![]() トップ・ページに戻る |
![]() 前のページに戻る |
■2012/10/30 富士四湖(?)放浪(1) ここのところ書いてきたとおり、何となく気持ちが落ち込み気味だったので、こういう時はやっぱり「放浪」だろうということで、4泊5日で「放浪」してきました。行き先は「富士五湖」。というか、終わってみれば西湖には行けずじまいだったので「四湖」になってしまいましたが・・・。
■ではなぜ今、「富士五湖」?
「気分転換に放浪でもするか」と思い立ったのはよかったけど、行き先を決めることが全くできず。さしあたって「ここに行きたい」と思うような場所も思いつかず。でも、どこか行かなければ・・・・。
そんな時「そういえば静岡県って、通り過ぎただけでちゃんと訪れたことがなかったな」と思い立つ。当初は「静岡県のいろんな場所を回る」放浪を考えていたんだけど、静岡県って広い上に有名なスポットが多すぎる。とても4泊5日で回れるレベルではない。ちょうどそんな時、ケーブルテレビで昔の刑事ドラマ(既に何のドラマだったかすら覚えてない)を見ていたら「犯人が河口湖の別荘に逃げた」云々と。さらに別の刑事ドラマを見ていたら「山中湖のボートの上から転落して水死」云々・・・。よく考えてみれば富士五湖って、よく昔のドラマのロケに使われている。まあ、関東の人にとっては、日帰りや一泊で気軽に行ける「定番スポット」「御馴染みの避暑地」なんだろう。といっても、実は富士五湖って静岡ではなくって、山梨県なんだけど・・・。
はっきりいえば「関東の人におなじみ」なだけで、湖自体は特別珍しいわけでもない。だけど、このスポットには「湖の向こうにそびえる富士山」がある。それだけで俄然、魅力の感じられるスポットともいえる。
■富士山=縁遠い山?
子供の頃、特撮ヒーローものを見ていると、こんなシーンがよくあった。富士山の火口から怪獣が登場し、そのまま東京の街へ飛来、そして東京タワーを破壊する・・・。東京タワーと富士山、これこそが幼少の頃見ていたヒーローものに最もよく登場するスポットだった。いや、ひょっとするとそんなによく登場していたわけではないかもしれないけど、私の中にはそんなイメージがあった。同時に、ヒーローものの舞台は大半が東京なわけで、地方都市生まれの地方都市育ちで、高校3年まで一度も上京したことのなかった私にとって「東京」と聞いて真っ先にイメージするスポットは「東京タワーと富士山」でした。「いや、富士山は東京じゃないだろう」なんて突っ込みはなし(笑)、あくまでも子供のイメージだから・・・。
それなだけに高校3年の2月、大学受験のためにはじめて上京した際、新幹線の車窓から富士山が見えた瞬間、異常なほど感動したのを今でもはっきり覚えています。「ああ、本物だ」「ああ、俺は本当に東京に向かっているんだ」と。同時に「まるで絵のようにキレイ」「他の山とは全く違う」あの時の感動は今でも忘れられません。
その後、地元・北九州と東京の間を、新幹線を使って何度も何度も移動した。ライブ、就職活動、就職による引越し、法事のために帰郷等。おそらく通算で30往復近くしていると思います。だけど富士山の姿を見たのは、おそらく2,3回しかないと思います。「爆睡していた」とか「天気が悪かった」とか「雲がかかっていた」とか「天気がよすぎて霞んで見えた」とか「夜で外が暗かった」とか・・・。それなだけに「なぜかなかなか姿を見ることが出来ない山」、それが私の富士山に対するイメージでした。
もちろん「水周り好き」なので「湖を訪れたい」気持ちもあったけど、「富士山を見たい」気持ちもあったのは事実。というわけで、その両方を見たいという気持ちから行き先が決まったわけです。
■富獄百景放浪?
ただ山梨県って、関東からはともかく、西日本からは非常に行きにくい場所でもある。1日で移動するには無理がある。なので、静岡県内でまず1泊、山梨県内で2泊、帰り支度のため再び静岡県内で1泊することに決めて計画を立てる。初日は静岡市内と思ったんだけど、宿泊施設の値段が意外と高いので、清水(いつの間に清水市って、静岡市と合併したの?)で1泊目。2泊目、3泊目は富士五湖エリア最大の都市の富士吉田市、4泊目は富士吉田市から山をひとつ超えて静岡県に入ったところにある御殿場市に決定。どこも街中から富士山が見える街。とはいえ、例によって今回も直前まで忙しかったため、現地のことはあまり下調べできないままの出発となりました。
■2012/11/5 富士四湖(?)放浪(2) ■まったりと「こだま」で移動
初日、地元・北九州の小倉駅から新幹線に乗車。いつもなら迷わず「のぞみ」に乗るところだけど、今回の目的地は静岡。静岡駅には「のぞみ」は停車しないので「のぞみ」で新大阪か名古屋まで出て、そこから静岡に停車する「ひかり」か「こだま」に乗り換えなければいけない。小倉駅に着いて時間を調べたら、ちょうどよい「のぞみ」はなく、鹿児島〜新大阪の九州新幹線「みずほ」に乗るしかなさそう。まあ、停車駅は「のぞみ」と変わらないようなので、とりあえず「みずほ」に乗車して新大阪に向かう。
実は九州新幹線の車両に乗車したのははじめて。だけど今の私は「車両云々」には全然興味がないし、乗っている分には「のぞみ」と全然変わりないので、特に何の変化もない「いつもの新幹線での大阪への移動」という感じだった。
新大阪からは「こだま」に乗り換える。しかし最近は「のぞみ」にばかり乗車しているせいか、随分とのんびりした印象。もちろん全駅に停車するとか、通過待ち合わせのための長時間停車があるとかもあるけど、「のぞみ」と違って自由席が空いてるし、セカセカした空気もない。どうも近年の新幹線の自由席って、いつも満員で騒々しくって慌しくってで「まったりとした列車での移動」が楽しめる雰囲気ではないので。久々に新幹線の車内でゆっくりと過ごすことが出来ました。
昼の1時過ぎに静岡駅に到着。在来線の列車で初日の宿泊地・清水へ移動した。
■ちょっと期待はずれな三保の松原
清水駅で下車すると至る所に「ちびまる子ちゃん」を使ったポスターや看板、Jリーグの清水エスパルスのポスターが。私の中でも「日本一サッカーの盛んな街」「ちびまる子ちゃんの舞台」というイメージ。とはいえ、もう「清水市」ではなく「静岡市清水区」になってしまっているというあたりは何となく違和感。でも実際に訪れてみると、イメージしていたほど「サッカーの話題で溢れている街」でもなかったかも。とりあえず駅前の「ココイチ」に入ったら「清水モツカレー」なる、この店限定のメニューがあったので、そこでちょっと遅い昼食。
店を出た後、バス乗り場に市内観光案内の看板があったので見てみる。すると江戸時代から景勝地として有名な三保の松原があるらしい。バスはいっぱい出ているようなので、とりあえずバスに乗って三保の松原に向かう。ところが「羽衣の松」というバス停があったので下車したのはよかったけど、ただの大通り。おいおい、どこに松林なんてあるんだ? よく見ると「三保の松原 1km→」と書かれた看板が。どうやらこの大通りから、かなり歩かないと着かないらしい。しかも矢印の方を見ると、単なる住宅街の細い路地。少し躊躇したけど天気もよいし、体調も悪くないので歩いてみることにした。
本当に住宅街の路地。途中で神社や小学校の前を通り過ぎる。とても観光名所に向かうような道じゃない。案内看板どおりに進むと松並木に出る。さらにその並木沿いに延々歩くと・・・、ああようやく見えてきた。当たり一面の松林。でも佐賀県唐津に虹ノ松原という松林があり、以前日帰りで放浪したことがあるけど、広さといい美しさといい、虹ノ松原の方がはるかに上だと感じられた。何より、イメージしたほど砂浜が広くないし、綺麗でもない。さらにいえば、本当は「松林の上に富士山が見える」はずだけど、この日は天気はいいにもかかわらず、霞んだようにしか富士山が見えず・・・。
うーん、富士山がもっと鮮明に見えれば、もっともっと綺麗だったんだろうけど・・・。しばらく待ってたら、もっと富士山が鮮明に見えるようになるかも、とは思ったんだけど、時間は夕方4時過ぎ。地元と比較すると30分以上日の入りが早いので、あまりゆっくりしているとあたりが暗くなって帰れなくなるかも。そう思ったので再び30分近く歩いてバス停に戻り、バスで清水駅に戻った。バスに乗車中、さっきよりも富士山が鮮明に見え始めた。やはり静岡県から見た富士山は、尖がった形状。とはいえ、やっぱり若干かすれ気味に見える。明日はもっと鮮明に見えればいいんだけど・・・。
■やっぱりここは「静岡市」じゃなかろう
夕方5時過ぎにホテルにチェックイン。その後は駅周辺の商店街等を歩いて時間を潰す。アーケードと、アーケードを通り過ぎたあたりにも商店街があるけど、いかにも今時の地方の商店街。まあ、昔は栄えていたんだろうなと。とはいえ、まだまだ「シャッター街」化はしてないので、そんなに寂しい雰囲気でもないし、それなりに広い範囲に広がってる。「市の中心街」という感じに見えるし、明らかに静岡駅周辺とは全く雰囲気が違う。やはり「清水区」というより「清水市」といった方がピンとくる。
「外食するか、市の特産品を買ってホテルで食べるか」と思って外に出たんだけど、夜7時を過ぎると店が閉まり始めた。やっぱり静岡駅の方に出ないと夕食にはありつけそうにない。すると目の前に「新清水駅」なる駅が。どうやらJRではなく静岡鉄道という私鉄の駅らしい。へえ、静岡に私鉄があるなんて全く知らなかった。よく見るとこの路線を使っても静岡駅まで出ることは出来るらしい。ということで、静岡鉄道の電車で静岡駅に向かった。
静岡駅に着いて「夕食をどうしよう」と考える。駅の売店で駅弁を見たけど、売り切れているものが多いので断念。次に土産物屋へ。さくらえびが特産品、他には海産物が多い。そこでさくらえびの佃煮、焼津の特産品だという黒いはんぺんを買う。これでも食べながらホテルの部屋で飲もう。というわけで、その2つを購入、今度はJRの電車で清水駅に戻った。
■2012/11/7 富士四湖(?)放浪(3) ■静岡県→山梨県、意外と長い移動
2日目の朝、7時に起床。ホテルの朝食をとった後、8時前にチェックアウトして清水駅に向かう。この日の予定は山梨県富士五湖一帯で最大の都市でもある富士吉田市までの移動。しかし公共の交通機関での移動となると、静岡県から山梨県に抜けるJR身延線で甲府まで移動→JR中央本線で大月駅まで移動→富士急の電車で移動と、何度も乗り換えなければいけない。朝8時台に身延線の特急があるので、それに乗車するために早めにチェックアウトしたというわけ。
清水駅に着いて遠くを見ると今日は快晴ということもあって、かなり綺麗に富士山が見える。といっても新幹線などから比較的見慣れた「尖がった富士山」。静岡県側からはこういう風にしか見えないらしい。山梨県側から見るともっと綺麗に見えると聞いていたので、期待を胸に身延線の特急に乗車した。
富士駅から身延線に入る。車窓から富士山が見えるけど、段々内陸に入っていくので、どんどんその姿が大きく、鮮明になっていく。このあたりでは乗客の多くが車窓に釘づけになっていた。やがて富士宮に到着。その富士宮を過ぎると今度はどんどん山奥に入っていく。車窓は渓谷と富士川。このあたりの車窓も悪くない。そして2時間ちょっとで甲府に到着。思った以上に遠かったけど富士山あり、渓谷ありで車窓は意外と悪くありませんでした。
甲府からは中央線の各駅停車に乗り換え。途中一面のブドウ畑が広がる駅があったりで、山梨県らしい風景。約1時間で富士急との乗換駅、大月駅に到着。ちょうど昼前だったので駅の蕎麦屋に入る。久々に食べる「東日本仕立て」の出汁の蕎麦、具も多めで結構なボリュームで食べ応えがありました。
その後、富士急電車に乗車。小田急のロマンスカーを改装した「富士山特急」なる特急も走ってるようだったけど、敢えて各駅停車に乗車。いかにも「ローカル私鉄」という感じで、悪くない雰囲気だけど・・・。空は晴れているのに意外と雲が多い。そのせいか「そういえば富士山の姿が見えないな」ということに気がつく。本当はこのあたりって富士山が見えるはずなのに・・・・。この日の宿泊先は富士吉田市=富士山駅周辺だけど、敢えて終点の河口湖駅まで乗車した。約1時間で河口湖駅に到着、清水からは随分と長い道のりでした。
■せっかくの河口湖なのに・・・
河口湖駅に着いたのはいいけど、さて、どこへ行こう。ここからバスに乗れば本栖湖や精進湖、西湖にも行くことが出来る。ただ、時間は既に昼2時過ぎ。バスの本数が少ないので本栖湖、精進湖、西湖に行ったとしても、夕方までに帰ってこれるかどうか微妙。ということで、この日は歩いて河口湖まで行ってみることにした。
徒歩で約10分ちょっと、河口湖の湖畔に出る。しかし五湖の中でも最も有名で人の集まる場所だけあって、湖の周辺には多くの店や宿泊施設、遊覧船乗り場や貸しボート屋があり、駐車場もありで「賑っている」というより「ゴミゴミした」印象。ただよく見ると、道路よりも一段低いところに、草の生い茂った湖の周りを歩ける遊歩道のようなものがあるので、そこを歩いてみることにした。
延々歩いていくと、人気も段々なくなっていく。一段上の道路には車が多く走っているけど、遊歩道は異常に静かで人に会うことすらほとんどない。しかし・・・、富士山はどこ? どこを見てみ富士山の姿はない。そういえば大きな雲に隠れた「大きな山らしきもの」が見える。どうやら、この日は富士山は完全に雲に隠れてしまっているらしい。さらに10分ほど歩くと、河口湖にかかる大きな橋=河口湖大橋の姿が現れたので橋を渡ってみる。橋の上から撮影したのが↓
富士山は見事に雲に隠れています。途中、カメラを持った西洋人の男性2人組や自転車に乗った西洋人のカップルとすれ違ったけど「姿が見えない富士山」に落胆している様子でした。うーん、個人的にも富士山が見えない河口湖なんて「ただの湖」という感じ。ただですら周辺に大きな道路や大きな建物が多いので「山奥の静かな湖」とは程遠いのに、それに加えて「富士山が見えない」とは・・・。河口湖大橋を渡った後、しばらく歩くとさっきの遊覧船乗り場のあたりに再び出てきた。ちょうど橋を通って一周してきたような格好。
まあ私はこの後、富士吉田で2泊するので明日以降「富士山の見える」状態で五湖を堪能するチャンスはまだある。時計を見るとまだ3時過ぎ。もう少しゆっくり出来そう。そこで考える。遊覧船か、ロープウェイか、どちらかに乗ってみよう。ということで、ここでは遊覧船を選択、乗船してみた。だけど「富士山が見える眺め」を強調する船内のアナウンスも虚しく響く。結局、ここでも富士山が見えない状態では堪能できなかった。大学生風の団体も「見えないし・・・」などとボヤいていた。
3時半を過ぎると陽が傾きはじめたので河口湖駅に戻る。そこから再び富士急の電車に乗車、この日の宿泊先でもある富士吉田市=富士山駅に移動した。
■富士吉田の物悲しい商店街
富士山駅で下車。さすが「富士五湖地区最大の都市」「山梨県第2の都市」だけのことはある。立派で近代的な駅。ところが駅から一歩外に出てビックリ。駅前は昔ながらの食堂と土産物屋、さらに閉店した飲食店や喫茶店の建物など廃墟同然の建物の姿も。近代的な駅とのギャップに驚いた。北九州市近辺にある直方市や宗像市、飯塚市レベルの街をイメージしていただけに、この寂しさは一体・・・。
とりあえずホテルにチェックイン。夕食でも・・・と思って外を散策してみたけど、駅周辺に飲食店などない。しかもまだ夕方5時過ぎだというのに人気もなく、街灯も少なくって薄暗い。駅ビルにもファーストフードはあるけど、レストラン、食堂のようなものはない。うーん、最早飲食店を探すのは諦めた。コンビニで食べ物や酒類を大量に買い溜めしよう。2泊もする街だし、宿泊先には朝食サービスもないし。ということでコンビニを探して街を歩き回るけど、コンビニなど一軒もない。大きな鳥居のある大通りがある。きっと、ここがメインストリートらしい。ということで、その通りを歩いてみる。
駅から徒歩15分ほどでようやくコンビニの看板が。おいおい、最寄のコンビニがこんなに遠いのか。とりあえず、そのコンビニに寄ることにしたけど、よく見るとその通りのはるか向こうの方に、飲食店のものと思われる派手な灯りのついた看板が目に入る。ひょっとするとこの通りのずっと奥に商店街のようなものがあるのかもしれない。ちょっと散策してみることにした。
そこに現れたのは・・・。確かに店舗は何軒かある。化粧品店や散髪屋、時計屋、学生服の店等。だけど明々とついた照明の割には、人はほとんど通っていない、客もいない、店の中では店主がボーッとテレビを見ていたり、近所の人と談笑していたり。さらに、開いている店よりも、とっくに閉店してしまった店=廃墟の方が多いくらい。よく見ると「富士吉田本町商店街」とある。ひょっとして、ここって・・・。
数年前「レトロな町並み」とか「物悲しい町並み」とか「衰えてしまった商店街」などを紹介したサイトをネット上で何ヶ所か見て回ったことがあるけど、その際に多くのサイトで紹介されていて印象に残っていた場所。富士山を使った派手な看板や格調や貫禄のある建物など、かつての繁栄ぶりを忍ばせる故に、現在の姿がとても悲しく映ったもの。ああ、ここって、あのサイトで紹介されていた場所だ、ということに不意に気がついた。そうすると急に物悲しい気分になった。本当にまだ夕方6時前なのに、まるで真夜中のように人はほとんど歩いてない。朽ち果てた建物、派手な富士山の看板が悲しすぎる。「レトロ=風情がある」という感じじゃなく、ただ「悲しい」「寂しい」という感じ。まして昼間ならともかく、既にあたりは真っ暗。ますます「悲しい」「寂しい」気分になったので、しばらく歩いた後、引き返してコンビニで食糧を買い込み、ホテルに戻った。
■2012/11/12 富士四湖(?)放浪(4) ■霧の五合目
3日目、朝目が覚めて外を見ると生憎の曇り空。確かこの部屋の窓って富士山が見える方角のはずだけど、今日も雲に隠れている。テレビの天気予報を見ると「午前中は曇り、昼から晴れる」とのこと。きっと、今日は午後からは富士山の姿を拝むことが出来るだろう。朝食サービスのないホテルなので、前日コンビニで買ったパンで朝食を済ませた。そして富士山駅にあるバスセンターへ向かって歩いた。
富士五湖や富士山周辺の有名なスポット行きの交通機関といえば、富士急のバス路線。出発前にネットで調べた際、5800円で3日間乗り放題のフリーきっぷが販売されているという情報を仕入れていたので、そのフリーきっぷを窓口で購入。なにしろ、どこのスポットに行くにも往復で2000円とか3000円とかかかるので、これを持っておくとかなりお得。
フリーきっぷ購入後、富士山五合目行きのバス乗り場へ。五合目といえば、車で行ける最も高い場所。夏場はそこから先、自力で登山する人で大混雑するそうだけど既に季節外れなこと、天気があまりよくないこともあってか、バスに乗っているのは外国人観光客ばかり。おそらく、日本人の乗客は私を含めて数名だったんじゃないかと思う。また、本来なら五合目に続く有料道路、富士スカイラインって、富士山の姿が見えたり眼下には樹海や遠くまで連なる山脈が見えたりで景色がよいらしいけど、富士山の姿は全く見えず、眼下に広がるのも厚い雲ばかり。同時に「紅葉の季節」だと思っていたけど、まだ少し早いようで、紅葉はほとんど見ることが出来なかった。なので、私には「ただの山道」にしか見えなかったのが残念。
約1時間で五合目到着。バスを降りると異様に寒い。「気温3度」とある。軽装で来たので寒くてたまらん。しかも深い霧に包まれていて周辺も真っ白にしか見えない。まあ、帰りのバスまで1時間半もあるので、そのうち天気もよくなるだろう。そう思って土産物屋の中で温まったり、周辺を散策したりして過ごした。
やがて霧が晴れてくる。周辺の景色は分かるレベルに。さらに30分以上経った頃、富士山の山頂を覆っていた雲が少しずつ、少しずつ晴れていく。さらに待っていると、山頂付近まで姿が現れてきた。多くの人たちがそちらの方を見上げて、その姿が完全に見える瞬間を待っていた。「もうすぐだ」「そこの雲、邪魔」などと言いながら山頂を見上げている人が多数。私も「ああ、ようやくその姿を拝めるぞ」と。そう思いつつ撮影したのが↓
完全に姿が現れたら再度、撮影しようと思いつつ。
すると突然、強烈な突風が吹く。あっという間に周辺は再び深い霧に包まれた。↓
本当に一瞬の出来事でした。上の写真と下の写真のインターバルって、ほんの10秒くらい。ほんの10秒で一瞬にして真っ白になってしまった。「やっぱり山の天気って怖いね」と誰かが呟いているのが聞こえたけど、全く同感。「山の天気は変わりやすい」っていうけど「30分くらいかけてゆっくり霧が出る」んじゃなく、「ほんの数秒であたりが真っ白」なわけだから・・・・。周りにいっぱい人がいる場所だったから恐怖心はなかったけど、もしも周りに誰もいない、道路も、建物もないようなところだったら・・・。いや、本当に怖かったです。
やがて帰りのバスが来たので乗車。こんな霧の中でも何事もなく運転するこの路線の運転手にも驚かされました。しかしせっかくの五合目、私にとっては「今まで生きてきて一番標高の高い場所」の訪問だったのに、富士山や眼下に広がる南アルプスなどの景色を堪能できずに残念でした。バスはやがて富士急の河口湖駅に着いたので下車。その頃には予報通り、晴れ間も覗いていた。だけど、相変わらず富士山の姿は見えない・・・。
■午後から本栖湖へ
河口湖駅に着いたのは昼過ぎ。駅にあるファーストフード・コーナーで「吉田うどん」を食べる。富士吉田の名物らしいけど、麺がまるで芯が残っているかのように硬くて太い、珍しいうどんでした。
そして午後は本栖湖へ。河口湖駅から富士市方面行きのバスで約30分程度で行けるけど、バスの本数が多くないので、時間をしっかり調べて乗車した。ここでも外国人観光客20名ほどの団体が乗車。まるで貸切バスかのように騒いでいたのがウザかった。とはいえ、バスがしばらく進むと段々天気がよくなり、雲が晴れ始めた。まだ「スッキリ」とはいかないけど、時々雲の切れ間から富士山が見える。途中、全く知らなかったけど、風穴とか氷穴とかいう洞窟があったり、ぶどう園があったり、青木ヶ原樹海があったり、紅葉の名所・紅葉台があったりで、意外と途中で降りても面白そうスポットがいっぱいだった。それと本栖湖のある住所は「旧・上九一色村(今は合併で村は消滅)」と知ってちょっと驚いたりも。
約30分ほどで本栖湖の入り口あたりのバス停に着く。そこから10分ほど歩くと、大き目の駐車場と休憩所が見えた。さらにその駐車場にある階段を下りたところに湖が広がっていた。河口湖と違って、波打ち際まで砂浜があって、いかにも人の手が入っていない「天然」な湖という感じ。もちろん観光客はいるけど、河口湖のように「ごった返している」感じじゃなく、実に静かで穏やか。空もすっかり晴れてきたので日差しも眩しくって、とても心地よい。
うーん、日差しが強くて水面がキラキラしてたはずなんだけど、写真を見るとなぜか暗く見える。そういえば千円札の裏の「湖に移る逆さ富士」って、この本栖湖から見た富士山の絵だと聞いた。でも富士山は私の今、立っているところから見ると「背後」になる。つまりあの絵は、この辺りから見た絵ではなく、向こう岸のあたりから見た絵ということになる。じゃあ、向こう岸あたりまで行ってみようか・・・。だけど、本栖湖は河口湖と違って遊歩道のようなものはない。車やバイク、自転車の通れる大きな道路はあるけど、途中は樹海の生い茂る深い森。そんなところを徒歩で1時間以上も歩くのは厳しい。まして富士山は「時々雲に隠れたり現れたり」で、そんなに鮮明に見えるわけでもない。しかも帰りのバスに乗り遅れてしまう。ということで、その「向こう岸」の辺りに行くのは断念。帰りのバスの時間までそのあたりで過ごした。
■バスの中から見た「絶景」
河口湖駅方面行きの帰りのバスが来たので乗車。どうやら帰りのバスは行きのバスとは経由が若干違うらしく、途中本栖湖の隣の湖、精進湖の周りをぐるっと一周する。すると・・・。
精進湖は本栖湖以上に人の手が入っていない湖で、とても美しい。それに見とれていた時、他の乗客が「わあ」と歓声を上げる。よく見ると湖の向こうに、今回私が山梨県入りして以来最も美しくて鮮明な富士山の姿が。山梨県側から見る富士山は、静岡県側から見た時のように尖った感じじゃなく、美しい曲線。あの松竹映画のオープニングのような感じで、まるで浮世絵か絵葉書のよう。美しい湖と、その向こうに見える富士山。思わず途中下車したくなったけど、時間は既に夕方5時前。ここでバスを降りたら、夜8時頃までバスが来ない。こんな「秘境」みたいなところでそんな長時間過ごすのは無理。ということで下車するのはやめたけど、「せっかくの絶景なのに」と思うと「もったいないな」と。
やがてバスはぶどう園や氷穴などのバス停に停車。何かイベントでも行われていたのか、一瞬にしてバスはすし詰め状態に。やっぱりこのあたりって有名なスポットが多いらしい。河口湖駅に着いたのは夕方5時過ぎ。富士山駅まで行ったら、また食べ物を買う店がなくって困るから、今日はここで腹ごしらえ&買出しをしようと周囲を散策。とりあえず昼食をとったのと同じ、駅のファーストフード・コーナーで今度は山梨名物の麺、ほうとうを注文。同時に駅周辺にあったコンビニで夜食、酒類、そして明日の朝食用のパンを買う。そして富士急の電車に乗車、富士山駅に戻り、さらに徒歩でホテルへ帰った。明日の予報は1日中雨。外れてくれればいいんだけど・・・。
■2012/11/20 富士四湖(?)放浪(5) ■生憎の雨、とりあえず御殿場に移動
朝起きて外を見ると、予報通り今日は雨らしい。しかし「午後から雨」という予報だったけど、既に夜中から雨が降っていたらしく、地面が濡れている。そしてやはり今日もまた、窓から富士山の姿は全く見えない。当初の予定では、この日は午前中はバスで西湖や精進湖に行き、午後からは山中湖に寄ってから、この日の宿泊地、御殿場に移動する計画を立てていた。でも、この天気では外を歩き回るのは厳しい。とりあえず昨日と同じく、ホテルの部屋で前の日にコンビニで買ったパンで朝食を済ませる。そしてホテルをチェックアウト。2日間泊まった富士吉田市のホテルだったけど、こんなに不便な街だと事前に分っていたら周辺にコンビニや飲食店も多くて、交通の便もよい河口湖駅周辺に宿泊した方がよかったかもと後悔。とりあえず富士山駅前のバスセンターまで傘をさして、重い荷物を抱えて歩いた。
バスセンターに着いて考える。想像以上に雨も強いので西湖だの、精進湖だのに行くという選択肢はない。荷物も邪魔なので、とりあえず今日の宿泊地でもある御殿場までバスで移動してしまおう。それからもう一度、予定を考えればいいや。何度も同じところを行ったり来たりしたとしても、私には「3日間フリーきっぷ」があるんだから。ということで、山中湖経由の御殿場方面行きのバスに乗車した。
富士吉田市内を離れると、バスは森の中へ。それを抜けると山中湖の沿岸に出る。山中湖はかなり大きな湖で河口湖同様、沿岸に土産物屋や飲食店が立ち並んでいて「人の手が多く入っている湖」という印象。白鳥の形の遊覧船やボートが多数あったりで、雨が降っているわりには多くの人で賑っている。いや、よく外を見ると、どうやら雨はやんでいるらしい。時々、傘のいらない程度の小雨が降っているけど、さっきまでほど雨は強くない。いっそ一度下車して寄っていこうか、とも思ったけど、とりあえず大きな荷物が邪魔なので、一度御殿場まで行って駅のロッカーにでも荷物を置いて、もう一度バスで戻ってくることにした。
やがてバスは山中湖沿岸を離れて険しい山の中に入っていく。そして峠を2つほど越えていく。このあたりも天気がよければいい景色なんだろうけど、ただの山道にしか見えず。ちょうどこのあたりが山梨県と静岡県の境らしい。やがて山を下っていくと御殿場市内に入っていく。そして御殿場駅に着いたのは富士山駅を出て約2時間後の11時半前、意外と遠い道のりだった。
■曇り空、やがて大雨の山中湖
御殿場駅のコインロッカーに荷物を置いた後、付近を散策。駅前では「御殿場線フェスタ」なるイベントをやっていて、多くの人でごった返している。御殿場市内は全く雨は降っていない。昼食でもと思ったけど、天気が崩れる前に早めに山中湖まで移動しようということで、すぐに山中湖方面行きのバスに乗車した。
今来たばかりの山道をバスは戻っていくけど、さっきよりも天気は回復気味の様子。約30分くらいで山中湖の入り口にあるバス停、旭日丘に着いたので下車。そこからしばらく湖畔の道路を歩く。駐車場や道の駅の周辺は人が多いけど、道沿いに歩いていくと意外と人は少ない。途中で「夕日の綺麗なスポット」と書かれた看板があったので、階段を下りて波打ち際まで行ってみた。しかし周辺に人影は全くない。まあ時間が時間だし、天気が悪いので当たり前かもしれないけど。
まあ、実際この写真を見ても空はどんより曇っているし、波も荒くってお世辞にも綺麗には見えない。
さらに湖畔に沿って歩く。ここから5,6個先の停留所が遊覧船乗り場の前だっけ。そこまで歩いてみよう。途中に村役場、TBSの社員用の保養施設、歴史のあるホテル、ボート乗り場などがある。栗の木の林があったり(足元にイガが散乱)、「山中湖一周ウォーキング大会」の一団に会ったり・・・。さらに野生の鴨や白鳥も。河口湖、本栖湖と比較してもいちばん観光地らしい観光地という感じだけど、この天気では・・・。しばらく歩くと、小雨が降り出したので折り畳み傘を開く。やがて遊覧船乗り場に着く。このバス停からまた御殿場方面行きのバスに乗って引き返すことにしよう。ということで時間を調べたところ・・・、なんと1時間近く待たなきゃいけない。いや、雨も降り出したし、雨宿りできそうな場所もないし、うーん。
遊覧船乗り場から撮った写真だけど、さっきよりも空がどんより暗い。波も高くなって、白鳥や鴨も流されている。しばらくすると雨がさらに強くなる。激しく叩きつけ、同時に強風も吹き荒れる。傘など最早役に立たない。靴の中はグッショリ、ズボンもグッショリ。いや、こんなところで大雨になるとは。
やがてバスが来たので乗り込む。再び峠を越えて御殿場市内に下っていくけど、山道は深い霧でほとんど何も見えないほど。それでも普通に運転している富士急バスの運転手ってやっぱり凄い。夕方4時頃、再び御殿場駅に着いた。さっきまでやっていた「御殿場線フェスタ」も雨で時間短縮されたらしく、既に撤収された後だった。
■もう「放浪」なんてしない?
全身びしょ濡れだし、相変わらず大雨だしということで、飲食店に寄って食事するとか、街を散策するとかって発想はなく、コンビニで食糧を買い込んでホテルにチェックイン。ビジネスホテルには珍しいいい部屋なので、ゆっくりくつろげそう。といってもまだ夕方5時前だし、本来なら外出したいところだけどこの雨では・・・。ということで諦めて、ホテルの部屋でじっと過ごすことにした。
しかし今回の「放浪」、「富士山の見える景色」を求めて決めた目的地だったのに「綺麗にハッキリと富士山の姿を拝めた」のは2日目、清水〜甲府に向かう身延線の特急の車窓から見た、富士宮駅あたりの富士山だけ。肝心の「富士五湖からの富士山」は3日目のバスで通り過ぎた精進湖の富士山だけ。それも「移動の乗り物の中から見えた」に過ぎない。俺は一体、何しにここに来たんだ? 考えてみれば「(1)」でも書いたとおり、なぜか昔から私は富士山に縁がなかった。どうやらそういう巡り会わせなんだろう。明日の天気予報も「午前中は曇り、午後から晴れ」。明日は最終日、つまり夕方には帰らなければならない。明日も富士山の姿は見ることが出来ない可能性が高い。もしも明日の朝、起きた時に予報通り「曇り空」だったら、諦めてすぐに新幹線で帰ってしまおう。ひょっとすると今回は、時間と金の無駄遣いだったのかも。
考えてみれば、5月の道北放浪時も雨の日が1日あったせいで予定変更したし、一昨年の四国と離島放浪時は2日間雨で大幅な予定変更を余儀なくされた。こんなに天気で予定が左右されるのなら、もう「景色を見に行く放浪」は今後はやめた方がいいのかも・・・。そんなことを考えながら、くだらない地上波のテレビをつけっぱなしにした部屋でその日の夜を過ごした。
■2012/11/23 富士四湖(?)放浪(6) ■果たして今日の天気は・・・
5日目の朝、窓から漏れる眩しい朝日で目が覚める。「午前中は曇り、午後から晴れ」の予報は見事に外れ。昨日の大雨が嘘のような眩しい日差し。これなら今日は富士山が拝めるかも。「曇りなら速攻で帰宅」と考えていたけど、それは取り止め。また、当初は5日目は「JR御殿場線で沼津へ→東海道線で富士駅へ、富士川周辺を散策→再び東海道線で静岡駅へ、静岡市内で過ごした後、新幹線で帰宅」という予定を立てていたけど、それも取り止め。富士急バスの3日間有効のフリーきっぷは今日まで有効なので、バスに何度乗ってもお金はかからない。だったら、バスで再び山梨県内に戻って時間の許す限り「富士五湖巡り」をしよう。そう思い立ったので、即ホテルの朝食をとってチェックアウトした。
外に出て重い荷物を持って御殿場駅方面に歩く。本当にこの「放浪」の5日間の中でも、いちばん晴れ上がって天気がよい。雲もほとんどない。そんな時、ビルの隙間に白い大きな物体があるのに気がついて振り返る。そこにあったのは今回の「放浪」で最も鮮明で、最も間近に見える富士山。いや、こんなに鮮明な富士山を見たのは生まれてはじめてかも。これはもう、絶対に五湖の方に戻るしかなかろう。
駅前のバスセンターは地元の高校生だらけ。そんな中、昨日と同じ山中湖経由の河口湖駅行きのバスに乗る。しかし乗客は20歳前後の、大学生くらいの女子の集団やカップルだらけで満員。会話からすると富士吉田市にある富士急ハイランドに行く人たちらしい。なんか、イベントでもやってるのか? 昨日と同じ山道、峠を通り抜けるけど、昨日の霧に包まれた単なる山道とは全く景色が違う。「富士山に向かって走っていく」ような感じだし、山道を走る間も何度も富士山が見え隠れする。へえ、この峠って、こんなに景色のいいところだったんだ。
峠を降りると、山中湖の湖畔に出る。ここも昨日とは全く雰囲気が違うけど、ここでは敢えて下車せず。山中湖より河口湖や3日目にバスで通り過ぎただけだったけどとても眺めのよかった精進湖の方に魅力を感じていたので。まあ、もう少し時間があればここで下車してもよかったけど、今日は最終日だし。約1時間半で河口湖駅に到着、駅のコインロッカーに荷物を置いて、さて、これからどこへ行こう。
■河口湖大橋へ、再び
まずは精進湖に行こうと思ったんだけど、バスの時間までかなりあるようなので、まずは2日目に行った河口湖の方に歩いてみることにした。あの日と同じように遊覧船乗り場の駐車場付近から、道路の下、湖畔ギリギリのところにある、人気のない遊歩道を歩く。そして富士山のほうを見る・・・・。思わず、感動。
いや、感動のあまり思わず立ちすくんでしまいました。なんという素晴らしい景色。
さらにこれも2日目に訪れた河口湖大橋の上へ。最早日本とは思えないような景色。
橋の上って国道で交通量の多い場所で、しかも歩行者なんてほとんどいない場所なんだけど、思わず息を呑んで立ちすくんでしまいました。
そこで我に返る。時計を見るとおいおい、精進湖行きのバスに間に合いそうもない。ちょっとゆっくりし過ぎたらしい。最早河口湖駅のバス乗り場に引き返す時間はない。何個か先のバス停までなら、何とか間に合うかもしれない。確かこの河口湖大橋の入り口あたりの、大きな通り沿いにバス停があったはず。とりあえず、そのバス停に向かって歩いた。
しばらく歩くとバス停が見えた。時間を見る。ああ、発車時間を5分ほど過ぎている。都会のバスならともかく、ローカルな路線が5分も遅れるとは思えないし。間に合わなかったか。そう思ってバス停を離れようとした瞬間・・・。おお、バスが来た。どうやら遅れていたらしい。ということで、無事に精進湖経由、本栖湖行きのバスに乗ることが出来た。
■最もマイナー? だけど最も美しい精進湖
しかし、3日目に本栖湖を訪れた際に乗ったのと同じ路線なのに異常に乗客が少ない。あの時は観光客だらけでとても混んでいたのに、今日は地元の年配の人しか乗ってない。まあ、平日で特別なイベントもないせいだろうけど。実際、しばらく進むと乗客は私を含めて2人だけになってしまった。
約30分で精進湖のほとりの「精進」というバス停に着いたので下車する。しかし、バス停からは富士山が綺麗に見えない。なので、道路沿いをしばらく歩く。いい感じで富士山が正面に見えるところまで出たところで、ほとんど人の手の入っていない湖畔に下りる。周りには人影すらない、本当に静かで鳥の声しかしない。天気がよくってとても心地よい。それに以上に・・・、なんという素晴らしい景色。さっきまでいた河口湖の景色ですら霞んでしまうほど。「写真を撮るのも、撮られる大嫌い」なはずの私が、思わず夢中で撮影しまくった。
今回訪れた「四湖」の中で最も人気がなく静かで、文明の感じられるものもほとんどない。天候が悪かったり、晴れていても富士山が見えなくってガッカリの連続だった今回の「放浪」、昨日の夜はホテルの部屋で「来なきゃよかった」「もう放浪なんてやめよう」なんて思ったけど、やっぱり来てよかった。だけど、これが「最終日」じゃなかったらなあ・・・。
河口湖に引き返すバスの時間まで、たったの30分しかない。次のバスは3時間後なので、そんなにゆっくりしていると今日中に帰れなくなる。なので、ここでゆっくりできるのはバスが来るまで。バスは「バス停以外でも手を挙げれば停まってくれる」路線なので、さっきのバス停から数百メートル離れた、この地点でバスを待つことにした。バスの待ち時間にも思わず撮影。
道路から撮ったので、ガードレールが映ってしまっていますが。バスが来たので乗車。なんと、さっきと同じバス、同じ運転手でした。しかし離れ難い。本当に素晴らしい眺めでした。ここはもし機会があれば、もう一度訪れたいと思う。というか、もう少しゆっくり過ごしたかった・・・・。約30分でさっき乗車した、河口湖駅の3つほど前のバス停で下車した。
■2012/11/26 富士四湖(?)放浪(最終回) ■河口湖へ、三たび
河口湖大橋近くのバス停でバスを下車したのは朝11時半過ぎ。昼の1時半過ぎに河口湖駅を発車する本栖湖入口、富士宮経由の新富士駅行きのバスで富士五湖を離れて静岡県方面に移動しないと今日中に帰宅するのが難しくなる。よって、それまでの約2時間弱、河口湖周辺で過ごすことにした。
というわけで、まずはさっきの河口湖大橋の上まで移動。いや、やはり河口湖大橋から見る富士山もまた、精進湖から見る富士山とはまた違った美しさがある。またしても橋の上に立ちつくして過ごす。
さっき撮影してから2時間以上が経っているので、さっきとはまた違った見え方。「富士山は見る場所や見る時間に寄って違った見え方をする」と聞いていたけど、なるほど。
とはいえ、ここから河口湖駅まで歩いて30分近くはかかるので、あんまりゆっくりは出来ない。本当はもっとゆっくりしたかったんだけど。結局「快晴」になったのは最終日のみ。随分駆け足になってしまった。こっちに滞在している間、毎日晴れていて鮮明に富士山が見える状態だったら、もっとゆっくり出来ただろうに。名残惜しかったけど河口湖を後にして、河口湖駅に向かって歩き出した。そういえば西湖は一度も行かずじまいだっけ。結局「四湖」になってしまった。
河口湖駅に着いたのは昼の1時前。バスの発車まで30分しかない。ということで、3日目と同じ駅のファーストフード・コーナーで、これまた同じ吉田うどんで昼食を済ませた。
■富士市へのバスの車窓もまた絶景
コインロッカーから荷物を取り出して、新富士駅行きのバス乗り場へ。そして本栖湖入口、富士宮経由の新富士行きのバスに乗車。いよいよ山梨県、富士五湖一帯ともお別れか。外は相変わらず快晴。ということもあり、3日目に本栖湖に行った時と同じバスであるにもかかわらず、終始富士山の姿が見えて車窓が全く違って見える。
やがて本栖湖の入り口のバス停を過ぎると、バスは山の中へ。こっちのバスも峠越えらしいけど、この峠が山梨県と静岡県の県境。その県境を過ぎると、あたり一面平原が広がり、その向こうに今まででいちばん近くに富士山が見える、なかなか素晴らしい景色が。どうやらこのあたりが朝霧高原らしい。季節が季節なので一面枯野原だけど、春は花が咲いてるだろうし、牧場も近くにあるので牛が放牧されたりもしてるんだろう。時間があればゆっくり下車したいほど景色のよいところでした。この辺りは機会があればまた、ということで。
やがてJR富士宮駅前を通り過ぎると、景色は「静岡県側から見た富士山」に戻っていく。しかも静岡県側から見ると今日は雲が多くて、あまり鮮明に富士山は見えない。やはり富士山は山梨県から見た方がはるかに綺麗で壮大に見える。3時半過ぎ、ようやく新富士駅に到着。実に2時間の長い道のりでした。そして富士急バスの「3日間フリーきっぷ」の使用もここまで。いや、購入しておいたのは大正解でした。
■静岡県は「また別の機会に」
しかし新富士駅に着いたのはいいけど、ここって新幹線しかなく在来線の来ない駅らしい。いや、新幹線にはここからじゃなくって静岡駅から乗りたいんだけど。夕食は静岡駅でとりたいし。ということで、バスで10分程度、在来線の富士駅に移動。さらに東海道線で静岡まで移動する。途中、富士川を渡る。当初の予定なら今日は下車して「富士川からの富士山」も堪能するつもりだったんだけど。とはいえ、山梨県側からの富士山を見た後では、それほど綺麗には見えないかも。
約30分で静岡駅に到着。夕方の4時半過ぎ。ちょっと夕食には時間が早いけど、食事を済ませて夕方6時過ぎの新幹線に乗車しようと考えていたんだけど・・・。さすがに最終日、結構駆け足で河口湖や精進湖を回ったし、かなりの距離を歩いたので、ちょっと疲れてしまった。しかも明日は仕事だし。それを思うと「さっさと帰りたい」気分に。というわけで「花ごよみ」なる駅弁を買って、すぐに新幹線ホームへ。5時過ぎの「ひかり」があったので、足早に乗車した。意外と混んでいたけど、名古屋を出ると空いたので、そこで夕食。さらに新大阪で「のぞみ」に乗り換えて、地元へ帰った。結局、当初の予定「富士川からの富士山」とか「静岡市内の散策」は出来ずじまい。まあ、また別の機会ということで。
■総括
結局「富士山の見える湖」ということで「富士五湖」を目的地に選んだのはよかったけど、富士山の姿を拝めたのは最終日のみ。4日目までは「ガッカリ」の連続で「来なきゃよかった」とまで思ったけど、最終日に気持ちがよいほどの快晴で、美しい景色を見ることが出来たので、結果的には「よかった」なと。特に「ずっと見えなかった」「見ることは出来ない」と諦めていただけに、最終日になってようやく見ることが出来たことで「富士山を見ることが出来た」感激や感動もより大きくなったし。もしも「5日間ずっと鮮明に見えていた」としたら、5日目には「もう見ることに慣れてしまっていた」「飽きてしまっていた」かもしれない。結果的にはよかったのかもしれません。とはいえ逆に考えれば、5日目が駆け足になってしまったし、それぞれのスポットであまりゆっくり出来なかったことは、残念に思えます。その「ゆっくりできなかった」こと「五合目はまだ自分の中ではガッカリ・スポットのまま終わってしまった」こと「西湖には行けずじまいだった」こと「氷穴、風穴、紅葉台、樹海、朝霧高原など、知らなかったけど気になるスポットがあった」こともあるので「絶対もう一度訪れたい」気持ちもあります。とはいえ、その時もまた天候が悪かったら、また同じようにイライラさせられるのかなあ・・・・。
それと最近は「鉄道での移動」よりも「バスでの移動」の方が楽しく思われるようになりました。5月の道北放浪の際の沿岸バスといい、今回の富士急バスといい、乗り放題のフリーきっぷがあるし、景色もよいし、のんびりしているし。今の鉄道って、ローカル線であっても、国鉄時代のようにのんびりは出来ない雰囲気になってしまったので、あまり楽しくないなと。
というわけで「4日目まではガッカリの連続、最終日にようやく堪能できた」今回の放浪、最終日に晴れてくれたおかげで、振り返ってみると「行ってよかった」と思えます。それにしても「機会があればもう一度行ってみたい」スポットがまたひとつ増えてしまいました。
![]() トップ・ページに戻る |
![]() 前のページに戻る |