MY CD COLLECTIONの前書きにある通り、私は1997年から1998年にかけて多くの手持ちのCDを売却してしまいました。売った枚数は300枚以上。「聴いたけど気に入らなかった」アルバム、
「ほとんど聴かなかった」アルバムもあるけど、「もう少し聴き込みたかったけど、経済的な理由で泣く泣く手放した」アルバムというのも結構ありました。ということで、ここではそうした「手放してしまったアルバム」について述べていきたいと思います。
でもこの企画、すっかり定番になってきたなあ。
| COPPER BLUE / SUGAR |
| ソニック・ユース同様、オルタナ・シーンが本格的に活気づく前から「爆音ギターにメロディアスなサウンド」を売りにアメリカのアングラ・シーンで活躍していたのがハスカー・ドゥー。そのリーダー、ボブ・モウルドが92年に結成したのがシュガーで、
そのファースト・アルバムがこれ。「ミュージック・マガジン」周辺のライターが大絶賛、同時期に深夜ドラマ「青春もの」のテーマ曲としてザ・フー風のIf I Can't Change Your Mindが使われたりしていたので、それなりに気になるバンドだった。爆音ギターが炸裂するのにノスタルジックなほどにメロディアス。
「メロディアスもの」も、「ハードエッジもの」も大好きな私なので、気に入っていた。なぜ手放したのか、自分でも不可解。これはすぐにでも買い直したい。日本ではなぜか人気が低かったようで、それもまた不可解。(後日談):2004年4月に再購入済、レビューはこちら |
| SINGLES / R.E.M. |
| 80年代、アメリカのカレッジ・チャートから登場したバンド。90年代以降はグラミーの常連、チャート上位の常連になる彼らだけど、これはまだカレッジ・チャートを中心として、「カルト・ヒーロー」としてならしていた時代のシングル集。バーズ風のサウンドに、
ちょっと沈み込むようなメロディが絡む。アメリカのバンドなのに突き抜けてなくって、どこか暗いというか、インテリっぽいというか、そういう雰囲気が漂う。「大物」になって以降の彼らは若干突き抜けていくけど。嫌いではない、基本的には好きだった、はず、そのわりに繰り返し聴くことはなかった。
ただ、「もっと聴き込んでおきたかった」という想いは強く、これも買い直したいところ。 |
| THERE GOES THE NEIGHBORHOOD / THE JETSET |
| 70年代末のネオ・モッズ・シーンから登場したメンバーによって結成された「80年代のモンキーズ」。架空の「バンド・ストーリー」を作り上げ、「ジェットセット」という名前のアイドル・バンドに成りきり、そのコンセプトに乗っ取った作品を発表していた、「企画色」の強いバンドでもある。
モンキーズとの違いは、「彼ら自身がスターである」ということ自体もまたフィクションだということ。架空のテレビ・ショーのテーマ曲JetSet Themeなんて曲まで手がけていたし。とにかく楽しいし、60年代のアメリカン・ポップスとブリティッシュ・ビートの要素が入り交じったサウンドもまた私の趣味そのもの。売ってしまったのは
「こういうバンドなら、オリジナル・アルバムよりも編集盤の方が楽しめるだろう、じゃあ編集盤を買い直そう」と思ったから。結局、未だに編集盤は買ってないけど、いずれ買おうと思っている。 |
| CLAPTON YEARS / THE YARDBIRDS |
| ヤードバーズ初期音源集。ここに収められているのはTHE YARDBIRDS (1)の2章で述べているマイク・ヴァーノンのプロデュースによる初期レコーディングと、サニー・ボーイ・ウィリアムソンIIとの共演時のテイク。
もちろん大好きなバンド。だけど、あまりにも退屈だった。アーリー・レコーディングの方は、演奏は稚拙だし、パワーもない。サニー・ボーイ・ウィリアムソンIIとのセッションの方は、ヤードバーズはバックに徹していて、ウィリアムソン一色。
「ブルース音痴」の私にはよく分からなかった。ついでに、ジャケットがFIVE LIVEと全く同じってのは、ある意味詐欺みたいなもんじゃないのか? |
| BLUES COLLECTION / ERIC CLAPTON |
| クラプトンの初期テイク集。収録されているのはヤードバーズ、ブルースブレイカーズ、そして同時期のセッション音源など。しかし、ヤードバーズやブルースブレイカーズの曲は、それぞれのアルバムでだって聴ける。
セッション音源も「ジミー・ペイジとの共演」など、ライナーだけ見れば目を引かれるものはあるものの、はっきりいって退屈、「家で2人でギターをいじってみた」レベルで、マニア向け以外の何ものでもない。そういえば当時も今も同様の編集盤は乱立されているが、
中には「ベスト・オブ」などというタイトルのつけられた悪質なものもあった。こういうのを出すこと自体に疑問を感じる。 |
| BECK, BOGERT & APPICE |
| ジェフ・ベックが「最強のリズム隊」といわれるティム・ボガート&カーマイン・アピスと結成したトリオ・バンド唯一のスタジオ・アルバム。70年代リアル・タイム世代の日本のロック・ファンに高く評価されているバンドだけれど、
私には「ベックの道草」にしか思えなかった。サウンド的には第2期ベック・グループよりもパワーダウンしてるようにしか思えないし、どこかとっ散らかっていてどんな音楽をやりたかったのかはっきりしないし、ボーカル・パートの弱さは致命的だし。何より私はボガート&アピスのリズム隊は苦手だ。実はヴァニラ・ファッジも大の苦手だし。
英米では日本ほどこのバンドの評価は芳しくないらしいけど、私はあっちでの評価の方が当たってるように思われる。「テクニックの優れた音楽=素晴らしい音楽」という公式が必ずしも成り立つものではないことを再認識した。少なくとも私は、繰り返し聴きたい類のアルバムではない。 |
| BEST OF / CARPENTERS |
| 私がカーペンターズってのは意外かもしれないけど、好きな曲は多いし、カレンの声も好き。というわけで買ったのが、このドラマ・タイアップ便乗ベスト。私もそれに便乗して買った。もちろん大好きな曲は多い。Top Of The Worldとか、Superstarとか。
でも反面、根がロック・ファンの私、一方で「どうしても好きになれないタイプの曲」というのもまた結構あった。特にイージー・リスニング調の大袈裟な曲は駄目で。好きな曲半分、嫌いな曲半分といったところ。ビートルズ・カバーもあんまり・・・。なので「好きな曲」のみテープに録音した上で売却。でも、やっぱりCDで持ってたいなあ・・・。 |
| ANTHOLOGY / JOHN ENTWISTLE |
| ザ・フーのベーシストのソロ・ベスト。ザ・フーにあってはピートの陰に隠れがちな「第2のソングライター」だった彼、ビートルズでいえばジョージのように「作品を発表する機会がない」男だけに、ソロで一気に自作を吐き出しており、
ある意味、ザ・フーの4人のソロの中では一番充実しているとすら思われる。オールディーズ調あり、ザ・フーにも提供してるような「変態系」ありで面白い。好きな曲もある反面、アクが強すぎる分、好きになれない曲も多くて・・・。うーん、ザ・フーは大好きなのに、
4人のソロには肌の合わない私、ちょっと不思議ではある。 |
| BEST / JEFFERSON AIRPLANE |
| 60年代のサンフランシスコ、グレイトフル・デッドと並んでサイケ、ヒッピー・バンドの大物として君臨したバンドのベスト。男女ツイン・ボーカルを生かしたメンバー構成も、楽曲もよい。デッドと比較すると意外なほどポップだし。Someone To LoveとかWhite Rabbitにおけるグレース・スリックの存在感は凄いし、
Volunteersにおけるマーティ・ベイリンの濃いボーカルもよいし。だけど、そういう代表曲以外には、あんまり親しみは持てなかった。それと露骨なメッセージ色もちょっと。シスコ系の人たちにありがちな「ユートピア幻想」には全く共感できないし。
先に挙げた3曲だけ持っておけばいいかな、と思っていたところ、その3曲の入った編集盤を手に入れることができたので、こっちは売却。 |
| 有頂天 / サンハウス |
| 地元の英雄・鮎川誠がデビューを飾ったバンドのアルバム。このアルバムでは、初期ストーンズにも似た、ブルースをベースにしたブリティッシュ・ビート風のサウンドを貫いている。世間の評価は、シナロケよりも彼らの方が高い。でも、私はシナロケの方が好きかなあ。
というのも、ここではまだ初期ストーンズやヤードバーズの影響がストレートに出過ぎていて、後のようなきらびやかな楽曲はない。その分「鮎川ならでは」といえる個性も薄い。サンハウス時代にも、他のアルバムではもっときらびやかな曲をやってるようなので、今後はベストとか、編集盤を手に入れて聴き直したいと思っている。もちろん、このアルバムのサウンド自体も好きな音なんだけど。(後日談):2003年暮れに2枚組ベスト購入、今度は全く違って聞こえ、文句なく気に入る |
| ベスト / レッド・ウォーリアーズ |
| 80年代末、バンド・ブームの頃に登場したストーンズ風R&Rバンドのベスト。元レベッカのギタリスト木暮と、ボーカルのダイヤモンド☆ユカイが中心メンバー。リアル・タイムでは、ちょうど私が邦楽を遠ざけていた頃だったので、90年代半ば「一度ちゃんと聴いてみようかな」と思って購入した。
確かにストーンズ風のストレートなバッド・ボーイズ系R&R。好きなタイプの音。反面、時代のせいかちょっとハードロック寄りなところが気になって、結局売却。しかし一時期「レッド・ウォーリアーズ」と聞いて、プロレス界の名タッグ・チーム、ロード・ウォーリアーズのライバルかと勘違いしていた(笑) |
| スーパー・ベスト / ブルー・ハーツ |
| 80年代末のバンド・ブーム期に登場したパンク系バンドのベスト。もちろんリアル・タイムで知ってはいたけど、彼らが登場した頃の私はビートルズにはまって「邦楽離れ」をはじめた頃。よって、知ってはいたけど無視し続けていた。解散直前になって邦楽への興味が再燃、その時期に買った。
確かに多くの洋楽ファンが「バンド・ブームの中で唯一評価できるバンド」と絶賛していただけあってよい。パンク的破天荒なサウンドに、繊細で青臭い内面をむき出しにしたカッコ悪いほどに人間臭いロック。「洋楽の真似事」でもないし、バンド・ブーム期にありがちな「ブーム便乗」の胡散臭さもない。売ってしまったのはなぜだろう。
30代をむかえた私には、彼らのメッセージが純粋無垢すぎるが故に、「ちょっと気恥ずかしい」と思ってしまったせいだろうか。でも、リアルでちゃんと聴いていたかったバンド。今だって好き。 |
| BEST / JOURNEY |
| 80年代のアメリカを代表するバンドのベスト。デビュー当初は「ハード・プログレ」とも称されたそうだけど、80年代以降は、いわゆる「産業ロック」的な方向に向かって、商業的にも大成功を収めた。私は別にいわゆる「産業ロック」のすべてが嫌いではないし、
このバンドの曲にも好きな曲は多い。特に最近ではマライア・キャリーのカバーでも有名なOpen Armsをはじめとしたバラードは好き。だけどハード系の曲は、ヘビメタをより親しみやすくしたような曲が多く、こういうのは好きになれなかった。 |
| BEST / KENNY LOGGINS |
| 私にとっては「手放してしまったアルバムたち(1)」で触れたFOOTLOOSEのサントラや、TOPGUNのDanger Zoneなど「サントラの人」として馴染みのあったロッカーのベスト。だけど、もともとはカントリー・ロック・デュオ、ロギンス&メッシーナで活躍後、AOR寄りのソロ作を発表していた人。
つまり、ああしたサントラに提供していた作品は本来の作風でもなかった。マイケル・マクドナルドをちょっと骨太にしたような作品が中心、AOR的な音の苦手な私の肌にはあんまり合わなかった。 |
| HEADS HANDS & FEET |
| 60年代はクリス・ファーロウのバックバンド、サンダーバーズで活躍した名ギタリスト、アルバート・リー率いる70年代初頭のイギリスのバンドのファースト。カントリーやルーツ・ミュージックに根差したサウンドは、同時代のパブ・ロックの連中に共通するものがあるけど、
トラッド調の作品もあったりと、もう少しイギリスらしさが感じられる。だけど、通好みというか、そういう空気もあって、親しみは持ちづらいし、地味すぎるという感も否めず、結局繰り返し聴くこともなかった。「パブ・ロック勢よりイギリス色が濃い=ポップな要素が稀薄」ということになり、やはり私には無理か。 |
| ROLL 'EM, SMOKE 'EM PUT ANOTHER LINE OUT / PATTO |
| マイク・パトゥーが、後にラトルズでリンゴ役を務めるジョン・ハルシー、ポール役:エリック・アイドルの影武者を務めるオリー・ハルソールとともに結成した、70年代初頭のカルト・ブリティッシュ・バンド3枚目のアルバム。「手放してしまったアルバムたち(3)」で述べたファミリー同様、「究極のブリティッシュ・バンド」という評価の高いバンドだし、これは聴かねばと。しかし、メロディアスな曲は少なく、
意外と長尺で複雑な展開の曲もあったりと、掴み所がない上、とっつきにくさを感じた。どうも私は、70年代リアル・タイム世代の方や、70年代初頭のブリティッシュを好む方の絶賛する「カルト・バンド」を聴いた場合、同じ感想しか持てない傾向にある。結局、「どちらかというとブリティッシュな人」のはずの私だけど、
プログレやハード、トラッドに馴染みがないせいか、この時代のブリティッシュものには肌が合わないよう。 |
| ONCE IN A BLUE MOON / FRANKIE MILLER |
| 70年代初頭から半ばにかけて、ロッド・スチュワートやポール・ロジャースとともに、「イギリスを代表する名ロック・シンガー」とされたシンガーのファースト・ソロ・アルバム。サウンド的にはブルー・アイド・ソウル、ブリティッシュ・スワンプといった趣で、バックはニック・ロウ率いるパブ・ロック・バンド、ブレンズリー・シュワルツ。
確かに音自体は私の趣味に合ってる。だけど、彼の暑苦しいというか、太い低音は苦手な声。タイプは違うけど、クリス・ファーロウ、ジャッキー・ロマックス、スコット・ウォーカー、こういう低音の太い声はどうも肌に合わないけど、彼にも同じ印象を持った。 |
| LAST WALZS / O.S.T. |
| ザ・バンドのラスト・ライブのドキュメンタリー映画サントラ。ザ・バンドの演奏はもちろん、ゲストとして登場するディラン、クラプトン、ニール・ヤングら、超豪華メンバーの演奏も含む内容は実に贅沢だし、サントラ云々を抜きに、一大イベントのライブ盤としても十分に楽しめる。だけどこういうイベントの場合、音だけでも楽しめる反面、
映像があった方が数倍楽しめることは間違いない。よって、「ビデオを買おう」と思い、CDの方は売ってしまった次第。なのに未だにビデオを買ってない。ビデオを買うまではCDを売らない方がよかったかなと後悔している。 |
| SAFE AT HOME / THE INTERNATIONAL SUBMARINE BAND |
| カントリー・ロックの創始者、グラム・パーソンズが最初に結成したカントリー・ロック・バンド唯一のアルバム。まさに「元祖カントリー・ロック」。この時代に既にこんなにディープなカントリー・ロックをやっていたことには、素直に驚かされる。だけど、やはりまだ彼自身も「カントリーとロックの融合」の試行錯誤中だったんだろう、
バーズやフライング・ブリトーズに比べると「ロック」の要素が薄いし、なによりもカントリー・ロックに不可欠な「ブラック色」が薄すぎる。聴きようによってはピュアなカントリーととれなくもなく。つまり、歴史的な価値はあるけど、繰り返し聴きたいアルバムという感じでもなかった。 |
| KEEP ME COMIN' / JESSE ED DAVIS |
| ネイティヴ・アメリカンの血を引く名スワンプ・ギタリストのサード。彼のアルバムは3枚とも評判がよいし、ブルースよりもゴスペルの影響の濃い作風、繊細なスライドなど、人柄の感じられる出来には好感が持てる。ところが、ライナーがまずい。
「彼の最高傑作はセカンドのULULUであり・・・」。それならそれでもいいけど、よりによってサードを買った人に、こんなライナーを読ませちゃあいけないでしょう。まして聴く前にこれを読んでしまった私は、このアルバムへの興味が急速に薄れてしまい、思い入れを持てないままに聴き進めた。
当然繰り返し聴くでもなく、ULULUへの想いだけが先走り。ライナーのせいで思い入れを持てなかったという典型的な事例。筆者の趣旨は「これを聴いたら次はULULUを買え」ってことだったんだろうけど、もっと気を遣って欲しい。 |
今回は全体に「売って後悔」なものが中心かな。なお、本文中で一部のアーティストに対して辛辣な言葉を吐いていますが、これは私の「好き、嫌い」というレベルに過ぎず、音楽の質や善し悪しについて述べているものではないということはご了承下さい。私はいかなる音楽もけなすつもりはないですし、どれも一度は関心を持って聴こうとした、好きになろうとした音楽であるということは間違いないのですから。
また、間違ってもこれを「レビュー」としては活用しないで下さい(笑)。「☆TAKEは売ってしまったらしいけど、本当によくないのか?」と疑問に思ったら、御自身でお聴きになって、御自身の感覚で「好き、嫌い」を判断していただきたいなと思います。また、「これが分からないとはお前は鈍い奴だ」といった批判もご遠慮下さい。「これを聴けばきっと鈍い☆TAKEでも分かるよ」といったアドバイスは大歓迎ですけどね。 |