オルガンはジョージ自身。なお、最初のto your motherのシャウトはジョージ(ジョン説もあるが、全くジョンの声には聞こえない)、エンディング付近で歌われるwith your long blonde hair and your eyes of blueのフレーズはマージーズの66年のヒット曲、Sorrowの一説。映画では、歌詞の違うフレーズも登場する別テイクが使われている。(2000年1月30日加筆)

6.All You Need Is Love
MAGICAL MISTERY TOUR収録済につき、こちらを参照下さい

     アルバム・トータルの好感度     70

                                                                   *:1998年10月28日UP


      
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