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一般には、同じミック・ロンソンをはじめとしたスパイダース・フロム・マースがバックを固めていたり、サウンドやキャラクター・イメージにも大きな変更がないことから「ZIGGYの路線を踏襲したアルバム」とされることが多い。だけど、両者を聴き比べると、随分印象が異なるのが分かる。もともとボウイという人は、ディラン・フォローワーなとこがあるから、ケバケバしいファッションで、ハード・エッジな曲をやっても、 どこかアコースティックで、ちょっと繊細で、インテリっぽさを残したりしていたものだった。ところが、ここでは、そうした影は随分薄くなっており、今まで以上にハード・エッジなナンバーが多くなり、それまでにはない「毒気」すら感じさせる世界が展開されている。そこが最大の違いか。また、そのスパイダース〜とのコンビネーションもこれまで以上によく、「ソロ・アーティストとバック・バンド」というより、ひとつのバンドであるかのようにまとまりがよい。その分、前作と比較すると、より「ロック色」が強くなったという印象を受ける。それだけではなく、お馴染みのスパイダース・フロム・マースの3人に、 ピアニストのマーク・ガーソンが加わったことにより、ジャズ色も強まっている。しかも、どことなく「狂気」を感じさせるタッチの、彼の弾く変拍子ジャズ・ピアノは、その「毒気」をより増長させることに成功している。そうした様々な要因もあって、私は個人的にZIGGY〜よりもこっちの方がより「ロック的」な作品というイメージを持ってるし、だからこそ、実はこっちの方が好きだったりする。キャラクター作りからトータルなコンセプトと完成度という点では、 確かにZIGGYのほうが1枚も2枚も上だと思うけど、好きなのはこっちかなあと。 楽曲のクオリティも高く、ストーンズやフェイセズを思わせる、ちょっと泥臭くもある1.Whatch That Man、ストーンズのSympathy For The Devil風リズムの4.Panic In Detroit、Tレックス風のブギー5.Cracked Actor、ストーンズの名曲の秀逸なカバー8.Let's Spend The Night Together、ヘビーなギター・リフが印象的な9.The Jean Genieのようなハード・エッジなナンバーと、マーク・ガーソンの変拍子ジャズ・ピアノが炸裂する2.Aladdin Sane、やはり彼の弾くホンキートンク調のピアノに導かれてはじまる6.Timeのような、 ジャージーなナンバーが両立しているのがこのアルバムの最大の魅力。 他にも、いかにもボウイらしい幻想的な3.Drive In Saturday、ドゥー・ワップ調コーラスが印象的なオールディーズ風の7.Prettiest Star、クラシカルなピアノとスパニッシュ・ギターの絡む10.Lady Grinning Soulなど、多彩なナンバーが多く、聴きどころは多い。とはいえ、様々な作品が並んでいても、決してとっ散らかった印象は受けない。これはアルバム全体にボウイならではの「美学」のようなものが貫かれているからに他ならないし、有無を言わせず納得させられてしまうほどの、彼の強烈なキャラクターと存在感も大きい。 そしてもちろん、一見小難しいことをやってるように見えて、根っこは「ポップ」だということ。それらが相俟って、「誰もが引き込まれ、納得させられる」世界が展開されているというわけ。この後、様々に音楽のスタイルを変化させていく彼だけど、 どんなに音楽のスタイルが変わろうとも、やはり変わらない「何か」があるのが彼の特徴。その「何か」というのはまさにその、彼なりの「美学」そして、彼の持つ唯一無二キャラクターと存在感ではなかっただろうか。やはり彼は紛れもない、スーパースターだということの証だろう。未だにオリジナル・アルバムを聴き進めてはいない私だけど、今後、もっと多くのアルバムを聴いていきたいと思っている。 *アルバム好感度 100
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/ ROD STEWART
アルバムはフェイセズを思わせるストレートなR&R、1.Hot Legsでスタート。独立以降の彼のR&Rナンバーとしては最高のものだろう。「アイ・ラブ・ユー・ハニ〜」は思わず一緒に叫んでしまう。他にもファンキーな2.You're Insane、これまたフェイセズ風のR&R4.Born Loose(ジョン・メイオール参加!、ストーンズのMidnight Rambler風のアドリブやブレイクもあり)、バニラ・ファッジ・バージョンをヒントにしたシュープリームスのカバー5.You Keep Me Hangin' On(バック・バンドの一員になったカーマイン・アピスへ捧げた?)など、 多彩なナンバーが並ぶが、このアルバムで最も秀逸なのはバラード。ルーサー・イングラムのカバー、6.I Don't Want Be Rightももちろんだけど、やはりオリジナルの3.You're In My Heart、8.I Was Only Jokingの2曲に尽きる。アコースティックでソウルフル、まさにこの人にしか歌えないバラードだ。バラードといえば、世間一般で「最高傑作」とされるATLANTIC CROSSINGのI Don't Want To Talk About ItやSailingということになるかもしれないけど、 私にはストリングスを駆使するなど、若干オーバー・プロデュースという感も否めなかった(もちろん好きだけど)。だけど、こっちはシンプルなバンド編成の演奏な分、彼の歌声がストレートに心に染みる。特に自伝のような歌詞を持った後者は、「ロッドの分身」ともいえる一世一代の名曲だと思うし、聴くたびに胸を締め付けられる。フェイセズ解散後の彼って、すぐに「ハデハデ」になってしまったかのように思われがちだけど、ここには確かに「歌心」がある。 というわけで、これこそが彼の最高傑作。彼の歌声も、作風も、実はこのアルバムの頃がいちばん好きである。「フェイセズ以降はどうもなあ」なんて先入観を持っている方は、Hot Legsで「アイ・ラブ・ユー・ハニ〜」と叫び、I Was Only Joking(ベスト盤などで聴けるショート・バージョンでは駄目!)を聴いて「胸キュン」(死語か:笑)して欲しい。最後になるけど、私とロッドとの出逢いは、小学生の頃見たNHKの子供向け情報番組「600こちら情報部」。1979年来日フィーバーの時にインタビューが流され、「日本でいえばジュリー(沢田研二)のような人」と紹介、やたら「スーパー・スターである」ということが強調されていたのを覚えている。 よって、当時の私にとっての「海外の大物スター」の代名詞は彼だったというわけ。最初に私が意識した「海外の大スター」はビートルズでも有名映画俳優でもなく、彼なのである。 *アルバム好感度 100
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いうまでもなく、このアルバムは彼らの最高傑作とされている。デビュー当初は「ツェッペリンとイエスの結婚」などと評されたそうで、ハード・ロックの中に、クラシカルで複雑なアレンジやオペラを思わせるコーラス・ワークをミックスしたサウンドが売りだった。その余韻はアルバム冒頭を飾る1.Death On Two Legs〜2.Lazing On A Sunday Afternoon〜3.I'm In Love With My Carのメドレー、 ハードかつクラシカルな8.The Prophet's Songなどの長尺なナンバーに顕著で、これらは初期の彼らそのままである。ただ、よくいえば「ドラマティック」、悪く言えば「大袈裟」なこういうナンバーは、個人的にはアレルギー。だけど、一方で超ポップな4.You're My Best Friend、牧歌的でフォーク調の5.'39、ボードヴィル調の7.Seaside Rendezvours、10.Good Company、 ストレートなロック・ナンバー6.Sweet Lady、メロディアスな10.Love Of My Lifeと、多彩な作品があるので、「この作品が駄目でも、こっちらないける」となる。よって、誰でも無理なく入り込める雰囲気はある。そしてそれを締めているのが11.Bohemian Rhapsodyというわけで、隙は全くない。 結局、このアルバムのこうした「コンテンポラリーで何でもあり」な路線が、後の彼らの基本路線となっていく。その分、「ロックのエンターテイメント化」とか、「保守化、産業化」を推し進めてしまったとされることも多いけど、ここまで徹底して「エンターテイメント」を極められると、最早文句のつけようもないというもの。よく言われるように「ビートルズ以来、パンク登場以前の鰤ロックの総決算」という印象も強い。1991年にフレディ・マーキュリーが死去。以降、フレディの存在のみが過剰にクローズ・アップされ、CMでも多くの曲が使われるなど、 突然「伝説化」させられてしまった感も強い彼らだけど、私はそのことに対しては未だに違和感が拭えずにいる。私はむしろ純粋に「エンターテイメント」として「楽しんで聴く」ことこそが、彼らへの正しい接し方のような気がしてならない。ただ「CMで多用される」というのは、「エンターテイメントなロックの極致」という彼らの資質を考えれば、実は正当な扱いを受けている証拠かな、と思えたりもするから、悪い気はしない。また、フレディ死後にファンになった方の中には、フレディのみを過剰にカリスマ視する人もいるけど、 このバンドはビートルズなどと同様「メンバーの入れ替えのきかない、この4人じゃなきゃいけなかった」バンドであり、4人全員が優秀なソング・ライター、ヒット・メイカー、 そしてジョン以外の3人がボーカルをとれた、そのことも忘れちゃあいけないといいたい。 *アルバム好感度 80
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*:2003年4月20日UP
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