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| 変なタイトルですが、「アニキ決まってるぜ、そのレイバンのサングラス・・・(中略)・・・福助の足袋」っていうわけじゃなく(笑:若い人には分からないか)、 硬派で不良っぽくって、男っぽく、思わず「アニキ」と声をかけたくなるようなアーティスト、という意味です。変なジャンル分けですみません(笑)。 |
Disk-2:1.[ White Man ] In Hammersmith Palais(ハマースミス宮殿の白人)、2.London's Burning(ロンドンは燃えている)、3.Janie Jones、 4.Tommy Gun、5.Complete Control、 6.Capital Radio One、7.White Riot(白い暴動)、8.Career Opportunities(出世のチャンス)、9.Clash City Rockers、10.Safe European Home、 11.Stay Free、12.London Calling、13.Spanish Bombs(スペイン戦争)、14.English Civil War(英国内乱)、15.Police & Thieves(ポリスとコソ泥)
パンク・バンドの中で私が一番好きなのは、文句なくこのクラッシュ。ヘタをするとコミカルで、悪く言えば「下品」ともとれるピストルズと違って、徹底した硬派路線で男臭くて正直で・・・。そんなキャラクターはもちろん、ルックス的にも大好きで、全ロックバンドの中で 最もルックスに憧れるのはこのバンドかもしれない。硬派でまっすぐなジョー・ストラマー、ロック・スターらしい華やかさを持ったミック・ジョーンズという、対照的な2人の存在も魅力的だ。さらに、やってる音楽も全く飾り気のない、ストレートでシンプルなR&Rが主体。事実、そうした要素に加えて、社会に対する強烈なメッセージを含んだ歌詞もあってか、本国・イギリスでは、パンク、ニューウェイヴ時代を代表する「若者の教祖」的な存在だったともいわれている。 これは2枚組のベスト盤で、初期のストレートなパンク時代の代表曲をDisk-2に、79年末に発表された名盤LONDON CALLING以降の、レゲエ、ダブ、ヒップ・ホップなどの手法を取り入れてロックの新たな可能性を示した後期のナンバーをDisk-1に配した構成となっている。 個人的に好きなのは、やはりDisk-2の初期のナンバー。全く無駄のない、スカスカなナンバーばかりだけど、メッセージをその短い曲に載せて、聞き手にダイレクトに叩き付けてくる。Disk-2:2.London's BurningやDisk-2:7.White Riotなどがその典型。だけど反面、Disk-2:11.Stay Freeや Disk-2:13.Spanish Bombのように、ポップなメロディを持った曲も多い。大半の曲がストラマー=ジョーンズとクレジットされているけど、おそらくミック・ジョーンズが主に手がけたと思われる曲は意外とメロディアスなのが分かる。おかげでメッセージ色の濃い硬派系ロックにありがちな 「聴いていて気が重くなる」という印象は薄く、「ポップ・ミュージック」的な親しみやすさも兼ね備えているのが魅力といえる。一方、後期の曲中心のDisk-1の方は、レゲエ、ダブ、ヒップ・ホップなどの手法を取り入れた後期の作品が中心。リアル・タイムでは「こんなのパンクじゃない」などといわれて、初期からのファンにはヒンシュクを買われたらしいが、 逆にロックの新たな可能性を示したとされて、一般ロック・ファンの間でも一目置かれる存在になった時期でもあった。個人的には初期の方が好きだけど、ジョーによれば、ボブ・マーリィらレゲエのアーティストの持つ政治性やメッセージ性に引かれ、 そうしたところにパンクとの共通点を感じていたとのことだ。Disk-1:1.The Magnificent Sevenのラップ風ボーカル、Disk-1:13.Bank Robberの後半のレゲエ風のアドリブ・ボーカルなど、なかなか本格的で、同時代の「レゲエっぽい」他のアーティストの曲と比べて一歩も二歩も抜きんでているのが分かる。事実、この時期のクラッシュは、コアなレゲエ・ファンからも支持されていたという話もあるほどだ。 結局、82年にドラムのトッパーが脱退、83年にはジョーと対立したミックが解雇。クラッシュは、その後もジョー、ポールに新メンバーを加えて1枚アルバムを出しているが、ここにはそこからの曲は未収録。そのことに対して賛否両論あるようだけど、私はジョーとミック、2人揃ってはじめてクラッシュになると思ってるから、ラスト・アルバム無視は当然だと思う。しかし解散後、ジョーは時々しか活動していない。無理にポップ・スター振ろうとしない、彼の「硬派」な性格が出ているなとは思うが・・・。 ミックの方はダンス・ビートを採り入れたB.O.D.などで活動。正直、もっとR&Rなことをして欲しいと思わないでもないけど、新しい音楽に思わずなびいてしまうところは、この人らしい。2人とももっと派手に活動して欲しいけど、真正直な人たち故に損をしているようにも見える。最後に余談だが、クラッシュといえば「1977年に、エルヴィスも、ビートルズも、ストーンズもいらない」と歌ったために、最も「反オールド・ウェイヴ」なバンドだと誤解されがちだ。 だけど、この言葉は「昔のロックは嫌いだ」と言ってるんじゃなく、「昔のロックは素晴らしかった。でも、それは現在のことじゃない。だから俺たちの手で新しい時代を作るんだ」という意味だと私は好意的に受け止めている。まっすぐで男臭くて不器用な、この人たちらしい素晴らしい言葉だと思う。 *アルバム好感度 100
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CDのみのボーナス・トラック:11.Dead Or Alive、12.Hurtin'、13.So Alone、14.The Wizard
70年代初頭、ストーンズ風R&Rとグラム・ロック風ファッションで一部で熱狂的な支持者を得ていたニューヨーク・ドールズのギタリストとしてデビュー、70年代半ばには自らのバンド、ハートブレイカーズを率いて活動、ピストルズをはじめとした多くのパンク・バンドの連中に「アニキ」として親しまれたのがこの人。いわば、オールド・ウェイヴとパンクの「橋渡し」的な存在だったわけだけど、自由奔放で「成功」に興味がなく、 「好きな音楽をやれればそれで満足」といった性格や、極度のジャンキーであったことが災いしてか、まともなオリジナル・アルバムはほとんど出さずじまい。そして、91年には、やはりといおうか、ドラッグが原因であっさり他界してしまった。そんな彼だから、ディスコグラフィを見ても、ほとんど編集盤、ライブ盤、企画盤ばかり。そんな中でほとんど唯一のともいえる、まともなソロ名義のオリジナル・アルバムがこれ。発表はパンクの嵐がおさまりはじめた1978年、プロデュースは後にブレイクするスティーヴ・リリィホワイト。 参加メンバーもピストルズのスティーヴ・ジョーンズ&ポール・クック、オンリー・ワンズのピーター・ベレット&マイク・ケリー、エディ&ホットロッズのポール・グレイ&スティーヴ・ニコルら「舎弟」たちはもちろん、スティーヴ・マリオット、フィル・ライノット(シン・リジー)といった「先輩」たちも参加、彼の顔の広さを物語っている。 メンバーのみならず、収録曲も実に多彩。ニューヨーク・ドールズ・ナンバーのセルフ・リメイク、7.London Boys、9.Subway Train(バック・ボーカルをデビュー前のプリテンダーズ、クイッシー・ハインドが担当)、10.Downtownはいずれもパンキッシュだし、サーフ・インストのカバー1.Pipeline、シャングリラズのカバーで、女性ボーカリスト、パティ・パラディンとのデュエットが下世話で、グラム・ロックを彷彿とさせる3.Great Big Kiss、 R&Rな5.Leave Me Alone、ヨレヨレのボーカル&ギターのミディアム・ナンバー2.You Can't Put Your Arms Round A Memoryと、それぞれのテイクの出来もよい。歌もギターも下手クソでヨレヨレ、だけど不器用な性格丸出しで、しかも「アニキ」的な硬派なイメージの裏に潜む、どことなく繊細で頼りなげな一面も感じられるところがよい。下手だろうがなんだろうが、音楽が好きでたまらない、その気持ちは伝わる。調子外れで巻き舌で、線の細い高音ボーカル、チャック・ベリー・スタイルのヨレヨレのギターは、”Happy”を歌った頃(1972年)のキース・リチャーズにも共通するところがあるし、日本のパンク系バンドの連中への影響力の強さを感じる。そして、ハイライトは何といってもオーティス・ブラックウェルのカバーで、ザ・フーでもお馴染みの6.Daddy Rollin' Stone。1コーラス目をジョニー、2コーラス目をフィル・ライノット、そして3コーラス目をスティーヴ・マリオットが歌うという、何とも贅沢なテイク。単純に喜んで聴くこともできる反面、3人とももうこの世にはいないわけで、ちょっと物悲しくもある。 しかし、マリオットが歌い出すと、一気に彼の色が全開、ジョニーの影が薄くなってしまうあたりもなんとも・・・(笑)。ちなみに、マリオット(20日)とジョニー(23日)が同じ91年4月に相次いで亡くなっているというのも不思議な気がする。 ということで、この人のアルバムにしてはまとまった内容なので、「これからジョニー・サンダースを聴いてみたい」と思ってる人は絶対にこれから入るべき。これ以外は未完成なテイクを寄せ集めた編集盤やムラのあるアルバムが多いから・・・。また、ストーンズ、特にキースの好きな人にも聴いて欲しいアルバムでもある。「下手だけど、ただ好きな音楽をやっているだけ」のプロフェッショナルという言葉とは程遠い人。そんなキャラクターが最高にカッコよく思われる。こんな人がいてもいいじゃないか。 しかし余談だが、この人の巻き舌ボーカルは強烈。6.Daddy Rollin' Stoneでは「デャ〜デイ・リョ〜リン・スティイヨ〜ン(正しくはDaddy Rollin' Stone)」と歌い、10.Downtownでは「ディヤ〜ン・ティヤ〜ン(正しくはDowntown)」と歌っていて、「そこまでやらなくても」と思ってしまう(笑)。ここまでやったら、かつて木梨憲武が歌っていたシモンマサトの大袈裟な物真似による「仮面ノリダー」のテーマ曲みたいじゃないか・・・(笑) *アルバム好感度 100
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もともと普通にしていても「危険な男」っぽく、いかにも「アニキ」といったたたずまいだったこの人。80年代以降、急激にルックス的に老け込んで別人のようになった(私の個人的な印象です)けど、そのことで「危なさ」に加えて「貫禄」も漂わせるようになった。その危なさと貫禄から、既に「アニキ」というよりは「ボス」、「ゴッドファーザー」といった方がふさわしいかもしれない。 うーん、「ボス」はスプリングスティーンだから、やっぱりキースは「ゴッドファーザー」かな。ちなみに、このアルバムはミックのソロ活動活発化により、「ストーンズ解散説」が吹き荒れる中、登場した初ソロ。そのため、このアルバムが発売された時、「これでストーンズは本当に終わりだ」と思った人も多かったらしい。 ただ、私がストーンズを聴きはじめた時期と、このアルバムの発売時期がちょうど重なっているわけで、つまり私自身はリアル・タイムでこの辺の騒動は体験はしてたものの、遠くから、他人事のように見ていたのも事実。それに、ストーンズはあくまで60年代のビート・バンドとして聴きはじめた当時の私だから、今現在のストーンズへの関心は強くなかったし・・・。実際、このアルバムの購入は発売から5年後、よりストーンズに深くはまり、また、「解散説」が既に過去のものとなっていた、そんな頃だった。また、既にセカンド・ソロMAIN OFFENDER(92年)を聴いた後での購入でもあった。 しかし、このアルバムよりも先に聴いたMAIN OFFENDERは、私にとって「肩透かし」だった。決して「よくない」ということではなく、私が聴く前に持っていたイメージと違いすぎたのである。キースといえば、ストーンズの「硬派でストレートな面」を体現している人。だから、全編チャック・ベリー・スタイルの、疾走するようなパンキッシュなR&Rばかりのアルバムを想像していた。 それなだけに、メロディも、曲の展開や構成もよく分からないほどのシンプルさで、ギター・リフを主体とした、渋味すら感じさせる、枯れた地味な曲ばかりかならなるMAIN OFFENDERには驚かされた。そして、順番は逆になるけど、その次に買ったこのアルバム・・・。こっちの方は、MAIN OFFENDERと比べると、よりメロディのはっきりした親しみやすい曲が多いし、ゲストも豪華な分、若干派手さもある。その分、私にはこっちの方が親しみやすく感じられた。 いきなりフュージョン風なクールさも兼ね備えた1.Big Enoughではじまり、オールディーズ風の4.I Could Have Stood You Up、枯れたボーカルのバラード、5.Make No Mistake、10.Looked Away、ストーンズ風の7.How I Wishなど、意外と多彩な作品が揃っているのが分かる。 とはいえ、やはり「疾走するような曲」は皆無。メロディアスな曲も、ストーンズと比較すると異様に少ない。だけど、ストーンズの楽曲の特徴は、まずキースのギターがあって、それに肉付けして作られているような傾向にあるから、キースがひとりになれば、それらの「肉」を削ぎ落とした骨格だけのような作品になるのはごく自然なことかも、ということが何度も聴くうちに分かってきた。 そこに、スティーヴ・ジョーダンやワディ・ワクテルの好サポートもあって、キースの持つ「渋味」がより引き出されている。若い頃のキースがソロ作を出していたら、私の想像通り「疾走するようなストレートなアルバム」になっていたんだろうけど、 こうした「渋味」が出てくるあたりがいかにも年輪を重ねてきたキースならではといえるだろう。まさに「不良」が年輪を重ねて「ゴッドファーザー」となった、その姿がここにある。 *アルバム好感度 70
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*:2000年8月1日UP
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