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| 1.Taxman | 8.Good Day Sunshine |
| 2.Eleanor Rigby | 9.And Your Bird Can Sing |
| 3.I'm Only Sleeping | 10.For No One |
| 4.Love You To | 11.Doctor Robert |
| 5.Here,There And Everywhere | 12.I Want To Tell You |
| 6.Yellow Submarine | 13.Got To Get You Into My Life |
| 7.She Said She Said | 14.Tomorrow Never Knows |
| 1966.8.5.(英) | |
| ジョージ・マーティン | |
| 66.4.6.〜6.21. | |
| ジョージ・マーティン(ピアノ、コーラス、オルガン) マル・エヴァンス(コーラス:6)、ニール・アスピノール(コーラス:6)、パティ・ハリスン(コーラス:6)、 マリアンヌ・フェイスフル(コーラス:6)、ブライアン・ジョーンズ(パーカッション:6)、アニル・バグワット(タブラ:4) | |
| CP32-5327(東芝EMI)*stereo | |
| 購入時期 | 1988年5月頃 |
| 前作RUBBER SOULからはじまった「脱アイドル」「アーティスト集団化」を完成させたアルバム。ここに至ってビートルズは「アイドル」というイメージはおろか、「ロック」というジャンルの壁までも打ち壊し、
ロックを一種「芸術」の域にまで高めようと試みている。ポールはこれまでクラシック、ジャズなどのロック以外の要素を積極的に採り入れてきたが、ここに至ってはピアノ中心の曲、ストリングスやブラス中心の曲まで生み出し、より徹底した「非ロック」な
作風を確立している。一方のジョンは露骨にドラッグ体験を歌ったり、テープ逆回転や変則回転などの特殊録音に凝りはじめ、「サイケデリック・ロック」の先駆けともいえるサウンドを構築するに至っている。ジョージもはじめて3曲のオリジナルを提供、
正面からインド音楽に挑戦、「ラガ・ロック」の元祖ともなった。こうしたサウンドの変化により、ストリングスやブラスの導入、キーボードの多用、特殊録音の駆使は必要不可欠となった。そのことはまた、ライブ活動の続行を不可能にし、実際、ビートルズは
8月の全米ツアーを最後にライブ活動を中止するに至ったのである。 全英アルバムチャートにおいては9週連続1位。発表当時、あまりにもサウンドが変化し過ぎているために、アイドルとしてのビートルズを求める旧来のファンの間では不評を買い、そのクオリティの高さにもかかわらず、ビートルズにしては(あくまでも「ビートルズにしては、というレベル)売り上げは今一つであった。実際、アイドルを求めるファンはこの後、 アメリカでレコード会社やテレビ局が作り上げたアイドル・バンド、モンキーズのファンに転身していった。なお、アメリカでは相変わらず曲順やアルバム・コンセプトを無視した編集盤が発表され続けていた。アメリカでイギリスと同じ仕様のアルバムが発表されるようになるのは、次作SGT.PEPPERSからである。また、ジャケットのイラストを手がけたのは、 ビートルズのハンブルク時代の友人・クラウス・ヴアマンである。彼は60年代に入って、イギリスに渡り、ロック・アーティストになっており、この後マンフレッド・マンなどにベーシストとして在籍。70年代にはジョン、ジョージ、リンゴのソロ・アルバムのセッションにも参加した。なお、このジャケットは66年度 グラミー賞アルバム・デザイン賞を受賞している。アルバムタイトルは当初、Abracadabraになる予定だったが、6月の来日時に、日本の警察官が持っていた拳銃を見て、急遽タイトルが変更になったというエピソードも残っている。 |
| 正直言うと私は「サイケ期」のビートルズがあまり得意ではない。「ビートルズは全部好き」という大前提はあるけど、今でも最も積極的な気持ちで聴く機会が少ないのは、67年のサイケ全盛時の作品である。とはいえ、このアルバムの場合は一部に苦手なタイプの曲はあるものの、その一方で
私の好きな「ギター・バンド」的な曲も多いので、今では結構気に入っている。しかしながら、やはりはじめて聴いた時の私のショックは大きかった。RUBBER SOULのところで「はじめて聴いた時、なんじゃ、こりゃと思った」と述べたが、
このアルバムの場合はそんなもんじゃ済まなかった。6:She Said She Saidや11Doctor Robertのような露骨なドラッグ・ソングもショッキングだったが、何といっても14Tomorrow Never Knowsのサウンド・・・。
クオリティの高さはよく分かるし、認めはしたが、このアルバムを本当の意味で好きになるには、結局、約1年もかかった。後追いの私ですら、こうだった。リアル・タイム・ファンの受けたショックはどれほどのものだったのだろう・・・。 このアルバムの特徴は(2)解説のところで述べてるように、ジョンのテープの逆回転などの特殊録音を駆使したサイケ指向、ポールのストリングス、ブラスなどを駆使した「非ロック」指向に象徴されている。ここに至って、 2人の作風は以前にも増して全く異なるものになった、と言っても過言ではない。実際、それぞれが、自分の作品に精力を注ぐようになり、別々に作業したり、また時には一部のメンバーの参加していない曲も増えている。全員揃ってない曲は2曲、 全員参加しているが、一部のメンバーがパーカッションのみ、バック・ボーカルのみでしか参加していない曲が5曲もある。乱暴な言い方かもしれないが、こうした傾向を見ると、もはやこのアルバムは、「バンド・ビートルズ」のアルバムではなく、 「音楽プロジェクトチーム・ビートルズ」によるアルバムでは?とも思ってしまう。特に、他のメンバーを排除してレコーディングされているケースはポールの作品に顕著だが、ピアノ中心の曲やストリングス中心の曲が多くなれば、ギターがいらなくなるのはごく自然なことだったのだろう。 彼の書く曲のクオリティが高すぎて、ロックの枠を打ち破った・・・。すると、他のメンバーを排除しなければならなくなった、というのはちょっと皮肉である。とはいえ、このアルバムに見られる急成長は、そうした「バンドとしての崩壊」によってもたらされた、といえなくもない。 また、このアルバムのサウンド作りの面で、エンジニア・ジェフ・エメリックの功績を挙げなければなるまい。エメリックはデビューからRUBBER SOULまでのエンジニアを手がけたノーマン・スミスに代わって、このアルバムのセッションからビートルズのレコーディングのエンジニアに 就任した若干20歳の新鋭であった。ここで聴かれるテープの逆回転や変則回転などの技術は、主にジョンの要望でエメリックや、アシスタントのケン・タウンゼンドが手がけたものである。さらに、タウンゼンドは自動的にダブル・トラック・ボーカルを生み出すADTという装置を発明。このように、ビートルズが革新的なサウンドを生み出した影にストリングスや ブラスのアレンジを担当したジョージ・マーティンを含めたスタッフの功績があったことも見逃せないところだ。 作品の内訳を見ると、ジョンが5曲、ポールが6曲、ジョージが3曲となっている。ここに至ってはじめてポールの作品数がジョンの作品数を上回っているのである。これは、バンド内での主導権がジョンからポールに移った、ということを物語っている。特にポールの作品の充実度は目を見張るものがあり、 個人的にはこのアルバムの頃がポールの全盛期だと信じて疑わない。演奏面でも、ピアノ・メインの曲でピアノを弾きこなしたり、独創的でテクニカルなベースを聴かせるなど、プレイヤーとしての活躍ぶりも見逃せないところ。一方ジョンは露骨にドラッグ体験を匂わせるようになり、若干声も変化しているようだ。 また、はじめて3曲を提供したジョージもインド音楽に挑戦し、個性を発揮している。リンゴのドラミングも、ザ・フーのキース・ムーンあたりの影響が感じられる。このように、メンバー各自が成長、変化したことにより、ビートルズ自体のサウンドの変化がもたらされたのである。一部には「このアルバムのサウンドがステージで再現できなくなったために、ビートルズは ライブ活動を中止した」という説があるようだ。しかし、私にはこのアルバムは最初から「ライブ演奏を前提としない」というコンセプトのもとでレコーディングされたのではないか、と思う。このセッションで最初に録られたのが14Tomorrow Never Knowsだったというあたりを考えると、彼らはこのアルバムのセッション時には、 既にライブ活動の中止を決めていたのではないかと思わずにはいられない。 先にも述べたように、このアルバムを最初に聴いた頃は、違和感しか感じなかった。しかし、曲のクオリティの高さは、前作RUBBER SOULと双璧だと思う。最初ジョンのドラッグ・ソングやサイケ・サウンドに違和感を感じた私が好んで聴いたのは、名曲揃いのポールの作品であった。しかし、67年以降のビートルズを聴き慣れた頃から、 ジョンの作品の凄さのようなものに気がつきはじめた。そうすることで、ジョン、ポール双方の作品を受け入れることができるようになった時、このアルバムの好感度は大きくアップした。今では、結構好きである。しかし、66年6月に来日、ステージ上で笑顔で手を振っていた「アイドル・ビートルズ」が、その時、既にこのアルバムのレコーディングを終えていた、 というあたりを思うと、ちょっと不思議な気持ちになる。 |
| A.:作者、Lennon-McCartney作品の場合、大文字の方が実際の作者。カバーソングの場合はオリジナル・シンガー B.:ボーカリスト、カッコ内はコーラス、ハーモニー C.:イギリスでのシングルヒット記録。シングルB面曲はその旨記載 D担当楽器ーg:エレキ・ギター(赤字がリード・ギター)、ag:アコースティック・ギター、b:ベース、d:ドラム、 p:ピアノ、org:オルガン 曲名の後の得点は私自身の好感度。(100点満点) *なお、名前の記述はJ:ジョン、P:ポール、G:ジョージ、R:リンゴ、GM:ジョージ・マーティン |
| A.Harrison B.G(J&P) C.ー D.J(タンバリン、カウベル),P(b,g),G(g),R(d) |
| ジョージが税金の高いイギリスを皮肉った曲。当時のイギリスの2大政党の党首を名指しするなどとても辛辣な内容で、おそらく詞作はジョンが手伝ったものと思われる。曲調はR&B風で、作曲はポールが手伝ったといわれている。演奏面ではポールの頑張りが目を引く。ちょっとインド風のフレーズも登場する攻撃的なギターソロもポール。 エンディングはフェイドアウトが早いが、これは間奏のソロを切って貼り付けたせいだという。もっと凄いのはベースで、特にIf you drive a car〜以下の、指が絡まってしまいそうな複雑なフレーズが圧巻。ポールのベスト・プレイのひとつだろう。リズム・ギターはジョージでジョンはパーカッション類のみの担当。 ジョンとポールのバック・ボーカルも聴き逃せない。イントロのいい加減なカウントはジョージ、その後の普通のカウントはポールというのが通説のようだが、私はリンゴだと思う。91年のジョージの来日公演でも演奏されたが、その時は「ミスター・メイジャー」「ミスター・ブッシュ」と歌っていた。 |
| A.Lennon-McCARTNEY B.P(P) C.両A面シングル(66.8.5.発売:全英1位、全米11位) D.・・・(+ストリングス) |
| ポール作のクラシカル・ナンバーで、作詞はジョンが手伝っている。歌詞は孤独なオールド・ミスと、孤独な神父の登場するドラマ仕立ての内容で、ストーリーの組み立てや、登場人物の名前を考える段階でジョンやロード・マネージャーのニール・アスピノール、マル・エヴァンスがかなりのアイデアを出したといわれている。 ジョンは神父の名前をマッカートニーにしよう、と言ったがポールが「父親と間違えられる」と嫌がったためにマッケンジーになったというエピソードも残っている。レコーディングはポールが、ストリングスをバックに一人で歌う、という形で行われており、他のメンバーは不参加、ポールも楽器を演奏していない。 しかし、「バック・ボーカルはジョンとジョージ」とする説も一部にあり、私も気持ち的には揺れているが(ジョンっぽい鼻声が聞こえる)、一応、ポール一人のレコーディングとしておく。ポールは84年の主演映画Give My Regards To Broad Streetの中でリメイクしている。なお、6と のカップリングによる両A面シングルがアルバムと同時発売されている。しかし、当時24歳のポールが、なぜこんな歌詞の曲を書いたのか・・・。ちょっと不思議だ。 |
| A.LENNON-McCartney B.J(J,P&G) C.ー D.J(ag),P(b),G(g),R(d) |
| テープ操作を駆使したジョンの作品。「怠け者」の歌のようにも思えるが、何も考えずに行動する人を皮肉っている社会風刺的な詞作と考えた方が良いだろう。その歌詞をジョンは気だるい、眠たそうな声で歌っている。しかし、その声もテープの回転数を操作して生み出したもので、ジョンの普段の声とは随分違って聞こえる。 ソロや、エンディングのジョージのギターも、テープの逆回転によるもので、この音を出すために実に6時間もかけた、というエピソードも残っている。バック・ボーカルは基本的にはほとんどジョンによるもののようで、サビのハモリがポール、「ウー」などの細かい部分のみでジョージが加わっているようだ。 |
| A.Harrison B.G C.ー D.J(ag),P(b),G(g,シタール),R(タンバリン),アニル・バグワット(タブラ) |
| ジョージがはじめて手がけたシタール中心のインド風の作品。ジョージのシタールとインド人ミュージシャン、アニル・バグワットの叩くインドのパーカッション、タブラを中心にした編成になっている。一応、ジョンのアコースティックギター、ポールのベースも入ってはいるが、 ほとんど聞こえない。ジョージのディストーションを聞かせたギターとリンゴのタンバリンはところどころでかすかに聞こえる。 |
| A.Lennon-McCARTNEY B.P(J,P&G) C.ー D.J(g,ag),P(b),G(g),R(d,タンバリン)・・・(+ブラス) |
| ポールの隠れたバラードの名曲。ちょっとフランスの映画音楽を思わせるような、繊細で美しい曲でMichelleの発展形といっても過言ではない。個人的にはポールの「ベスト・バラード」と信じて疑わない。なのに、Yesterday、Michelleと比較すると、注目度が低いのは腹立たしい限りだ。 楽器編成はアコースティックが似合いそうだが、ここではエレキ・ギター中心。特に、ジョンのコード・プレイは実に計算されており、地味ながら名演。ハモリはポール自身、コーラスはジョンとジョージ。このジョンとジョージのコーラスもうまくハマッている。あと、これは聞き逃されがちだが、 エンディングの”here,there and everywhere”の部分に、かすかにブラス・セクションがオーバー・ダブされている。この曲も後にポールは何度もリメイクしているが、それらにはバック・コーラスが入っておらず、ちょっと味気ない感じがしてしまう。それほど、ここでのジョンとジョージのバック・コーラスはポイントが高い。 |
| A.Lennon-McCARTNEY B.R(J,P,G&その他:本文参照) C.両A面シングル(66.8.5.発売:全英1位、全米2位) D.J(ag),P(b),G(タンバリン),R(d),ブライアン・ジョーンズ他(パーカッション)・・・(+ブラス) |
| ポールがリンゴに歌わせるために書いた童謡風の曲で、作詞はジョンとイギリス人フォーク・シンガー、ドノヴァンが手伝っている。レコーディングも遊び心の溢れるもので、スタジオ内にあったグラスやホイッスル、ハンドベルなどを手当たり次第に使用。これらは、メンバーや、スタッフ、スタジオに遊びに来ていた ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズなどが担当。エンディングのコーラスにはジョージ・マーティン、ロード・マネージャーのニール・アスピノール、マル・エヴァンス、ジョージの妻・パティ、女性シンガー、マリアンヌ・フェイスフルの他、スタジオに居合わせた人や、スタジオの表にいたファンまでをも参加させている。 リンゴのとぼけた味のボーカルが曲にマッチしている。船員の会話はジョンとポール、3コーラス目の復唱はジョンが担当している。なお、2とのカップリングによる両A面シングルも同時発売された。さらに、後に、この曲をモチーフにした同名のアニメ映画も作られている。しかし、ポールの美しい5と ジョンのドラッグ・ソング7の間に、この、とぼけた曲が挟まれてる、というあたりにこのアルバムの懐の深さを感じてしまうのは私だけであろうか? |
| A.LENNON-McCartney B.J(J&G) C.ー D.J(g,org),P(b),G(g),R(d) |
| ジョン作のドラッグ・ソング。バーズのロジャー・マッギン、俳優・ピーター・フォンダとLSDを服用した際に、ピーター・フォンダとジョンの間で交わされた会話をそのまま歌っている。曲もドラッグの影響が濃く、コロコロとかなり唐突に転調する。この手の作風は翌67年までのジョンの作品に頻繁に見られるようになる。 その、激しい転調に合わせて、時にはキース・ムーンばりの荒々しいドラミング、時には鼓笛隊の太鼓のようなドラミングと、メリハリのあるドラミングを聴かせるリンゴのプレイが素晴らしい。個人的にはリンゴのベスト・プレイのひとつだと信じている。ポールのベースもとてもメロディアス。ジョージのギターはファズがかけられていて、来るべき「サイケ時代」の到来を告げるかのようである。 なお、ハーモニーはジョージとする説、ジョンとする説がある。私はおそらく、ジョンの一人ハモリではないか、と判断した。ただし、エンディングでジョンのボーカルを追いかけるように入ってくるパートはジョージが担当。 |
| A.Lennon-McCARTNEY B.P(J&G) C.ー D.P(b,p),R(d)GM(p) |
| ポールの作品ではじめてのピアノがメインとなる曲。ちょっとジャズ風なテイストも感じられる。歌詞はポールが夏の暑い昼下がり、ジョンの家でくつろいでいる時に書き上げた。ポール曰く「ラヴィン・スプーンフル風」。レコーディングはピアノ3台とベース、ドラムのみで行われ、ギターは入っていない。右から「リード・ピアノ」、 左から「リズム・ピアノ」といった感じでポールが2パターン、弾き分けている。しかも、リンゴのドラムも「リード」と「リズム」といった感じで2パターン叩き分けている。間奏のホンキー・トンク風のピアノはジョージ・マーティン。一説によると「バックボーカルはポールの多重録音」ということだが、私の耳には、どう聴いてもジョンとジョージに聞こえる。 実際、”she feels good”のあとに小さな声で復唱するジョンの声が入っているから、レコーディングにジョンが不参加、とは考えにくい。この曲もポールは84年の主演映画Give My Regard To Broad Streetでリメイクしている。「名曲」とは言い難いけど「さり気ないよさ」を感じる曲だ。 |
| A.LENNON-McCartney B.J(P&G) C.ー D.J(g),P(b),G(g),R(d,タンバリン) |
| このアルバムには珍しい、ストレートなノリのジョンの作品。「元祖ツイン・リード・ギター・ソング」などと語られることも多い。歌詞はディラン風の難解なものだが、おそらく「反物質主義」的なメッセージ・ソングではないだろうか。確かに、「ツイン・リード・ギター」が印象的だが、担当しているのはジョージとジョン。 とてもドライブ感のあるフレーズだ。なお、ジョンは普通のリズム・ギターも弾いている。そのツイン・リードに負けじと、ポールも素晴らしいベースを聞かせている。もう一つの聴きどころはコーラスで、特にエンディング付近のコーラスの絡みはとても複雑。また、ジョンのボーカルはこのアルバムの頃から、ちょっと無感情な感じになり、声質も変わっているが、 それでも十分魅力的。シンプルで、単純で見過ごされがちな曲であり、ジョンも「書き捨ての曲」などとコメントしているが、熱狂的なファンの間では異常に人気が高い。 |
| A.Lennon-McCARTNEY B.P C.ー D.P(b,p,クラビコード),R(d,タンバリン,マラカス)・・・(+フレンチ・ホルン) |
| ポール作のクラシカルなピアノ・バラード。詞はポールが恋人、ジェーン・アッシャーとのことで悩む気持ちを書き綴ったもの。レコーディングはここでもギター抜きで、バック・ボーカルもないため、ジョンとジョージは不参加。 ポールはピアノの他、クラビコードという、クラシック用のキーボードも弾いている。この曲もポールは84年の映画Give My Regards To Broad Streetでリメイクしている。 |
| A.LENNON-McCartney B.J(P&G) C.ー D.J(g,org),P(b),G(g,マラカス),R(d) |
| ジョン作のドラッグ・ソング。ジョンとジョージにドラッグを最初に服用させた人物といわれる実在の医師のことを歌っている。どことなくドラッグを勧めているようにも聞こえる詞である。なお、サビの部分はポールが書いたという説もある。 ここでも、7同様、ディストーションのかかったギター・サウンドが印象的。また、ジョンとポールのハモリも、「離れた」感じのちょっと風変わりなものに仕上がっている。ジョージはサビのみコーラスで参加。最初にこの曲を聴き、歌詞を読んだのは19歳の時。 結構ショッキングだった・・・。 |
| A.Harrison B.G(J&P) C.ー D.J(タンバリン),P(b,p),G(g),R(d,マラカス) |
| ブギー風のジョージの作品。フェイド・インしてくるイントロ、不協和音のようなポールのピアノが印象的。ポールの東洋風なこぶしを回すようなハーモニーも面白い。地味な曲だが、91年のジョージの来日公演ではオープニング・ナンバーとして使用され、驚かせてくれた。 |
| A.Lennon-McCARTNEY B.P C.ー D.J(g,タンバリン),P(b,g),G(g),R(d),GM(org)・・・(+サックス,トランペット) |
| ポール作の「元祖ブラス・ロック」ともいえそうなファンク・ナンバー。当初は通常のギター中心の編成でレコーディングされたものの、ポールはこれを気に入らず、NEMS所属のブラス・バンド、サウンド・イン・コンポレーティッドのメンバーを呼び、ブラス・セクションをオーバー・ダビングして完成させている。 この華やかなブラス・サウンドは、70年代以降のタワー・オブ・パワーなどのファンクをも先取りしていると思えるほど、革新的なものである。そのブラスのオーバー・ダブにより、聞こえにくいが、ジョージはディストーションをきかせたギターでブラスと同じフレーズを弾いている。ジョンのストローク・プレイは、比較的よく聞こえる。 なお、後半の短いギター・ソロはポールが担当。ポールの迫力のあるボーカルも魅力。しかし、この曲、「元祖ファンク」として、もっと注目されてもいいと思うが・・・。 |
| A.LENNON-McCartney B.J C.ー D.J(org,タンバリン),P(b),G(g,シタール),R(d),GM(p) |
| ビートルズにとって初のサイケデリック・ソングとなったジョンの作品。ジョンが僧侶の合唱を連想して、ドラッグを奨励した学者、ティモシー・リアリーの書いた本をヒントに書き上げた歌詞は、実に難解で説教臭くもある。タイトルは当初、MarkTであったが、A Hard Day's Night同様、リンゴが文法を誤ってつぶやいた言葉をそのままタイトルとして使用した。 サウンドはテープ操作や特殊録音を駆使したものになっている。バックに聞こえるカモメの鳴き声のような音や、オルガンの早弾きのような音はポールがギターを弾いたテープを変則回転させたもの。ジョージのギター・ソロも、オルガン用のレスリーのスピーカーに繋いで弾いた上でテープを逆回転させたもの。さらに、間奏の後の ジョンのボーカルも、レスリー・スピーカーに声を通す、という荒業によって生まれたものである。こうした試みは、計算されたものでなく、いずれも行き当たりバッタリでやったものだというから驚く。ポールのベースとリンゴのドラムは、延々と同じリズムを刻み続けており、それが逆に不気味だ。とにかく、はじめて聴いた時は 本当にショッキングだった。聴いたのは80年代末だったが、それでも斬新で、新しく聞こえた。その「凄さ」は認めたけど、好きになるには時間がかかった。発表された当初も、かなり物議をかもしたそうだ。 |
*アルバム・トータルの好感度 80
*:1998年10月1日UP
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