MY CD COLLECTION

毎回1つのテーマに絞って私の手持ちのCDをご紹介、個人的な思い入れなどを語っていくコーナーです

      
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第17回:YOU ARE SUPERSTAR
ALADDIN SANE / DAVID BOWIE
収録曲
1.Whatch That Man(あの男に注意しろ)、2.Aladdin Sane、3.Drive In Saturday(ドライブ・インの土曜日)、 4.Panic In Detroit(デトロイトでのパニック)、5.Cracked Actor(気のふれた男優)、 6.Time(時間)、7.The Prettiest Star、8.Let's Spend The Night Together(夜をぶっとばせ)、9.The Jean Genie、10.Lady Grinning Soul(薄笑いソウルの淑女)       

      

      

 

 
発売1973年
プロデューサーケン・スコット、デヴィッド・ボウイ
参加ミュージシャンミック・ロンソン(g,p)、トレヴァー・ボルダー(b)、ウッディ・ウッドマンジー(d)、マイク・ガーソン(p)、ケン・フォーダム(sax)、リンダ・ルイス(bvo)
手持ちのCDTOCP-6206(東芝EMI)
購入2001年頃
  私がボウイの存在を知ったのは、中学生、まだ洋楽音痴だった頃、大島渚監督の映画「戦場のメリー・クリスマス」で「坂本龍一やビートたけしと共演した外国人」として認知した時だった。以降もLET'S DANCEなどのヒットがあったから、いかに「洋楽音痴」の私といえども、その名前は強く印象づけられることとなった。そう、当時の私にとって彼はブルース・スプリングスティーンと並んで「現代の海外ロック・スター」の代名詞だった。80年代後半に洋楽&ロックに目覚めてからは、ラジオなどで多くの曲を聴いてきたし、 CHANGES BOWIEなるベスト盤を買ったりして、彼の作品にはそれなりに親しんできた。そんな中で「時代によってやってる音楽のスタイルをコロコロ変える」人だということも知ったけど、中でも一番気に入ったのはグラム時代のナンバーだった。とはいえ、その後2枚組ベストSINGLESを購入後、「いつでも買える」ってんで、オリジナル・アルバムの購入は随分遅れたけど、やはり最初に手に入れたのがZIGGY STARDUST、 そして次がこのアルバムだった。

  一般には、同じミック・ロンソンをはじめとしたスパイダース・フロム・マースがバックを固めていたり、サウンドやキャラクター・イメージにも大きな変更がないことから「ZIGGYの路線を踏襲したアルバム」とされることが多い。だけど、両者を聴き比べると、随分印象が異なるのが分かる。もともとボウイという人は、ディラン・フォローワーなとこがあるから、ケバケバしいファッションで、ハード・エッジな曲をやっても、 どこかアコースティックで、ちょっと繊細で、インテリっぽさを残したりしていたものだった。ところが、ここでは、そうした影は随分薄くなっており、今まで以上にハード・エッジなナンバーが多くなり、それまでにはない「毒気」すら感じさせる世界が展開されている。そこが最大の違いか。また、そのスパイダース〜とのコンビネーションもこれまで以上によく、「ソロ・アーティストとバック・バンド」というより、ひとつのバンドであるかのようにまとまりがよい。その分、前作と比較すると、より「ロック色」が強くなったという印象を受ける。それだけではなく、お馴染みのスパイダース・フロム・マースの3人に、 ピアニストのマーク・ガーソンが加わったことにより、ジャズ色も強まっている。しかも、どことなく「狂気」を感じさせるタッチの、彼の弾く変拍子ジャズ・ピアノは、その「毒気」をより増長させることに成功している。そうした様々な要因もあって、私は個人的にZIGGY〜よりもこっちの方がより「ロック的」な作品というイメージを持ってるし、だからこそ、実はこっちの方が好きだったりする。キャラクター作りからトータルなコンセプトと完成度という点では、 確かにZIGGYのほうが1枚も2枚も上だと思うけど、好きなのはこっちかなあと。

  楽曲のクオリティも高く、ストーンズやフェイセズを思わせる、ちょっと泥臭くもある1.Whatch That Man、ストーンズのSympathy For The Devil風リズムの4.Panic In Detroit、Tレックス風のブギー5.Cracked Actor、ストーンズの名曲の秀逸なカバー8.Let's Spend The Night Together、ヘビーなギター・リフが印象的な9.The Jean Genieのようなハード・エッジなナンバーと、マーク・ガーソンの変拍子ジャズ・ピアノが炸裂する2.Aladdin Sane、やはり彼の弾くホンキートンク調のピアノに導かれてはじまる6.Timeのような、 ジャージーなナンバーが両立しているのがこのアルバムの最大の魅力。 他にも、いかにもボウイらしい幻想的な3.Drive In Saturday、ドゥー・ワップ調コーラスが印象的なオールディーズ風の7.Prettiest Star、クラシカルなピアノとスパニッシュ・ギターの絡む10.Lady Grinning Soulなど、多彩なナンバーが多く、聴きどころは多い。とはいえ、様々な作品が並んでいても、決してとっ散らかった印象は受けない。これはアルバム全体にボウイならではの「美学」のようなものが貫かれているからに他ならないし、有無を言わせず納得させられてしまうほどの、彼の強烈なキャラクターと存在感も大きい。 そしてもちろん、一見小難しいことをやってるように見えて、根っこは「ポップ」だということ。それらが相俟って、「誰もが引き込まれ、納得させられる」世界が展開されているというわけ。この後、様々に音楽のスタイルを変化させていく彼だけど、 どんなに音楽のスタイルが変わろうとも、やはり変わらない「何か」があるのが彼の特徴。その「何か」というのはまさにその、彼なりの「美学」そして、彼の持つ唯一無二キャラクターと存在感ではなかっただろうか。やはり彼は紛れもない、スーパースターだということの証だろう。未だにオリジナル・アルバムを聴き進めてはいない私だけど、今後、もっと多くのアルバムを聴いていきたいと思っている。

   アルバム好感度     100


FOOT LOOSE & FANCY FREE(明日へのキックオフ)
/ ROD STEWART
収録曲
1.Hot Legs、2.You're Insane、3.You're In My Heart(胸につのる想い)、 4.Born Loose、5.You Keep Me Hangin' On、 6.[If Loving You Is Wrong] I Don't Want To Be Right、7.You Got A Nerve、8.I Was Only Joking(ただのジョークさ)       

      

      

 

 
発売1977年
プロデューサートム・ダウト
参加ミュージシャンカーマイン・アピス(d)、ジム・クリューガン(g)、ゲイリー・グレインジャー(g)、フィル・チェン(b)、ビリー・ピーク(g)、ジョン・ジャービス(key)
スティーヴ・クロッパー(g)、ジョン・メイオール(har:4)、ニッキー・ホプキンス(p:3)、デヴィッド・フォスター(key:6)、マーク・スタイン(bvo:5)、フレッド・タケット(g)、リチャード・グリーン(violin:3)
手持ちのCDWPCR-1013(ワーナー)
購入1995年頃
  売れないモッズ・シンガーがジェフ・ベック・グループでトップ・スターの仲間入り、そしてフェイセズと、それと平行したソロ活動(マーキュリー時代)によって「最高のロック・ボーカリスト」の地位を不動ものものに。・・・ここまでの彼は本当に多くの「ロック・ファン(洋楽ファンにあらず)」の支持を得ている。 反面、フェイセズ解散後ATLANTIC CROSSING以降の彼、特に1978年のBLONDES HAVE MORE FUN以降に至っては、「スキャンダラスで成金趣味のポップ・スター」扱いされ、一部の硬派なロック・ファンに忌み嫌われている。しかも現在では「ロッド・スチュワート」と聞いて、最初にその「成金趣味で嫌味なポップ・スター」の彼をイメージする人が多く、 故に「後追い世代」に好印象を持たれない傾向がある、それは否定できない事実である。でも、どうなんだろう。私も彼の「スキャンダラスで成金趣味で嫌味」な面には拒否反応があるし、BLONDES HAVE MORE FUN以降のアルバムに興味を抱きにくいし、I'm Sexyは大の苦手というのも正直なところではあるけど、時々往年を思わせるような作品を発表してくれることもあるから、 決して悪印象ばかりではない。ましてBLONDES HAVE MORE FUN直前の、ATLANTIC CROSSINGから本作までの3枚のアルバムも、マーキュリー時代のソロとはまた一味違う魅力があると思うんだけど。中でもいちばん好きなアルバムがこれ。マーキュリー時代の「青臭さ」(彼がこういう面を見せてくれるのは本作が最後)の中に、程よい「スターの貫禄」(後のような「嫌味」は感じないレベル)がミックスされた文句なしの「最高傑作」だと私は思う。

  アルバムはフェイセズを思わせるストレートなR&R、1.Hot Legsでスタート。独立以降の彼のR&Rナンバーとしては最高のものだろう。「アイ・ラブ・ユー・ハニ〜」は思わず一緒に叫んでしまう。他にもファンキーな2.You're Insane、これまたフェイセズ風のR&R4.Born Loose(ジョン・メイオール参加!、ストーンズのMidnight Rambler風のアドリブやブレイクもあり)、バニラ・ファッジ・バージョンをヒントにしたシュープリームスのカバー5.You Keep Me Hangin' On(バック・バンドの一員になったカーマイン・アピスへ捧げた?)など、 多彩なナンバーが並ぶが、このアルバムで最も秀逸なのはバラード。ルーサー・イングラムのカバー、6.I Don't Want Be Rightももちろんだけど、やはりオリジナルの3.You're In My Heart、8.I Was Only Jokingの2曲に尽きる。アコースティックでソウルフル、まさにこの人にしか歌えないバラードだ。バラードといえば、世間一般で「最高傑作」とされるATLANTIC CROSSINGのI Don't Want To Talk About ItやSailingということになるかもしれないけど、 私にはストリングスを駆使するなど、若干オーバー・プロデュースという感も否めなかった(もちろん好きだけど)。だけど、こっちはシンプルなバンド編成の演奏な分、彼の歌声がストレートに心に染みる。特に自伝のような歌詞を持った後者は、「ロッドの分身」ともいえる一世一代の名曲だと思うし、聴くたびに胸を締め付けられる。フェイセズ解散後の彼って、すぐに「ハデハデ」になってしまったかのように思われがちだけど、ここには確かに「歌心」がある。

  というわけで、これこそが彼の最高傑作。彼の歌声も、作風も、実はこのアルバムの頃がいちばん好きである。「フェイセズ以降はどうもなあ」なんて先入観を持っている方は、Hot Legsで「アイ・ラブ・ユー・ハニ〜」と叫び、I Was Only Joking(ベスト盤などで聴けるショート・バージョンでは駄目!)を聴いて「胸キュン」(死語か:笑)して欲しい。最後になるけど、私とロッドとの出逢いは、小学生の頃見たNHKの子供向け情報番組「600こちら情報部」。1979年来日フィーバーの時にインタビューが流され、「日本でいえばジュリー(沢田研二)のような人」と紹介、やたら「スーパー・スターである」ということが強調されていたのを覚えている。 よって、当時の私にとっての「海外の大物スター」の代名詞は彼だったというわけ。最初に私が意識した「海外の大スター」はビートルズでも有名映画俳優でもなく、彼なのである。

   アルバム好感度     100


A NIGHT AT THE OPERA (オペラ座の夜) / QUEEN
収録曲
1.Death On Two Legs、2.Lazing On A Sunday Afternoon(うつろな日曜日)、3.I'm In Love With My Car、 4.You're My Best Friend、5.'39、 6.Sweet Lady、7.Seaside Rendezvous、8.The Prophet's Song(予言者の歌)、9.Love Of My Life、10.Good Company、11.Bohemian Rhapsody、12.God Save The Queen       

      

      

 

 
発売1975年
メンバーフレディ・マーキュリー(vo,key)
ブライアン・メイ(g,vo)
ロジャー・テイラー(d,vo)
ジョン・ディーコン(b)
プロデューサーロイ・トーマス・ベイカー、クイーン
手持ちのCDCP32-5379(東芝EMI)
購入1991年
  実はクイーンを最初に知ったのも、ロッドと同じ「600こちら情報部」。ただ、彼らの場合は当時、特に印象に残ることもなく、次に私が彼らを意識するのは、ロックに目覚めた1988年以降のことになる。最初に聴いたのはラジオでかかった11.Bohemian Rhapsodyだったと思う。シンプルなピアノ・バラードにはじまり、途中でオペラのような複雑なコーラス、 ハード・ロック調のパートが挟み込まれる、「目が周りそう」にクルクル転調する楽曲。とにかく「よく分からないけど、なんか凄い」。だけど、そこでDJがしゃべったことは、もっとショッキングだった。「シンセサイザーは一切使わず、メンバー4人だけで歌い、演奏している」。信じられなかった。80年代といえば、シンセに打ち込みなど、 テクノロジーを駆使した音が氾濫。「テクノロジーすら使えば、何でも出来る」、そんな空気が漂っていたから、まあ、この楽曲自体はテクノロジーに頼れば、別に難なくレコーディングできるレベルだろう。だけど、それらに頼らず、あくまでもバンド単位でやってしまう凄さ。これもまた最高に「ロックな行為」と映ったのである。そんなこんなで興味を持ち、最初に買ったのがベスト盤ではなく、このアルバム。 私が「初体験する」アーティストに手を出すのに、ベストではなくオリジナル・アルバムから買うというのは、実は異例中の異例である。もちろん、このアルバムから手を出したのは他でもない、11.Bohemian Rhapsodyが収録されていたからである。

  いうまでもなく、このアルバムは彼らの最高傑作とされている。デビュー当初は「ツェッペリンとイエスの結婚」などと評されたそうで、ハード・ロックの中に、クラシカルで複雑なアレンジやオペラを思わせるコーラス・ワークをミックスしたサウンドが売りだった。その余韻はアルバム冒頭を飾る1.Death On Two Legs〜2.Lazing On A Sunday Afternoon〜3.I'm In Love With My Carのメドレー、 ハードかつクラシカルな8.The Prophet's Songなどの長尺なナンバーに顕著で、これらは初期の彼らそのままである。ただ、よくいえば「ドラマティック」、悪く言えば「大袈裟」なこういうナンバーは、個人的にはアレルギー。だけど、一方で超ポップな4.You're My Best Friend、牧歌的でフォーク調の5.'39、ボードヴィル調の7.Seaside Rendezvours、10.Good Company、 ストレートなロック・ナンバー6.Sweet Lady、メロディアスな10.Love Of My Lifeと、多彩な作品があるので、「この作品が駄目でも、こっちらないける」となる。よって、誰でも無理なく入り込める雰囲気はある。そしてそれを締めているのが11.Bohemian Rhapsodyというわけで、隙は全くない。

  結局、このアルバムのこうした「コンテンポラリーで何でもあり」な路線が、後の彼らの基本路線となっていく。その分、「ロックのエンターテイメント化」とか、「保守化、産業化」を推し進めてしまったとされることも多いけど、ここまで徹底して「エンターテイメント」を極められると、最早文句のつけようもないというもの。よく言われるように「ビートルズ以来、パンク登場以前の鰤ロックの総決算」という印象も強い。1991年にフレディ・マーキュリーが死去。以降、フレディの存在のみが過剰にクローズ・アップされ、CMでも多くの曲が使われるなど、 突然「伝説化」させられてしまった感も強い彼らだけど、私はそのことに対しては未だに違和感が拭えずにいる。私はむしろ純粋に「エンターテイメント」として「楽しんで聴く」ことこそが、彼らへの正しい接し方のような気がしてならない。ただ「CMで多用される」というのは、「エンターテイメントなロックの極致」という彼らの資質を考えれば、実は正当な扱いを受けている証拠かな、と思えたりもするから、悪い気はしない。また、フレディ死後にファンになった方の中には、フレディのみを過剰にカリスマ視する人もいるけど、 このバンドはビートルズなどと同様「メンバーの入れ替えのきかない、この4人じゃなきゃいけなかった」バンドであり、4人全員が優秀なソング・ライター、ヒット・メイカー、 そしてジョン以外の3人がボーカルをとれた、そのことも忘れちゃあいけないといいたい。

   アルバム好感度     80

                                                                   *:2003年4月20日UP


      
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