2006年サッカー・ワールド・カップ

      
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■2006/6/11 とうとうはじまってしまって・・・

■何がはじまったって・・・

 いうまでもなく、ワールドカップ。何度も書いてきた通り、1986年のメキシコ大会から見続けてきた私だから、この時期は私にとって特別な時期。当然「見なけりゃ」って感じなんだけど、時差があって試合は大半が深夜。夜10時からの試合なら少し無理すれば見れるけど、12時開始や早朝4時開始の試合は苦しい。何しろ本格社会復帰後、またも忙しくなって、朝8時過ぎに家を出て、夜10時近くに帰り着く毎日。当然、「3試合全部見る」ってのは無理。「1日1試合選んで見る」しか方向はない。あと、朝6時起きとかの日もあるので、そういう日は断念するしかない。だからあんまり見れないかも。でもまあ、4年前は夜型生活。あの時は日本開催だったから時差がなく、昼の試合であれば無理をすれば見れた。もしもあのまま夜型生活が今も続いていたら、今回はすべて断念せざるを得なかったかもしれないわけだから、今回は昼型生活になってるってのは、ある意味ラッキーなのかも。

■ドイツは嫌い

 金曜日の夜の開幕戦、ドイツの試合は翌日が6時起きだった関係上、観戦を断念しました。とはいえ、前の日韓大会の決勝について触れたログにも書いた通り、私ってドイツのサッカーのスタイルが、どうも昔から好きになれない。華麗さに欠けるし、泥臭くて、硬すぎる印象で。1986年のメキシコ大会準決勝で、私が当時応援していたプラティニ率いる華麗で攻撃的なフランスを、引きまくって全く攻めてこず、守りまくって(ボール支配率は8:2くらいでフランスだった)少ないチャンスを生かして2点を奪って破った試合運びが、当時18歳の私には「いやらしい」「汚い」と映ってしまって、それ以来、どうもドイツのサッカーが好きになれずで。なぜかネット上にはドイツのサッカーが好きな人が多いから、負い目があるんだけど、それがドイツへの素直な気持ち。

6月10日(土)22:00
イングランド 1 - 0 パラグアイ

 で、今大会ではじめて見た試合になったのが、昨日の夜のイングランドvsパラグアイ。スター軍団のイングランドだけど、逆に大物が多すぎて噛み合ってないのか、細かいミスは多いし、開始早々先取点を取って以降は特に見所のない試合で残念。まあ、まだ開幕戦だから、今後調子が上がる可能性もあるだろうけど。ただ、「評判ほどじゃないなあ」というのが素直な感想。

 という感じで、日本でサッカーが人気がなく、日本代表もアジアですら勝てなかった80年代からワールドカップを見てきた私、今大会も日本の試合以外も、いっぱい見ていきたいと思う。

■2006/6/14 悪いところがすべて出たオーストラリア戦

 今大会はテレビ観戦した全試合の感想をすべて書いていくことにします。先日も書いた通り、今の忙しさでは「1日1試合観戦」が精一杯だろうけど。

6月11日(日)、22:00
オランダ 1 - 0 セルビア・モンテネグロ

70年代はヨハン・クライフを擁して準優勝するなど、実力のある国ながら、試合運びにムラがあるために前回大会は出場すら叶わないなど、どこか不運な国、オランダと、90年代初頭にストイコビッチを擁して旋風を起こした旧ユーゴスラビアの流れを汲むセルビア・モンテネグロの対戦という好カード。期待は大きかったけど、結果的にはオランダの新星、ロッベンの独り舞台。彼の凄さと、オランダの多彩で派手な攻撃がやたら目についた。70年代のクライフの活躍は、私にとっては「ぜひリアル・タイムで見たかったシーン」のひとつ、それなだけに、あの時代の再来に期待したいという想いは強く、だから私は今大会、オランダに結構注目していたりする。ロッベンの突破力とか、どことなくクライフを彷彿とさせるところもあるし。

6月12日(月)、22:00
オーストラリア 3 - 1日本

 悪夢のような試合。「決定力不足、得点力不足」「終了間際に追いつかれる、逃げ切れない」「ジーコの采配の不自然さ」という、日本の悪い部分がすべて出てしまった。とにかく、チャンスは作るのに、点が取れない、ゴール前までボールを運んでも、パスを回すばかりでシュートを打たない。これじゃあ点が取れるわけもない。特に前日、攻撃的なサッカーに定評のあるオランダの試合を見た後だけに、その「思い切りの悪さ」は見ていて歯がゆかった。そして「終了間際に気が抜ける」のは、「ドーハの悲劇」以来の日本の欠点。

 更にジーコの采配。なぜ柳沢に代えて小野なのか?「フォーワードを減らす=点を取りにいくより守り切る」ことを狙った交代だと思うけど、むしろあの展開は「守り切る」ことを狙うより、「更に2点目を狙う」べきだったと思うけど。で、リードを許した後、慌ててDFを1人減らして大黒投入。DFが一人減って手薄になったところを狙われて取られた3点目。交代が後手後手。一方のオーストラリアの方は、交代で入った選手の活躍で逆転。ヒディンクとジーコ、監督の差が出てしまった。

 ・・・と、日本の悪い部分がすべて出てしまった試合。大きな波乱もなくアジア予選を勝ち抜いた日本だけど、まさか本大会で・・・。格下相手にとても嫌な負け方。しかも今後はクロアチア、ブラジルと、格上との対戦が続くのにもうひとつも負けられない。苦しくなったなあ。確かに私は「日本代表を応援するためだけにワールドカップを見ている」わけではないから、これでテンションが下がることはないけど、やはり「楽しみが一つ減ってしまう」ような気がするというのは素直な感想。

6月13日(火) 28:00
ブラジル 1 - 0 クロアチア

早朝4時の試合。「一眠りして起きて見る、その後もう一度寝る」という、体調管理の難しい時間帯のテレビ観戦。スター軍団で優勝候補筆頭のブラジル。だけど、そのブラジルの圧倒的な攻撃力を封じた、クロアチアの組織力と守備の堅さの方が印象に残った。ブラジルもまだ「全開」ではないのかもしれないけど。とはいえ、劣勢でもカカの「個人技」だけで1点もぎとって逃げ切ってしまうあたりは、やはりブラジルらしい。あと、ロナウドが前回大会の頃と比較すると随分太ってしまって、スピード感が全くなくなっていたのが寂しく思われた。

 さて、明日は6時起きの日。今日は1試合も見れないだろうなあ。

■2006/6/18 うるさすぎる民放局

6月16日(金) 22:00
アルゼンチン 6 - 0 セルビア・モンテネグロ

 「死の組」といわれた実力伯仲のC組の好カード、ところが蓋を開ければアルゼンチンのいいところばかりが出た一方的な試合。交代で次から次に登場するスター選手、華麗でテクニカルなパス回し、「試合」というより、「サッカー・ショー」といった感じで、試合としてはともかく、見ていてとても楽しかった。

 だけど、日本テレビの実況中継は、私が今まで観てきたスポーツ中継の中で史上最悪の部類に入る劣悪さ。なぜか実況席に明石家さんま。ただですらゲストに、しゃべりのうるさい中山雅史がいるというのに、この「ただうるさいだけ」の落ち目の三流タレント(私にとっては90年代以降のこの人は、「うるさいだけで全然面白くない落ち目の芸人」でしかない)が実況席に座り、くだらないことばかり喋り捲る。全然役に立たない情報、全然面白くない冗談の連発。しかもアナウンサーの実況すら遮ってしゃべり続ける。「テレビの前で単純に盛り上がっているだけのいちファン」のたわごと、ひとりごとレベル。しかも全然面白くない。それを公共の電波に乗せて全国に流す必然性はまるでないし、騒音でしかないし、嫌がらせとしか思えない。観ていて腹立たしいとか、不愉快とか、そういうレベルではなく、観ている自分が情けなくすら思えた。

 私はことあるごとに、「俺は昔から観てきた」「だからにわかファンに感心しない」というようなことを書いてきた。でも私は「好きで観ているにわかファン」を批判する気持ちは一切ない。私が否定的、批判的に思うのは、主に民放局に見られる「過剰な馬鹿騒ぎ」と、それに便乗して騒ぐ人たちのこと。「サッカーの日本代表を応援しない奴は非国民だとでもいいたけな押し付けがましくて過剰な盛り上げ、演出」「クロアチア=悪とでもいいたげに、茶化したり小馬鹿にしたりしたような報道」など、誰がどう見てもやり過ぎだし、下品この上ない。大会に便乗した商売をやってる連中も同じ。「心の底からサッカーに興味がある人」など本当はほんの一握りなはずなのに、まるで全員が興味があるかのような、いや、興味を持たなきゃいけないかのような、そんな押し付けがましい報道。これはおかしいだろうと。「見ない奴、興味のない奴=悪」ではないだろう。

 こんな「過剰な馬鹿騒ぎ」を見せられるくらいならむしろ、日本が出場するなど夢でしかなく、単なる「海の向こうの大会」として、細々と夜中に、NHKのみで放送され、結果も新聞に小さくしか載っていなかった、「知ってる人だけが細々と見ていた大会」だった、1986年のメキシコ大会の頃が逆に懐かしく思われる。「みんな、知らないんだろうなあ、こんなに素晴らしく、面白い大会があることを」と思いつつ、眠い目をこすりながら、授業中に「寝溜め」をしつつ、夜中の観戦に備えていた、今思えば本当に懐かしい。当時は「いつか日本でもこの大会がオリンピックと並ぶ大きな世界のスポーツイベントとして、認知される日がくればいいなあ」と願ってた私だけど、今の盛り上がりは異常。もう少し静かに、試合内容自体を楽しめるような報道の仕方をして欲しい。あんなうるさい実況中継は二度とゴメンだ。

6月17日(土)22:00
ポルトガル 2 - 0 イラン

 試合開始から見たかったけど、帰宅が遅くなり、前半20分くらいからしか見れなかった。2002年の日韓大会の頃のポルトガルといえば、「黄金世代」といわれた世代の全盛期で、優勝候補に挙げられながら、故障者が出たことが原因で予選リーグ敗退。で、今回は「黄金世代」で残っているのはフィーゴひとり。そこに新世代のデコやクリスティアーノ・ロナルドが加わって、新たなスター軍団を形成してチームを立て直してきた。「一体、何点とるのかな?」というところに注目して見てたんだけど、前半はイランの意外な頑張りで0-0。「波乱の予感」を感じた。でもやはり、後半はフィーゴ、デコ、クリスティアーノ・ロナルドの個人技で圧倒しての勝利。どうしてもポルトガルを「黄金世代、夢の後」というイメージで見がちな私だったけど、「確かに世代交代でチームが生まれ変わってる」ことを思い知らされた。

 ということで、前回書いた通り、「テレビ観戦全試合の感想を書く」ようにしてるけど、意外と多くの試合を見ることが出来てなかったりする。チェコ、イタリア、ドイツなどの試合は、まだ全く見ることが出来ていないし。しかし今回は昨日の深夜、チェコがガーナに負けたのを除けば、大きな波乱のない大会だなあ。

■2006/6/20 ニュールンベルグでささやいて(by The Roosters)

 タイトルはルースターズの代表曲のひとつだけど、先日の日本vsクロアチアの試合の会場がニュールンベルグだと聞いて、思わずこの曲を思い出したルースターズ・ファンは多いかも。

6月18日(日)22:00
日本 0 - 0 クロアチア

 もう1日経過して、既に語り尽された感はあるけど、内容はよかったし、日本本来の持ち味も発揮していたと思う。ただ、試合開始前から選手の表情が異常に硬いのが気になってた。それは「厳しい表情」というより、「緊張してガチガチ」に映った。特に宮本とFW陣。そして案の定、そうした選手たちの動きが異様に悪かった。そのことが宮本が与えたPKに繋がったし、FW陣の相変わらずの決定力不足、というよりゴール前での思い切りの悪さにも繋がった。特に宮本、PKを与えて以降は全く精彩がなかった。

 そんな中、PKを止める好セーブ、その後は精彩を欠く宮本に代わって大きな声を出し続けた川口、思い切りの悪いFW陣を鼓舞するかのように、遠いところから思い切りよくシュートを打ち続けた中田の2人が光っていた。特に中田、常に攻撃にも、ディフェンスにも顔を出して精力的に動きまわっていて、不甲斐ないチームをひとりで引っ張ってたのが印象的だった。試合後のインタビューで珍しく興奮気味に上ずった声でしゃべってたし、クールな彼が久々に必死になってたのがよく分かった。

 後半は両チームともバテバテで大味な試合になり、結局は引き分け。普段なら「前半攻めまくられながらもよく守って、格上の相手に大善戦した試合」といえるだけの内容だったとは思う。だけど、「絶対に勝たなければならなかった」試合。だから称えることは出来ない。前半も一方的に攻められながらも、チャンスは何度かあった。そこで決めきれないあたりがやっぱり日本の弱さ、弱点。「よく引き分けた」ともいえる反面、「チャンスはあった」わけで。それなだけに残念。

 次のブラジル戦。「2点差以上つけて絶対に勝たなければいけない」試合になる。よりによって「王国」相手に。可能性は限りなく低い。でも、ゼロではないわけで。ホンネは「もう駄目だろう」だけど、可能性がある限り、期待はして見ていたい。

 しかしテレ朝の放送も、相変わらず松木安太郎がうるさすぎるし、試合当日も朝2時間、昼間に1時間半、夜も試合開始2時間も前から特番と、1日中特番だらけ。先日も書いた通り、「やり過ぎじゃないか」という気がするし、「サッカーが好き」なはずの私にすら「ウザい」と映る。「こんな馬鹿騒ぎが続くんなら、いっそのこと、敗退してくれた方が決勝トーナメントは静かに見れるかも」などという、不謹慎なことを考えてしまうのは、果たして私だけだろうか? いや、こんなことは本当は考えたくはないんだけど・・・。

6月19日(月)22:00
スイス 2 - 0 トーゴ

 珍しく早く帰宅できた、なおかつ翌日(つまり今日)は遅い出社。「おもいっきいり観戦できるぞ」と思いきや、こんな日に限って地上波放送はこの地味なカード1試合のみ。本当はスペイン戦が見たかったのに。とはいえ、蓋を開けると意外と面白い試合。特にスイス、よく統率の取れたまとまった好チームだった。トーゴは粗削りだけど、アフリカらしいチーム。「ちょっとした拾いもの」を見つけたような気分だった。

■2006/6/22 永遠に色褪せない、1986年メキシコ大会の記憶

 前から何度も述べてきた通り、私が最初に夢中になって観戦したワールドカップは1986年メキシコ大会。当時は高校3年、夜更かしの習慣すらなかった頃だけど、地球の裏側で時差もかなりある関係上、すべて試合は日本時間の深夜。眠い目をこすりながら毎日夜中にテレビにかじりついていたものでした。当然、当時は日本ではサッカーの人気もなく、見てる人もほとんどおらずで・・・。

 とはいえ、「サッカー=人気がなくって、代表の試合といえども閑古鳥」なスポーツという、当時の日本におけるイメージとかけ離れた熱く、華麗なプレイの連続。それなだけにインパクトは強く、「ああ、サッカーってこんなに面白いスポーツだったんだ」とビックリしたものでした。だからこそ、私にとってこのメキシコ大会の思い出は強烈で、時代は大きく変わろうとも、その想いは全く色褪せることはないわけで・・・。

6月20日(火)23:00
ドイツ 3 - 0 エクアドル

 で、前から述べている通り、1986年のメキシコ大会、全く調子の上がらない中、なぜか泥臭く粘って勝ち抜き、気がつけば準優勝した旧西ドイツ。華やかさのかけらもなく、見ていて面白くない試合ばかり、しかも私が当時大好きだったミッシェル・プラティニ率いるフランスに対して「いやらしい勝ち方」をした準決勝の戦いぶりを見て以来、私の中で「ドイツ・サッカー=面白くない、華がない、統率がとれすぎている」というマイナスなイメージはますます膨らむばかりで・・・。だから今回もやはり、ドイツには否定的な目をむけていて・・・。ところが、この試合のドイツ、今までとは少しだけイメージが違って見えた。こんなに攻撃的なドイツ代表は、私が本格的にワールドカップを見始めて以降でははじめてかも。バラック、クローゼなど、意外と華があるし。「ドイツの勝ち試合」を見て、「面白い」と思ったのは今回がはじめて。少しだけドイツ・サッカーに対するイメージが変わった。とはいえ、「攻め込まれながら耐えて、少ないチャンスを生かして逃げ切る」という試合運びは、「いつものドイツ」だけど。あと、入院中に見舞いにきた上司が、「ワールドカップ直前のヨーロッパの強国特集」のサッカー雑誌を持って来てくれたんだけど、その中で「今回のドイツは史上最弱」と酷評されていたし、開幕直前の日本との親善試合でも「今回のドイツは弱いなあ」という印象が残ったんだけど、いざ蓋を開ければこの強さ。まあ、「地元開催」ということも有利に働いてるんだろうけど、意外と今回もいいところまでいくんじゃないかな。

6月21日(水)23:00
ポルトガル 2 - 1 メキシコ

 今も述べてきた、私にとって最も思い出深い1986年大会の開催国だったのがメキシコ。地元開催ということで、あの大会におけるメキシコは会場も、試合内容も熱かった。小柄な選手ばかりながら、激しく動き回りながら細かく華麗なパス回しを見せる最高に楽しい試合運び、そのパス回しに合わせて客席から湧き起こる「オーレ、オーレ」という闘牛場のようなゆったりとした歓声や「メヒコ、メヒコ」の大合唱、そしてゴールを決めた後必ずバク宙を見せるエースにして国民的英雄だったウーゴ・サンチェス・・・。そんな思い出があるせいか、以降もメキシコ代表は常になんとなく応援してきたチーム。メンバーは代われど、いつの時代も華麗で細かいパス回しはこの国の伝統。今大会はじめてメキシコの試合を観戦することが出来た。既に決勝トーナメント進出を決めているポルトガルはフィーゴ以外の主力を温存。一方のメキシコは決勝トーナメント進出がかかった試合。ということで、メキシコの勝利を確信してたんだけど・・・。いざ試合がはじまると、華麗なパス回しこそ健在ながら決定力不足で点が取れない、相手は引き気味であるにもかかわらず、ディフェンスはガタガタ、わずかな隙を突かれての失点。正直、「今回のメキシコは微妙だなあ」とガッカリした。パス回しの華麗さは健在だったし、途中で1人が退場になって10人になりながらも攻め続けた粘り強さも光ってはいたけど、「決めるべき時に決められない」から「強い」という印象はなかった。一応敗れながらも決勝トーナメント進出を決めたみたいだけど、「この試合内容じゃあ、すぐに敗退するだろうな」という想いが強い。

■2006/6/23 4年間・・・

6月22日(木)28:00
ブラジル 4 - 1 日本

 早朝4時、眠い目をこすりながら起き上がってテレビ観戦。だけど私の気持ちは異様に冷めていた。「王国」を相手に2点差以上つけて勝たなければ敗退決定。あまりにも低い確率の可能性に賭けなければいけない厳しさ。正直、諦めていた。「どんなに無様な負け方をしようとも、その様を見届けなければいけない」、そんな義務感を感じての観戦だった。だから負けた瞬間も、その事実を冷静に受け止めた。正直、特に何も感じなかった。だけど一方で、「この4年間は一体何だったのだろう?」「今後の日本のサッカーはどうなってしまうのか?」というふたつの想いが交錯した。

 まず「この4年間は一体何だったのだろう?」感。ジーコ・ジャパンのメンバーの大半は、トルシエ・ジャパンの時代に力をつけて、代表に定着したメンバー。つまり、トルシエの築き上げたチームを受け継いで、そのチームを「完成」させることがジーコの仕事だった。トルシエ時代は、事細かに監督から指示が飛び、その指示を実行することが選手の仕事だった。それがジーコ監督になり、「個」を重視し、選手の自主性に任せるサッカーへと変化した。つまり「より大人のチーム」になることが要求された。言い換えれば「より成熟したチーム、完成したチーム」へと成長することが求められた。「選手が個性を生かして、伸び伸びプレイするチーム」の方が、見ている側も面白いのは事実。だから私はそのことを歓迎した。

 だけど結局、結果はベスト16に進出した前回を大きく下回る結果。つまり、肝心の「結果」が残せなかった。本来なら選手は成長し、チームも成熟しなければならなかったのに、結果だけ見れば「後退」である。じゃあ一体、この4年間は日本のサッカーの歴史を思う時、一体何だったんだろう。無駄な時間を使っただけだったんだろうか? 日本においてはやはり、「個人重視の伸び伸びプレー」よりも、「誰かが用意した型にはまったプレー」の方が、まだまだ似合っていたということなんだろうか。それはそれで寂しいことだと思うけど、この結果を見るにつけ、そう思わざるを得ない。明らかに日本は南米やヨーロッパの国に比べれば、「個人技」においては大きく見劣りするわけだから、やはり「個人技」を封印してでも「組織重視」でいくべきなのかなあ・・・。その事実を思うと悲しい。

 次に「今後の日本のサッカーはどうなってしまうのか?」感。Jリーグ開幕以来、ひたすら「進化」のみを遂げてきた日本のサッカー。1980年代の、本当に弱かった頃から日本のサッカーを見守ってきた私からすると、いまだに信じられないことではある。だけど、今回の件で、Jリーグ開幕以降でははじめての「後退」を遂げた。今後の日本のサッカーは本当に大丈夫なのか? と思わざるを得ない。確かに「過剰な馬鹿騒ぎ」は嫌いだけど、逆に「熱が冷めると誰も見向きもしなくなる」のもこの国の国民性。バレーボールの二の舞いにならなければいいが・・・という危惧は否めない。

 それだけじゃない、今回の代表は大半がトルシエ時代からの選手たち。つまり「黄金世代」が中心で、25歳以下の若い選手がほとんどいない。つまり、「ドイツ大会後の日本代表のチーム作り」はおそらく、大変な困難を極めることが予想される。次の世代を担う選手たちの大半が経験不足ということになる。果たして次のワールドカップの頃の代表は大丈夫なのか? と思うと、目の前が真っ暗になる。なので、次の日本代表監督が誰になるのかは全く分からないけど、「新しい世代の選手を育て、いちからチームを作り上げる」ことが急務になる。その仕事はあまりにも大変で、責任が重い。

 結局、この4年間は「足踏み状態」どころか、「後退」の4年間だった。初戦のオーストラリア戦での脆さはもちろん、昨日のブラジル戦でも、せっかく先制されながら前半終了間際に追いつかれてしまうあたりの弱さ、そしてまだ同点、前半を終わったばかりなのに、うな垂れて引き上げてくる選手の表情を見るにつけ、やはり日本は技術や体力的にはもちろん、精神的に弱かったということの現われじゃないだろうか。なんて諦めがいいんだろう。がむしゃらさも感じられない、最後まで諦めない勝利への執念も足りない。技術云々じゃなく、精神的に弱かった、そう思わざるを得ない。そんな諦めムードの中、最後までひとりで必死にボールを追い続け、試合終了後グランドに崩れ落ちて、15分近くも立ち上がれなかった中田の執念は光っていた。彼の目が赤かったことにも驚いた。いつもクールな彼が珍しく見せた人間臭さと執念。その姿を私は今後も忘れることはないだろう。「次の世代」が、彼のそんな姿を見て何かを感じてくれることを望みたい。

 とはいえ、大会はこれからが本番。「ガンバレ、ニッポン」一本槍の「馬鹿騒ぎ野郎」どもも静かになるだろうし、これからはようやく安心して観戦できる。私にとってのワールドカップ観戦は、これからが本番だ。

■2006/6/25 大国の出揃った決勝トーナメント

 で、先日も書いた通り、「ガンバレニッポン一本槍」の便乗にわか野郎どもの馬鹿騒ぎも終わり、いよいよ私にとっては「これからが本番、楽しみ」という決勝トーナメントがはじまりました。前回の日韓大会はアルゼンチン、ポルトガル、フランスといった実力国が相次いで敗退、一方でトルコ、セネガルといった伏兵の台頭があったわけだけど、今回はチェコが敗退(一度もチェコの試合が見れなかったのは心残り)したことを除けば、大国の大半が順当に決勝トーナメント進出。もちろん前回は日本特有の梅雨の辛い気候もあったのかもしれない。でも、それ以上に前回は組織的にまとまったチームが多くて「強国、伝統国とそれ以外の国の実力差が縮まった」感が強かったんだけど、前回の決勝で「個人技」で圧倒して優勝したブラジルの影響か、今回は強国、伝統国が「組織力よりも個人技」を重視したチーム作りを推し進めて攻撃的になって、その結果が「大国の順当勝ち」に繋がってるような気がします。そうなると「個人技に優れたチーム=大国が有利」になるのはごく自然なことだし。

 だから「意外な国の活躍」という楽しみはない反面、「強い国=派手で見ていて楽しいチーム」ばかりが揃うことによって、派手な内容の試合が増えることが予想されるわけで、これは見てる側からすると楽しみなことなわけで・・・。まだスペインやイタリアの試合は全く見てないし、何度でも見てみたいチームも多いし、いや、楽しみ楽しみ。

6月24日(土) 24:00
ドイツ 2 - 0スウェーデン

 ずっと書いてきた通り、どうにも思い入れの持てないドイツ。しかもそのドイツの一方的な試合で、途中で居眠りしてしまった。だけど前も書いたけど、こんなに攻撃的なドイツ代表ってのも、結構珍しいかも。もともと歴史的に見て、「圧倒的な強さ」を発揮するタイプの国ではないので、比較的危なげない勝ち方をしているのを見るにつけ、意外と優勝の可能性も高いかも。地元の大サポーターの後押しもあることだし。だけど「ドイツの応援といえばチアーホンの甲高い音」というイメージがずっと昔から強かったんだけど、全然チアーホンの音がしてなかったのが意外。考えてみれば、いつからチアーホンって使われなくなったんだろう?日本ではJリーグ開幕直後に騒音が問題になって禁止になったのはよく覚えてるけど、本場・ドイツですら今では使われてないとは・・・。ああ、あとスウェーデンのラーション、これで見納めなのか?

 で、「今日は眠いから1試合だけで寝てしまおう」ということで敢えて見なかったのが早朝4時のアルゼンチンvsメキシコ。この前見たメキシコの試合にはガッカリだったし、一方のアルゼンチンは今回、圧倒的な個人技と攻撃力を持ってるから、「見るまでもなく結果の分かる試合」だと思ってたのもあるし。ところが、延長までもつれ込む大変な試合だったようで、「ああ、ドイツ戦を見ずに、こっちを見とけばよかった」と後悔。しかしその圧倒的な破壊力を見せているアルゼンチンが、次はドイツと対戦。その「強すぎる」アルゼンチンをドイツが退けるようなことがあったら、今回の優勝はドイツかも。逆にアルゼンチンが勝てばアルゼンチンが優勝しそう。だからこの試合の勝者が優勝する可能性が高いと読んでる。注目の試合になりそう。考えてみれば、私にとっては思い出深い、1986年のメキシコ大会の決勝で対戦した両チームの対戦にもなるわけで。

 それにしても、今日は早く寝て、明日の明け方のオランダvsポルトガルを見たかったのに、地上波放送なし。どちらも攻撃的で華麗な「見て楽しい」チーム同士。個人的に今回注目&応援してたチーム同士でもある。楽しみにしてたのに見ることが出来なさそうで、そのことが悔しくて仕方ない。この両チーム、もっと何試合も見てみたいのに、負けた方はもう姿を消してしまうんだよなあ・・・。

■2006/6/27 日本に似たチームと日本が目指すべきチーム

6月25日(日)24:00
イングランド 1 - 0 エクアドル

 ベッカム、ジェラード、ランパード、Jコールと、「黄金の中盤」を形成して史上最強といわれる今回のイングランド。そのイングランドの試合を見たのは初戦のパラグアイ戦以来だったけど、イングランドの印象はあの試合と変わらなかった。スターだらけ故に、「個」が強く出過ぎて、チームとしてのまとまりや連携に不安が。随所に素晴らしいプレーは見せるんだけど、肝心の得点には至らない。で、エリクソン監督も選手任せで、特別な戦術も打ち出さないんだとか。更にオーウェンの負傷でFWの人材も不足気味か。もちろん、エクアドルがよく守ったということもあったけど、意外なほど攻めあぐねていたという印象で、「強い」という感じがしなかった。最後はベッカムの「個人技」で1点もぎ取って逃げ切ったわけだけど、チームとしてのまとまりはなかった。これって、ジーコ・ジャパンにソックリじゃないか、と思ったのは私だけだろうか。まあ、日本と比べれば、各スター選手の個人技のレベルは数段上なわけで、その辺が勝ち残っているイングランドと惨敗した日本の差だろうけど。いずれにしてもイングランド、1試合目を見た時同様、決して優勝候補とは思えない。

とはいえ、前も書いた通り、この日の4時からはポルトガルvsオランダの好カードがあったけど、地上波放送がなくって見れなかった。だけど、華麗な個人技や攻撃力のぶつかり合いを期待していたのに、結果はラフプレーの連続で退場者続出の死闘になったようで。「見なくてよかった」という気もしないでもない。「超攻撃的」というイメージの強いポルトガルだけど、オランダの猛攻を耐えて守っての勝利だったよう。私自身は両チームとも大好きだから、「どっちが勝っても今後も注目&応援」するつもりでいたけど、ポルトガル、デコが出場停止、クリスチアーノ・ロナルドの故障など、オランダ戦の勝利の「代償」は大きい。次の試合はどうなるのか、そのことが不安。同時に、結局本領発揮できぬままオランダは敗退。そのことは寂しくて仕方ない。

6月26日(月)24:00
イタリア 1 - 0 オーストラリア

 今大会初めて見たイタリアの試合。「攻撃的に生まれ変わった」という評判の一方で、「今回は今一つ」という声もあったわけだけど。確かに攻撃陣のタレントは、以前よりも揃っているし、それを同時に出場させてしまうあたりは、「1点を守り切る地味な守りのサッカー」が伝統の同国には珍しい。だけど「決定力不足」と映った。確かにオーストラリアもよく守ってはいたけど。しかも前半であっさり若きストライカー、ジラルディーノを交代させてしまったりと、「なんだかんだ言いながら、やっぱり守り重視のサッカーをやってるなあ」という印象も。更に退場者も出すし、後は防戦一方。「ああ、引き分け延長戦か」と思った後半ロスタイム、まさかのPK。そして、途中出場のトッティがこれを決める。そして決めた瞬間の試合終了。「攻撃的なチームに生まれ変わった」という印象は、正直、私には全く持てなかった。むしろ「守り切る」「粘る」「土壇場で決める」という、この国の伝統の強さを感じた。

 確かに個人技はあるし、その個人技を存分に発揮して、見ていてそれなりの面白さを感じさせる試合をする。だけど、まずは守ること=組織力重視。これって実は日本が目指すべき道なんじゃないかと感じた。ジーコのように「個人技一辺倒」では日本は勝てない。でもトルシエのように約束事だけで塗り固められたサッカーは面白くない。だから、まず組織や約束事を決め、その枠の中で「個=自由」を与える。これなら日本にも出来るんじゃないか。もちろん、イタリアのような伝統や飛び抜けた個人技もないし、「土壇場で決める」勝負強さもない。だけど、今の日本レベルで「個人技一辺倒」では勝てない、「組織一本」では面白くない。ならばこの路線が一番あってるんじゃないか。そんな気がした。

 しかし「伝統の力」を発揮した時のイタリアは強い。まさに試合巧者。変に攻撃的でない時の方がこの国は強いということ。

■2006/7/1 眠気の中で・・・

どうも最近はプライベートの方でも疲れ気味なので、帰宅した時にはグッタリな毎日。なのに帰宅後に夜更かししてテレビを見ているせいか、テレビ観戦中に何度も落ちてしまう。せっかく大会は後半をむかえて盛り上がってるというのに、観戦した試合もポツポツとしか記憶に残ってない・・・。

 決勝トーナメント1回戦
6月27日(火) 24:00
ブラジル 3 - 0ガーナ

まあ順当なブラジルの勝ち。相変わらず絶好調には見えなかったけど、初戦を見た時には全く動けていなかったロナウドが復調してきたのはよく分かった。だけど、実は後半の45分の大半、私は落ちたままだった(笑)。だから「後半のガーナの頑張りに観客が沸いてた」と後で聞いたけど、私の記憶には全然なかったりする。気がついた時は試合が終わり、ブラジルの選手が喜んでたので、「ああ、あのまま終わったんだな」くらいにしか思わなかったから。

 しかしむしろ、見ることが出来なかった同じ日の明け方4時からの試合で、スペインがフランスに負けたことの方が個人的には驚き。今大会絶不調のフランスと、一部には優勝候補との呼び声も高いスペイン。「スペインの大勝」を確信してたから。どうも監督のメンバー交代が裏目に出たようで、「スター軍団」で、控えにまでスター選手が名を連ねるチームは難しいんだなと思い知らされた。個人的にもラウルを筆頭にスターを多く揃えるスペインの試合、今大会は1試合も見れなかったことが心残り。

 準々決勝
6月30日(金)24:00
ドイツ 1 - 1アルゼンチン (PK勝ち)

 しつこいくらいに述べてきた、私がはじめて本格的に見たワールドカップになった1986年のメキシコ大会の決勝戦、次の大会1990年のイタリア大会決勝戦と同じ顔合わせ。「こんなに早く当たるとは」な両国の対戦ともいえるし、私は「この試合の勝者が優勝するのでは?」とすら思ってるほどの注目の試合。とはいえ、相変わらずドイツに思い入れが持てないので、アルゼンチンを応援して観戦。しかし予選リーグの圧倒的な攻撃力はどこへやら、メキシコ戦で苦戦した後遺症か、アルゼンチン、今一つ。先制したあと、指令塔のリケルメやストライカーのクレスポを交代させる不可解な采配。しかもキーパーの負傷退場もあって、交代枠を使い果たしてしまい、同点に追いつかれた後も、ベンチに温存していたサビオラ、アイマール、メッシといったスター選手を投入できないまま。スター軍団であるがために、逆に選手起用に苦しんだ、監督の采配ミスだと思う。結局、攻撃の核になれる選手がいないメンバーのまま延長線を戦わざるを得なくなって・・・。その時点で勝負は目に見えてた。PK戦云々じゃなくって、「守り」に入った選手交代がアルゼンチンの敗因。ドイツが勝ち進むことも、個人的には複雑な気分だし、アルゼンチンの多くのスター選手たちをもう見れないことも寂しい。同時に、途中何度も落ちてしまい、しかもPK戦に至っては、おぼろげな記憶しか残ってない、そのことも最高に悔しく思われる。まあ、前半の45分が、特に見せ場のない凡戦に終わったことで、急速に眠くなってしまったことが原因なんだけど。

 4時からのイタリアvsウクライナ、しばらく仮眠した後、起き上がってテレビをつけたんだけど、試合開始前に選手が整列しているシーンを見た後、突然記憶が途切れ、気がついた時にはイタリアの選手の歓喜の輪が・・・。つまり試合中、完全に落ちていたということ。試合はイタリアの一方的な勝利だったみたいだけど、ウクライナの誇る世界一のストライカー、シェフチェンコの姿は1回くらいちゃんと見ておきたかった・・・。

 というわけで、日常生活の疲れもあってか、ここへきて満足に観戦できてない。そのことが悔しくて仕方ない。

■2006/7/5 まさかの準々決勝

 7月1日の準々決勝2試合。翌日の日曜日は出勤、ということで、「どっちか1試合だけ見て、もう1試合は諦めよう」と決めた。で、私が選んだのは、「なんとなくやる前から結果が見えている」ブラジルvsフランス戦ではなく、個人的に思い入れの強いポルトガルの試合の方。

7月1日(土)24:00
ポルトガル 0 - 0 イングランド(PK勝ち)

 ということで、今回勝ち残ったチームの中で、いちばん思い入れの強いチームがポルトガル。個人的には攻撃的で華麗なチームが大好きなので。でも実は一方で、スター揃いのイングランドも結構好きだったりするので、「どっちも敗退しないで欲しい」ような気持ちで見守った試合でもあった。特に両キャプテン、フィーゴとベッカム、ともに最後のワールドカップになってしまいそうだし。とはいえ、攻撃陣が好調なポルトガル、スター軍団ながら今一つ噛み合ってないイングランド。ということで、ポルトガルの一方的な勝ちを想像してた。

 ところが、中盤の指令塔、デコの不在のせいか、時々フィーゴとクリスチアーノ・ロナルドの両サイドでの鋭い動きは目を引くものの、決定的なチャンスは作れず、「攻めあぐねている」印象。押し気味なのに決められない。FWのパウレタまでボールがいかない。一方のイングランドは相変わらず噛み合ってない印象。しかも後半、ベッカムとフィーゴ、両キャプテンが交代。「どっちが負けても、負けた方は見納めになるのか」と思うと複雑な心境に。さらにイングランド、ルーニーが退場に。にもかかわらず、ここから逆にポルトガルの攻めが単調になり、イングランドのペースに。ベッカムに代わって入ったレノンなる、なかなかいい名前の選手(?)の動きがよくって。結局得点がないまま延長戦に。だけど、両チームとも攻めが単調で、全然得点の入りそうな気配なし。そして勝負はPK戦に。結局、ポルトガルが勝利。確かにポルトガルの勝ちは嬉しいけど、ポルトガルらしい派手さは全くなかったし、「次の試合は大丈夫?」という想いも。一方でイングランドがもう見納めなのも残念。そんな複雑な気持ちの残る試合だった。

 ところが、「やる前から結果が分かってる」ということで観戦を断念したブラジルvsフランス。ようするに「王国と、今大会不調で落ち目のフランス」ということで、ブラジルの一方的な試合を予想していたのに・・・。まさかのブラジル敗退。とはいえ、今思うと、前評判のわりに、あまり調子がよくなくって、「まあ、いずれ力を発揮するだろう」といわれながら、ズルズルここまできていたのは事実。それが悪い結果を招いた、ということか。まあ、もともとブラジルって、伝統的に「今回は強い」という前評判が高い時ほど、あっさり敗退してきたという歴史がある。「黄金の中盤」の1982年がその好例。逆に前回は「史上最弱」といわれる中で勝ち進んで優勝した。意外とそういう国なんだよなあ。結局、ロナウジーニョは全く本領発揮しきれないまま。「今大会最高の選手」と注目される選手ほど、力を発揮できずに終わるのもワールドカップの伝統。とはいえ、逆にここへきて調子を上げて来たフランスの健闘の方を称えたい。でも次はそのフランスと、個人的に応援しているポルトガルの対戦。またも個人的には「どっちが負けても寂しい」対戦になる。その辺は複雑な気分。それとブラジルの敗退で、個人的には思い入れの低いドイツの優勝が見えて来たみたいで、その辺も複雑なところ。

 

■2006/7/8 再び組織力の時代到来?

準決勝
7月4日(火)28:00
イタリア 2-0 ドイツ

 ブラジルもアルゼンチンも敗退となると、やはり優勝はドイツか? でもドイツは好きじゃないしなあ、可能性は低いけどイタリアを応援しよう、ということで観戦した試合。大会前は「今回は攻撃的に生まれ変わった」といわれつつも、やはり伝統の堅い守りで勝ち進んできたイタリア。この試合も、今大会、前評判以上に攻撃力の高さを見せつけてきたドイツの攻撃を封じ、クローゼとポトルスキーに仕事をさせていなかった。一方で見せ場を何度も作っていたのはイタリアの方。だけど得点を奪えず延長線へ。伝統の守備的なシステムを崩してまでデルピエロやジラルディーノを投入して決定的な場面を作りながら点は取れず。延長の後半ももうすぐ終わり、「ああ、PK戦か、PK戦になれば、レーマンもいるし地元サポーターの後押しもある、しかも伝統的にPK戦に強いドイツ、逆に弱いイタリア、勝負は見えたな」などと考えはじめた矢先、イタリアが先制。残り1分を切って必死に攻めるドイツからボールを奪って、試合終了のホイッスルの直前にデルピエロの決めた2点目。イタリアの土壇場での勝負強さに驚かされた試合だった。

 入院中に見舞いにきてくれた上司が持って来た、ワールドカップのヨーロッパの強国を特集したサッカー雑誌には、イタリアについて、「今回は攻撃的なタレントが揃っている。その分、伝統的な守備的システムを崩してまで、攻撃的なメンバーを同時に起用する布陣が予想される」としていた。ところが、本大会では守備的なシステムはそのままにして、溢れた攻撃陣の選手はベンチに置き、勝負どころで途中交代で投入、しかもその交代が当たって勝ち進んで来たという印象。その分、タレントは揃ってるけど、決して派手ではない。でも、チームとしてのまとまりや、安定感、一体感はある。スター選手を敢えて全員併用することに拘るあまり、チームとして機能しなかったイングランドとは対照的といえるかも。確かに「個人技」を生かしたチームの方が面白いのは事実だけど、「まずは組織」なんだなと、改めて思い知らされた。その「組織」という枠の中で全員が個性を発揮してるから、見ていて面白くないという感じはしないし。

 しかし地元ドイツの敗退というのは意外な結果。個人的には昔から嫌いなチームだから、負けてどうこうという気持ちは全然ないけど。でも、前評判の低さを考えれば、大健闘なんじゃないか。それに、こんなに攻撃的なドイツって、今回がはじめてだったし。なんだかんだ言いながら、それなりに楽しませてもらった。

7月5日(水) 28:00
フランス 1-0 ポルトガル

 今回勝ち残ったチームでいちばん好きなチームカラーがポルトガル。一方のフランスはヨーロッパ予選を勝ち進むのがやっと、前評判も低くて全く注目してなかったんだけど、準々決勝でブラジルを下す金星を挙げた。実は今大会、フランスの試合を見るのははじめて。メンバーの大半はジダンをはじめ、90年代末〜2000年代初頭に黄金期を築いた頃の顔触ればかり。やっぱり微妙だなあ、と思ってた。

 だけど、いざはじまると、個人技と攻撃力で勝るポルトガルが一方的に攻める試合に。まあ、予想された通りなんだけど、フランスのディフェンスが固いので、いい形は作れても、シュートには持ち込めない。クリスチアーノ・ロナルドやフィーゴが見事な個人技は見せるんだけど、前線まで繋がらない。点取り屋のパウレタが前をむいて仕事が出来ない。指令塔デコも全く目立たず。「なんか、いやな感じだなあ」と思ったら、DFの反則でPKを奪われて、これをジダンが決めて先制。あとはフランスが「1点を守り切る=ディフェンス重視」な試合運びを展開。ベテランだらけのチームは、うまくいかないとガタガタになる恐れもあるけど、逆にベテラン揃いゆえの「試合運びの上手さ」を発揮してのフランスの勝利だった。古くは1980年代のプラティニを中心とした「シャンパン・サッカー」の時代、90年代のカントナ、パパンの時代、そしてジダンを軸とした1998年優勝の時代と、常に華麗で攻撃的でハデハデしいサッカーが売りだったフランスだけど、今回はベテラン揃いならではの、老獪で巧みな試合運びが光っていた。特にデコを2人がかりで潰したベテランのボランチ、ビエラとマケレレの老獪さが目を引いた。ブラジル戦でもロナウジーニョをこの2人で封じたそうだし。みんなはジダンにばかり注目するけど、久々に見た彼の動きの悪さ、遅さといった衰えようは見ていて痛々しかった。確かに精神的支柱としての彼の存在の大きさ、時々見せるパスやドリブルの華麗さは、やはり特別ではあるんだけど。

 ポルトガルはオランダ戦の死闘、イングランド戦での延長、PKと大変な試合が続いたせいか、疲労が感じられ、攻撃に精彩を欠いていたように思われる。どんな巧みな個人技を見せても、得点できなければ勝てないわけで。パウレタの不振と、それに代わるFWがいなかったことも痛かった。日本代表同様、中盤のチャンスメーカーはタレントが揃ってるけど、得点できる人がいないのは・・・。「黄金世代」の最後のひとり、フィーゴも今回が見納めなのかなあ。そう思うと寂しいし、結局、代表では栄光とは縁のなかった人だったのか。クリスチアーノ・ロナルドの将来が楽しみではあるけど、イングランド戦でルーニーを退場に追い込んだ行為のせいか、この試合でも終始中立の地元ドイツ人の観客からもブーイングを浴び続けるなど、すっかり悪役扱い。このことが彼の後のサッカー人生を狂わせる結果になれなければいいけど。とはいえ今回のポルトガル、私の好きなタイプの「見て楽しいサッカー」をやってくれたし、私は満足だった。

 結局、この2チームを見ると、「個人技より組織力」という印象を受けてしまう。前回はチームとしてのまとまりは悪いにもかかわらず、ロナウド、リバウド、ロナウジーニョという、突出した個人技を持った3人のいるブラジルが優勝、「個人技は組織力より勝る」といった印象が強く、この4年間の世界のサッカーも、そんな風潮に流されてきた。これでその流れが変わるのか? だとしたらまた、「ガチガチに守るサッカーばかりで魅力がない、面白くない、スターがいない」と揶揄された、1990年のワールドカップ、イタリア大会や、1994年のアメリカ大会の頃の、暗黒時代(私の個人的感情)に逆戻りか? という想いも拭えない。でも、気をつけて欲しいのはこの2チーム、あの時代のサッカーほど、ガチガチで全く攻撃しない、個人技を封印するような風潮のチームとは違う。個々の個性や個人技もある、だけどまずは組織重視。その組織がまずあって、その中で十分に個人技が発揮されている、そんなチームだ。だから今回のことで、そんなに急激に個人技が否定される、あの暗黒時代に戻ることはないだろうと楽観視はしてる。

 ということで、決勝はイタリアvsフランス。プラティニ→カントナ→全盛期のジダンの時代を通じてずっとフランスは好きなチームだったので、やはりフランスを応援したいと思う。予想はイタリア勝利だけど・・・。

 3位決定戦は見ません。昔から3位決定戦って、「優勝を狙っていたチームの消化試合」に終わって、盛り上がらないのがパターンだから。しかも地元・ドイツが登場となると、地元で最後の意地を見せたいドイツの圧勝に終わる可能性が高いだろうし。

■2006/7/14 とうとう終わってしまって・・・

決勝
7月9日(日)27:00
イタリア 1-1 フランス(PK勝ち)

 忙しくってなかなか書けなかったので「何を今更」でしょうけど、決勝戦。まあ、どちらかというと「守りのチーム」だった両チームらしい試合展開。イタリアが後半に追いついて以降は、全く両チームとも得点の入りそうな予感はなくって、延長になってからも「どうせPK戦になるんだろう?」と思いながら見守った。で、あれから数日経って、いろいろと世間を騒がせているジダンの退場。生で見ていた時は、ただただ「馬鹿だなあ、大事な決勝戦、しかも自身の現役最後の試合を台無しにしやがったよ」という想い以外は芽生えなかった。と同時に、「これでイタリアに決まったな」と思った。この瞬間、勝敗は決まったといってもよいでしょう。そして予想通り、PK戦になってイタリア勝利。フランスを応援していたからというだけではなく、なんとなく後味の悪い幕切れだった。

 もちろん、イタリアの優勝は素晴らしいことだし、決して嫌いなチームでもないし、一時期ほど「ガチガチに守り過ぎて面白くないチーム」という印象もなかったので、イタリア自体には全然悪感情はないんだけど。試合終了の瞬間、お互いが健闘を称え合えるような、そんな雰囲気とは無縁だったのが残念だった。特にジダン、現役最後の試合なのだから、例え負けても爽やかにピッチを去っていく、そんなシーンを見たかった。せっかくの決勝戦なのに、後味が悪いのが何とも残念。その後、ジダンが頭突きを食らわせた相手が、ジダンに対して差別的な発言をしたとか、しないとか、いろいろ言われているけど、それが事実であろうとなかろうと、やはりジダンの行為自体は残念だし、せっかく盛り上がった大会に水を差すものだったのは事実。ついでに、イタリアのマテラッティの発言が事実なら、イタリアの優勝に水を差す行為ともいえるし、いずれにしても、残念な事件ではある。

 とはいえ、結局守備的なチーム同士の決勝、先に述べた通り、得点の入りそうな気配がほとんどなかったという印象は否めない。だけど、だからといって「面白くない試合」でもなかった。今回の大会の「総評」ということであちこちでいろんなことが語られてるけど、大半が「守備的、組織的なチームが勝ち残り、個人技重視のチームが敗退した大会」とか、「組織力や守備力が見直された大会」などといわれてる。でも、1990年代初頭、1990年のイタリア大会で旧西ドイツが優勝したのをきっかけに、世界中のサッカーが極端に守備的になって、「面白くない試合だらけ」「スター不在」などと揶揄された頃と比べれば、ずっと面白い試合が多かったし、スター選手の個性も光ってたし、決してあの時代に逆戻りしたとまでは思わない。確かに守備的なチーム、イタリアやフランスが勝ち残ったのは事実だけど、これらのチームにしたって、「まずは組織力と守備、それを踏まえた上で多彩な攻撃と個人技を生かしたチーム」だったと思う。だから決して「これでまた、守備的、組織的なサッカーが主流になって、面白い試合が減り、スター不在の時代が来る」とは私には思えない。今回の大会、「華麗で華やかで、攻撃的なサッカーが大好き」な私の目から見ても、1986年のメキシコ大会以降のワールドカップの中では、「面白かった」部類に入る。だから「面白くなくなる」なんて悲観的な見方は、私には出来ない。

 個人的には、期待していたオランダがあっさり敗退、1試合しか見れなかったこと、スペインに至っては1試合も見れなかったことが心残り。個人的にはこういう、攻撃的で華麗なチームは好きなんだけど、これらのチームって、負ける時はもろいのも特徴だから、やっぱり優勝まではできないんだよなあ。同じく期待してたポルトガルも、準決勝まで残ったとはいえ、準々決勝以降は攻撃力は影を潜めていたし。「面白いサッカーをやるチーム=強いチーム」という図式が成り立たないことを、改めて思い知らされた大会にもなった。でもやっぱり、個人的には華麗で攻撃的で派手なサッカーが好き。その気持ちには変わりはない。

 だから、贔屓のチームをあまり見れなかったり、負けてしまったりはあったけど、それなりに楽しませてもらったのも事実。その分、印象には残る大会になった。あとジダンをはじめ、フィーゴ(ポルトガル)、ベッカム(イングランド)、デルピエロ、トッティ(以上イタリア)、ロナウド(ブラジル)あたりは、今回がワールドカップでは見納めになりそうだし、そういう意味でも印象に残る大会になりそうだ。

 ということで、終わってしまった。また4年もまたなきゃいけないのか・・・。そう思うと寂しいけど、「4年に一回しか見れないから、楽しみだし、特別なんだ」と思えば、まあ4年待つのも悪くないかも。日本云々に関しては何も語らなかったけど、今大会は日本云々はいいでしょう。そんなこと抜きに、個人的には十分楽しい大会だった。


      
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