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| 1.Yellow Submarine | 8.Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band |
| 2.Hey Bulldog | 9.With A Little Help From My Friends |
| 3.Eleanor Rigby | 10.Baby You're A Rich Man |
| 4.Love You To | 11.Only A Northen Song |
| 5.All Together Now | 12.All You Need Is Love |
| 6.Lucy In The Sky With Diamonds | 13.When I'm Sixty-Four |
| 7.Think For Yourself | 14.Nowhere Man |
| 15.It's All Too Much |
| 発売日 | 1999.9.13. |
| リミックス | ピーター・コビン |
| 手持ちのCD | TOCP-65300(東芝EMI)*stereo |
| 購入日 | 1999.9.12. |
| 99年になって、アニメ映画Yellow Submarineが、オリジナルではカットになっていたHey Bulldogのシーンを加えた「完全盤」としてビデオ化されることが決定、それに伴い、新しいサントラ盤が発売されることになった。こうして登場したのがこのアルバムである。
この、「イエロー・サブマリン・プロジェクト」に関しては、「ビートルズの新曲が含まれている」だとか、「ポール、ジョージ、リンゴによる再結成が決定」などというデマも流れるという、人騒がせな事件もあったが・・・。 こうして実現したこのアルバムは、映画で使われながら従来のアルバムYELLOW SUBMARINEには収録されなかった曲(3,4,6〜10,13,14)を含んだ、ビートルズの曲のみで作られた「サントラ盤」となった。もともと、アルバムYELLOW SUBMARINEは、半分以上がジョージ・マーティン・オーケストラの曲で占められており、 ファンの間では「聴きにくい」という印象があり、こうした形での再発を望む声も多かったので、ファンにとっては喜ばしいことであった。しかし、それ以上に驚かされたのは、全曲にリミックス、リマスターが施されたということであった。リミックスを担当したのは、現アビー・ロード・スタジオのシニア・エンジニアであるピーター・コビン。 このリミックス&リマスターにより、以前とは比べものにならないほどクリアーな音に生まれ変わっている。つまり、「新しいサントラ盤」であると同時に「リミックス・アルバム」でもあるという側面を持つものである。ビートルズの音源を使って、これだけ大幅なリミックスが行われたのは初めてであり、これは画期的な出来事といってよいだろう。 今後も「リミックス・アルバム」の予定があるとのことだが・・・。 |
| このアルバム発売のニュースをはじめて聞いた時の私の感想は、「大丈夫かなあ」というものだった。確かに、「ビートルズ・ナンバーだけによるYellow Submarineのサントラ」というのは、私も望んでいたものだったけど、「初のリミックスもの」ということで、不安の方が大きかった。「60年代の偉大な遺産であるビートルズの音源に、
現代流のリミックスを施すなどして手を加えるなどもってのほか」という意見もあったのは事実で、私の場合は
そこまではいかないまでも、何となくモヤモヤした気持ちで・・・。まして、手を加えるのがマーティンやジェフ・エメリックなら100%賛同できるけど、ピーター・コビンなる、60年代のビートルズとは何の関係もない人物というのも、納得がいかなかった。 しかし、ネット上における、サンプルを聴いたというファンの方のコメントや、雑誌におけるビートルズ好きで知られる評論家のレビューを読むと、なぜか好意的なものばかり。もちろん、私は自分の耳で聴いていないのに、そうしたものを見て鵜呑みにするほど単純な性格ではないが、「ひょっとすると」という想いも強くなり、 いつしか「不安」よりも「期待」の方が大きくなった。そして、実際に自分で聴いてみて思った。ファンや評論家のコメントに偽りがなかったと・・・。確かに、リミックスとリマスターにより、曲によっては全く別の曲のように聞こえるものもある。だが、それは、決して「曲をぶち壊しにしてる」とか、「イメージが壊れた」といった、ファンをガッカリさせるものではなく、 「今まで以上に、曲の魅力が引き出されている」「ますますここに収められた曲が好きになりそう」といった、好意的な印象を受けるものばかり・・・。そう、ここでのリミックス&リマスターは、楽曲の元々のイメージや魅力を壊すことなく、逆に楽曲のよさをより際立たせるような形で行われている、ということである。 「リミックス&リマスターもの」の中には、ミックスを担当した者の自己満足に終わり、アーティストへの愛情が全く感じられないものも多いが、やはりそこは現在のアビー・ロードのシニア・エンジニア。マーティンが引退した今、個人的には「今後はこの人に任せてもいいかなあ」、という気がした。 具体的に、どこがどう変わったのかは「全曲解説」の方で述べていくが、全体的に感じるのはやはり音がクリアーなことだろう。とにかく、SE、メンバーの話し声、パーカッション、ハンド・クラッピングなどの、思わず聞き逃してしまいそうな音までがはっきりと聞こえるので、「こんな音が入っていたんだ!」と驚かされることが多く、臨場感もある。さらに、ボーカル・パートが大き目にミックスされていたり、 以前は左右のチャンネルに振り分けられていたボーカルや楽器の音が、センター寄りになって音に厚味が増していたり・・・。つまり、「60年代の楽曲であるビートルズ・ナンバーが、現代の音楽として蘇った」といった想いが強い。といっても、先に述べた通りに、本来の楽曲のイメージを壊すまでには至ってないのだから、その辺のバランスの取り方が 実に絶妙だといえるだろう。ピーター・コビン、凄い人だ! では「このアルバムは素晴らしい、だから以前のビートルズのCDなんてもう聴く気がしない」かというと、そんなことは全くない。確かに、ここで聴かれるリミックスは素晴らしい。しかし、ここで聴けるのはあくまでも「現代に蘇ったビートルズ・ナンバー」であるに過ぎない。これらのテイクを聴いて、「60年代の空気」「現役時代のビートルズ」を感じることは、私にはできない。 そうしたものを感じたければ、私は迷わず、従来のCDを聴く。つまり、私が言いたいのは、「クリアーな音のビートルズ・ナンバーを聴きたい時はこのアルバム、60年代の熱気や空気を感じ取りたい時は従来のCD」という風に「使い分け」をすることが、このアルバムの正しい活用法、楽しみ方なのではないか、ということである。つまり、これはビートルズのオリジナル・アルバムを全部聴き尽くした人のためのものではないだろうか。 やはり、初心者の方には、まずオリジナル・アルバムを全部聴いた上で、このアルバムを聴いて欲しいと思う。「ビートルズの本来の姿」は、やはりオリジナル・アルバムの方にあると思うし、それを知っている人だけが本当にこのアルバムを聴いて楽しめるのではないか、そんな風に思ってしまう。 噂によると、今後も「リミックス&リマスターもの」の発売の可能性があるらしい。そう思うと、実に楽しみだ。特に、未だビデオ化が実現していないLet It Beの発売と、同様のSongtrackの制作に大いに期待したい。何しろ、Get Backセッションには、膨大な量の未発表曲と未発表映像が眠っているのだから・・・。 |
| 収録アルバム:REVOLVER (曲解説はこちら) |
| とにかく、SEや、ボーカルのバックの話し声やかけ声などが異常に鮮明に聞こえるので、これまで気がつかなかった新たな発見が多い。特に、ワン・コーラス目に入る波の音が左右のチャンネルを行ったり来たりするのが心地よい。ツー・コーラス目の話し声もパーティの席に迷い込んだような臨場感だ。そして、スリー・コーラス目のジョンによる 復唱は、これまでのCDではeveryone of us (LPモノラル・バージョンでは聴けたが)からしか聞こえなかったが、ここではlife of easeから聞こえる。しかし何といってもボーカルのバランスがよい。センターにリンゴのボーカルを、コーラスは左右に振り分けて、という形態になっているのが印象に残る。従来のテイクはボーカルが片チャンネルに偏っていただけに、余計に新鮮。 「ベスト・リミックス」のひとつだと思う。 |
| 収録アルバム:YELLOW SUBMARINE (曲解説はこちら) |
| このアルバム最大の収穫。もともと大好きだったこの曲、ますます好きになりそう。とにかく、ジョンのボーカルがかなり大きめにリミックスされているのが嬉しい。ジョンの声の素晴らしさが前以上に際立っているという印象。とにかく迫力がある。おかげで、曲自体のワイルドな魅力がより引き出されている。 また、以前のCDではボーカルは片チャンネルだったが、ここでは両方に振り分けられていて、今まで以上に「厚み」を感じる。さらに、エンディングのみならず、間奏のジョンとポールの掛け声やアドリブが鮮明に聞こえるのが嬉しい。この曲のレコーディングの様子を録ったLady Madonnaのビデオ・クリップでの楽しげな2人の姿を思い出してしまった。 一方で、ポールのハモリのパートが以前より小さくなっているのは残念な気もするが、以前のテイクでは若干大き過ぎだったような気もするから、これでよいのかなという想いもある。 |
| 収録アルバム:REVOLVER (曲解説はこちら) |
| 以前のテイクでは、ボーカル・パートの大半が片チャンネルのみだったが、ここでは中央に。ストリングスも楽器ごとに音が振り分けられているので、奥行きを感じる。これを聴くと、以前のテイクは薄っぺらく感じられてしまうほどだ。 |
| 収録アルバム:REVOLVER (曲解説はこちら) |
| 正直あまり大きな変化はないようだが、タンバリンとエレキ・ギターの音が前以上に目立つようになり、一部にあった「インド楽器のみでレコーディングされた」という説が、とんでもない間違いであることがよりはっきり分かるようになった。 |
| 収録アルバム:YELLOW SUBMARINE (曲解説はこちら) |
| 最初のパートのcan I bring my friend to teaの部分にポール自身によるハモリのパートがあったというのは、新たな発見。これまでは小さすぎて聞こえなかったのか、それともカットになっていたのか・・・?? 次のBom-pa bom以下のパートも、最初のコーラスとジョンの歌うsail the shipといったフレーズを分離することによって、 よりジョンのパートを際立たせることに成功している。all together nowのコーラスのパートも、奥行きのあるミックスによってどことなく輪になって座って歌っているような、そんな風景を思い浮かべてしまう。それに重なるハンド・クラッピングも大きめにミックスされているよう。 |
| 収録アルバム:SGT.PEPPERS (曲解説はこちら) |
| この曲は個人的には「前の方がよかった」テイク。左右のチャンネルを上手く利用して、カラフルで不思議なムードを盛り上げていた従来のテイクに対し、センターに寄り過ぎた音はここでは逆効果という感が否めない。また、サビのコーラスに絡む、ジョージの不気味に音程を外したギターの音が、以前より小さくなってしまっている。 といった感じで、曲の持つ不思議なムードが若干薄れているようで残念。最初にこの曲を聴いた時に感じた「不気味さ」「危うさ」のようなものが薄れているのがどうも・・・。 |
| 収録アルバム:RUBBER SOUL (曲解説はこちら) |
| とにかくRUBBER SOULの場合、大半の曲が左右のチャンネルにボーカルや楽器が振り分けられていたわけで、全体にセンター寄りにリミックスされたこのテイク、スケールが全然違う。また、ポールのファズ・ベースの音が大きく、なおかつクリアーになったのも注目。 |
| 収録アルバム:SGT. PEPPERS (曲解説はこちら) |
| SGT. PEPPERS収録曲は先に述べたLucy〜もそうだけど、左右のチャンネルに音が流れたり、ボーカルがセンターから右へ左へと移ってゆく、といった巧みなミックスが施されていたものが多く、サイケできらびやかな雰囲気を盛り上げていたというのが事実。 それなだけに、この曲もやっぱり「前の方がよかった」。ボーカルが両チャンネルを移動する元のテイクの方が臨場感があった。SEが左右から出てくる点や、ギターの音がよりヘビーに響くなどの良くなっている点はあるんだけど・・・。 |
| 収録アルバム:SGT. PEPPERS (曲解説はこちら) |
| 「SGT. PEPPERS収録テイクは前のミックスの方が良かった」と書いたばかりだけど、これは例外。これまではリンゴのボーカルがほとんど左チャンネルにしか聞こえなかったのが、ここではセンターに来ているからとてもバランスが良く感じられる。またポールのピアノと、マーティンによるイントロのオルガンの音が以前よりもはっきりと聞き取れる。 反面ベースの音が小さくなっているので、「曲をリードしているのはベース」という、この曲のイメージが若干変わっており、この辺はちょっとだけ疑問。 |
| 収録アルバム:MAGICAL MYSTERY TOUR (曲解説はこちら) |
| 全体の出来は良いと思う。これまでは聞こえにくかったジョージのギターの音が大きくなっているのが一番印象的。さらに、ピアノの音も大きくなっている。ただ、ボーカルに少しだけではあるが、エコーがかけられているのが残念。この曲は、ローリング・ストーンズが当時よく使用していたオリンピック・スタジオでレコーディングされているが、 レコーディングに立ち会った同スタジオのエンジニアは、ジョンのボーカルを聴いて「なんて素晴らしい声なんだ」と感嘆の声をあげた、というエピソードが残っている。従来のテイクでは、そのボーカルに何の処理もされず収録されていたのに、ここで手を加えた、というのは疑問。ただし、気になるほど深いエコーではないし、全体の出来は良いので、満足はできる。 |
| 収録アルバム:YELLOW SUBMARINE (曲解説はこちら) |
| これは収穫。従来のCDのテイクは「疑似ステレオ」だったから、このテイクが初の「リアル・ステレオ」となる。データ本などには「ジョージのボーカルはダブル・トラック」と書かれているが、従来のテイクでは、なぜか「ダブル・トラック」には聞こえなかったものだ。しかし、このテイクを聴くと確かにダブル・トラックであることが確認できた。 また、間奏やエンディングのジョンとジョージのアドリブ・ボーカルや話し声が鮮明に聞こえるようになった。さらに、SEの音も大きくなった。反面、アクセントになっていたトランペットが小さくなっており、従来のテイクとは趣が異なっている。 |
| 収録アルバム:MAGICAL MYSTERY TOUR (曲解説はこちら) |
| ジョンのボーカルがシングル・トラックになっているのが最大の特徴。実はプロモや映画の中ではシングル・トラックだったわけだが、私がはじめてこの曲を聴いたのは、テレビでプロモを見た時だったので、最初にこの曲を聴いた時のイメージに近づいた。 コーラスのパートは両チャンネルに振り分けられていて臨場感がある。特に、2コーラス目のall you need is loveのコーラスがかなり大きくなったという印象。オーケストラも以前より広がりの感じられるミックス。 |
| 収録アルバム:SGT. PEPPERS (曲解説はこちら) |
| この曲ももともとはボーカルが片チャンネルだったから、ボーカルを中央に持ってきたミックスが新鮮に聞こえる。ベルの音もきれいに響いているような印象を受ける。しかし、個人的に嬉しいのはエンディング付近に登場する小粋な感じのジョージのギターが、大き目にミックスされている点。この演奏、ジョージの隠れた名演だと思っていたんだけど、 今まではあまりに小さくミックスされているせいか、全然目立たなかった。でも、これならみんな注目してくれるだろう。 |
| 収録アルバム:RUBBER SOUL (曲解説はこちら) |
| Think For Yourselfのところで述べた通り、RUBBER SOUL収録曲はもともと左右にボーカルや楽器をきれいに振り分けられていた関係上、ここでは大きく印象が変わって、まさに生まれ変わったかのよう。個人的にはHey Bulldogと並ぶこのアルバムの収穫。 とにかく、ボーカル・パートが片チャンネルに寄っていた従来のテイクと違い、ジョンのボーカルを両チャンネル中央、ポールとジョージのパートは左右といった感じで、より3部コーラスの素晴らしさを引き立てる仕上がり。もう、これだけで手放しで喜びたい。 特にこれまでは聞き取りにくかったジョージのパートもきれいに聞こえるのが嬉しい。もともと大好きな曲だったが、ますます好きになりそう。素晴らしい!! |
| 収録アルバム:YELLOW SUBMARINE (曲解説はこちら) |
| ミックス以前の話だが、この賑やかでサイケなナンバーをラストに持ってきたのは大正解だろう。ただ、ミックスに関しては「前の方が良かった」。とにかく、この曲はボーカル・パートよりも「サウンド」の方が重要な曲だと思う。なので、他の曲同様の「ボーカルを浮かび上がらせるミックス」は、ここでは逆効果。 フィードバック・ギター、オルガン、ホーン、エコーをかけたハンド・クラッピングとカウベルといったこの曲の重要な部分が、以前より小さくなってしまったように思えてしまう。そのせいだろうか、以前と比べると「賑やかさ」「きらびやかさ」も半減しているような気もする。 ただし、今まではフィードバックの「爆音」にかき消されていたイントロと間奏のギター・ソロのフレーズがはっきりと聞き取れるようになったのは収穫。 あと、この曲のフィードバックやリード・ギターはジョージといわれてきたが、このアルバム発表に際してのインタビューの中でジョージは「ポールではないか」とコメント、私は大いに混乱している。ただ、ジョージの記憶は曖昧なようだから、「どこまで信用して良いものか」という想いもある。だけど、Taxmanのリード・ギターのように、ジョージのコメントで従来の説が覆された例もあるので、 今後の調査でその発言の真偽を確かめて欲しいと思う。私個人は、もろジミ・ヘンっぽいフレーズであること、67年のジョージはインド音楽に熱中、ギターに興味を失っていたことなどを考えると、「ポール説」の方が信憑性が高いような気も・・・。 |
*アルバム・トータルの好感度 70
| *(注):このテキストはアルバム発売当初の1999年9月15日に「緊急特別企画」としてアップしたテキストに一部加筆、修正を加えたものです(1999年11月21日) |
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