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■2010/02/21 ワールドカップイヤーだというのに・・・

 年明け以降、サッカーの日本代表が思うような成績を残せず、岡田監督が大バッシングに晒されている様子。私は平日のゴールデンタイムに家にいることが出来ない生活を送っているので、ベネズエラとの親善試合も、3位に終わってしまった東アジア選手権も1試合も見ていないけど、「まあ、仕方ないかな」と思う。「見ていない」とはいえ、相変わらず得点力不足、それも「シュートを打つけど入らない」のではなく、「ゴール前でパスを回すだけで、誰もシュートを打たない」状態とか、つまらないミスから失点を招く状態とか、ミスしたり、上手くいかないことがあったりしても、怒鳴ったり怒ったりする選手もいなくって、熱さや真剣さに欠ける選手の姿とか、ここ数年、見慣れてしまった光景なので、どうせ今回も同じような感じだったんだろうと容易に想像がつく。しかも、「勝てはしないけど、見ていて面白い」試合をするなら、見ていて感情移入も出来るだろうけど、何の面白みもなく、思わず居眠りしてしまいそうな退屈な試合内容というのも、この数年見慣れた光景なので、どうせ今回もそんな感じだったんだろう。この数年は、海外のサッカーの試合どころか、Jリーグの優勝争いの常連チーム、鹿島アントラーズやガンバ大阪の試合を見ている方がよっぽど面白くって、楽しく感じられる。

 岡田監督はブーイングを受けることに対して、「サポーターのことまで考えていられない」と言ったとか、言わないとか。確かに代表チームってのは「面白い試合をする」ことよりも「どんなことをしてでも結果=勝利を残すこと」が至上命令。だから「勝てばいい」のかもしれない。だから、ヨーロッパ諸国では「代表の試合より、国内リーグの試合の方が面白い」と考えられている傾向にあると聞いたことがある。だけど、今の日本のサッカーって、日本リーグの頃のようにアマチュアじゃなく、プロのはず。だから、やはり「見ている人を楽しませる」ことは絶対必要だし、同じ負けるにしても「見ていて面白かった」「また今後も応援したい」「次は期待できる」と思わせるような内容を伴っていなければいけないはず。しかし、岡田が監督になって以降の日本代表の試合は、とにかく面白くない。勝った試合であっても、全然楽しくない。見ていて退屈で、何度居眠りをしてしまったか分からない。単純に「点が入らない」「シュートを打たない」「派手さがない」からというより、ただ「パスを回して練習してる」ような試合ばかり。だから私は「こういう人が監督をやっていては全く駄目」と思っている。

 ただ、それは監督の責任だけじゃない。「シュートを打たない」のは、選手に度胸や思い切りがない証拠だし・・・。それだけじゃなくって、情けない形で点を取られたり、情けない負け方をしたりしても、選手が怒らない、怒鳴らない。韓国戦は実は、試合終了後の中澤のインタビューだけ見ることが出来たんだけど、ただうなだれて、泣き言を言ってただけ。全然怒ってない、「熱く」なってない。ジーコ・ジャパンの頃「今のままじゃ全く駄目」と、勝っても怒りをあらわにして答えていた中田とか、もっと前だったら、試合中に味方を容赦なく怒鳴っていた柱谷哲二とか、闘志むき出しでボールを追っていた中山とか、ああいう「熱さ」がまるで感じられない。一昔前のスポ根じゃないけど、「闘志なき者は去れ」と言いたい。

 とにかく、今の日本代表を応援したいという気持ちが、私には全く起こらない。まあ、岡田が監督になった頃から「代表の試合が面白くない、熱さが感じられない」と思ってきたけど、よりによってワールドカップ・イヤーになって、世間一般の人たちも気がつきはじめたということか。今回のワールドカップは日本代表には一切目もくれず、日本がワールドカップ出場なんて程遠かった頃の気持ちに戻って、ヨーロッパのどこかの国を「贔屓チーム」にして、そこを応援することで楽しみたいと思う。

 しかし、これだけ岡田バッシングが続いても、岡田続投を決めたサッカー協会の対応にも疑問。「ファンに望まれていない監督」「ファンに拒絶された代表チーム」を、このまま支援していくということは、考えようによっては「ファン無視」といってもよい。Jリーグ発足以来、プロ野球の悪い部分を反面教師にして「ファン重視」の姿勢で日本にサッカー人気を根付かせようと頑張ってきたサッカー協会だけど、ここにきて人気に胡坐をかき始めたのか。だとすれば、この数年、日本代表人気ががた落ちしている中での今回の騒動、サッカー自体の人気が衰退する恐れだってある。その自覚はあるんだろうか?

■2010/02/24 バンクーバー五輪って、本当に盛り上がってる?

バンクーバー冬季五輪もそろそろ終盤に入ってきた様子だけど、新聞やネット上のニュース・サイトを見ると、冬季五輪の話題で一色。相変わらず地上波のテレビは見てないから分からないけど、地上波のテレビもきっと、いつものような馬鹿騒ぎなんだろう。私は相変わらず忙しいし、日本時間の深夜〜早朝に行われている競技が多いので、一度もテレビ観戦はしてない。入院中だった上、日本選手が全く結果を出せなかったトリノと比べれば、そんな私でも五輪のニュースを見聞きする機会は多いけど、やっぱり、どこか冷めた目で見ている状態。

 いろんな話題が出ているけど・・・。男子のフィギュアで始めてメダルを獲った高橋大輔といわれても、「凄いねえ」と思う反面、「見てもよく分からない競技」なので、「そうなんだ」とちょっと冷めた感想しか持てず。ジャンプで葛西がラージヒルで5位、団体で5位という結果は、今の日本のジャンプ界の低迷振りを考えれば「健闘した」といえる結果ではあるけど、あの長野五輪前後の日本ジャンプ陣の強さを考えれば、「相変わらず世界との距離は開いたままだなあ」という印象だし、「未だにエースが葛西かよ」という観も否めないし、見通しは暗い。スピードスケート男子500メートルで長島が銀、加藤が銅という結果は、80年代の黒岩彰以降、常に世界のトップに君臨しながら、前回のトリノで世代交代が思うように進まずに惨敗したことを思えば、復活の兆しが感じられて、これはちょっと嬉しいニュースだった。でも、生放送を見ることが出来なかった分、やっぱりちょっと冷めた思いしか持てず・・・。それから、カーリング。世間一般ではえらく注目されている競技だけど、私にはどうも「スポーツ」として受け止めることが出来ない。体より頭を使う競技であること、「スポーツ」というより「ゲーム」と呼んだほうがよいのではないか・・・。ビリヤードや将棋、囲碁、などと同系列。「こんなのを正式種目にするな」とか、「スポーツじゃないからいらない」などと、一部にいる強固に否定する人たちのように否定までするつもりもないし、別に忌み嫌っているわけでもない。単純に「俺の趣味じゃない競技」なので、やっぱり冷めた目を向けているというのが素直な気持ちだ。

 しかし世間一般では、これから始まる女子フィギュアやカーリングが人気のようで、そのあたりの選手をアイドル視して騒いでる風潮があるよう。でも、女子のスピードスケート1000メートルで5位、1500メートルで5位と入賞を果たした、普段は病院に勤務しているという癒し系キャラの小平奈緒、500メートルで5位入賞を果たした、爽やかな笑顔が魅力的な吉井小百合の方が、個人的には「いいなあ」と思った。2人とも「凄い美人」というわけじゃないし、ちょっと地味な顔つきではあるけど、この2人の方がずっといい。しかも女子スピードスケートというと今回は大ベテランの岡崎や、15歳の高木ばかりがもてはやされて、2人のことが話題になることは少なかったけど、実力面では今はこの2人がエース格のはずだし、キャラ的にももっと注目されてもよかったのでは? と思う。ひょっとすると、今回の五輪で最も印象に残るのは、この2人になるかもしれない。

■2010/02/28 少しは見直した?東京マラソン

 今日は朝から東京マラソンが行われていたので、テレビ観戦していた。国立競技場をスタート、ゴールとして行われていた伝統ある東京国際マラソンや、東京国際女子マラソンを止めてまではじまった大会、しかも「東京へオリンピックを招致するためのPRとしてはじまった」といういきさつとか(噂レベルだけど)、「東京の有名な場所をクルクル回って街のPRを目的としたようなコース」など、どことなく個人的には好感が持てない大会でもあったんだけど・・・。今年は少し、印象が違って見えた。

 昨年まではテレビ中継を見ていても、スポンサーや東京の有名なスポットの紹介やPRに時間を割いたり、タレントや有名人の走っている姿やコメントを何度も挿入したり、奇抜な格好の市民ランナーの姿を追ったりと、レースの内容の実況がおろそかにされていた。それはまるで「スポーツの実況中継をしている」というより、「イベントやお祭りのレポート」「街と大会のPR映像」のようで・・・。そこが「なんだこんな大会、これだったら以前の東京国際マラソンの方がよかったよ」と思え、大会自体に好感が持てなかった理由だったのかもしれない。ただ、今回はそうした街のPRや有名人の話は最小限にとどめて、レースの実況に力を入れていたので、純粋に「マラソン・レースの実況中継」として楽しむことが出来た。それだけでも「東京マラソンなんて、けっ」という気持ちが大分薄らいだ。それはテレビ中継を担当した放送局が、前回までのフジテレビから、今回は日本テレビに変わったことも影響しているのかもしれないけどそれ以上に、もう4回目だから過剰に煽る必要もなくなったし、物珍しさもなくなったからなのかもしれない。まあ、いずれにしても4回目にして始めて、私は純粋なマラソン・レースとして評価することが出来た。

 また、レース内容も同様。この大会に限らず、この数年、海外選手に全く歯が立たずに惨敗を続けていた日本の男子マラソン界だったわけだけど、今回は日本人・藤原正和が優勝。大雨、時々雪に変わるような悪天候だったから、記録は2時間12分台の平凡なものだったけど、久々に日本人選手が優勝したことは、ある程度評価できる。しかも藤原正和といえば、2003年のびわ湖毎日マラソンで、当時大学生、初マラソンながら、いきなり2時間8分台の好タイムで3位に入って期待されつつも、それ以降故障で苦しみ、今回は3回目のマラソン。彼がびわ湖で好成績を出した際には「とうとう男子マラソンにも新星が」と期待したものだったけど、結局以降は駅伝などで時々姿を見かけるだけだったから、「結局、また一発屋か」と思っていたもの。それが残り2キロで、自ら勝負をかけての優勝。まあ、タイムは平凡だし、今回だけで終わるか、終わらないかは彼の次のマラソンの結果次第だろうけど、ちょっとだけ希望を持たされる結果だった。それに対して「日本最強」と言われ、駅伝では異常なほどの勝負強さを見せる反面、いまだマラソン未勝利の佐藤敦之が、結局藤原のスパートについていけずに3位に終わったあたりにはガッカリ。素質は日本マラソン黄金期の選手と比べても遜色がないと思っているだけに、結果が出せないのが腹立たしい。

 まあ、そんなこんなで今回は意外に楽しめる大会になった。テレビ局の伝え方次第でも、大会の印象が全く変わるんだということを痛感された今日の中継でした。あと、解説が瀬古利彦と中山竹通という、黄金期のビッグ2だったあたりもよかった。特に中山の解説って初めて聞いたけど、「勝負かけなきゃいけません」「中途半端なスパートは駄目」と連呼していて、現役時代の彼の「自ら仕掛けていく」果敢なレース運びを思い出して懐かしく思われた。

■2010/3/7 景色は最高、内容イマイチなびわ湖(びわ湖毎日マラソン)

 先日書いた通り、先週の日曜日は東京マラソンをテレビ観戦したわけだけど、今週はびわ湖毎日マラソンのテレビ観戦。日本で最も古い大きなマラソン・レースで、80年代半ば頃から、家にいる日は毎年テレビ観戦してきた大会でもある。80年代は別大同様、「若手の登竜門」的な大会だったけど、90年代以降は年によっては有力選手が参加したりもする大会でもある。

 最近は「都市型=都会の街中を走る」大会が多くなってきているけど、そんな中では別大と並んでコースの景色の良い大会でもある。別大の、大分市と別府市の間の海岸線のコースの風景も悪くはないけど、九州出身、九州在住の私にとっては「別に珍しくもない風景」であるというのも偽らざる事実。大分県に行く機会は決して多くはないけど、小学校の修学旅行や家族旅行(小学生の頃)に実際に訪れた場所だから「物珍しさ」は感じない風景。それに対して、びわ湖毎日の大津市の琵琶湖の湖岸や、その琵琶湖から流れ出ている瀬田川周辺は訪れたことのない場所。しかも以前から書いている通り、大きな川や湖の見える風景に、なぜかひきつけらる性分なので、このびわ湖毎日マラソンのコースの風景には大きな魅力を感じる。先も書いた通り、この大会「伝統はある反面、盛り上がる年と盛り上がらない年のある、ちょっと微妙な大会」であるにもかかわらず、思わず毎年テレビ観戦してしまうのは、その「コースの風景を見たい」という欲求に駆られるせいかもしれない。実際、毎年見ているにもかかわらず、何度見てもこのコース周辺の景色は見飽きることがない。80年代頃までは古い町並みだったのが、最近は大津市街地の風景が随分都市化してしまってきたし、20年位前のコース変更のせいで、瀬田の唐橋を渡らなくなったのが寂しかったりと、さすがに変化はしてきているけど、それでもやはり魅力的なコース、景色である。ということで、今年もその景色を堪能することが出来た。

 一方で、肝心なレース内容はというと・・・。いつものようにといおうか、エチオピアのツェガエなる、世界陸上4位の選手がぶっちぎって優勝。といっても、遅すぎるペースメイカーを急かすように25キロ付近からぶっちぎっていきながら、後半バテてペースダウンしたにもかかわらず、「ぶっちぎり」だったわけだから、いかに彼の力が飛びぬけていたかが分かる。日本人トップは2位の佐藤智之だったわけだけど、タイムは相変わらず2時間10分台と平凡なもの。しかも「ツェガエに相手にもされない」2位だし・・・。しかもこの人、毎回期待されながら結果を出せずに、今回やっと結果を出したという状態だから「次はどうなるか分からんし・・・」という思いも拭えない。双子の清水兄弟がレース前は騒がれていたけど、ペースメイカーが外れる前に失速してるし、初マラソンの北岡が4位、米田が5位に入ったあたりは「健闘した」といえなくもないけど、やっぱり「次はどうなるか分からないし」という思いも拭えない。「期待された選手は失速、新しい顔が出てきても一回きりで消える」ということを、もう15年近く続けてる日本マラソン界だから、良い結果が出ても喜べないのが寂しい。それと昨年12月から続いた福岡、別大、東京、びわ湖と、国内の4大大会がすべて終わったわけだけど、日本人で2時間10分を切った選手ゼロ・・・。「冬の時代は続く」そんな印象は拭えない。結局、今日印象に残ったのは、レース内容よりもコースの風景の方。一度、このあたりを訪問してみたいものだ。

 

■2010/3/10 もっとJリーグ

 18年目になるというJリーグが先週の土曜日に開幕。珍しく地上波で開幕戦の鹿島vs浦和をやっていたのでテレビ観戦した。何度目かの黄金期を迎えている鹿島と、数年前に常勝チームになったものの、近年はゴタゴタ続きの浦和の対戦ということで、内容的には鹿島のよいところばかりが目立つ試合ではあった。とはいえ、決まるか、決まらないかは別にして、遠くからでも思い切りよくシュートを打ったり、攻守の切り替えが早かったりで、「退屈で見てられない」日本代表の試合とは大違いで、見ていて楽しい試合でもあった。といっても、私の目に魅力的に映ったのは、マルキーニョスやポンテの外国人選手と、もう今後は日本代表には呼ばれないであろう小笠原くらいではあったけど・・・。

 私は以前から書いている通り、まだプロがなく、実業団の日本リーグしかなかった1980年代前半から日本のサッカーを見てきた。「見てきた」といっても、当時テレビ中継があるのは日本代表の試合くらいで、日本リーグの試合はめったにやらず、日本リーグに参加しているチームの試合を見ることが出来るのは天皇杯くらいしかなかったけど、中継があるときは必ず見ていたし、結果も新聞の小さな記事までチェックしていた。そんな私だから、1993年のJリーグ開幕を、まるで夢のような気持ちで見守ったひとりでもあった。一方で、だからこそ、Jリーグが開幕した頃の異常とも言えるブームには嬉しい反面、なんとなく「気持ち悪い」という想いもあった。「熱しやすく冷めやすい」日本人、というか日本のマスコミだから、「冷めた後が怖いな」と。だからこそ、あっという間にブームが去った時は、「当然の結果」と思えた反面、「あんな馬鹿騒ぎがなければ」という気持ちも強かった。ブームが2年ほどで去った後は、日本代表こそ注目されたものの、肝心のJリーグは「本当に好きな人以外は見ていない」状態になり、今に至っているのが現状だと思う。

 私は当然、Jリーグへの興味を失いはしなかった。だけど、あのブーム終焉以降は、それほど熱心に見ていたわけでもない、というのも偽らざる事実。あまり見なくなった理由としては・・・

(1)ブームが去ってテレビ中継がほとんどなくなったので、見たくても見ることが出来ない

(2)「贔屓チーム」がない

(3)プロ野球などの他のスポーツに比べて選手の移籍が多すぎるので、同じチームでも年によって全くチームカラーが異なる→それが(2)にも繋がる

大体そんなところだけど、やっぱり大きかったのは(2)だと思う。アマチュアの日本リーグだった頃、私は金田、木村和司、水沼、柱谷幸一などの超攻撃的で個性的なタレント軍団だった日産自動車の大ファンだった。その流れで、Jリーグ開幕以降も横浜マリノスを応援し続けた。同時に当時、仕事の関係で木更津に住んでたんだけど、隣の市原市をジェフが本拠地にしていた関係上、私の周辺ではジェフを応援する人が多く、リトバルスキーも人気者だったから、熱狂を身近に感じることも出来た。だけど、開幕数年後にマリノスでは木村和司、水沼が相次いで引退。しかも「期待の若手」といわれていた山田隆裕や三浦文丈があっさり他のチームへ移籍、「ジェフの若きエース」だったはずの城彰二がいきなり加入して「チームの顔」になってしまった。つまり、数年でメンバーが入れ替わって、別のチームのように変わってしまったというわけ。そのことによって、急速にマリノスへの思い入れが冷めてしまった。しかもマリノス以外のチームも同じように選手が激しく入れ替わって、2,3年で別のチームのように変わっていく・・・。ジェフの場合は財政難とかで、有望選手は簡単に他チームに流失していく。なので「特定のチームに思い入れを持ち続ける」ことがとても難しい。マリノスは21世紀に入って岡田武史が監督に就任、強くはなったものの、今の日本代表と同じような「見てつまらないチーム」になってしまったので、思い入れは全くなくなってしまった。(1)も「あまり見なくなった」理由ではあるかもしれないけど、ニュースや新聞でも結果を熱心に追わなくなってしまった理由は、やはり(2)や(3)にあると思う。

 とはいえ、今年は「Jリーグをもっと見たい」想いでいっぱい。その「気持ちが冷めてしまった」マリノスの監督に、木村和司が就任したことも興味深いし、鹿島やガンバの試合は「見ていて楽しい」し・・・。そしてもうひとつ、地元・北九州にとってはじめての本格的なプロ・スポーツ・チームとして2001年、私が地元に戻った年に誕生して以来、Jリーグ入りを目指して頑張ってきたギラヴァンツ北九州が遂にJ2に昇進した。まあ地元のチームといっても、今までほとんど注目してこなかったけど、せっかくJ2に昇格したことだし「ちょっと注目してみようかな」と思っている。近年は海外サッカーのマニアも多く、そういう人は「Jリーグなんてレベルが低くて見てられない」という傾向にあるけど、それって「俺はプロのサッカーが好きだから、レベルの低い高校サッカーは見る気がしない」といっているも同じ。それって、本当のサッカー好きだとは到底思えない。私はもっともっとJリーグを見たい。

■2010/3/14 男女揃って冬の時代?(2009〜2010シーズンのマラソン総括)

 毎年11月〜3月は毎週のようにマラソンや駅伝が行われていて、私は中学生くらいの頃から毎年、この時期は家にいてテレビで見ることが出来る大会は必ず見てきた。決して私自身はマラソンのファンだとかマニアだとかという自覚はなくって、前から書いてる通り、もともと盛んな土地柄だから自然に親しんできた。今年度も昨年11月の横浜国際女子からはじまって、今日行われた名古屋国際女子まで、主だった大会を見てきた。この3月の名古屋まで終わると「今シーズンも終わったな」という気分になる。

 しかし今年度は、どの大会のガッカリな結果に終わってしまった。まあ、北九州女子駅伝、大阪国際女子、別大、東京、びわ湖に関しては、ここにもいろいろ書いてきたけど、「面白かった」「最高な結果」と書いたことは1回もなかった。とにかく、男女とも新しい顔ぶれが登場しない、外国勢に全く歯が立たない、タイム的にも低調・・・。ずっとそんな感じ。

 今日の名古屋も、加納由理が内容的には「完勝」だったけど、タイムは低調だし、他のメンバーの力量があまりにも低かったし・・・。男子の瀬古、中山、女子の高橋、野口のように、見ていて「強いなあ」という感じじゃなかった。ペースが遅すぎるくらい遅かったわけだから、だったらひとりで飛び出していくくらいの勢いが欲しいし、勝負がついた後、後半になるにつれてペースが上がっていくくらいの「圧倒的強さ」を見せつけて欲しいというのは、今の男女の選手層を考えれば無理な相談なんだろうか。どうしても、いちばん強かった頃の日本人選手の記憶が鮮明なだけに、あの頃のような「圧倒的な強さ」を見せ付けてくれるような選手の登場を待ちたいところだ。

 あと男女とも地味な選手が多すぎるので、強いだけでなく、スター性のある、華のある、存在感のある選手の登場を期待したい。一時期、個人的には女子の湯田友美という選手に注目してた。別に好きだったわけじゃないけど、こういう人が強くなったら華やかになるかなと。永作博美似で、一時期はファッション誌のモデルも務めていたというルックスの持ち主で、多くの駅伝大会でも「ごぼう抜き」を演じていたので「このまま強くなったらスターになるかも」「そのままマラソンに転向すれば・・・」と思ってたんだけど、この2,3年は低調な結果で伸び悩み。どうしたのかと思っていたら、3月限りで結婚、引退とか。強い人も必要だけど、やっぱりスター性、カリスマ性のある人に活躍して欲しいなと思ってしまう。

■2010/3/21 「見なくなった」はずのプロゴルフを24年ぶりに見る

 一昨年の北京オリンピックの際に「最近は以前と比べるとテレビでスポーツ観戦をする機会が少なくなった。それは、以前はよく見ていたはずなのに、最近になって全く見なくなった競技が多いのがその原因かも」と何気なく書いた。そのことがきっかけで「シリーズ:私はこうしてこのスポーツを見なくなった」なんてのを書いたりもした。その1回目が「大相撲」、2回目が「ゴルフ」だった。大相撲は今後、よっぽど大きく相撲界に変化がない限りは絶対に見ないと思う。だけど・・・。

 ゴルフの方は、男子は石川遼人気でこの数年、ミーハーっぽい人も巻き込んで大騒ぎのようだし、女子の方は21世紀初頭以降、宮里藍他、若手のアイドルっぽいゴルファーが次々に登場して人気がある様子は理解していたけど、別に興味を持つには至らなかったんだけど・・・。ちょっと機会があって、ネットで偶然ゴルフ関連のサイトをいくつか目にした。それらのサイトを見ると、私がゴルフをよく見ていた80年代とは全く様子が違う。あの頃、よくテレビで見ていた男子プロはオッサン臭い人が多くって、30歳くらいの選手でも「若手」と言われるほど年齢が高かったもの。ギャラリーも腕組みして、難しい顔でプレーを見ているオッサンだらけだった。女子の方はあまり見てなかったけど、やっぱりイカつい顔をした、野暮ったい感じのおばちゃんのプロが中心というイメージだった。男女とも華やかさは皆無だったもの。だけど、今のゴルフ界は男女とも実に華やか。特に女子プロは、おばちゃん風の選手はほとんどいないし、どう見てもアスリートとは思えないルックスの人も多数いる。そんな理由から、昨年末に「機会があれば、ちょっとだけテレビ観戦して見ようかな」と思っていた。だけど、もう年末でシーズンオフになっていたから、年が明けたら見てみようかなと。

 というわけで、今日は夕方からテレビで「Tポイントレディス」なる女子の大会をやっていたので「ちょっと見てみるか」という軽い気持ちでテレビをつけた。最終日、北田瑠衣という人が大差をつけて首位に立っていたから、もう勝負はついている様子だった。なので「結果はともかく、とりあえず見てみよう」と。強風が吹く悪コンディションだったので、全員スコアを落としてる様子だったけど、この北田という人ひとりだけ、ショット、パットとも安定していて全く崩れない。なので、この人の安定した強さばかりが目立った。ネットで調べたら、地元・福岡県出身らしい。数年前まで美人選手として人気があったそうだけど、既婚者のようで、この数年はミーハーっぽいファンは離れたよう。とはいえ、手堅いゴルフをやる人で悪くないかなと。個人的には一緒に最終組で回っていた有村智恵という人が意外とタイプかなと思ったけど(笑)、風の影響か、不安定で精彩を欠いているように思えた。ネットで調べたら、昨年ブレイクした新鋭のようだけど・・・。

 とはいえ、全然「久しぶりに見た」という感じはしなかった。まあ、ラグビーやバレーボールのように、大幅にルールが変更になっているわけではないし、プロ野球のように、クライマックスシリーズだの交流戦だののような、「1年の流れ」が大きく変化しているわけでもない。だから、選手の顔ぶれが変わったことや、選手の雰囲気が変わったことを除けば、何か大きな変化があったわけじゃないから、20年以上前に見ていた頃と同じ気持ちで観戦できたことで、「久しぶり」という感じがしなかったんだろう。優勝争いという点では独走状態で盛り上がらなかったけど、選手のひとつひとつのプレー自体には、意外とのめりこんで見ている自分がいた。あと、「近年見なくなった理由」として、以前「1打1打のインターバルが長すぎてダレてしまう」ことを挙げた私だけど、不思議なことに、あんまりインターバルが長く感じなかった。今のプロの方がプレーが早くなったのか、それとも私が年をとった分、インターバルが長く感じなくなったのかは定かじゃないけど・・・。いずれにしても、久しぶりだったわりには意外と楽しんで見れた。機会があればまたいつか、見てみたいと思う。今度は男子の大会も見てみようかな。

■2010/3/28 シリーズ:私はこうしてこのスポーツを見なくなった(第3回、高校野球)

興味を持ち始めた頃(1978年頃)

 プロ野球は小学校1,2年頃、1975、6年頃から少しずつ興味を持って見てたけど、こと高校野球にはあまり関心を持っていなかった。そんな1978年、小学校4年の春のセンバツに福岡県から柳川高校と小倉高校の2校が出場。うち、小倉高校は北九州市内にある県立の進学校で、戦後間もない頃に2連覇を果たした古豪だったこともあって、地元がお祭り騒ぎに。便乗して「小倉高校を応援しよう」とテレビ観戦したのが私にとっての高校野球初体験になる。小倉高校は1回戦は勝ったものの、2回戦で優勝候補・箕島高校に敗れた。だけど、それ以降すっかり高校野球にはまってしまって、この年の春のセンバツは決勝戦まで多くの試合を観戦した。

 以降、「春休みと夏休みは高校野球を見る」ことが恒例行事になった。当初は地元の代表校を応援することを目的に見ていたけど、翌1979年頃からは「贔屓チーム」を決めて、そのチームや、そこの特定の選手を応援しながら見るようになる。ちなみに、1979年は牛島ー「ドカベン」香川のバッテリーが人気だった浪商高校を「贔屓」にした。

 

最もはまっていた頃(1980年〜1983年)

 いちばんはまっていた時期。学校の学年でいえば小6〜中3。当時の私の目から見れば高校野球の選手は「年長者」だったから、「大人のやっている野球」という目線で見ていた。この頃は私の生涯の中で「最もプロ野球に夢中だった時期」とも丁度重なる。だから「いちばん好きなスポーツは断然プロ野球」だったけど、一旦高校野球がはじまると、プロ野球を見るのを控えてまで高校野球に夢中になった。それほど当時の私の高校野球への思い入れは強かった。

 この時期も「贔屓チーム、贔屓選手をつくって応援する」楽しみ方をしていたけど、一方で福岡県はもちろん、九州の各県の代表も「地元のチーム」として応援した。九州人って「九州はひとつ」と考える傾向があって、高校野球などを見る際も「九州勢」と称して分け隔てなく応援する。1982年の夏、九州勢が福岡県代表の八幡大付属(現九国大付属)を除いてすべてが勝ち残って「九州旋風」になった。この年の夏の大会は池田高校の「やまびこ打線」の衝撃とともに、最も印象に残る大会である。あと、翌1983年の夏の大会(1年の桑田、清原を擁するPLが優勝)は、1回戦から決勝戦まで、1,2試合を除いてほぼすべての試合をテレビ観戦した大会になった。今思えば「いくらなんでもやりすぎ」と自分でも思うけど、当時の私はそれほど高校野球にはまっていた。

疑問を感じつつも見続けた時期(1984〜1986)

 高1〜高3の頃。自分が高校生になったことで「別世界の出来事」のような目で見ていた大会や選手たちが、急に身近な存在になってしまった。「自分と同世代の、同じ高校生がやっている野球」。すると今までと比べると少し冷めた目で高校野球を見るようになった。

 

 「同じ高校生」を見るのに贔屓チーム、贔屓選手をつくるのはナンセンスだし、「同じ高校生」を、単に野球をやっているというだけでスター扱いしたり、過熱気味な報道のされ方をしていることにも違和感が・・・。そして当時は桑田&清原の「KKコンビ」のPL学園の全盛期。「スター扱い」「過熱報道」が、高校野球史上でも最も行き過ぎていた時期でもあったので、高校野球という存在自体にも疑問が芽生え始めた。

 そんな時期だったので、この間は「贔屓チームをつくって応援する」ことよりも、純粋に地元=福岡県代表校と、九州勢を応援しながら見る傾向になっていった。一方で桑田&清原の存在や、「お金で全国から有望選手を集める私立高校」のやり方にも「嫌だな」という想いが芽生えたので、敢えてPL学園を倒してくれそうな高校を探して応援するようにもなっていった。

徐々に冷めていく時期(1987〜1991)

 高校を卒業した私は一浪する。その浪人時代にあたるのが1987年。この年の春のセンバツは普通に見た記憶があるが、夏の大会の記憶は皆無。毎日予備校に通って勉強していたからというのもあるだろうし、この年の6月にビートルズに出会って以降、テレビでスポーツ観戦する機会が激減していったこともあるだろう。だけどやっぱり、今思えば「選手=高校生の年齢を追い越してしまった」ことがいちばん大きかったのかな、という気がする。最早選手は全員年下、小中学生の頃のように「遠い世界の、雲の上の人たち」を見るような目線で見ることは絶対不可能。なので、高校野球を「あまり見なくなった」理由は、もちろん「過剰なスター扱いが疑問」「私立高校の選手集めへの疑問」もあるけど、年齢的な理由がいちばん大きいのかもしれない。

 とはいえ、まだ地元・福岡県の代表の試合だけは、きちんとテレビで見ていた。もうこの時期には「九州勢」という括りはしなくなって、純粋に「福岡の代表」のみを追うようになったけど。そんな中では1988年夏の大会で、巨漢の強打者・山之内(九州のバースといわれた)と、エースの前田(後にロッテ→中日→巨人)の活躍で福岡第一高校が準優勝。1978年に高校野球を見るようになってはじめて福岡県代表の高校が決勝まで勝ち進んだことは印象に残る出来事だった。

ちょっとだけ「復活」(1992)

 1992年、社会人になって地元を離れた。その年の夏の大会、福岡県代表の西日本短大付属が、森尾という投手の活躍で勝ち進んでいった。気がつけば決勝へ。そして決勝の相手は、なんと、当時私が仕事の都合で住んでいた木更津市にある拓大紅陵。街中大騒ぎで拓大紅陵を応援する中、心の中で密かに西短(地元ではそう呼ばれる)を応援した。

 結局、森尾が1vs0で完封勝利して西短が全国制覇。街中が落胆する中、一人心の中は歓喜・・・。生まれてはじめて地元を離れて一人暮らしを送っていた私だったけど、「郷愁」のようなものをはじめて感じた出来事だった。高校野球って、「地元の代表を応援することによって、自分の出身地や、郷土への思いを意識する、そういう楽しみもあるんだ」ということを知った。高校野球の別の楽しみを知った。しかしこの森尾というピッチャー、1回戦から決勝までの5試合を投げて、なんと失点わずかに1。頭脳的なピッチングをする、「大人っぽい」ピッチャーで、地元云々抜きにしても、とても印象に残るピッチャーだった。その後、プロ入り等の目立った活躍がなかったことが不思議で仕方ない。

一気に冷めていく・・・(1993〜)

 ということで、以降は「スポーツとしての高校野球」ではなく、「地元を意識するためのツールとしての高校野球」を楽しもうと思った私だったけど・・・。甲子園に出てくる高校は、圧倒的に私立高校が多くなっていった。「越境入学」で選手を集めて強化するのが、1980年代以上に当たり前になってしまった。あるスポーツ・ニュースを見ていた時、「大坂代表の〇〇高校のA君と、山形代表の××高校のB君は、大阪の同じリトル・リーグのチームで活躍した仲。その二人が敵味方に分かれて対戦」云々と報じられていた。更に「石川県代表△△高校のC君のお父さんが、実家の横浜から甲子園に駆けつけてくれました」・・・。

 その時思った。私は1992年の西短の優勝で、「地元の代表が優勝した」と喜んだわけだけど、高校野球の全国大会に出場する高校は、必ずしも「地元の代表」とは言い切れないもんなんだなと。県大会で勝ち進んで全国大会に出場する高校といっても、選手の出身地は様々。中には「レギュラー全員が県外出身」なんて高校もあるという。じゃあ、高校野球を見て、「地元意識を持つ」なんて行為は、実は見ている人の勝手な思い込みなんじゃないか。そう思うと、気持ちは一気に冷めた。「初出場の〇〇高校が、伝統校の△△高校に勝利」といっても、〇〇高校が有望な選手をかき集めたチームだとすれば、別に驚くことでも、特別なことでもない。高校野球の存在意義にすら疑問を感じた。「教育の一環」でもなんでもないだろう、こんなの。

 以降、高校野球を全く見なくなった。90年代末には横浜高校の松坂の活躍が話題になったり、21世紀に入ってからは、斉藤VS田中なんてのが話題になったりもしたけど、「まだそんなことやってるのか」くらいにしか思えず。地元・福岡県の代表も、新興の私立高校ばかりになってしまった。今のままの高校野球であれば、今後も見ることはないだろう。

 とはいえ、1978〜1986年にかけて、プロ野球以上にのめりこんで見ていた頃の高校野球は思い出深い。今でも印象に残る選手の名前や、試合内容などをすらすら言えるほどである。そのあたりは機会があれば語ってみたいと思っている。

■2010/6/6 日本陸上選手権

陸上といえば、マラソンや駅伝など長距離競技には昔から親しんできたし最近でもよく見るけど、フィールド競技、つまり短距離や投擲、跳躍系の競技は、昔から「見たり見なかったり」の状態でした。興味はあるんだけど、世界陸上やオリンピックの時以外はあまり中継がないし、世界との実力差があるし、というのがあまり見ない理由。中継がもっと多ければ、もっと注目するかもしれないけど・・・。でも、近年はマラソンを初めとした長距離の方が不甲斐なくって、一方でフィールド競技の方が男子の400メートルリレーがオリンピックや世界陸上で好成績を収めたり、女子100メートルの福島千里が走るたびに記録を更新していたりで、期待できそうな選手も増えているということもあったし、「中継も久しぶりだからぜひ見てみたい」という気持ちもあったし・・・。

 しかし、ここでも女子選手の華やかさに驚いた。特に女子100メートル・ハードル、優勝した寺田明日香をはじめ、木村文子、石野真美、伊藤愛里とやけに美人選手ぞろい。城下麗奈とかいう2位に入った人がアイドル的人気があるそうだけど、むしろ不自然なほどの派手なファッションに違和感を感じて好感は持てなかったけど、「華やか」であることは事実。いや、この競技がこんなに華やかだというのは知らなかった。走り幅跳びの井村(旧姓:池田)久美子と桝見咲智子の一騎打ちとか、女子200メートル、「走れば記録更新」だった福島千里をライバルの高橋萌木子がかわして逆転優勝とか、見せ場も多かったし。最近の長距離の選手の「強くない、地味」なイメージと全く違う。まあ長距離選手が着ることのない「セパレート・ブルマー」のユニフォームも見映えがよいし。いや、いやらしい意味ではなく(少しは嬉しいが:笑)、長距離選手のような野暮ったいランパンよりも、絶対こっちの方が精悍でカッコよく、引き締まって見えるのは事実。「見映え」もアスリートの重要なポイントでしょう、やっぱり。あと、女子選手のことばっかり書いてるけど、男子の100メートルで塚原をかわして優勝した若い江里口や槍投げで11連覇した村上の強さも印象に残った。とにかく、どの競技も面白かったし、選手のキャラもよいし、あとは世界で通用するレベルになればいうことなし、といったところ。楽しめたし、今後もフィールド競技の大会の中継があれば、ぜひ観戦したいと思う。

 
■2010/9/4 ザック?(ザッケローニ監督就任)

サッカー日本代表の新監督にイタリア・セリエAで長年監督を勤めてきたイタリア人、ザッケローニ氏の就任が決まった、とのニュースが数日前の新聞に載っていました。普段は見ない地上波テレビのニュースなどでも会見の様子が流れていたので、ちょっと見たりもしたけど「未知数」「やって見なきゃ分からないな」というのが素直な感想。というより、もっと正直に言ってしまえば「全く知らない人だから、今後どうなるか見届けるしかない」。

 私はワールド・カップ・ネタを書く際によく「ワールド・カップの時しかサッカーを見ないにわかファンは・・・」云々と、「にわかファン批判」的なことをよく書いています。ワールドカップ以外の時期も、日本代表の試合はほぼ欠かさず見ているし、Jリーグもテレビ中継が少ないからめったに見ることは出来ないけど、放送があれば見ているし、試合結果もネットのニュースや新聞でチェックしてる。ユーロ、クラブ・ワールド・カップ、コンフェデなどの大きな大会も、時差の関係で見ることが出来ない場合を除いてよく見てる。ただ、一方でヨーロッパ各国のリーグに対する関心が意外と低い。「普段からサッカーを見ている」と公言する人の大半は、イタリアのセリエAとか、イングランドのプレミア・リーグとか、ドイツのブンデスリーガとか、スペインのリーガ・エスパニョーラとか、さらにはヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグなどを熱心に見ている人が多い。だけど私は、ほとんど見ることはないし知識も乏しい。

 これらのヨーロッパのリーグの試合って、有料のスカパーなどで見ることの出来るスポーツ専門チャンネルやWOW WOWなどで放送されているケースが多いけど、私の加入しているケーブル局で見ることができるものはごく一部だけ。しかも数ヶ月遅れの録画放送。つまり「めったに見ることができないから」というのが、興味の薄い理由のひとつ目。もうひとつの理由は、選手の移籍が多すぎること、しかも国境を越えた移籍が多すぎてどのチームも無国籍状態であること。例えば今年ヨーロッパ・チャンピオンになったのはイタリア・セリエAのインテルらしいけど、ここのレギュラーの選手にイタリア人選手はほとんどおらず、チームの中心はカメルーン人のエトー、オランダ人のスナイデルら。これでは「イタリアのチーム」という感じは全くしない。しかも1年、2年で選手がどんどん移籍してしまう。これでは特定のチームに思い入れを持って応援することなんて出来ない。そんな理由で、私はヨーロッパ各国のリーグに興味があまりなかったりするわけです。おそらく、ちょっと珍しいタイプのサッカー・ファンなのかもしれないけど。

 だから、セリエAでしか監督を務めたことのないザッケローニ氏のことは全然知らない。もちろん、彼が指揮した90年代末のACミランがとても強かったことはなんとなく記憶にあるけど。今の日本人って、何でもネガティブに考えてしまう傾向にあるせいか、まだ何もしていないのに「微妙な人選だ」「イタリアでは過去の人扱いされているのに」とか、やたらマイナスな評価を多く目にする。もしも私がセリエAに詳しかったら同じ感想を持つのかもしれないけど、「知らない」から逆に「なんで?」という気がする。はっきりいえば、日本なんてヨーロッパ人から見れば、いくら今回のワールド・カップで躍進したからといっても、やはり「後進国」で「辺境の地」のはずである。元Jリーグの監督だったとかの日本にゆかりのある人ならともかく、何の縁もない人が気軽に来てくれるわけもない。なので、今現在ヨーロッパのトップチームで事績を残している人が来るわけもないわけで、「ちょっと前の人」が来るのは当たり前。そして「ちょっと前の人」であっても、これだけ実績のある人が来ること自体が凄いことだと思うんだけど・・・。また、本当にこの人が本国で「過去の人」扱いされているいる人だとすれば、「辺境の地でもう一旗挙げたい、やり直したい」という強い意志を持っているはずだし、当然モチベーションは高いはず。逆に「時の人」を呼んだ場合、ほんの数ヶ月やっただけで「日本人のレベルが低すぎてやってられない」とか、「他からより条件のよいオファーがきた」とかを理由に、簡単に投げ出して辞めてしまうはず。だとすれば、こういう人こそ最も適任なのでは? やる前からネガティブな意見ばかり述べるのではなく、「どんなサッカーをやるのか」期待して見てみたいと私は思う。

 しかし今日はワールドカップ後初の親善試合、パラグアイ戦が行われたんだけど、ビザの関係とかで強化部長の原氏が監督代行、彼の選んだメンバーでの試合になってしまったのが残念。本来なら「新監督初采配」で、大注目の試合になったはずなのに。とはいえ、ここ4,5年の親善試合といえば、微妙な相手だったり、相手が全然やる気がなかったり、相手がベストメンバーじゃなかったり、同時に日本の選手もモチベーションが低くて面白くない、眠たい試合ばかりだったのが、珍しく双方とも真剣な試合で見応えがあった。しかも新顔の香川が活躍したし・・・。といっても「ザック・ジャパンの始動」というよりは、「ワールドカップの応援ありがとう凱旋試合」といった感じで、まだ「新たな船出」という感じではなかったのも事実。監督が変わってどうなるか、今後の興味はそこに尽きるといったところ。

■2010/10/24 大沢啓二氏死去

元日本ハム監督の大沢啓二氏が癌のためなくなったというニュースはショックでした。私がプロ野球に夢中だったあの頃の名物監督がまたひとり、いなくなってしまいました。

 私が小学生だった昭和50年代前半、彼は日ハムの監督でした。当時はパリーグがテレビで語られることがほとんどなかったけど、スポーツ・ニュースを見ていたら彼がインタビューに答えている映像を見てビックリ。「です、ます」調ではなく、「〜だよな、〜だよ」というぶっきらぼうなべらんめえ口調、グラサンをかけていて顔も怖いしで、とても堅気とは思えず・・・(笑)。「デッドボールを受けて相手ピッチャーを殴った」なんてニュースも伝えられたし。ただのガラの悪い、怖いオッサンだと思っていたもの。ところが、昭和56年初優勝。その際に選手以上にはしゃいで、嬉し涙を流している姿、そしてファンや選手にも異常なほど慕われている姿を見て、「実は内面はいい人なのかな」とちょっと認識を改めたりもしました。

 そして翌昭和57年、西武の監督に管理野球の申し子で、優勝請負人ともいわれた広岡氏が就任。まだ2月のキャンプの時期から「パリーグの優勝は西武で決まり」「西武がもしも巨人と日本シリーズを戦ったらこうなる」などと過熱報道。そして広岡氏がキャンプで「肉を出さない、野菜だけのメニューを食べさせている」ことも話題に。さすがに前年優勝したのは日ハムだったから悔しかったんでしょう、大沢氏が「草しか食わないって、まるでヤギさんだな」とカメラの前で挑発、逆に親会社の日本ハムから支給された肉を選手に食わせている映像を流させて・・・。当時は「馬鹿らしいな」「大人気ないな」と思ったものだけど、「優勝チームはうちだ」って意地もあったろうし、「西武ばっかりが騒がれて他のパリーグのチームが注目されない」ことへの苛立ちもあったろうし、「パ・リーグを盛り上げたい」気持ちもあったんだろう。チームを想い、パリーグを想い、野球界を盛り上げることを考えての言動だったんだろうと思う。今思えば、こういうサービス精神も、プロなんだから必要だと思う。実際、当時のパリーグは2シーズン制だったけど、前期は西武が、後期は日ハムが優勝して、両チームでプレーオフが行われたけど、開幕前から舌戦、駆け引きの応酬で日本シリーズ以上に盛り上がったことを覚えている。でも、日本シリーズでも中日・近藤貞雄監督が「あっちが管理野球なら、こっちは自由奔放な野武士野球」と挑発したりで、この頃の監督って、こういうところも上手かったっけ・・・。

 その後、一度現場を退いて日ハム管理部長に就任、さらに平成になって監督に復帰したけど、ロッテの伊良部を「伊良部クラゲ」と呼んだりして、ここでも大いに盛り上げてくれた。評論家になってからも、ぶっきらぼうで厳しいことも言っていたけど、最後に「頑張って欲しいよな」などとフォローの一言を入れるのを忘れない人だった。早朝から「喝」「喝」と連呼していた頃は「ウザい」と思っていたけど、ただ批判するだけの張本氏とこの人ではそこが大きな違いだったと思っている。アクの強いキャラの監督って「好かれる選手にはとことん好かれるが、嫌われる選手にはとことん嫌われる」傾向にある。野村克也、星野仙一などがそう。でも、日ハムOBで、この人を悪く言う人って全くいない。ただの粗暴な人ではなくって、昔気質の「頑固オヤジ」タイプの人だったんだろう。「怖くて乱暴だけど、優しく、選手思いで、気配りもあり、頼りになる」、まさに親分。それでいてサービス精神旺盛で。お世辞にも戦術や采配面で飛び抜けて優れた監督ではなかったけど、リーダーとして、プロとしては一流で本物だったと思う。こういう人がひとり、またひとりいなくなっていくのは寂しいこと。「俺の見ていた頃の楽しかったプロ野球」の一部が、また消えてしまった。

■2010/12/5 「見なくなったはずのものを24年ぶりに見る」(プロゴルフ2010年の総括)

 今年の3月に「見なくなったはずのものを24年ぶりに見る」というタイトルで、興味をなくして24年も見ていなかったプロゴルフ中継を久しぶりに見たという話をしました。同時に10月には「見なくなったはずのものを24年ぶりに見る」のその後として、時々中継を見ているということも語りました。そして今日、男子の国内最終戦である日本シリーズの中継を見たわけですが、これで男女とも国内の大会はすべて終了。すべての大会を見ていたというわけでもないけど、時々中継を見たり、結果をネットや新聞で追ったりで、本当に久しぶりに1年を通じて「見なくなったはず」のプロゴルフに接してきました。

 ではなぜ「見なくなったはず」のものを「見てみよう」と思ったのか? それは3月のログにも書いたように、ここ数年、やけに女子プロの人気が盛り上がっていたので少し気になっていたことが最大のきっかけ。特に昨年の12月、女子の賞金女王争いが最終戦までもつれ込んで、過熱気味なほどに報道されていたので、「じゃあ、年が明けて2010年のシーズンがはじまったら、試しにちょっと見てみようかな」と思っていたわけで・・・。しかし「ちょっと見てみようかな」という気持ちで見始めた割には、気がつけば1年を通じて見続けてしまいました。

 とはいえ、きっかけは「女子プロ人気」に釣られて、というものだったけど、正直今年の女子ツアーは騒がれているほど面白いとは思えませんでした。なんといっても、昨年までよく名前を聞いていた横峯さくら、諸見里しのぶ、上田桃子、有村智恵といった人気選手が軒並み不調で、今年の大会を見る限りでは「人気先行じゃないか?」としか思えず。韓国人選手がほぼ毎試合優勝に絡んでいたし、賞金女王も韓国のアン・ソンジュ。しかも韓国人選手が圧倒的に強くて大差がついているケースが多かったので、最初から中継を見ないことも多かったし・・・。とにかく、日本の選手は大して強くない、魅力がないとしか映りませんでした。去年まではこうじゃなかったのかもしれないけど、もしも来年もこんな状態だとすれば、来年はもう見ないかもしれません。

 逆に「石川遼がミーハーっぽく騒がれているだけで、実は大して盛り上がってないんじゃないか」と思いつつ見始めた男子の大会の方は、予想以上に面白かったです。10月に書いたログに書いた通り、意外と藤田寛之や谷口徹といった「オッサン=同年代」の選手の頑張りが目立ったし、後半になって調子を上げた池田勇太も、若いながらもちょっとぶっきらぼうで職人肌で、「昔ながらのゴルファー」という感じで個性を感じるし。意外と昔と同じくらい個性的な選手が多くて見ていて楽しかったです。石川遼は、正直「まだ若い」なと。強い時は往年の青木功並みの「ミラクル」な強さを見せる一方、調子の悪いときは大崩れするしで波が大きい。まだ青木、尾崎将司、中島常幸レベルではないという気がする。ただ、好調な時のこの人のプレーぶりは、確かにスターのオーラを感じる。

 今日の日本シリーズ、賞金ランク・トップの韓国人、キム・キョンテ、2位の石川遼、3位の池田勇太、全員に賞金王の可能性があるという大変な最終戦だったのに・・・。よりによって優勝争いを演じたのは「オッサン」の藤田と谷口。おいおい、空気読めないのか?(笑)、と思いつつも、こんな時に目立ってしまうあたりもこの2人らしくていいかなと。特に優勝した藤田の安定感したプレーぶりは嫌いじゃない。結局、賞金王はキム・キョンテというわけで、男子も女子も賞金ランクトップが韓国人選手というのは複雑な気分。だけど、不思議と女子のアン・ソンジュほど「嫌だな」という気がしないのはなぜなんだろう・・・。いずれにしても、最終戦まで優勝争いも、賞金王争いも最後まで目が離せず、大変楽しめました。なので、男子の大会に関しては、「また来年も見たいな」という気にさせられました。

 というわけで、24年ぶりに見てきたわけだけど「のめりこんで見る」というほどではないにしろ、また関心が復活。近年は「かつては見ていたのに、最近は見なくなった」スポーツが多くて、気がつけば熱心に見ている競技なんて数えるほどになってしまいました。そんな中、「関心が復活」した競技というのも珍しい、来年もまた、観戦したいと思っています。

■2010/12/24 ストーブリーグに感じる違和感

 プロ野球やサッカーのシーズン・オフのことをストーブリーグと呼んでいます。そのストーブリーグの主な話題といえば、選手の移籍、引退、契約更改、戦力外通告、新人の入団、監督の交代・・・。そんな話題がネットや新聞を賑わすわけですけど、この数年、見ていて気になるというか、嫌になってしまうニュースが多いです。まあ、プロ野球はとっくの昔に見放してしまっているので人ごとのような気持ちで見ていますが、Jリーグの場合は先日も書いた通り「興味を復活させたい」と思っているわけだけど、それらのニュースを見るとますます興味が薄れてしまいそうになります。その「嫌になってしまうニュース」というのは選手の移籍と「戦力外通告」関連のニュース・・・。

 例えば横浜マリノスでは長年チームに貢献してきた元日本代表ディフェンダーの松田直樹、「10番」を背負う司令塔で元日本代表の山瀬功治、遅咲きの選手として話題になった河合、元代表の坂田といった中心選手にまさかの戦力外通告。しかも満足な説明も行わないままの通告で、選手やサポーターからも猛反発の声が。まあ、衰えが激しいとか、もう出番がないとかならまだしも、仮にも主力選手を放出するというんだから前代未聞。しかも、代わりによそのチームから主力クラスの選手を補強しようとしているとか・・・。「代わりに若手を使う」なら納得できるけど、「代わりを獲る」なら切る必然性が全くない。さらに清水エスパルスでも、かつて10代で日本代表に抜擢されて話題になった市川大祐、アトランタ五輪でブラジルを倒した「マイアミの奇跡」の際の決勝ゴールをあげた伊東輝悦という生え抜きでチームの支柱ともいえる2人が戦力外、代わりにやはり大型補強に乗り出しているとか・・・。さらに浦和レッズでは長年司令塔として活躍してきたポンテを戦力外、代わりにアルビレックス新潟のブラジル人選手獲得が決定・・・・。そもそもチームにとって「選手の補強」って、なんなんだろう?

 長年、野球やサッカーを見てきた私の考える「よい補強」とは・・・。

1.ウイークポイントを埋めるための補強

例:ディフェンスが弱く、失点の多いチームが、失点を減らすために他チームのレギュラー級のディフェンダーを獲得してディフェンスのリーダーに。代わりに今季レギュラーとして活躍してきたディフェンダーは、大量失点の責任をとらせる形で戦力外

2.チームの方針転換のための補強

例:今季は攻撃重視のメンバーで戦ってきたものの、監督交代。新監督の方針で来期はディフェンス重視のチームに方向転換。そのために敢えて攻撃の中心だった選手を他チームに移籍させ、代わりに他チームからディフェンダーとボランチ(守備的ミッドフィルダー)の選手を獲得

3.若返りのための補強

例:今季は30歳以上のベテラン・メンバー中心で戦ってきたが、そろそろ衰えも。そこで他チームから20代半ばでバリバリ働けそうな主力選手を獲得、ベテラン・メンバーの一部は控えに回って残留、一部は引退、一部は戦力外

4.チーム低迷打開のための補強

例:今年は大きく負け越してしまい、チームが崩壊。一からチームを立て直すため、今年活躍できなかった選手を大量解雇。逆に名門チームから「勝つためには何をすべきか?」を知り尽くした、チームの支柱になれそうな選手を補強、この選手を中心にチーム再建を図る

・・・以上のような補強が「正しい補強」だと思います。

 ところが、先に述べた3チームの「戦力外→補強」の手法を見ると、今述べたどれにも当てはまらない。特にマリノスの例は、ただ「生え抜きを追い出して、その代わりをよそから代わりを補強している」だけ。よそからわざわざ同じような選手を獲得するんなら、チームにとっても精神的支柱ともいえる松田や山瀬を切る意味がない。いや、技術や実力以外の面でもチームに貢献できる選手を放出するのは、むしろマイナスにしかならないんじゃないかと思う。レッズの例も同様。ポンテは最早チームの顔だし。清水は監督の交代の影響とか、「若返り策」ととれなくもないけど、やっぱり「わざわざ出してしまう必要があるのか?」と思ってしまう。

 私がプロ野球への興味を失った理由は、以前から述べているとおりいろいろあるけど、その理由のひとつが「不可解なFA補強と戦力外通告」。ひとつのチームをずっと応援し、勝ち負けに一喜一憂できるのは、そのチームが好きとか、そのチームが地元球団だからとかっていう理由もあるけど、「好きな選手がいるから」とか、「入団からずっとひとりの選手に注目して、成長ぶりを追ってきたから」っていうのも大きな理由なんじゃないでしょうか。つまり「チームが好き=所属している選手が好き」。私はそうでした。広島カープを応援していた昭和50年代〜60年ごろまでは、広島に所属している選手全員が好きで、思い入れを持って追い続けていたもの。ホークスを応援していた時期だって同じ。だから、唐突に「好きでずっと追いかけていた選手」がいなくなってしまうと、異常に寂しく思ったものだし、よそのチームのユニフォームを着ているのを見ると、その寂しさは更に強くなっていたもの。逆によそから入ってきた選手が活躍しても、応援はするものの、生え抜きの選手ほどには思い入れはもてなかったもの。

 だから、選手の移籍が多く、簡単に戦力外通告してしまう、そんな21世紀以降のプロ野球に違和感を覚えてる、それがプロ野球から興味を失った理由のひとつなんです。Gに関しては、もう諦めているけど・・・例えば今の阪神ファンの人って、なぜ広島の新井、金本、西武のブラゼル、ホークスの城島などを心の底から応援できるのか、正直私には理解が出来ません。亡くなった村山実氏が「タイガースの選手は生え抜きでなければ」って解説者時代に熱く語っていたものだけど、いまや生え抜きのレギュラーなんてほとんどいないみたいだし・・・。ホークスも意味不明なFA選手の2人の入団を発表していたし、ペタジーニを切ってカブレラを獲得って、わざわざ「放出→補強」する意義が全く感じられないし・・・。楽天でもメジャーから帰ってきた松井稼と岩村の入団に伴って、ずっとチームを支えてきた渡辺とかいう内野手が放出されて涙を流したと聞く。まあ、「正しい補強」の4.のパターンととれなくもないけど、ファンにとってこれって喜ばしいことなんでしょうか?

 今のJリーグも同じ。サッカーの世界の場合はヨーロッパ各国のリーグを見れば分かるとおり、選手の移籍が非常に多いわけだけど、そういう悪い部分までもを真似る必要はないだろうに。Jリーグ開幕当初から選手の入れ代わりが激しすぎて、「選手が好き=チームが好き」という形での思い入れが持ちづらいと思っていたのは事実だけど、今回の件は、特にマリノスの件はJリーグ開幕以来でも稀に見るほどの不可解な例。こういうことをされてしまうと、ますます「贔屓チームがないから、なんとなく見る気がしない」方向に流れてしまいそうで・・・。Jリーグも、プロ野球のように興味を持てなくなってしまうんじゃないかと思うと、気分は複雑です。

■2011/1/30 課題は山積み、だけど素晴らしい優勝(アジアカップ優勝)

 朝8時過ぎに出かけて夜10時過ぎに帰宅する毎日なので、年明け直後に予告したとおり、ここに手をつけられるのは週1回程度になっています。

 だけど、今回のサッカー・アジアカップはカタールで行われた関係上、試合開始が10時や11時くらいというケースが多かったので、日本の試合は2試合目のシリア戦を除いて、すべて見ることが出来ました。結果はご存知の通り、決勝でオーストラリアを下して優勝。まあ、昨年のワールドカップでの躍進を考えれば、優勝しても不思議はないのかもしれないけど、今回は監督がザッケローニに交代したばかりでチームも未完成、メンバーも敢えて若い選手中心に切り替えたことで経験不足の感も否めなかったし、開幕前にディフェンダー陣のニューリーダーとして期待されていた槙野他けが人も続出。個人的には「大躍進か、大コケするかのどちらか」だと思っていたので、期待と不安が入り混じった状態での観戦でした。

 そして初戦、格下のヨルダンに1-1の引き分け。ボールを支配するが、ゆっくりとしたパスを回すだけで、退屈で迫力のない攻撃、ガタガタでミスの多いディフェンス・・・、「ああ、ひょっとすると大コケ?」という悪い予感も。だけど2戦目のシリア戦、深夜の試合で観戦はできなかったけど、キーパーの川島の退場という逆境を乗り越えての勝利、すでに敗退が決まってモチベーションが下がっていたとはいえ、強敵のサウジに5-0と大勝した2試合を経て、「苦しみながらも何とか勝っている」状態に。さらに準々決勝の地元・カタールとの試合、実は私は吉田が退場になって、2-1とリードされた後半20分くらいで帰宅したので、この試合はそこからしか見てないんだけど、普通ならモチベーションが下がってしまいそうな逆境から2点を奪って逆転勝ち。この試合を見た時に「今回のチーム、だんだん強くなっている、ひょっとしていける?」と思えるようになりました。まあ、もともと未完成で経験の浅いメンバー中心のチームなわけだから、「苦しんで勝つ」ことでどんどん成長するし、勢いにも乗るわけだから。

 そして準決勝の韓国戦。90分の中では1-1で延長戦に入ったけど、内容的には日本が圧倒していた。特に中盤の本田と香川がポジション・チェンジしながら、早いパス回しで攻め上がると、韓国のディフェンダーは全くついていけていなかったし。Jリーグ開幕以降、日本のレベルが上がって韓国に追いついてきたことから、日韓戦となると「ライバル対決」と称されることも多いけど、正直、いつの時代も韓国の方が自力では上だったはず。「韓国を圧倒した日本代表」というのは、はじめて見たような気がする。それなだけに「90分で勝負をつけて欲しかった」「90分で勝てる試合だった」気はするし、90分で勝てなかったあたりが課題といえば課題。しかも延長戦でも、せっかく前半に細貝のゴールでリードしたのに、延長後半終了間際にディフェンス陣のミスで追いつかれてしまったわけだし。川島のファインセーブのおかげで、PK戦を制して決勝に進出することができたからよかったけど、楽に勝てなかったあたりは課題が残ったと思ってます。とはいえ、本田と香川が韓国のディフェンダーをキリキリ舞いさせたあたりは、韓国にどうしても勝てなかった80年代からサッカーを見続けてきた私にとっては、衝撃的な光景でした。

 そして決勝。今度は香川が戦線離脱。しかも相手はオーストラリア。どうしても2006年のワールドカップでの惨敗を思い出させる嫌な相手。しかも今回の日本のディフェンダー陣の経験不足を思えば「ヤバイな」と。事実、オーストラリアに圧倒されっぱなしの試合内容。前半は一方的に攻められっぱなしだし。ところが後半、香川の代役として投入したものの、機能していなかった藤本に代えて、敢えてディフェンダーの岩政投入。サイドバックの長友を中盤に上げるという、今までやったこともないシステムに変えて、「大丈夫か?」と思いきや、なぜかリズムがよくなって・・・。そして延長で途中交代で、今大会ほとんど出番のなかった李が決勝ゴール。ただ、その後も攻められっぱなしだし、ヒヤヒヤの連続。結局、相手がシュートをことごとく外してくれたおかげで逃げ切って優勝・・・。

 まあ、経過に関して述べてきたけど「会心の勝利」といえるのはサウジ戦くらい。内容的には決して「よかった」といえるほどではないと思う。槙野不在とはいえ、中沢、闘莉王の後の世代のフェンダー陣の経験不足と頼りなさ、相変わらずゴール前で思い切ってシュートが打てないシーンも多いし、不用意なミスからの失点も多いし・・・。だけど、全試合苦しんだ末の勝利。ヨルダン戦は確かに「全く駄目」な内容だったけど、GK退場の逆境を乗り越えて勝利したシリア戦、相手のホーム、しかも一人少ない状態から大逆転で勝利したカタール戦、延長、PKまでもつれ込んだ死闘と化した韓国戦、一方的に攻められながら少ないチャンスを生かして勝利した決勝・・・。若いチームだからこそ、未完成なチームだからこそ、「苦しんで勝つ」ことで成長していくはず。選手にとってはよい経験になったのではないかと思う。しかも「優勝」という結果も残したわけだから言うことはないでしょう。あと、ザッケローニ監督の采配。途中交代やシステム変更がすべて当たったし、冷静で温厚そうで、押し付けがましさがないにもかかわらず、選手の心を掴んで、自身の戦術を浸透させてチームを引っ張っていくあたりは、「名監督」の予感も。以前も書いたとおり、私はセリエAに詳しくないので、セリエAでどんな監督だったのかは知らないし、「微妙」という声もあったけど、私にはJリーグ開幕以降の代表監督では最も「よい監督」になりそうな気がしてならないところです。

 ということで、苦しんだけど結果を出してくれたことは素直に嬉しく思います。次のワールドカップまでまだ3年。その間、日本代表がどんなチームになっていくか、楽しみでなりません。いや、こんなに日本代表の「成長」ぶりが楽しみに思えるのは、約10年前、トルシエ時代以来かもしれません。

■2011/2/6 最悪な解説者=人気解説者??

 先週書いたとおり、忙しい最中とはいえ、サッカー、アジア・カップの中継はしっかり見ることが出来ました。しかし中継に不満が。なぜ、よりによってテレビ朝日の独占中継? 別にテレ朝には何の恨みもないけど、この局がサッカー中継する際は、絶対解説が松木安太郎。前から何度かそれとなく書いてきたけど、私はこの人の解説が大嫌い。いや、この人を解説者として一切認めていません。何が嫌いって・・・。

 アナウンサーを遮って実況しまくる。いや、実況はアナウンサーの仕事、あんたの仕事はあくまでも解説でしょ?さらに「やったー」「決まったー」などと絶叫しまくり。やかましい!!!そして最悪なのは「今のはPKだろう」「ハンドだろう」などと、判定に対してクレームつけまくり。もちろん中には不可解な判定もあったけど、あんたの仕事はクレーマーじゃなく、解説でしょ? テレビの前で「やったー」「惜しい」などと絶叫したり、「今の判定はおかしい」と興奮して突っ込んだりするのは、私たち視聴者=素人の姿。彼のやっている仕事は「解説者」ではなく「視聴者の代弁者」に過ぎない。そんなの、別に専門家に語って欲しいとは思わない。解説者の仕事っていうのは、素人には分からない技術論、戦術論を語ったり、素人が気がつかないであろうよいプレー、悪いプレーを指摘したり、素人では分からないであろう試合の今後の展開を読んだり、そういう「専門家でならではの目線で語る」ことだと思っています。いや、これは私個人の私論じゃなく、解説者っていうのは本来、そういうものではないでしょうか。本当に聞いていてイライラするし、「少し黙っていてくれないか?」と何度も突っ込みたくなり、試合の観戦の邪魔でしかありませんでした。

 あと12月〜3月はマラソン、駅伝のシーズン。そうした中継でも個人的に「聞き苦しい」と思う解説者がいます。その人は増田明美。デパートの店内放送のような柔らかい口調と、意外なほどの美声の一方、話の内容は・・・。選手について語る時に、話が長すぎる。アナウンサーが誰かの名前を挙げただけで「どこで合宿を張っていて」「コーチからこんなアドバイスをされて」「先月膝を痛めて」「毎日何キロ走り続けて」云々と話が止まらなくなる。その間にレース展開が変わってしまって・・・。さらに無駄知識が多すぎ。「〇〇さんの趣味は・・・」「〇〇さんの息子さんはサッカーが好きで・・・」「〇〇さんの実家は郷土料理の店で・・・」いや、いらないよ、そんな知識。それに許可をとって話してるのか? 許可をとっていなかった場合、個人情報漏洩に近い内容のことも平気でしゃべってるし。「〇〇さんの彼氏の××さんも応援に来ています」と言い出した時は、さすがに「大丈夫か?」と思ったもの(笑)。あと、優し過ぎるのか、選手を悪く言えない。アナウンサーが「〇〇さんが遅れ気味ですね」と言っても、「〇〇さんは何処何処で3ヶ月も練習をしていて・・・(中略)・・・だからまだまだ大丈夫です」と無駄知識をばら撒いてしゃべっているうちに、あっという間に姿が見えないほど遅れてたりとか(笑)。駄目な時に「駄目」って言えないのは、この人の優しさなのかもしれないけど「解説者」としては「失格」だと思います。

 ところが世間一般では、この2人の解説は好評だとか。松木評は「面白い」「何を言い出すか楽しみ」「一緒に観戦しているような気分になる」、増田評は「素人にも分かりやすい」「柔らかい口調で親しみやすい」・・・。うーん、世間一般の人たちは、解説者に何を求めてるんでしょうか? 私は「一緒に盛り上がってくれる人」なんて必要ないし、「解説を聞いて面白いから」なんて理由でスポーツ中継を見たいとは思わない、いくら分かりやすくっても、無駄知識なんて聞きたくない。専門家ならではの目線で、専門家しか分からないであろう技術論や戦術論が聞きたいんだけど、世間一般の人はそうではないらしい。でも、松木氏のような話なら、別に専門家でなくっても語れるわけで、増田氏の話も、選手と仲良くなって雑談してたら自然に聞き出せそうな話ばかり。だったら素人の誰かを実況席に座らせてしゃべらせても同じでしょ? こういう解説を公共の電波を使って流す今の放送局にも呆れるけど、それを見て喜んでいる人たちの感覚も私には理解不能。地上波のテレビなんて「理解不能なほど面白くない」と思っている私だけど、日頃からそういう番組を作っている人たちが制作して、日頃からそういう番組を見ている人たちが喜んで中継を見ているんだろうから、私と感覚がずれているのは当たり前なのかもしれません。しかし、繰り返しになるけど、どうして松木氏の解説を聞いて「面白い」と思えるのか、私にはその感覚が分かりません。実はおかしいのは私の方なのか?

■2011/2/20 女子マラソン界に希望の光?(尾崎&中里)

 1月〜3月は毎週のようにマラソンや駅伝の大会が行われる時期で、1980年代以降、この時期は毎年、家にいる日曜はテレビで観戦し続けてきました。ただ、以前から書いている通り、日本の男子マラソンに関しては1990年代半ば以降、長い低迷が続いているし、特にこの5,6年はサブテン(2時間10分を切るタイムで走ること)の選手もほとんど現れないほど、情けない状態が続いていて、見ていて気持ちが沈んでしまいます。一方で女子の方は、1980年代は後進国だったものの、1991年の世界陸上での山下佐知子の銀メダル、翌年のバルセロナ五輪での有森裕子の銀メダルを境に大躍進を遂げて、特に1990年代後半〜2000年代前半までは、選手層の厚さでも、実力でも世界でもトップクラスだったもの。次から次に新しい選手が出てくる、常に世界トップクラスのエースがいる、そんな感じだったはずなのに・・・。

 北京五輪での野口みずきの故障による欠場を境に、エースらしいエースもいない、新しい選手も出てこない、国内の大会で日本選手が優勝はするけど、タイムは1990年代前半の選手と同じ程度・・・。つまり気がつけば「低迷」どころか、むしろ「退化」しているような状態に。テレビで中継を見ていても全然盛り上がらないし、日本人選手が優勝してもタイムは平凡だし、「強いな」と思えるような圧倒的な強さもないし。中継を見た後に印象に残るのは、先日も書いた増田明美の迷解説や、選手に関する無駄知識だけ(笑)。貴重な休みの日に、2時間以上もの時間を無駄にしてしまったような虚しさが残る、この2,3年はそんなレースばかりでした。事実、1月に行われた「大阪国際女子マラソン」も、もはやベテランで、峠を越していると思われる赤羽有紀子が、2時間26分台という、1990年代半ばのトップ選手並みの、今の時代では平凡にしか感じられないタイムでの優勝。別に嫌いな選手ということはないけど、代わり映えのしない選手だし、圧倒的な強さも感じなかったしで、やはり見終わった後に印象に残ったのは増田明美の迷解説だけ・・・(笑)。という寂しい状態だったものでした。

 そして今日は「横浜国際女子マラソン」。長年続いた「東京国際」に代わって昨年から始まった大会。一昨年の世界陸上銀メダルの尾崎好美くらいしかトップ選手はいないし、2回目のマラソンの新星、中里麗美を「期待の若手」と煽っていたけど、ここ数年「期待の若手」といわれる選手は失速して散々な結果に終わっているので、大して期待はせずに観戦していました。尾崎好美にしたって、世界陸上のメダルの後、故障して低迷している。「世界陸上や五輪で活躍後、故障→フェイドアウト」という選手も多いわけだし。

 ところが、久々にハイペースでレースが進む。この数年の大会って、どれを見ても5,6年前の大会よりもペースが遅くてタイムが悪いのが常なだけに、ちょっとだけ期待。とはいえ、後半30キロ以降、タイムが急に遅くなるレースが多いのもこの数年のパターンだから「どうせ後半は・・・」と思っていたんだけど、ペースメーカーが外れても落ちることもなく・・・。しかも尾崎と中里がしっかりポルトガルの選手についているし。そして尾崎がスパートして逃げ切り。この尾崎の勝負どころでの仕掛けは絶妙だし、1人になってからもペースが落ちることもなく。久々に「エース級」らしい圧倒的な強さを感じさせる優勝でした。しかもタイムも日本人としては久々の2時間23分台。2000年前後は日本人が当たり前に出していたタイムなんだけど・・・。私の考える「強いマラソン選手」像は、「勝負どころを読んで自ら仕掛けられる選手」「後半もペースが落ちない選手」。その2つの条件を満たす「強さ」を見せてくれた日本人選手を久々に見た気がします。野口の故障以降、「エース不在」だった日本に、ようやく「エース」と呼べる人が出てきたな、という気がします。

 そしてもう1人。2位に中里。タイムも2時間24分台。2回目のマラソンでの2時間24分台は立派だし、ここ数年「期待の若手」の肩透かしが続いていただけに、久々に希望の光を見た気がしました。しかも小柄で甲高い声は千葉真子を、大きな目と終始絶やさない笑顔は高橋尚子を髣髴とさせるキャラで、もっともっと強くなったら人気も出そうな感じ。近年は強くないだけでなく、キャラも地味な選手が多かっただけに、久々に華のあるキャラの、スター性のありそうな選手が出てきたことにも希望を感じました。相変わらず増田明美の無駄知識(=ポルトガルの選手が前日、ファミレスでタンメンを食べた)が炸裂していて、それも印象に残ったけど(笑)、それ以上にレース内容が印象に残る中継になりました。2時間以上も中継を見ていて、時間が長く感じることもなく、「時間を無駄に過ごした」様な気分にもならなかったのは久しぶりでした。それだけじゃなく、尾崎は世界陸上出場内定、世界陸上や五輪での活躍が楽しみだし、中里は今後の躍進に期待したいところだしで、今後にも期待が持てそうなのも嬉しいところです。

■2011/3/10 高校野球の監督=教育者(尾藤監督死去)

 先日、元箕島高校野球部監督だった尾藤公氏が亡くなったとのニュースを目にしました。高校野球に関しては「こんなもの」を書いて、かつては思い入れが強かったものの、今は全く見なくなったと述べたけど、その「興味を持ち始めた頃」にあたる1978年前後に甲子園の常連だった箕島高校の監督だった人ということもあり、私にとっては「お馴染みの人」。それなだけに池田高校の蔦監督が亡くなった時同様「古き良き高校野球の時代が終わってしまった」という思いを強くさせられました。この2人に共通するのは、地方の、しかも(失礼かもしれないけど)田舎町の県立高校で、越境入学者もいないチームを率いて、常勝チームを作り上げたということ。そして何より、「監督である前に教育者だった」という点ではないでしょうか。今では高校野球の監督といえば、「越境入学者を集めて強さばかりを求める」「勝つためには手段を選ばない」人が多い。事実「相手の4番バッターを全打席敬遠して、相手の気持ちを傷つけても平気でいられる人」や「相手チームを中傷するようなコメントが平気で出来るような人」もいるくらいだし。

 ところが尾藤監督、チームがピンチになってもいつも笑顔、選手がミスをしてもいつも笑顔、いつしか実況アナウンサーが「尾藤スマイル」なる造語まで生み出した程。「のびのびプレーさせている」、にもかかわらず基本に忠実で負けない、そつのない野球をやる人で「凄い人なのか、ただ笑ってるだけの能天気な人なのか分からない」と思ったものだけど、そんな人だから選手の気持ちを掴むことが出来たんだろうという事が、今なら分かります。

 そして私が「この人は勝利至上主義とは真逆の、真の教育者だ」と思った感動のエピソード・・・。数年前、1979年の夏の大会で延長18回までもつれ込んで歴史的な試合になった、対星稜高校戦を特集したドキュメンタリー番組が放送されているのを偶然を見ました。私もリアル・タイムで試合を見ていたので、何度も先行の星稜が勝ち越し点を奪ったものの、その裏にすぐに箕島が追いつく、という展開だったのは覚えていました。・・・延長16回にも星稜が勝ち越し点を奪って、その裏の箕島の攻撃は簡単に2人が凡退してツーアウト。星稜の勝利まであと1人。というところで箕島のバッターが一塁へのファールフライを打ち上げる。試合終了か、と思った瞬間、星稜の一塁手が落球。しかもその直後に同点ホームランが出て・・・。その後、延長18回に箕島がサヨナラ勝ちしたわけだけど、あの時、星稜の一塁手が落球していなかったら、星稜が勝っていた。きっと、あの時の一塁手は一生、その重荷を背負って生きてるのかな、と私も思っていたわけだけど、この番組では、その一塁手の今も追っていました。

 結局、そのことが負担になって野球は辞めてしまったとのこと。まあ、そうだろうな。ところが、そんな彼のことを心配していた人がひとり。なんと、彼のことを気にかけていたのは、対戦相手の箕島高校の監督だった尾藤氏。21世紀になって、当時のメンバーが集まった親善試合が行われたとかで、その際にも「あの時の彼に会って、どうしても声をかけてあげたい」ととても気にかけていたとか。いや、正直私はその話を聞いて、大変感動させられました。高校野球の監督なんて、所詮「目先の勝利」だけに執着しているものだと思っていた。「卒業後も、自分の教え子のことを気にかけて、世話をしてくれる」人というのも、もちろんいるとは思う。だけど、30年以上も前の試合の対戦相手の選手=生徒のことまで心配して、気にかけてくれる、そんな人がいるなんて。おそらく、この人は「監督」である前に「教育者」なんだと思う。「選手」ではなく「生徒」。こういう人こそが真の「高校野球の監督」。「目先の勝利ばかりを追及する」「相手選手の心を傷つけたり、相手校を中傷したりする」ような人は「教育者」ではない。もちろんスポーツだし、勝負だから、「勝つこと」は大切だろうけど、こと高校スポーツというのは「教育」としての側面も持つものだから、「教育者」でなければ務まらない私は思うんだけど。「野球の上手い選手を育てる」のではなく、「生徒を教育する」人。

 こんなことを書くと「綺麗事だ」と思われてしまうんでしょうか。だとすれば、私が好きで、熱中して観戦した、私にとっての「真の高校野球」はとっくに死に絶えたということなんだろうな。蔦監督、小島監督(津久見高校)、そして尾藤監督。最も「高校野球の監督らしい監督」だと思っていた人たちがいなくなった今、そう思わずにはいられないところです。

■2011/3/31 記録に残らない、記憶に残る試合(サッカー日本代表復興支援慈善試合)

 先日、東日本大震災復興支援の慈善試合、サッカー日本代表vsJリーグ選抜チームが大阪で行われたわけですが。この日は夜10時まで仕事だったので、録画予約をしておき、同時に帰宅まで一切の情報(結果や経過)をシャットアウトして、帰宅後に観戦しました。この試合、国際Aマッチ(代表同士の試合)でもなければJリーグの公式戦でもない、つまり「記録には残らない試合」だったわけだけど、おそらく一生記憶に残る試合になりそうです。

 「被災者のために何かしなければ」という選手やサッカー協会の関係者の働きかけで実現した試合であり、私自身は「有意義で素晴らしいことだ」と思っていました。だけど一方で「大変な時にスポーツなど不謹慎」という人も一部にいたのは事実。それに私自身は何の被害も被っていないので、いくら綺麗事を言っても、被災者の本当の気持ちが理解できるわけでもないので「サッカーの試合を見て本当に勇気づけられ、励まされるのか?」という疑問も若干あったのは事実。だけど、試合の数日前からザッケローニ監督や代表の選手自身が募金活動を行ったり、試合当日も会場周辺でサッカー協会の幹部や、ラモス、岡田前監督、セルジオ越後氏などのOBまでもが募金活動を行ったりと「サッカー界全体で何かをしよう」という姿勢は大いに共感できました。「自分たちが出来ることをやる」という姿勢が大事だろうし、その気持ちはいろんな人を動かすことが出来るだろうし、励ますことだって出来ると思う。そういう意味でも、この試合は「開催したこと自体に意義がある」試合だったんじゃないかと思います。試合の方は「慈善試合=イベント」かと思いきや、みんな結構真剣にやっていたのが印象的でした。「真剣に全力でプレーをする姿を見せること」こそが選手にできることだという自覚があったのかもしれません。試合開始前のセレモニーでも長谷部、中沢両キャプテンの挨拶があったり、全員で肩を組んでの君が代斉唱があったりで、今までに見たこともない、おそらく今後も見ることがないであろう、ちょっと独特な空気を感じました。

 試合内容としては、前半は日本代表がアジアカップ優勝メンバー、つまり現段階でのレギュラー・クラスの選手が登場していたので、完全に圧倒。「本田がボールを置いた後、遠藤がフリーキックを決めた」シーンは昨年のワールドカップのデンマーク戦を思い出したし、本田→岡崎の速攻からの2点目も、今の代表「らしい」得点だったしで、「今の代表はやっぱり強いな」と。Jリーグ選抜では被災地・大船渡出身の小笠原にもっと頑張って欲しかったけど、意外と目立たずに残念。フリーキックやコーナーキックは、なぜか小野が蹴っていたけど、小笠原に蹴らせて欲しかった。だけどインタビューで被災地への想いを語っていて、普段は無愛想で無口な人だけに、逆にその言葉に重みを感じました。「交代枠なしで全員を出場させる」ルールだったので、後半になって日本代表がメンバーをほぼ総入れ替えしたのが残念。もう少し、レギュラー・クラスの選手のプレーが見たかったところです。

 そして後半はJリーグ選抜が途中出場でカズの登場。ネット上や新聞を見ると「カズがゴールを決めた」ことばかりに話題が集中しているけど、まあ、確かに彼のゴールは賞賛されるべきものだとは思う。だけど私は、せっかくだから被災地のチーム、ベガルタ仙台の関口あたりにゴールを決めて欲しかったと思う。それにカズが頑張っているというのに、次の世代を担いそうな若手、原口、ハーフナー・マイク、平井らが全く存在感がなかったあたりが寂しいところ。それと後半に出てきた日本代表の選手、藤本、乾、柏木、家長、李などの連携の悪さ、動きの悪さに不安を覚えました。今後ひょっとすると「海外組」の本田、長友、長谷部らが所属チームの事情で代表に参加できない試合があるかもしれないし、そうなるとこの後半に出てきた選手たちに頼らざるを得なくなることもあるはず。その肝心の人たちのレベルがこれでは心もとない。むしろ逆に慈善試合とは思えないほど熱くなってプレーしていた闘莉王、「この人はまだ代表に必要なはずだ」と思いました。正直、不安の残るディフェンダー陣、岩政や栗原が代表に選ばれるくらいなら、彼を選ぶべきじゃないかと思います。

 ということで、慈善試合=レクレーションのような試合になると思いきや、見所も多くて面白い試合だったと思います。同時に出場選手だけではなく、関係者も一体となって「少しでも被災者の力になりたい」という想いの伝わる、よい試合だったと思います。「こんな時に不謹慎」云々という考え方には、私は元々違和感を持っています。平成に入った頃から、大きな事件や事故の際は「何でもかんでも自粛すべき」という風潮になってるけど・・・。「悲しんでいる人がいるんだから、一緒に悲しまなければいけない」というのは間違いじゃないけど、「一緒に暗く、沈んでしまわなければいけない」というのは絶対違うと思う。今回も、被災しなかった私たちは元気に生活していかなければいけないんじゃないかと思う。日本全体が暗く沈んでしまうと、どんどん衰退して元気も活力もない国になってしまう。だからこそ「今、元気で、出来ることがある人は、元気に過ごし、自分に出来ることをやっていけばいい」私はそう思います。今回の試合は、サッカー界が「出来ることをやろう」とした成果だったんじゃないかと思います。また「サッカー界全体で取り組んでいる」という姿勢が、選手やファン、他のチームやリーグの意思を無視して一部のチームだけが「強行開幕」を試みようとした、どこぞのスポーツ界との大きな違いだとも思います。こういう「一体感」もまた、人の心を動かした理由だと思います。それと最後に「こんな歴史的試合の解説が松木安太郎じゃなくって本当によかった」(笑)。

 
■2011/6/12 日本陸上選手権:再び

 昨年の今頃、テレビで日本陸上選手権をテレビ観戦して「こんなもの」を書きました。というか、あれからもう1年経つのか・・・。そして今年も土日にNHK総合テレビで同じ大会の中継があったので2日連続テレビ観戦しました。去年は休みが日曜のみだったので、最終日しか見ることが出来なかったけど、今年は珍しく2連休、2日ともゆっくり見ることが出来ました。特に今年は8月に行われる世界陸上の代表選考会も兼ねているので、昨年以上にネットや新聞でも話題になっていたので「ちょっと見てみるか」という感覚ではなく、結構楽しみにしていたし・・・。

 話題はいっぱいあったけど、まず男子ハンマー投げの室伏広冶が17年連続優勝、男子やり投げは村上幸史が12年連続優勝。ともに2位との差を大きく開けての優勝。この2人が強いのは分かるけど、この2人とそれ以外の選手とのレベルの差は、ほとんど大人と子供並みといってもよいほど。逆に選手層の薄さ、他の選手の不甲斐なさに驚かされた。だけど、これでも2人とも既にベテランで全盛期を過ぎているので、数年前と比べると差が縮まってきているんだとか。いやはや・・・。

 それから、北京五輪の400メートル・リレーで奇跡的ともいえる銅メダル獲得で一躍、日本期待の種目になっていたはずの男子の短距離。「あれ、どうしたの?」という感じ。あれから朝原は引退したけど、その時のメンバーだった塚原、末續、高平が引っ張り、そこに去年この大会で優勝した若い江里口らが加わって、「今後期待が持てる」と思っていたのに・・・。なぜか塚原、末續の姿はなく(故障? 不調? 放送の中では触れられず)、100メートルの決勝では江里口が優勝はしたけど、タイムも平凡で全く盛り上がらず。200メートルで「この数年は不調」とされていた高平がA標準突破しての優勝で世界陸上の内定を勝ちとったのが唯一の見せ場。男子の短距離、たった1年の間でなんでこんなに盛り下がったんだろう?

 他にも、女子走り幅跳びで昨年優勝、近年は国内の女王だったはずの桝見の姿がなく(故障欠場らしい)、とっくに峠を過ぎたと思っていた井村(旧姓:池田)久美子が優勝したり、女子の長距離では故障とかで福士加代子の姿がなかったり、女子の110メートル・ハードルでも女王の寺田明日香や、グラビアなどタレントのような活動をしていて知名度の高い城下が準決勝で敗退して、昨年テレビ観戦してた際に「この人、知らなかったけどカワイイかも」と思って気になっていた(笑)木村文子が優勝したりの「波乱」も・・・。しかし優勝インタビューで木村がしゃべっているのをはじめて見たけど、明るく、笑顔での応対の一方で、礼儀正しく知的な感じで悪くない。いや、今後注目していこうかな、と思ってしまいました。

 とはいえ、やはりいちばん盛り上がったのは、女子100メートルと200メートルに登場した福島千里。昨年末のアジア大会での活躍で、いまや陸上やスポーツに詳しくない人にまで知られる人気者になってしまったし、なおかつ、今年はまだ大学生の若手の市川華菜との「美女対決」云々といって一部のマスコミが煽っていた様子だし。ただ、私は「まだそんなレベルじゃないだろう」と冷めた目で見ていました。市川はまだ「ライバル」云々というレベルではなかろうと・・・。案の定、まだまだ実力差があったようで、大差がついた。とはいえ、まだ若いし、今後が楽しみ。それ以上に、福島と同い年で、ずっとライバルとしてしのぎを削っていたはずの高橋萌木子の不調と、高校1年ながら100メートルでその高橋と同着の4位に入った土井の早熟さ、そして相変わらずのインタビューでの福島の天然ぶり(笑)の方が印象に残りました。

 そして最後の最後に驚いたのは・・・。女子5000メートル。「小出の愛弟子」の新谷仁美や数年前まで早熟な天才ランナーといわれた小林祐梨子を抑えて優勝したのが絹川愛。高校生時代に北京五輪の有力候補として注目されながら、合宿先の中国で「原因不明の難病」に侵されて再起不能といわれていた選手・・・。しばらく名前も聞かないし、とっくに引退してるものと思っていたから、大会に登場したこと、決勝まで残っているということ、それだけでも「奇跡」なのに、いきなりA標準をマークしての優勝で世界陸上代表内定。いや、テレビ中継の話題は「福島、福島」だったけど、実は最も印象に残ったのは、この絹川の「奇跡の復活劇」の方でした。

 というわけで、話題豊富でどの競技も楽しめました。一方で、国内で勝ったといっても、世界とのレベル差の大きい競技が多いのも事実。この中からどの程度本番=世界陸上で活躍できる選手が登場するのか、不安な反面、楽しみでもあるところです。世界陸上や日本選手権だけじゃなく、もっとフィールドの陸上競技、テレビ中継して欲しいです。

■2011/8/7 現役選手急逝の衝撃と違和感(松田直樹急逝)

 元横浜マリノス、元日本代表で、今はJFLの松本に所属する現役のディフェンダー、松田直樹が急逝。まさに現役バリバリのサッカー選手、しかもグランドで練習中に突然倒れてという亡くなり方はあまりにも突然で唐突。本当にビックリでした。

 1996年のアトランタ五輪でブラジルを破った「マイアミの奇跡」の時のメンバーで、次のシドニー五輪の時もオリンピック代表。そのままトルシエ・ジャパンではレギュラーとして活躍。Jリーグ開幕以前からサッカーを見てきた私にとっては、中田英寿らが登場した時「今までの選手とは全く違う、新しい世代が出てきたな」と思ったわけだけど、彼はその中田と同い年だったので、その「新しい世代」のひとりとして見てきた。頭ごなしに選手を「支配」するような采配のトルシエにも時には激しい口調で反論したり、インタビューでもぶっきらぼうで、プレーも熱く、激しい。悪く言えばラフプレーも多い。そんなイメージを持っていたもの。それ故にジーコには嫌われたのか、2006年のワールドカップ時は代表から外れたけど、個人的には小柄で体格的にも劣る宮本よりも、彼を代表のディフェンダーのリーダーと残して欲しいと思ったりもしたもの。頭に紐のようなヘアバンド(バンダナじゃない)を巻いた姿は、遠目に見てもすぐに「松田だ」と認知できるほど特徴があったし・・・。そんなこんなで、実は普段はあまり注目したり意識したりしたことはなかったけど、「気がつけばそこに当たり前のようにいる選手」でした。しかも、まだ現役バリバリで持病もなかったようだし、そんな選手が突然逝ってしまった・・・。やはりショックは大きかったものです。

 とはいえ、旧所属チームである横浜マリノスの対応やマスコミの報道ぶりに違和感が。マリノスの社長が涙ながらに会見したとか、献花台を作ったとか、おいおい、ちょっと待てよと。昨年暮れに、私はこんなものを(こちら)を書いた。本人はマリノス一筋で現役を終わることを願い、サポーターも願っていたのに、理不尽で不可解な戦力外通告。本人は涙ながらにマリノスへの想いを語っていたのに通じず。こんな惨い仕打ちをしておきながら、よくもヌケヌケと!! そんなチームに「追悼」されても、あの気性の激しい松田が喜ぶとは到底思えない。あとマスコミも美談ばっかり持ち出して「惜しい人を亡くした」一辺倒。もちろん、こんな時に悪い部分を語る必要もないけど、どうしても私の中で「松田直樹=歯に衣着せぬ発言、激しすぎるプレー」のイメージが強いので、美談ばかり持ち出されると気持ち悪く感じる。なんか、過剰に美化されているいるようで違和感が・・・。「口が悪かった」「ラフプレーが多かった」、だけど、そういう部分もひっくるめて「愛すべき、惜しい人を亡くした」では駄目なのかなあと。先日自殺した伊良部も「実は繊細な人だった」的な報道が多いし。「欠点を語る」ことは必ずしも「悪口」「中傷」ではなく、時として「愛情の裏返し」だと思うんだけど、その辺のバランス感覚が今のマスコミには欠けてるのかな、という印象もありです。

 本人はJFLの松本に移って心機一転、チームをJ2、さらにはJ1に上げることを次の生甲斐と感じてプレーしていたに違いない。そんな時期に、病気でも事故でもなく、まさに突然逝ってしまう。本人にとっては無念だっただろうし、それを思うと痛ましく、悲しく思われます。

■2011/8/28 今こそ「破壊者」が必要(テグ世界陸上女子マラソン)

 昨日から世界陸上が開幕、この2日間は珍しくゆっくり時間があったのでテレビ観戦していました。明日からはまた忙しくなるから、今回の大会をゆっくり観戦できるのは今日までかな。2日目の今日は男子100メートルでボルトのまさかのフライングでの失格(「1回で一発失格」の新ルールは厳しすぎないか?)があったり、女子の100メートル予選では福島千里が日本人女子では初の準決勝進出があったりで、なかなか楽しめました。特に福島は「騒がれてるけど、さすがに予選突破は難しかろう」と思ってただけに、素晴らしい結果だと思います。決勝進出は厳しいだろうけど、準決勝もよいレースを・・・、私は見れないけど。

 反面、初日に行われた女子マラソンの日本勢の惨敗にはガッカリでした。まあ、この数年は「低迷期かな」「新顔が出てこないな」とは思ってたけど、赤羽の5位が最高という結果は、なんだかんだ言われながらも何とかメダル獲得してきた種目なわけだし、「少しは希望が持てるかな」と思っていた矢先なだけに、本当に残念すぎる惨敗でした。

 世間では「男子同様、アフリカ勢が強すぎる。あれでは勝ち目がない」ようなことを言われているようだけど、私には1〜3位を独占したケニア勢は、男子のアフリカ勢ほど「全くレベルが違う」というほどではないと感じています。男子の場合、スタートから日本人が全くついていけないようなペースでぶっちぎっていくけど、今回の女子のケニア勢は、前半は遅すぎるほどの超スローペースだったのに、敢えて自重して飛び出すことをしなかった。結局、遅すぎるペースのまま30キロまでダラダラ進んで、「そろそろ誰かが仕掛ける頃かな?」というところまで来て、ほんの少しペースを上げただけ。「急にペースを上げられたから対応できなかった」に過ぎないと思う。しかもケニアは個人競技なのに、チームでまとまって、チームでペースを崩しにかかった。なので、ケニア勢よりも先に「仕掛ける=スパートをかける」ことが出来ていれば、決して勝てなかったとは私には思えません。私から見れば「ペースが遅いと思えば自分が仕掛けるくらいの積極性が欠けていた」ことが、今回の「惨敗」の原因だと思う。

 思えば1998年のバンコク・アジア大会、灼熱の悪天候の中、当時の世界記録よりも早いハイペースで飛ばしまくって、ぶっちぎりの優勝を飾った高橋尚子。スポーツライターの二宮清純氏が「美しき破壊者」と呼びました。自らレースを支配して自分でペースを作り、他の選手のペースを乱してレースそのものをも「破壊」してしまう。私は「上手いこと言うなあ」と思ったものでした。そのイメージやキャラに反して、この人の全盛期のレース運びは「破壊的」「攻撃的」だったものです。さらに2004年のアテネ五輪で金メダリストになった野口みずきもまた、私は「破壊者」のイメージがあります。アテネ五輪のコースはアップダウンが多い難コースで、しかも当日は暑いことが予想されたので、多くの有力選手が「前半は自重して後半勝負」と言っていたもの。そんな中、果敢にも中盤の25キロ過ぎからいきなりスパートをかけて、まさにゴールまで一気に「逃げ切り」を図っての優勝。さすがにあまりにも長すぎるスパートだから、一時期は2位と数百メートルの差があったのに、ゴールする時には2位のヌデレバが背後に迫ってたけど、なんとか逃げ切り・・・。「後半もつれるとスピードのある外国勢の方が有利だから、敢えて早めに仕掛けて貯金を作っておく」という方法は、捨て身ともいえる無謀なやり方。だけど、野口の早すぎる仕掛けのせいで、多くの選手がペースを乱されて失速していったし、瞬発力やスピードで海外の選手にはどうしても劣る日本人には、最も合ったレース運びなんじゃないかと思います。

 それに引き換え、今回の日本選手。前半、あんなにスローペースだったのに、誰も仕掛けることが出来ず。高橋や野口のレース運びを思えば、スピードに勝るアフリカ勢に後半に仕掛けられると不利なのは分かっているわけだから、先に仕掛ける勇気が欲しかったところ。特に大会前「メダル候補」と言われていた尾崎好美が、ほとんどいいところなく失速してしまったのが腹立たしい。ゲッソリ痩せていたし、調整に失敗したんじゃないか?5位に入った赤羽は、どちらかというと「生真面目で正攻法」「安定した走り」の人なので、これくらいが精一杯かなと。10位に入った中里麗美はまだ若いわけだし、(「やはり話題になったか」という感じだけど:笑)「昔から似ていると言われる」と本人もコメントしている先輩の高橋のような破壊的なレースの出来る強さを身につけて欲しいところ。一部には「暗黒時代に突入か?」という声もあるけど、私はむしろ「自分でレースを作り、破壊する」本当の強さや積極性のある選手が現れれば、何とかなるんじゃないかと思っている。技術や体力の問題じゃなく、メンタルの問題だろうと。といっても、高橋や野口のような選手が簡単に現れるはずがなく、それが簡単そうに見えて難しいことも分かってはいるけど、一方で男子ほど絶望的な状態でもなかろうと・・・。

 最後に、相変わらず増田明美の「迷解説」に呆れました(笑)。スローペースで30人近くの大集団でのレース展開の中、大集団の最後方で走る日本選手を見て「無理に前に行く必要はありません。いい位置にいますね」。おいおい、こういう時は前に行かなきゃいけないだろう! と心の中でつぶやく私。数分後、もうひとりの解説者、高橋尚子が「大きな集団の中にいる時は、前の方に行かなきゃ駄目ですね。前の方で誰かが仕掛けても見えなかったり、ついていけなくなったりするので、絶対前に行くべきです」。おお、俺も全く同じ意見なんだけど、増田は逆のこと言ってたし・・・。。すると増田明美、「そうですよね、前にいかないといけませんね、以前の●●のレースの時も・・・(以下ダラダラ続く:笑)」、っておいおい、さっき言った事と逆だろう?(笑) やっぱりこの人、解説向かないんじゃないですか? 選手を取材して、「無駄情報」を集めるのは得意でも、専門家目線で「解説」できないんならレポーターでもやったほうがよいんじゃないかと本気で思います。

■2011/11/13 バボちゃん、横山樹理、郎平 2(ワールドカップ・バレーボール)

 もう8年も前になるけど、こんなもの(こちら)を書いて「昔はバレーボールをよく見ていたけど、すっかり見なくなった」と述べたものでした。そして今、またしてもバレーボールのワールドカップが行われて、相変わらずフジテレビが放送している様子。今回からジャニーズのタレントが体育館で歌ったり踊ったりという、とてもスポーツとは思えないようなおかしな演出がなくなったということだったので「ちょっと見てみようかな」と思ったんですが・・・。

 実は開幕前、宣伝も兼ねてのものだと思うけど、ケーブルテレビで視聴できるフジテレビOneで「バレーボール黄金伝説」と題して、過去の大会のいろんな時代の試合のVTRをノーカットで放映していたので、思わず見入ってしまいました。女子に関してはリンク先で私の述べている1977年の第1回大会優勝からはじまり、モスクワ・ボイコットの翌年1981年の横山、広瀬、江上、三屋を擁するチーム(個人的にはチームとしてはいちばん好きだった)、ロス五輪後にベテランの去った後の過渡期の1985年の中田、石田(すぐ辞めたけど、個人的には好きでした)らのチーム、益子、斉藤(故障ですぐ引退、もったいない)のいた1989年のチーム、大林を中心とした1991年のチーム、佐伯、山内、中野(この人が短命に終わったのももったいない)のいた1995年のチーム・・・。それ以降は全く記憶にないので、そこまでしか見ていなかったんだろう。リンク先の8年前のログでは女子についてしか述べてないけど、男子の場合は1985年頃に川合俊一が登場してミーハー乗りの女性ファンが出現するようになった辺りから見なくなったけど、それ以前、1981年の田中幹保らを擁するメンバーはよく覚えていました。

 プロ野球やサッカーと違って、過去の試合のVTRや名選手が顧みられることが少ないだけに、本当に久しぶりに懐かしいチームや選手を目にすることが出来て、本当に楽しめました。基本的に過去のスポーツの試合を後からVTRで見るのって、あんまり好きじゃない。やはり「見る前から結果が分っている」状態で試合を見ても、あんまり面白くないから。だけど、もう何十年も前の試合だから、結果も全く覚えていない。だから「どっちが勝つのか?」分らない状態で見ていたので、まるで今、試合が行われているかのような感覚で見ることが出来ました。しかしなぜか大半が全日本の負けた試合ばかり。確かに男女とも1980年代以降、成績が年々下降線を辿ったとはいえ、せっかく放送するのなら勝った試合を放映すればいいのに・・・。

 過去の試合のVTRとはいえ、久々に夢中でバレーボールの試合を見たような気がします。だけど、そこで思う。やはりバレーボールの醍醐味は「サーブ権の奪い合い=サイドアウト」にあり。「サーブ件を取ったチームがポイントを決めてはじめて得点が入る」のが1995年大会までのルール。それが今ではラリーポイント制になり、サーブ権が移動する際にも得点が入る。つまり簡単に得点が入る。その分「得点の重み」がなくなってしまった。過去の試合のVTRを見ると、「サイドアウト(サーブ権の移動のみ)の連続で両チームに全く得点が入らない」時間帯がある。点が入らないからもどかしいし、イライラするし、ストレスも溜まる。一方で実に緊迫した空気が支配する。そんな中、遂にどちらかのチームに得点が入った瞬間、その緊張が途切れて一気に会場のボルテージがアップする・・・。この瞬間こそがバレーボールの醍醐味だと私は思う。

 リンク先の8年前のログではバレーボールを見なくなったり理由として「弱い」「ダサいユニフォーム」「リベロとかいう意味不明のポジション(8年前の私は「7人目のメンバー」と誤解していたようですが)」「タレントの馬鹿騒ぎ」なども挙げているけど、それらは「時代が変わったから」と妥協することも出来る。だけどこの「ラリーポイント制」だけはどうしても受け入れることが出来ません。このルールが変わらない限り、私は今後もバレーボールを見ることはないでしょう。例え今後、日本が強くなろうとも、魅力的な選手が現れようとも、ユニフォームが元に戻ろうとも、現行のルールのままなら、私は絶対に見ないと思います。ましてこのルール変更の理由が「テレビの放送時間を考慮して」なんていう、しょーもない理由であることを知ってからは、マスコミや関係者に対して殺意すら覚えています。このあたりに関して不満を述べる人って、意外に少ないよう。私にとってはそのこともまた意外に思われます。昔からのファンは今のルールで本当にいいと思ってるんだろうか?

 しかしVTRの中の横山、広瀬、中田、石田、斉藤、佐伯、山内、男子でいえば田中幹保など、当時好きだった選手のプレーや姿を久しぶりに見ることが出来ただけでも私にとっては収穫でした。今やってる試合? 当然見てません。今のルールのままなら絶対見ません。

■2011/12/5 破壊者は市民ランナー?(マラソン・川内優輝)

 12月の第一日曜日といえば、私にとっては1970年代後半からずっと「福岡国際マラソン・テレビ観戦の日」。かつては世界の強豪が一堂に会する、伝統と権威のある大会だったものだけど、世界中で賞金レースが開催されるようになったこと、タイムの出やすい高速コースが売りの新しい大会が世界中で増えてきたこと、そして日本人選手の低迷もあって、年々その権威が下がり気味。そして今年はロンドン・オリンピック代表選考会であるにもかかわらず、「世界の強豪」といえるような海外招待選手もおらず、国内招待選手の顔ぶれもいまひとつ。すっかりレベルダウンした寂しい大会になってしまったけど、私にとっては「恒例行事」になっているので「お付き合い」程度の気持ちでテレビ観戦しました。

 結局、1位と2位は日本の実業団所属の世界的には無名のアフリカ人選手。いくらアフリカ勢とはいえ、日本人選手と実績では大差のない世界的には無名の選手2人にぶっちぎられるという日本人選手の惨敗ぶりに、またしても寂しい気持ちにさせられました。ましてついていけないほど2人が強かったわけでも、速かったわけでもない。なぜ食らいついていこうとしないのか、最初から諦めているのか・・・。なんとも情けない気分に。

 だけど、そういう「勝ち負け」とはまた別次元の話にはなるんだけど、ある日本人選手の走りに衝撃を受けるやら、感動させられるやら。その選手とは「市民ランナー=公務員ランナー」の川内優輝。今年2月の東京マラソンで日本人トップ、しかもサブテン(2時間10分切り)の好タイムでいきなり世界陸上の代表になって話題になった選手なので、突然現れた人でもないし、もともと知っている人ではあった。だけど「どうせ一発屋=一回だけ好記録を出してすぐに消えていく選手だろう」と思っていたし、期待もしていなかった。事実、今日のレースでも20キロ過ぎで苦しそうな表情になってあっけなく画面のはるか彼方に消え去っていった。まあ、こんなもんだろう。

 気がつけば日本人トップ=オリンピック代表争いは元箱根駅伝のスターだったという今井と九電工の前田の2人の争いに。といっても、例によって優勝を争うアフリカ勢に大差をつけられた「日本人トップ争い」で、見ていて情けない気分しか感じられず。今日も面白くないレースだなあ・・・。ところが、気がつけば2人の背後に川内の姿が。おいおい、あんなに早々と脱落、しかも今にも棄権しそうな苦しい走りだったのに。35キロ過ぎで遂に追いつく。しかも今井のスパートにも必死の形相で食い下がってついていく。そして逆にスパートをかけて今井と前田を引き離して、まさかの日本人トップの3位でゴール・・・。ゴール後はいつものことだけど、ぶっ倒れてしまった。それほど「死力を尽くした」レースだったということでしょう。

 正直、日本人トップといってもタイムは辛うじて2時間10分を切った平凡なもの。しかも1位と2位の選手にも大差をつけられた。お世辞にも「世界で戦える」レベルじゃない。それに技術とか、レース運びとか、駆け引きとか、そんなもの一切なく、ただ「根性で追い上げ、根性で食い下がり、根性で突き放した」レース。あまりにも泥臭すぎるし、荒削りすぎる。だけど最後まで諦めない、最後まで死力を尽くす、その姿勢や根性には素直に心を動かされたし、思わず画面に釘付けになりました。「勝ち負け」云々抜きに、こんなにも人を惹きつける、人の心を揺さぶるマラソン選手を私は見たことがありません。こんな型破りなレース運びでは「優勝を狙う」ことは絶対に出来ないのは事実。だけど、彼の走りは多くの日本人選手が見習う面も多いんじゃないか。近年の日本のマラソンが弱い理由は、もちろん技術や体力面もあるかもしれないけど、以前も書いたとおりメンタルの面が大きいと思う。諦めが早い、積極性に欠ける、軟弱すぎる・・・。それを払拭してくれる彼の存在は、ひょっとすると何らかの起爆剤になるんじゃないか。そんな期待を抱いてしまいます。

 しかし近年は「日本人がトップから大きく遅れた」途端に気持ちが盛り下がってしまう私、でもそんなこと関係なしに思わず引き込まれてしまう。こんなタイプの選手は見たことがありません。本人は自称・市民ランナーで「レースに出ることが練習の一環」らしく、この後も代表選考レースの東京やびわ湖に出るかもしれないとか。そんなに頻繁にレースに出る選手も前代未聞。とんでもない「破壊者」が出てきたものです。

■2011/12/15 かつての「地元チーム」の大躍進(柏レイソル)

 私は2001年の9月まで仕事の都合で千葉県柏市に住んでいました。その柏市はJリーグの柏レイソルの本拠地だったけど、いくら競技場が市の中心から離れた郊外にあるとはいえ、私が住んでいた頃は「街を挙げて応援している」ような様子はありませんでした。サポーターらしき集団を見たこともない、レイソルのことを話している人もいない。なので、自分の住んでいる街のチームでありながら、気にかけたことすらありませんでした。木更津にいた頃は、隣町のジェフ市原に多少は注目したし、札幌にいた頃は、ちょうどコンサドーレ札幌が誕生したばかりで多少は意識したことがあったのに。柏レイソルといえば、J1の中でもチームカラーが地味で有名な選手もいない、日本代表に入るなどして注目されるような選手が出てきても、すぐに強豪クラブに移籍してしまう・・・、そんなマイナスなイメージしかなかったもの。以前も書いたとおり、私はJリーグに「贔屓チーム」を持っていないんだけど、このチームが「好きな部類に入るか、嫌いな部類に入るか?」と聞かれたら、間違いなく「嫌いな部類に入る」と答えたかもしれません。

 そんな私だけど、12月に入って家にいる時間が長くなったこともあって12/3、J1の優勝が決まる最終戦、柏vs浦和の試合をテレビ観戦しました。「贔屓チームのない」私なので、別にどこに優勝して欲しいとか、どこに勝って欲しいとかはなかったんだけど「たまにはJリーグ中継を見てみよう」という軽い気持ちで。Jリーグ中継なんて見るのは約1年ぶり。おいおい、柏が首位だって? 今日勝てば優勝? 確か柏って、去年はJ2に落ちていたはずなのに。だけど、試合を見てビックリ、数年前まで優勝争いの常連だったはずの浦和を終始圧倒して圧勝。早くて精度の高いパス回し、硬いディフェンス、「去年までJ2」どころか、まるで「常勝チーム」のような余裕の試合運び。日本代表の選手なんて当然おらず、若い選手ばかりなのに。レアンドロ・ドミンゲスなる、本国では無名なブラジル人選手がチームを引っ張ってるけど、この選手が凄い。ブラジル人といえば「個人技重視」、悪く言えばスタンド・プレーな選手が多いけど、この人は個人技もあるけど、チームに対して非常に献身的で周りを上手く生かして、チームを引っ張っている。それに監督が常勝チームだった頃のヴェルディの監督だったネルシーニョ。ちょっとだけ強さの理由が分った気がした。とはいえ、まだこの時点では「たまたま勢いに乗って優勝しただけだろう」という印象しかなかったものでした。

 そしてJリーグが終わると今度は「クラブ・ワールドカップ」が開幕。各大陸毎の王者が集う大会のはずなのに、なぜか「開催国枠」なる不可解な「枠」が。要するに開催国=日本のJリーグのチャンピオンは自動的に出場できるというわけで「おいおい、まさか柏が出るのか?」と。南米のサントスやヨーロッパのバルセロナと柏、どう考えても違和感が。ただ、初戦の柏vsオークランドシティ(ニュージーランド)の試合の時間も家にいたので、「ちょっと見てみようかな」という軽い気持ちでテレビ観戦しました。さすがに相手はアマチュアなので2-0で勝利。オリンピック代表候補の若手のサイドバック、酒井は代表レベルだなと驚かされたり、キーパー菅野の好セーブ連発を見て、意外といいキーパーだなと感心させられたりで、少しずつ柏レイソルに心を動かされつつある自分に気がつき始めていました。実際「次の試合も楽しみだな」と思ったし。

 そして次の試合、メキシコのモンテレーとの試合もまたしても観戦。今度は今までのように「ちょっと見てみるか」ではなく、「見たい」という気持ちでテレビ観戦しました。メキシコやチリの代表選手を多く擁する強豪相手に1-1のまま延長戦、そしてPK戦の末勝利。正直、日本代表の試合やワールドカップなどの代表同士の試合以外で、こんなに熱中して観戦した試合は本当に久しぶり。ましてJリーグの、大して思い入れのないはずのチームに、気がつけば思いっきり感情移入して・・・。ただ、それほど今のレイソルはよい試合をしていると思うし、強くて、しかも見ていて面白い。かつてはあんなに地味なチームだったのに・・・。とにかく、Jリーグのいちチームの試合にこんなに夢中になったのは久しぶりでした。

 さすがに今日のサントス戦は3-1で惨敗。だけどスコアほどには悲惨な負け方ではなかったと思うし、真っ向勝負を挑んでいた姿勢には共感できました。以前も書いたけど、私がJリーグに「贔屓チーム」を持てない最大の理由は「選手の移籍や引き抜きが多過ぎて、特定のチームに思い入れを持ちにくい」ところにある。だから「今後も柏レイソルを応援するか?」と言われると「それはない」。ただ、チームに対する好感度は今回のことで急上昇したのは事実だし「J1の優勝→クラブ・ワールドカップ」と4試合も同じチームの試合を続けて観戦したことで、多少は思い入れを持つことも出来ました。しかし、去年までJ2、それが今年はJ1で優勝、そしてクラブ・ワールドカップでも大躍進・・・、そんな風にひとつのチームの成長をずっと追いかけることが出来る。「贔屓チームを持っている」人が羨ましく思われます。

■2011/12/20 世界一のサッカー、世界で最悪な中継(クラブ・ワールドカップ)

 昨日はクラブ・ワールド・カップの決勝戦、バルセロナvsサントスをテレビ観戦しました。以前、ザッケローニ監督が日本代表監督に就任した際、こんなもの(こちら)を書きました。その中で

>イタリアのセリエAとか、イングランドのプレミア・リーグとか、ドイツのブンデスリーガとか、

>スペインのリーガ・エスパニョーラとか、さらにはヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグなどを

>熱心に見ている人が多い。だけど私は、ほとんど見ることはないし知識も乏しい。

と述べました。見ない理由はあっちに述べたので、ここでは述べないけど。つまり私が代表ではなく、海外の強豪クラブの試合を見るのは、この大会くらいしかないわけで。しかもバルセロナはワールド・カップで優勝したスペイン代表の選手が多く在籍、そこにアルゼンチン代表のメッシが絡む、夢のようなチーム。レアル・マドリードのように無理矢理金で選手を集めてでっち上げられたチームでもない。その上、強くて面白いサッカーをやるチームだという知識くらいはあったので、本当に楽しみで楽しみで。

 そして試合は評判どおり、いや、評判以上に強かったバルセロナが4-0で圧勝。柏レイソルを圧倒して勝ったサントスに全くチャンスを作らせず。細かくて正確なパスをゆっくり回しながら攻め上がる。どうしてこんなにキレイにパスが回るんだ? そしてゴール前で急激にスピードアップしてあっという間にディフェンダーを振り切る。とにかく華麗で正確なパスまわしにまさに「酔わされた」という感じでした。セスク・ファブリガス、イニエスタ、シャビ、プジョルといった昨年のワールド・カップで優勝したスペイン代表のメンバーが中心だから、ワールドカップで見たスペイン代表の試合運びに似ていたけど、その華麗さ、正確さ、強さはスペイン代表以上。まさに「異次元」という言葉がピッタリ。こんなチームは今まで見たことがありません。こんなにキープされれば、そりゃサントスもチャンスも作れなくって当たり前。

 そしてメッシ。昨年のワールド・カップ、ワールドカップ後、日本で行われた日本代表との親善試合で見たアルゼンチン代表の一員としての彼は、確かに随所でその片鱗は見せてくれたものの「評判ほど凄い選手だとは思えんなあ」という印象でした。どことなく才能を持て余しているというか、消化不良というか・・・。だけど、バルセロナの一員としてピッチに立った彼は全くの別人。この人って「バルセロナにいてこそ光る人」なのかな、という気がしました。サントスには19歳にして天才と評されているというネイマールがいたけど、まだまだ線が細くって未完成かなと。とはいえ、将来が楽しみな存在。

 というわけで、めったに見ない海外強豪クラブの試合だったけど、十分堪能しました。しかしバルセロナ、強いし華麗だし、見ていて面白いし。でも、実は「引き抜き」で入った選手が少なく、下部組織で育った選手(実はメッシもそう)中心で、育成からしっかりやっているチームという点でも好感度高い。こういうチームが「銀河系軍団」などという悪趣味なチーム、レアル・マドリードを粉砕する試合なんて、考えただけでもワクワクさせられる。今まではあまり見なかった「海外の強豪クラブの試合」だけど、これを機会にちょっと見てみようかな。でも、私の契約しているケーブル局はドイツのブンデスリーガが中心だから、スペイン・リーグは見ることが出来ないけど。今年はワールド・カップ・イヤーじゃないにもかかわらず、アジア・カップにはじまり、日本代表だけじゃなく様々なサッカーの試合を見ることが出来て楽しかったです。

 一方で日本テレビの中継、松木の最悪解説のテレ朝以上に最低、最悪。えせサッカー好き某大御所タレントのひどさはドイツ・ワールド・カップの時に体験済み(こちら)だったので今更驚かないし、精神衛生上悪いので、試合開始前やハーフタイムにタレントが騒いでいる時間はテレビを消していたし、試合終了後のバラエティ番組乗りのダイジェスト番組も見る価値なしと思って見てないので敢えて触れないけど。なぜバルセロナvsサントスの試合なのに「メッシvsネイマール」と連呼する? メッシの先制点も直前の神業のようなシャビのキープとアシストあってこそなのに、そこは一切触れず。サッカーって個人競技じゃないでしょう? イニエスタやシャビに生かされてこそメッシが光ってるってことがなぜ分らない? 解説の2人も無知でろくな解説もできず、絶叫しているばかり。パスを回している選手の名前を連呼するだけの無意味な実況。それが重なってスピーカーから聴こえてくる。これじゃあただの騒音、雑音。テレ朝の方がはるかにマシ。この局にはもう、サッカー中継は遠慮していただきたい。NHKとCS局だけでいいよ、サッカー中継は、いやスポーツ中継は。


      
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